さそり怪獣 アンタレス

登録日:2018/11/01 Thu 16:40:00
更新日:2023/10/04 Wed 20:49:21
所要時間:約 4 分で読めます






エ゛ エ ー イ !!


さそり怪獣アンタレスとは、円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ『ウルトラマンレオ』に登場する怪獣。


身長:1.4~56m
体重:170kg~30,000t
出身地:宇宙
別名:さそり怪獣
人間態(演):川代家継


【概要】

第14話「必殺拳!嵐を呼ぶ少年」に登場。
「空手の名人」という肩書を備えた風変わりな宇宙怪獣。
一説ではサソリと宇宙怪獣の合成体で、どんな存在にも変身可能とされている。
地球上では少年の姿で行動し、赤い煙と共に怪獣と化して出没する。
風貌はサソリというよりハサミムシに近く、自身の身長よりも長い全長80mの尻尾と、四肢の先にそれぞれ備えた4つのはさみ、尻尾の先の巨大なはさみが目を引く。

冒頭からウルトラマンレオと戦ってレオを一度は敗退に追い込み、その後猛特訓の末に打倒に成功した、レオ劇中の中でもかなりの強豪怪獣である。
レオと同じ黄道十二星座の名は伊達ではないということか。他におうし座の怪獣ドギューとか、おとめ座の星を乗っ取ったガメロットとかもいるが*1


【戦闘能力】

怪獣とは思えないほどに多彩な能力を備えているのがアンタレス最大の特徴。
四肢の先に備えた鋭利なはさみは格闘戦のみならず、敵の四肢を拘束する際にも用いられる。
両目からは格闘戦時の目つぶしにも攻撃にも使える閃光のようなショック光線を放ち、おまけに赤い煙を煙幕代わりにして姿を晦ませる搦め手も備える。

アンタレス最大の武器である尻尾の先端部には、これまた鋭利な鋏が備わっているが、ここにはサソリらしくを含んでおり、更にここから火炎放射を繰り出して戦闘機すら撃墜可能。
尻尾の一振りは富士山の五合目から上を斬り飛ばせるふざけた威力を持つとされる。
戦闘においては四肢のはさみで相手を捕らえた後、ショック光線で怯ませてから、背中目掛けて放つ尻尾の一突きで確実に仕留めるコンボ技を得意とする。


上記の通り、変身能力によって普段は人間の少年に化けて行動できる知能の高さも兼ね備えており、
「空手の名人」らしく道場内の空手の有段者達をことごとくノックダウンさせ、おおとりゲンとも互角に渡り合う空手の技量をそのまま怪獣となっても生かす事が可能。
人間態の時でも尻尾の攻撃を放つ事ができるが、人間の動体視力では伸縮する尻尾の存在を知覚できないためか、人前で堂々使っても防がれるまでバレる事はなかった。
この隠し技でゲンの姿に戻ったレオの暗殺まで目論んでいる。
当然の如くスポーツマンシップは皆無。
空手による戦いで少しでも戦いが拮抗しようものなら、ウルトラマンとは関係のない一般人相手にも尻尾の奇襲攻撃という卑劣な手段で勝利を収めている。


ちなみに人間体では項目上記の奇声しか叫んでいないが、「ゲン以外との試合は応じない」と道場の人間に伝えていたと語られるなど、人間の言葉を理解し、話す事は充分できる模様。
これもあってか、書籍『ウルトラマン超ひみつ100』では、二面凶悪怪獣アシュランや『ウルトラマン80』のギマイラと並んで「知能の高い怪獣」に挙げられていた。


まとめると
  • 捕縛にも攻撃にも使える鋭利な無数のはさみ
  • 人間に戻ったウルトラマンの暗殺すら企てられる高度で狡猾な知能
  • 変身能力
  • 煙幕
  • 眼から放つショック光線
  • 火炎放射
  • 格闘技の技巧
  • 毒針
  • とんでもない破壊力を秘めた尻尾
と、「お前は超獣か何かか」と言いたくなるレベルの手数の数々。
ここまで能力が多彩だと怪獣というより宇宙人と呼ぶ方が正しい気がしないでもない。ギロ星獣とかもいることだし。
総じて下手な超獣や並のウルトラシリーズの宇宙人よりも手数が豊富である。


【ストーリーでの活躍】

物語開始から怪獣となってレオに挑戦し、鋏を用いた格闘攻撃で翻弄しつつ、必殺技の尻尾攻撃で一度はレオを敗退させる。
この時尻尾による攻撃を見破ったダンに妨害され必殺技は未遂に終わるも、それでもレオの肩に大きなダメージを与えた。
そして「レオが尻尾の攻撃への対抗策を身に着ける前に完全に止めを刺す」という考えから、少年の姿に化けて城南スポーツセンターに白昼堂々道場破りを決行し、ゲンを誘き出そうとするも失敗。
そのまま人間の姿で道場を抜け出し姿を晦ませた。
この時、挑発とばかりに道場に訪れたダンが眼から放つシグナルに答え、自身が怪獣である事を明かしている。

なお、ゲンの対アンタレス特訓の最中に怪獣となって出現したが、アンタレスの出現を知らされたMAC隊員のうち、特訓担当の隊員2名はそのまま道場に居残りさせられ、訓練を続行。
当然ゲンがウルトラマンである事も知らされず、この時のアンタレス迎撃に向かった隊員が8名殉死しMACは惨敗、当のアンタレスはほぼ無傷という結果に。
その後特訓に対する納得のいく説明もフォローも皆無だった事から、訓練に付き合わされた隊員からはダンとゲンへの猛烈な批判が起こった。

ダンが出撃を許さなかった理由としては

何故事情を話さないのかと言うんだろう?
言ってどうなる?「少年は怪獣だ」。そう言ってしまえば隊員たちは意地でも攻撃するだろう。
少年が正体を現した時、今のMACで歯が立つか?レオも両腕を殺された後、奴の尻尾の攻撃を食い止める技を身に着けていない!
レオがいる限り、怪獣はおちおち暴れられん。必ず少年の姿で戻ってくる。
…戻るんだ!

と説明されれば納得のいく理由であった。というか現状のMACの総戦力より強いのかこの怪獣。

その後、仲間の仇討ちのための出撃も許されず、特訓参加を強制された事で「隊長に依怙贔屓されている」と感じ、反発した隊員たちに一時見捨てられるも、独自特訓で偶然アンタレス攻略の糸口を見つけるゲン。
後日改めて再び少年の姿でスポーツセンターを訪れゲンを指名し対決するが、猛特訓の末に尻尾による必殺攻撃の対抗策を既に得ていたゲンに技を見切られ防がれたことで敗北。

スポーツセンターから逃走して正体を明かし、街を破壊しながら襲い掛かるも、もはや自身の必殺技の対抗策を編み出したレオの敵ではなく、
完全に尻尾攻撃を見切られ、逆に尻尾をカウンターのレオキックスライサーで切断されてしまい、動揺して激しく取り乱す。
その隙をレオに突かれて尻尾のハサミを投げ返された事で、自身の首を両断され敗北。
それでもその首を抱えて歩きレオに迫るという執念を見せ付けてレオを驚かせるが、最期には力尽きて首を地面に落とすと同時に爆散した。


【その他の登場作品】

内山まもるによる漫画版『ウルトラマンレオ』

『小学二年生』の連載第5話に登場。
こちらに登場するアンタレスはTVシリーズとはかなり設定が異なり、兄を倒したレオへの復讐を目論む孤高の存在という、映像作品とは真逆のキャラ付けがなされている。
また奇声オンリーだったTVシリーズと異なり、人間体のみならず怪獣の姿でもペラペラ喋る。内山ワールドではよくあること
その後、復讐すべき相手と思っていたレオが実はアンタレスの兄の友であった事、そして兄殺しの真犯人がマグマ星人という事実が明らかになった事で、レオと組んでマグマ星人と一線を交えた。
その中でレオを庇ってマグマ星人が繰り出したサーベルの一撃を受けるも、力を振り絞ってサーベルを叩き折り、レオに謝罪の言葉を残して死亡。
戦いが終わった後、アンタレスの亡骸はレオの手で宇宙空間に葬り去られたのだった。


ウルトラマンメビウス外伝 アーマードダークネス

上記の内山氏による漫画版に登場。
ジャッカル軍団に率いられ、スカイドンガブラ恐竜戦車らと共に光の国を襲ったが、
途中参戦したメロス(アンドロメロスではない)により、後ろにいたジャッカル兵共々レーザーショットで消し飛ばされた。


【余談】

特訓中、不和からギスギスした雰囲気となってしまったMACであったが、この原因は事情を説明できないとはいえ「ダン隊長の説明不足」という意見で劇中でも一致している。
実際、百子も「隊長さんがいけないのよ。これではおゝとりさんの立場がますます悪くなるだけだわ」とダンを非難し、猛も「なんでMACが道場破りと戦うために特訓するのか理解できない」と苦言を呈していた。
(とはいえ、罪もないゲンに「隊長に特別扱いされてるからって、いい気になるな!」などという暴言を吐くのはいただけないが)
なお、少年が怪獣であることが明らかになった際は隊員達もダンの真意を見抜いたのか、すぐに「おゝとり、すまん!」と謝っている。



追記・修正は空手の猛特訓に耐えてからお願いします。

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最終更新:2023年10月04日 20:49

*1 ちなみに、『帰ってきたウルトラマン』には蟹座の怪獣ザニカ、『ウルトラマンA』には水瓶座の怪獣アクエリウスが登場している。