レオキック

登録日:2023/01/04 Wed 17:46:41
更新日:2025/06/04 Wed 17:16:29
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エイヤアアアアアアアアアアアッ!!



レオキックとは、ウルトラマンレオ必殺技である。


【概要】

ウルトラシリーズでも珍しい、格闘技による決め技*1
空高くジャンプ(約1000m)し、片足に高熱のエネルギーを集中して赤熱化させた足で飛び蹴りを喰らわせる。
スーパー戦隊シリーズ』『メタルヒーローシリーズ』で有名な矢島信男氏が特技監督を務めた関係なのか、
この技に移る際に股くぐりで敵を見据えるビビッドアングル西部劇風のアングル・通称「矢島アングル」や、飛びあがる際に三回蹴りのカットを見せるのが印象的。
基本的に赤熱化するのは右足だが、たまに両足を光らせる時もある。
ウルトラマンメビウス』以降の客演では特撮技術の進歩により、光るというより燃える炎を纏わせている印象が多い。

これを喰らった相手の多くは火花を噴き出して倒れ込み、爆散する。
一応威力は加減出来るのか、組手でウルトラマンメビウスに喰らわせた際にはダウンさせる程度に抑えた。
元々宇宙拳法に務めていたレオ(おおとりゲン)がウルトラセブンモロボシ・ダン)の師事なしで体得していた技であり、一応第1話から使っていたが、敵にトドメを刺したのは第8話から。
後の『メビウス』において、CREW GUYSのクゼ・テッペイが「レオの身体能力(特にジャンプ力)を最大限に活かした技」と解説している。

多くの怪獣や宇宙人を倒した技……と思われがちだが、実際にトドメとなったのは8戦だけとウルトラシリーズ、特に昭和では随一の少なさ。
一応、レオの技の中では最も多くの敵を葬ってはいるのだが、いささか物足りない数である。
ただし、その多くの敵は現在でも知名度が高かったり、図鑑のスチールで取り上げられる機会の多い相手ばかりのため、印象は強い。
また、円盤生物は浮遊している者が多いためか効きが悪いようで、あまり使用していない。

その他、飛び蹴りというシンプルな技であるためか、レオに師事したウルトラマンも飛び蹴り系の必殺技を習得している場合が多い。

なお、『ウルトラマンレオ』放送当時の1974年は、ちょうどライバル番組の『仮面ライダー』シリーズが人気だった時期と重なるが、
ひょっとしたらライダーキックを意識して取り入れた技なのかもしれない。


【派生・応用技】

  • きりもみキック
レッドギラス・ブラックギラスの兄弟怪獣のスピン攻撃に対抗するため、第2話『大沈没!日本列島最後の日』で「スピンにはスピンだ!」とダンとの猛しごき特訓の末に編み出した技。
ギラススピンとは逆方向に回転しながら飛び蹴りを放ち、2匹の首を跳ね飛ばした

  • レオキックスライサー
アンタレスの尻尾攻撃を攻略するために編み出した技。
逆立ちしてキックする事で尻尾を切断した

  • アストラキック
ゲームウルトラマン Fighting Evolution 3』にてレオの弟・アストラに与えられた技。内容はレオキックと同じ。
後に『ウルトラファイトビクトリー』にて実写映像で初お披露目された。
ダブルレオキック(命名はウルトラマンゼロ)で超獣軍団を撃破。続けてスーパーグランドキング・スペクターにも使用するが、光線で押し返されてしまった。

  • メビウスピンキック
メビウスがレオキックを元に編み出した技。
光線技が効かないリフレクト星人に対抗するため、身体を鍛えていたメビウス(ヒビノ・ミライ)が、アイハラ・リュウが見せた摩擦での火おこしを見て思いついた技で、
一度普通の飛び蹴りを放ってそれを相手に防御させた後、そのままの姿勢で高速回転し、その摩擦熱によって威力と貫通力を向上させる。
レオほどの身体能力はまだ持たないメビウスが、それを補うべく考えたもので、目論見通り光線で傷一つ付かないリフレクト星人の防御を貫いた。
また、この時に発生した炎をそのまま身に纏う事で、シームレスにバーニングブレイブへタイプチェンジする事も可能。

  • バーニングメビウスピンキック
メビウスがバーニングブレイブ時に使用するメビウスピンキック。
通常のメビウスピンキックが「一度相手に防御させてから身体を高速回転させる」のに対し、こちらは最初からきりもみ回転しながら繰り出す他、
バーニングブレイブの必殺技「メビュームバースト」と同様の炎を身に纏って攻撃する点が異なる。
また、キックの威力で相手を蹴り飛ばすのではなく、高速回転によって敵をドリルの如く貫く必殺技であり、
レオのレオキックと同時に放ち、硬い装甲を持つリフレクト星人を(レオと2人で)貫いて撃破した。
ある意味メビウス版きりもみキック。

  • ウルトラゼロキック
レオの弟子にしてセブンの息子であるゼロが編み出した技。
原理はレオキックと同じだが、ゼロは専ら牽制に使用する事が多い。
師匠との同時攻撃「レオゼロキック」も存在する。

  • 獅子東方不敗拳
ゲーム『ロストヒーローズ2』にてゴッドガンダムと共に繰り出すクロスオーバー技。
2人で敵をタコ殴りにした後、レオキックと爆熱ゴッドフィンガーを同時に喰らわせる。
その後、爆風を背景に拳を合わせてポーズを決める。


【使用相手】

記念すべき初使用相手。
ギラス兄弟と共にウルトラセブンを痛めつける中、飛行ポーズからレオキックを繰り出した。
だが当たり方が中途半端だったためか、決め手にならずに逃げられてしまう。

  • ベキラ
背中が弱点であるベキラに対し、レオは背後に向かってジャンプ。
そこにあった山を踏み台にして再度ジャンプ。三角飛び蹴りの応用で見事背中にレオキックを浴びせて倒した。
初めてトドメを刺した記念回でもある。

  • ケットル星人
身軽な身体能力を持つ星人に対し、着地のわずかな隙を見事に先読みする形でレオキックを当てた。
純粋なレオキックの初の戦果。

  • ウルフ星人
背後にある太陽を使って目くらましをして隙を作り、レオキックを浴びせて倒した。

  • バットン
エネルギー光球で翼を焼き尽くして飛行能力を奪い、吸血鬼化した人々を戻すための血清を作るための血を抜き取った。
その後、両脚タイプのレオキックで葬ってみせた。

最初は苦戦していたが、アンドロイド少女カロリンの特攻で弱体化。
腕をもぎ取った後、レオキックで首を跳ね飛ばして倒した。

ジャイアントスイングで放り投げた後、助走からジャンプしてレオキックを使用し、トドメを刺した。
ヒット後にきりもみ回転して着地した。
総集編ビデオなどではこの戦闘が取り上げられる事が多い。

  • アクマニヤ星人
序盤に両脚タイプのレオキックを放ち、角をへし折る。
珍しく部位破壊のために使用している。

ババルウ星人の策略でウルトラ兄弟と戦った時に使用したが、かわされてしまう。レオキックをかわした非常に稀有な存在。
ウルトラ兄弟にもウルトラマンジャックウルトラマンタロウといった飛び蹴りを行うウルトラマンがいるので、エースとしては見切りやすかったのかもしれない。

アストラに化けて悪事を働いた宇宙人。
激しい戦いの末にレオは怒りのレオキックを胸に浴びせて倒した。
その際、カラータイマーに似た部位にヒットしたのか、猛烈な火花をまき散らして爆散している。

  • アブソーバ
円盤生物に対して初使用。
だが、後退して受け流されてしまった。その後、タイマーショットでトドメを刺している。

一度はレオをバラバラにした狡猾な相手。
ウルトラマンキングの手で復活した後、「力はない」とか言っておきながらそれなりに善戦したブニョに喰らわせ、頭部を跳ね飛ばして倒した。
その際、脳漿をまき散らすかのごとき緑色の爆発エフェクトがサブリミナル気味に挿入されている。

  • ウルトラマンメビウス
『メビウス』客演回より。
リフレクト星人に敗れたメビウスに活を入れ鍛えるべく挑んだ戦いで使用。
上述の通り、迎え撃ったメビウスを叩き落とすに留めた。

  • リフレクト星人
同じく『メビウス』客演回より。
レオは当初、特訓したメビウスにリフレクト星人との戦いを任せるつもりで戦況を見守っていたが、
メビウスピンキックで思わぬ手傷を負って逆上したリフレクト星人が、CREW GUYSが乗るガンフェニックスを人質(物質)にするという行動に出たのを見て急遽参戦。
CREW GUYSを救出すると、メビウスと2人でリフレクト星人に格闘技を繰り出して追い詰め、
最後はメビウスのバーニングメビウスピンキックと同時にレオキックを繰り出し、リフレクト星人の身体に2つの風穴を開けて撃破した。

  • テクターギア・ゼロ
映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』より。
K76星での修行中に使用。(恐らく)加減に加えてゼロが力をつけていた事もあって、足を掴まれ投げ飛ばされた。
このことと、直後のゼロの行動を見て、レオはゼロが一人前のウルトラマンへと成長したことを確信し修行を終える。

映画『ウルトラマンサーガ』未公開シーン、及びディレクターズカット版より。
諸事情で本来の相手であるタロウが未登場のため、レオがタイラントの相手を務めた。
レオキックはトドメを刺す時に使用。燃え盛る炎と共にタイラントの頭部に炸裂させて撃破した。
ゾフィー初代マン、セブン、ジャック、エースが倒せなかったタイラントを倒してしまうって……




追記・修正は蹴り技でトドメを刺してからお願いします。

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最終更新:2025年06月04日 17:16

*1 厳密に言えば過去作でも「徒手格闘でトドメ」という展開自体はそれなりにあったが、従来の光線技ポジションとして格闘系の技が多用されたのはレオが初。