ドライブイン

登録日:2020/01/28 (火) 10:30:39
更新日:2020/02/13 Thu 11:52:01
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ドライブインとは、自動車に乗車したままで乗り入れることのできる商業施設を指す。

概要

街道筋にある巨大な駐車場を備えた商業施設。基本的には飲食店としての機能を中心とした施設になる。

運輸業者に向けて料理の提供を自動販売機で行う無人タイプのドライブインも存在する。
これは無人ドライブインと呼ばれるが、「オートレストラン」と称されることも。

日本道路公団(現・NEXCO)によって高速道路沿いに作られた同様の施設は「サービスエリア」「パーキングエリア」と呼ばれた。
こちらに関しては、用途こそ同じだがドライブインとは違う施設として扱われる場合が多い
なにせバックにあるものが違うので、規模も内容も建っている場所も全く違う。

ドライブインの主な機能

  • 食堂
ドライブインの最大の目玉。近年は大衆食堂やB級グルメとしても注目される。
店舗によってメニューや価格は異なるのでこれといった特徴をまとめるのは難しいが、シンプルな食堂としてのメニューの場合が多いか。
ドライブイン全盛期は店舗による当たり外れが激しいとも言われたようだが、衰退で良くも悪くも低クオリティすぎる料理を作るドライブインは淘汰されている…はず。

  • お土産売り場
地元のお土産や直産品などの販売所。この手の売り場は近年は道の駅などに需要が移行した。

カップ麺、ハンバーガー、うどんなどの食品を販売している自販機。無人ドライブインでは主要な働き手。
2000年代になると修理サポートなどは途絶えてしまい、故障すれば完全終了待ったなしの崖っぷちの最中で稼働を続ける状態となった。
一応修理を請け負う会社も存在するが、数少ない同型機械の部品取りだったり、個人の技術によるものだったりするので先は暗い。
その一方でニチレイなどのホットスナックの自動販売機*1はまだまだ現役で、サポートもなされている。

  • ゲーム
スロットやアーケードゲームが置かれている店舗もある。
最新の機種が置かれていることはほぼ無く、殆どが今では見ないレトロゲームと化しているパターンが多い。
レトロゲーマーとしては魅力的な要素であり、稼働している様子を確認しにドライブインに向かう人もいる。
逆に、ドライブインとしての機能は縮小しつつゲームセンターとしての強みを伸ばす店舗も存在する。

  • ドライブインシアター
巨大な駐車場にスクリーンを配置して映像を流し、車に乗ったまま映画が鑑賞可能。音声はカーラジオのチャンネルを合わせて聞く。
映画館自体の勢力拡大や天候に左右される環境面での弱さから衰退し、日本国内では2010年で全滅
アメリカのドライブインシアターも大きく衰退しているが、そちらは全滅までには至っていない模様。

日本のドライブインの歴史

世界的には1921年にアメリカのテキサス州ダラスに開業した「ピッグ・スタンド」からドライブインは始まった。

登場と全盛期

日本では高度経済成長期にモータリゼーションが発生し、それに伴ってドライブインが姿を現す。

大きな国道や観光地へ続く道路に設置されており、休日の家族連れや観光客などを対象に稼ぎ始めた。
1970年代は貨物トラックの普及でトラック輸送が全盛期を迎えており、トラック運転手が休憩する場所としても高い需要が生まれた。
ほとんどが食事を提供するのみであったが、中には仮眠できる部屋やシャワーを設置する所、トラック運転手のために交通情報を提供する所もあった。

日本の車文化の発展に応じる形で、ドライブインは全国各地で発展を続けたのだ。

衰退

昭和の時代を支えてきたドライブインは1990年代以降から衰退の道へ突入。

平成の時代に高速道路の整備が完了すると、長距離移動が基本のトラック運転手は国道からそちらに移行する。
ドライブインのある道の通行量は減り、さらに国道の多車線化やバイパス化により中央分離帯が設置された事で片側一方向の車を狙った集客を強いられた。
手軽なコンビニエンスストアや道の駅の勢力拡大も起こり、それらとの激しい競争を強いられる事態にもなった。
さらに駐車場を完備するファミリーレストランや大型ショッピングモールの出現により、ドライブインの家族連れに関する需要も激減する。

ドライブインは個人経営故に当たり外れが少なからずあるという欠点を持ち、良くも悪くも質が大きくぶれないライバル達に不利な面があった。
中にはドライブインからコンビニに転業するという手法を行う店舗も存在した。

戦後の時代を支えたドライブインは、時代の変化によって数多くが美しいとは言えない末路を辿った。
無人ドライブインに至っては実質的な滅亡に追い込まれた。
相当経営者が有能な店舗、過剰な投資を行わずに地元対象に細々と経営しているような店舗、このようなドライブインが何とか生き残ったとされる。

続々と廃業や夜逃げをしていくドライブインだったが、それらには店を丁寧に畳む力も新たなテナントが見込める将来性もなかった。
地方の国道にはドライブインの廃墟が目立つようになり、昭和文化や地方の衰退を描くと同時に一種の風景と化すのだった…。

現在

衰退していったドライブインだが、完全に消滅したわけでもないので現在も細々と続いている。新規出店も起こる場合がある。
Wikipedia曰く群馬県には残っている場所が多く、新規出店もここに見られるらしい……っつーか群馬県異様に店舗多すぎ。
(ドライブイン/自販機食愛好家等のサイトで、群馬県に異様にドライブインやオートレストランが多いのが確認できる。)

平成初期の衰退期を生き残った老舗ドライブインは力がある店舗の証拠でもあり、何かしらの見所がある場合は少なくない。
飲食店としての強みを持っている場合も多く、チェーン店などでは食べれないような独自の看板料理を抱えている例も見られる。
一方で店主の高齢化が目立つようになり、売上的には問題なくとも体力や後継者の問題で閉店を迎える事も。

減少を続ける故にインターネットやテレビ番組等で取り上げられ、コアなファンの需要が見込めるようにもなった。
一部のコアな層やフリーライターにより、ドライブイン文化の保存や新たな復興を目指す動きもある。

廃墟と化したドライブインは廃墟マニアや心霊ファンに注目され、ネット上でレビューが行われるようになる。
「ドライブインに心霊的な要素あるか?」と思えなくもないが、夜逃げなどをしたドライブインも少なくないので、多少は怨霊的な雰囲気は感じるかもしれない。
しかし、廃墟特有の不良や一部の常識がない廃墟マニアの影響で、荒廃化が加速したドライブインも存在する。
例えば「ドライブイン丸豊」は廃墟として有名になりすぎて荒廃化が進んだため、やがて完全封鎖の措置が取られた。


創作物での扱い

アメリカを舞台とするロードムービーではドライブインが描かれる場合がある。
「片田舎にぽつんと存在する巨大な駐車場を抱える飲食店」がそれ。
ミッキーマウスとロードレーサーズ』40話では廃業寸前のドライブインシアターが登場。グーフィーやミニーの姪がそれを知った事でミッキー達が再建のため奮闘することになる。

日本のドライブインに関しては、『ドライブインまほろば』や『ドライブイン蒲生』などのドライブインを舞台にした創作が存在する。
ゾンビランドサガ』では、佐賀県伊万里市の「ドライブイン鳥」がピックアップされた。
ドライブイン鳥はこの影響でアニメオタクによる聖地巡礼の地になっている。
と言ってもゾンビランドサガで取り上げられる以前から有名だったのだが。

他には映画『ズタボロ』、『TOKYO TRIBE』のロケ地として、また『ガールズ&パンツァー劇場版』の背景として埼玉県行田市の「オートレストラン 鉄剣タロー」が登場している。






追記・修正はドライブインで食事をしてからお願いします。

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