弱虫ペダル

登録日:2010/07/24 Sat 12:30:16
更新日:2025/10/24 Fri 13:25:23
所要時間:約 8 分で読めます





【概要】

週刊少年チャンピオンで連載中の渡辺航による漫画。既刊93巻。
「このマンガがすごい!」09&10年にも入っている。
表紙を任されることも多くなってきており、あのバキに次ぐ看板漫画となるのも近い。

ロードレースという自転車競技が題材のスポーツ漫画。用語やルールの解説は少なく分かりやすいので置いてかれる事は無いと思われる。
またスポーツものにしては珍しく登場人物や学校数が少なめ。その分一人一人掘り下げてあり主人公勢以外を応援したくなったりならなかったり。
ゴール手前100mまで来ても回想やら歓声やらでやたらと時間がかかり、2~3話費やすこともザラ。

絵柄は綺麗で丁寧で上手い!…というタイプでは無い。
だが勢いのあるタッチや決め所での描き込み、何よりも窮地に陥った時や盛り上がる部分の激しい上げ下げっぷりが熱くひき込ませてくれる。
絵柄やジャンルで読む作品を選ぶタイプでないのならば一度読んでみて欲しい。まずは4巻までいってみよう!

2012年には舞台化。
2013年10月よりアニメ化し、2014年10月からは2期が放送されている。
2016年~2017年にはテレビドラマ化、2020年には実写映画化も果たした。
2017年に3期、2018年に4期が放送され、2022年に放送局をNHK総合に移して5期が放送予定。

ヤンキーものばかりという印象の強いチャンピオン漫画の中では、女性読者の数が非常に多い。
アニメがFree!(水泳もの)の終了直後に放送されたため、Free!の視聴者が一気に流れてくる現象は「トライアスロン」と呼ばれた。

【ストーリー】

千葉県立総北高校1年の小野田坂道は毎週秋葉原に行くオタクである。
その情熱はガチャポン代のために電車賃を節約する程で秋葉原への道程役45kmをママチャリで向かう…という生活を小学校の頃より日常の一部として続けていた。
それ故に気付かなかったのだ。普通なら諦めて自転車を下りる様な坂道も登ってしまう脚力が培われていた事を───。
今日も鼻歌を歌いながら激坂を登る。その姿をロードレーサーを目指す今泉俊輔が目撃した事によって彼の自転車への道が始まった。

【登場人物】

[総北高校/1年]

主人公。好きなアニメ「ラブ☆ヒメ」の主題歌「恋のヒメヒメぺったんこ」をよく口ずさむ。
タイプは圧倒的なケイデンス(ペダルを漕ぐ回転数)で稼ぐクライマー(坂道が得意)。坂道を登る時に笑顔になる癖がある。
真っ直ぐな性格故に思い詰め易くプレッシャーに弱い。しかし逆境になればなる程力を発揮するタイプでもある。
自転車中心の生活になった今でも深夜アニメの録画、試聴は続けてるようだ。
アニメ版で今泉、田所、鳴子、金城と「ラブ☆ヒメ」の主題歌を歌うようになっており、非常に楽しそうにしている。

小野田を自転車の世界に連れて来たキッカケで中学時代から有名なオールラウンダー(万能型)。手嶋によれば12回も表彰台に上がっている模様。
御堂筋に大敗して以降不安要素は徹底的に排除する、どんなコースでも勝つと冷静で完璧な走りを求める様になった。が本来は熱い走りをするタイプ。
メンタルのムラが激しい上に誰に対しても強気で自分本位な行動を取りがちのため、総北メンバーの中でもトップクラスで人付き合いが下手*1
そのせいか御堂筋には散々煽られており、1年目のIHでは一触即発の雰囲気だった。
二枚目ポジションの筈だが私服がウサギ、パンダと動物柄な事が多く読者からはセンス無いんじゃないかと言われている。
アニメ版では小野田の影響で「ラブ☆ヒメ」の主題歌を思わず口ずさんだり、アニメを視聴してみたりと徐々に毒されている。

今泉がキッカケならばこちらは背中を押した役。小野田の高校生活初の友達と言っても差し支え無い。
大阪から引越して来たスプリンター(平坦な直線が得意)。故に登りは本人いわく「ちょっと苦手」。
派手好きで髪も自転車も真っ赤。スプリンターなのも早い奴は目立ってカッコイイからという理由から。
しかしただ勝って目立てば良いとは思っておらず、小野田が危機に陥った時は勝負を置いて助けようとする等友達思い。
本気を出すとロケットマンになる。

  • 杉本照文(CV.宮田幸季)
小野田たちと同じ1年生。ロードには中学時代から乗っており、「僕は経験者だからね」が口癖。
初期は経験者であることをがハナにつく嫌味なタイプだったが、IH後は自分もIHに出ることを目標に努力するようになる。

[総北高校/3年]

部長。高校生に見えないのはスポーツ漫画の伝統。「石道の蛇」の異名を持ち、絶対にあきらめない不屈の闘志を持つ。
部活時はサングラス、学校では眼鏡をかけている眼鏡っ子。強面で厳格な印象を与えるが、実は本作でも1、2を争うほどの人格者。
タイプはオールラウンダー。かなりの力を秘めており今泉は手も足も出ない。昨年のインターハイにも出場しているが、ある出来事がキッカケでリタイアしている。
主人公勢で唯一プライベートな部分の描写が無い。益々謎な人。アニメのCパートでは裁縫をしていたり、「ラブ☆ヒメ」の歌をノリノリで歌ってるシーンならある。
卒業後は静岡の洋南大学へ進学。

  • 田所迅(CV.伊藤健太郎)
巨漢のスプリンターで、「暴走の肉弾頭」の異名を持つ。その表面積と肺活量を武器に直線を突っ走る姿は「肉弾列車」と呼ばれ総北のちょっとした名物。
非常に後輩の面倒見が良く様々な助言を与えている。別人の様な顔でカッコイイ事も言う。
でも人の家の冷蔵庫勝手に開けてハム丸ごと食べちゃう。
1年生レースでは最下位で部を辞めようとした時期もあったが、当時の主将(寒咲通司)に励まされ、一流のスプリンターになった過去がある。
18歳なのに、鳴子には「オッサン」呼ばわりされている。
原作のインターハイ二日目にて小野田と登った際に「ラブ☆ヒメ」を恥ずかしそうに熱唱していたが、アニメではほとんど覚えてしかもハマったようで風呂場で小野田と熱唱していた。
卒業後は茨城の筑士波大学へ進学。

タマムシのような髪色と長髪に細長い手足が特徴の先輩。語尾に「ショ」とつける癖がある。箱根学園のエースクライマー・東堂尽八とはライバル同士で、彼からは「巻ちゃん」と呼ばれている。
長い手足で異常に車体を傾けながら登るクライマー。その姿勢から「ピークスパイダー(頂上の蜘蛛男)」の異名を持つ。
皮肉屋で斜に構えた印象を持たせる。小野田の事もリタイアするだろうと否定的だった。あとかなりの潔癖症。
だが内心では同じクライマー求めており彼からその素質を見出だした時は誰よりも喜んでいた。
小野田にとって誰よりも尊敬できる先輩で、彼が引退したときは一時スランプに陥ったほど。
最初髪の長さは肩辺りまでだったが自分のスタイルを披露した瞬間にブワッと進化したッショ。
IH後はイギリスで働いている兄の仕事を手伝うため(イギリスの大学は9月からというのもある)、いち早く部を辞めて渡英した。

[総北高校/2年]

2年生。パーマをかけたようなチリチリヘアーが特徴。初期はマジのチリチリだったが、連載が進むにつれてウェーブがかった髪形になった。アニメでは初期と今で顔つきが結構違って見える。
決して身体能力があるとは言えず負けばかりの凡人。どうすれば良いかと悩んでいる時に青八木と組み持ち前の頭脳で青八木を導くスタイル確立した。
結局表彰台には上がれてないため青八木は申し訳無いと思っているが彼自身は「2人で取った勝利だ」と気にしていない。
しかし、2年目以降は凡人なりに努力した成果か、追い込まれても異様に食い下がるようになっていった。

2年生。非常に無口。鬼太郎のような片目が隠れたヘアースタイルをしている。
手嶋とは逆でここ一番での力はあるがペース配分を考える事が出来ずに負けており、1年生レースでは最下位だった。しかし、手嶋と組んでからは何度も表彰台に上がる様になる。
今のスタイルを作り上げるために協力してくれた田所に多大な恩を感じており、彼と共にインターハイに出る事を目標としている。もうお前らインターハイ行けよ…!
2年目編では体を膨らませることができるようになり、「酸素音速肉弾丸」という必殺技を編み出した。
また、口数こそ少ないものの2年生のときと比べて大分喋るようになった。

2年生。眼鏡をかけた優しそうな先輩で、部内ではメカニックを務めていた。
が、実は1年生の頃にIHに出場しており、そこで大怪我を負って1年半の休養を余儀なくされた。実力は2年の中では頭抜けており、「轟音の古賀」と呼ばれていた*2
アニメ1期では本来古賀の出番のところを手嶋に代替わりされ、出番も全くと言っていいほど無かったため、存在を抹消されたと思われていたが、無事3期から登場。

[総北高校/その他]

自転車部がお世話になっている自転車屋の娘でマネージャー。自転車オタクで小野田のママチャリを勝手に改造する。
スタイル抜群でアニメの一枚絵ではサービスショットが多かった。
小野田を気にかけていたり今泉と知り合いだったりとフラグ要素はあるのだが…スポーツものの女の子だからなぁ。

幹の兄で、総北高校自転車競技部のOB。いつも口に爪楊枝を咥えている。金城たちが1年生の頃の主将だった。
人当たりが良い人物で、機材の持ち込みや自転車のレンタルなど自転車競技部をサポートする。
回想では田所が成果を出せず苦しんでいたときに、「ハートでは誰にも負けるな」とアドバイスした。

幹の友人。自転車部ではなくテニス部に所属している。幹と比べると見劣りするスタイル…だったが、徐々に盛られるようになっていき、最終的にほぼ同じくらいの胸の大きさになった
当初はオタクな小野田を見下していたが、IHで優勝してからは彼を見直すようになり、2度目のIH優勝では感極まって抱きついたほど。
アニメでは出番がやや増えており、1年目のIHにも応援に駆け付けている。


[箱根学園]

3年。昨年優勝した箱根学園の現リーダーでオールラウンダー。「俺は強い」が口癖。
悪人ではないが口下手で厳格な態度から誤解されがち。また、内に秘めた情熱はかなり熱い。
昨年のインターハイで金城と戦っている。ほぼ互角の勝負を繰り広げていたが気持ちの差で…そしてその結末は…。
本来は正面から戦うタイプ。「最強の布陣で挑むのが最大の謝罪と礼儀」として総北に立ちはだかる。

2年。坊主頭で人を突き刺せそうな睫毛がチャームポイントのスプリンター。鳴子からの仇名は「マツゲ君」。
インターハイのために他の試合を捨ててまで身体を仕上げてきておりジャージの中は超ムキムキ。しかし自転車以外の運動は苦手。
その傾倒っぷりは凄まじく自らの筋肉に名前と性格を付けるという擬人化スキルを習得した。
アブ!アブ!!アブゥゥゥ!!!
2年目編では新生箱根学園の主将となり、王座奪還を狙う。同時に髪の毛も生やした。

  • アンディ
泉田の右大胸筋。攻撃的で排他的。イイ仕事をしてくれる。

  • フランク
泉田の左大胸筋。慎重かつ大胆。泉田に危機を知らせてくれる良い子。

3年。音も無く加速するクライマーで、「山神」の異名を持つ。実家は温泉旅館。作者によれば箱根学園の副主将とのこと。
その静かさから「スリーピングビューティ(眠れる美形)」と言…ってるのは自分だけで実際は「森の忍者」と呼ばれてるらしい。やだカッコワルイ!
巻島とは様々な試合で遭遇しているライバルでインターハイで決着をつけるのを楽しみにしている。
ナルシストな賑やかしキャラポジションと思いきや、相手の挑発に乗らないメンタルの強さと、非礼をすぐに詫びる素直さ、後輩を指導できる面倒見の良さがあるなど、良くできた人物。

3年。ガラが悪いが、根は割と真面目と一昔前のヤンキーっぽい人物。「運び屋」の異名を持ち、今の主将である福富とは全てのレースで優勝している。
観客の応援を煩い!黙れ!と内心思ってる他人を信用しない捻くれ者。しかし福ちゃんこと福富だけは認めている。
逆境の方が燃えるタイプ。ガードレールスレスレを曲がる等過激な走り方をする。
IH3日目では小野田の走りを見て、彼を気に入る。

1年でレギュラーを取ったクライマー。マイペースな遅刻魔で小野田と同じく坂道で笑う癖がある。
小野田と知り合い一緒に坂道を走った。その際に自分のボトルを貸しており「インターハイで返しに来て」と約束。
これが初心者小野田がインターハイを目指す理由となった。
2年目編ではその才能を更に開花させていき、「天空の羽根王子(スカイプリンス)」というあだ名が付けられた。

  • 黒田雪成(CV.野島健児)
箱根学園の2年生(後に3年生)のクライマー。白髪のストレートヘアーと猫のような鋭い目つきが特徴。髪色はアニメでは当初茶髪だったが、後に原作準拠の白髪になった。
猫のようにしなる足「猫足」が武器で、その実力は他校のエースクラスも一目置いているほど。
IHでは真波と出場枠をかけて争うが敗北し、その年のIHへは出られなかった。2年目編ではエースアシストとして活躍し、葦木場や真波を運んだ。
因みに声を務める野島健児氏は京都伏見・石垣役のCVである野島裕史氏の弟である。

箱根学園の2年生(後に3年生)のクライマー。2mを超える長身と長い手足、ハート型のほくろが特徴。総北の手嶋とは中学校が同じで一緒に自転車をやっていた。
普段は天然でズレた言動が多いが、3年になってからは後輩にも凛とした態度で接するようになった。
今まで部に出ていなかったのは1年の頃に思うような走りができず、リセットするためにレースを逆走するというマジキチ行為に及んだからで、無期限の部活動禁止処分を受けたため。
謹慎が解かれた後は箱根学園の次期エースとしてIHに出場する。
余談だが、CVの宮野氏は劇場版オリジナルキャラクターの声を担当している。

箱根学園の1年生(後に2年生)のスプリンターで、真波と同い年。田所を彷彿とさせるゴツイ体格が特徴で、ロン毛。
性格は豪快で乱暴、傲岸不遜で、自分が正しいと常に疑わない人物。それが原因で暴力沙汰を起こして何度も退部させられては再入部を繰り返しており、「ハコガク史上最も部を辞めた男」と言われている*3
上述の問題行動のせいで燻っていたが、新主将である泉田のアドバイスで劇的な成長を遂げ、怪童・銅橋と呼ばれるほどのスプリンターになった。
荒北と同じく粗暴だが根は真面目で、言われたことはきちんと取り組み、自分が尊敬する人物にはきちんと敬意を払っている。


[京都伏見高校]

その実力から1年でリーダーとなり2年3年を支配している。今泉の宿敵。
実力の無い者達を「ザク」と呼ぶ。恐らくザコ、量産型=何処にでも大量にいる連中という意味。ガノタかもしれない。が語り合いたくは無い。
不安の種+にいたような気がしたがそんなことはない。ところでお前の後ろにいるの、だれ?

  • 石垣光太郎(CV.野島裕史)
京都伏見の3年生で主将、御堂筋入部前はエースだった。
御堂筋とは対照的に温厚で良識のある人物。御堂筋の行動を快く思ってはいないが、同時に部が強くなったことへのジレンマを抱えている。
IHでは御堂筋のアシストに徹し、3日目では御堂筋を「純粋」と称するなど彼の理解者となった。
因みに、声を務める野島裕史氏は黒田役を務める野島健児氏の兄で、自身も趣味で自転車に乗っている。

翌年に京都伏見に入部した新1年生。青いオカッパヘアーと中性的な容姿が特徴。
一見、物腰の柔らかい温厚な印象を与えるが、その実態はとてつもない筋肉フェチ。見た目だけの筋肉ではなく、坂道のような華奢な体格の筋肉も「良い」と気に入っている。
レースでもレーパンの中に深く手を突っ込むというエクストリーム痴漢ぶりを見せつけ、本作随一のマッスルキャラである泉田との初邂逅はジャージの下の大胸筋を直に触るというもの。
しかしその実力は本物で滅多に人を褒めない御堂筋も「強い」と評しており、エーススプリンターである泉田と終始互角に渡り合えるほど。


他にも伏見の選手はいるがまだ目立った出番が無いため以下省略。今後の活躍が恐くも楽しみ。



アンディ…フランク…すまなかったよ
キミたちは最高の追記修正をしてくれたのに…
今は束の間ゆっくり休んでくれ…

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最終更新:2025年10月24日 13:25

*1 この辺りは気弱で他人優先で考える小野田と極めて対照的

*2 中学時代の仇名は「体力バカ」だったが、金城はその仇名を「愚直で一本筋」と褒めていた

*3 一応擁護すると周囲の意地の悪い人間たちによるイジメや煽りが原因である