御堂筋翔

登録日:2023/07/01 Sat 00:51:01
更新日:2025/03/20 Thu 21:26:08
所要時間:約 7 分で読めます





誰よりも、誰よりも、誰よりも先へ

欲しいもんのためには全てを捨てる、勝利やあああああああ!!


御堂筋(あきら)」とは、漫画・アニメ『弱虫ペダル』の登場人物。
CV遊佐浩二ゆきのさつき(幼少期)/演:村田充、林野健治、守屋光治、新井將


出身:京都府
誕生日:1月31日
身長:185cm
脚質:オールラウンダー
愛車:DE ROSA
好きな食べ物:うなぎ、豆腐
好きな音楽:洋楽、ブリティッシュ音楽、童謡



【概要】

主人公・小野田坂道が所属する仲間とのチームワークを大切にする総北高校や、全員がエースを兼ねる常勝校の箱根学園が真っ向勝負の王道スタイルなのに対し、挑発、他者を利用した戦術など、様々な策謀を絡めてレースを戦うライバルキャラクター。

その奇怪なビジュアル、驚異的な実力でロードレースインターハイを引っ掻き回す存在
総北と箱学がほぼ全員インターハイ最上位クラスの実力者集団であるのに対し、御堂筋が所属する京都伏見は彼以外(両校のレギュラーメンバーと比較して)凡人揃いの中、質で劣るチームを率いて狡猾に戦う姿で『弱虫ペダル』のストーリーに幅を持たせている。



【人物】

京都伏見高校自転車競技部に所属する男子生徒。
坂道や真波と同い年の高校1年生→2年生。
一人称は「僕」で*1、地元の京都弁を喋る。

容姿は黒目が異様に大きい丸い目と細長い手足、三日月のように開いた口に長い舌。
髪型はショート、坊主、モヒカンなど、時々で変わっている。
歯を合わせたら金属音、体を動かしただけで粘り気のある音が鳴る
巨大化、脱皮、虫のような翅が生えるなど、シリアスな笑いの多さは作中一。
あまりにもイメージ上で人外描写が多いので、読者には進撃の巨人とも比喩される。
アニメでは京都府出身の遊佐浩二による怪演で、自然な京都弁と不気味な怪物ぶりに磨きがかかった。



【性格】

他人を馬鹿にした発言が目立つ傲慢な人物。
スポーツマンシップとは全く縁がなく、口癖である「キモォ」を始め作中でありとあらゆる嘲笑、挑発、侮辱といった煽りを行なっている。
ラフプレイも躊躇ないがポジション争いや競合いの段階で止め、(一応は)純粋なロードレースによる勝利を好む。
総北の今泉とは中学時代のレース中に彼の母親が事故に遭ったと嘘を吹き込んで気力を削ぎ勝利した事で忌み嫌われ、御堂筋の側はその程度で動揺してしまう弱者として「弱泉くん」と馬鹿にしている。今泉とはそれ以来浅からぬ因縁があり、IHでは必ず対決する。
一方で本人には口が裂けても言わないものの、坂道、鳴子、真波、新開など、自身が苦戦する実力を持った強者は悪態とは裏腹に内心高く評価している。

部長の石垣を中心に和気藹々としていた京都伏見を圧倒的な実力で支配し、自身を絶対的頂点とする軍隊のようなチームを作り上げた。
部員を量産型モビルスーツ「ザクII」に擬えて「ザク」、または名字に「くん」付けで呼び、自分の事を先輩も含めて「御堂筋くん」と呼ばせている。
表向きは部員を信用している態度を取りつつも、自分の命令をこなす兵隊としか見ておらず、最終日以外でも力尽きるペースで走らせ切り離す事も平然と行う。
もっともロードレースが個人だけでは勝てないチームスポーツである事を軽んじているわけではなく、敵に数の有利を語り、まだ役割がある石垣を落車から救助するといった姿勢も見せる。
筋肉への渇望をひた隠しにしていた岸神の内面を解放させ、高い潜在能力を認めて「我慢のできん男」と指示を守る範囲であれば他の部員より自由を許している。

その実態は過剰なまでの勝利至上主義者
過去の経験から他の全てを捨ててでも勝利を手にするという考えに取り憑かれている。
傲慢な発言の裏には相応の努力に裏打ちされた実力と、対戦相手や地形を調べ上げ利用する戦略を兼ね、各校のエース複数人の仕事と参謀を担当し、弱音を吐かず全てをこなしている。
人間としては歪みきっている御堂筋だが勝利への姿勢は一貫し、時に率直ながら真実を見抜いた哲学を併せ持つ。
他人を省みない下衆な性格のため他チームどころか京都伏見の部員にすら嫌われているが、坂道、福富など愚直なまでの勝利への姿勢を評価する者もいる。
部長の石垣にはインターハイを通し、その在り方を御堂筋が理想とする「純粋」と理解された。

部員への「ザク」という口癖や「自分は真紅の隊長機ではなく、真紅は真紅でも人型兵器2号機だ」発言からもわかるようにアニメ好きらしく、夜間に坂道と勝負した際には負けた時の交換条件としてアニメの話をする約束を交わしている。彼がアニメを見ている光景はイマイチ想像し難いが、メジャーなロボットアニメは視聴済みらしい。


+ しかし、そんな彼にも異常とも言えるほど勝利に執着するのにはある理由が…
小学生の頃に重い病気を患っていた母親を亡くしている。
昔は自分の気持ちを口にするのは苦手だが、将来大きな大会で後ろに乗せてゴールする約束を交わすような母親思いの優しい少年で、新しく始めた競技用の自転車で病院へ通っていた。
大切な母親が亡くなり心に穴が空いてしまうも、最後に残した言葉を胸に愚直なまでに勝利を追い求めるようになった。
亡くなった後も母親は掛け替えのない存在で、回想では御堂筋が別人のような優しい口調で語りを務め、普段の合理主義な姿勢に反して褒めて貰った当時の自転車を高校生になっても軽量化と称してステムとシートポストを通常の倍以上長くして乗り続けており、劇場版では熊本レースに参加せず墓参りしている場面が描かれている。



何があっても前に進むんやで



【能力】

普段はテーピングで自分の力を抑え、全力を出すと地面に着きそうな勢いで頭を突き出した異様な前屈姿勢によるダンシングが特徴。
個人の実力としては非常に高く描写されており、年季の違うオールラウンダーである金城や福富と互角、スプリンターの新開に平坦で勝利、クライマーの坂道や真波とヒルクライムで同着と、オールラウンダーでありながら専門分野の選手と互角以上に渡り合うほど。総合的な実力で言えば作中でもトップクラスと思われる。
真波の代名詞である風に合わせて加速する技も持ち前のセンスで容易く模倣した。
1年目インターハイ後の鳴子との激闘で変態を遂げ、「翔ぶ」ライドを開花。
特に優れているのはフィジカルと判断力とされ、複数回の競合いを制する体力も備える。主人公の妖怪ペダル回しは先頭グループと最下位を往復したそれ以上の体力お化けだが
隠れた強者に対する嗅覚も優れ、全力が明らかになっていない坂道、真波といった自分に匹敵しうる相手を警戒している。
一方で見下した相手を軽んじる傾向があり、想定外の底力によりピンチに陥る事も多く、覚醒した今泉には見事に完封されている。

事前に他チームや地形など様々なデータを調べ上げ、それを元に立てた作戦に番号を付けて味方に徹底している策略家。
他チームの絶妙に嫌なタイミングで動き、周囲を振り回してレース全体をかき乱す。
なお御堂筋の立てる作戦は当初こそ効果を発揮し対戦相手を苦しめるものの、想定外の力を引き出してしまい彼自身の気合と根性で計画の帳尻を合わせなくてはならなくなるケースが非常に多い。結果、最終局面まで残さなくてはならない体力を使い切り途中で倒れる
特に顕著なのが1年目の2日目序盤で、己の実力を証明するために箱学と平坦区間のリザルト争いに興じており*2、終盤に大きく響いてしまっている。
とはいえ、決して口先だけではなく、インターハイには京都代表として毎年出場しているものの優勝に絡むようなチームではなかった京伏を僅か数ヶ月で優勝候補の一角へと改革した。
1年目インターハイ後は京伏の評価を昨年まで大会を連覇していた箱学、その箱学と唯一互角に渡り合い悲願の初優勝を掴み取った総北に次ぐ全国No.3まで押し上げた。
ただし、どこまでも御堂筋ありきのチームであるため、彼が引退した後も強豪校の地位を維持できるかは未知数である。



【作中の活躍】

1年目のインターハイでは開会式に突然乱入し、王者・箱根学園に最大級の挑発を行なった。
1日目は京伏で集団をコントロール。
ゴール付近でトップの総北、箱学に追い付き、金城や福富と競り合って3人同着ゴールとなり、突如現れたダークホースとして警戒される。

2日目はスプリントリザルトを狙って箱学の新開と争い、全力を出しても抜けずに苦戦。
トラウマを利用した戦法で一時は有利に進め、箱根の直線鬼に覚醒し凄まじいプレッシャーを放つ新開に動揺するが、スプリントポイントの瞬間にロードバイクを押し出して勝利。
勝ち得た流れのまま京伏で独走状態を続け、後ろから追って来た金城や福富と競り合うも、予想以上に新開とのスプリントが響き、2日目ゴールは明確な差を付けられ屈辱の3位に終わる。
全てを投げ出しインターハイを去ろうとするが、買い出しに来た坂道と遭遇して軽く勝負し、自分の原点を思い出して京都へ帰る事はなかった*3

3日目は先頭を狙って総北、箱学を追い越し、後ろから追ってきた真波や坂道と一勝負する。
飛び出した今泉を追って競り合いを仕掛けるが、覚醒した走りで全てのアタックを潰され、遂に足が限界を迎えて全てを出し切った末に…


お前には未来がある、結果は必ずいつか報われる

キモ、石垣君…ほんまにキモ過ぎやわ…


1年目のインターハイにおける御堂筋の成績は1日目─1位ゴール(同着)、2日目─スプリントリザルト、山岳リザルト獲得*4、3位ゴール、3日目─リタイアだったが、チームメンバーの水田と辻が11位でレースを完走したことで京伏の最終成績は11位となった。*5

2年目のインターハイでは、総北、箱学並みの実力を有する筋肉フェチの変態1年生、岸神小鞠を加えて若干チームの戦力増強を図っている。
1日目は最終リザルトで鳴子、葦木場と激闘を繰り広げるが惜しくも敗れ2位。しかし、昨年のように大きなショックを受けることなく、翌日もレースに出場。
2日目も再び最終リザルトで今泉、新開悠人と競る形になり、見事勝利。初の単独優勝を飾った。
3日目は昨年と同じく今泉と終盤でタイマン勝負となるが、いつも通り惜敗。昨年度より100m進んだところで落車、リタイアとなった。


【余談】

御堂筋は本作の最も代表的なヒールで、その強烈な容姿に加え異常なまでの勝利への執着心、メンバーを捨て駒扱いする冷酷さなど、傍から見ればラスボスのような雰囲気を纏っている。
しかし、レースでの成績は上位にこそ食い込むものの単独優勝はたったの1回だけで、終盤では自身が徹底的にこき下ろす今泉に毎回敗れてしまい完走すらできていない。
そのため読者からの評価はあまり高くなく、一部ではピエロ呼ばわりされている。果たして3年目のIHでは最後まで走りきることができるだろうか?

金色のガッシュ!!』のナオミちゃん、『BUNGO』の柿谷結弦、『ブルーロック』の絵心甚八など、ぎょろっとした目と綺麗な歯並び、意地悪な性格などいくつかの特徴が共通するそっくりさんがいる。





追記、修正は勝利を手にしてからお願いします。

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最終更新:2025年03月20日 21:26

*1 発音すると「ボクゥ」と間延びした喋り方

*2 エーススプリンターの新開を早めに潰すという意図もあったのだが…

*3 同時に丸刈りにして京伏メンバーを驚かせた

*4 3色のゼッケンを獲得したのは御堂筋のみ

*5 石垣、井原、山口はリタイア