プリシャス

登録日:2020/02/23 Sun 00:00:14
更新日:2025/05/30 Fri 11:51:03
所要時間:約 7 分で読めます




※推奨BGM:「騎士竜戦隊リュウソウジャー(インストゥルメンタル)」


ケ・ボーン!!

貴様、何をした? …プリシャス。

リュウソウジャー最大(さいだい)試練(しれん)

試練の断崖…?

俺たちに超えられるのか?

怖い? じゃあ降参しなよ。


次回!

(だい)34() 宇宙凶竜(うちゅうきょうりゅう)(あらわ)る!


戦おう!俺達なら勝てる!!








さぁ、これからボク等の手で、地球を恐怖のドン底に叩き落とそう!


プリシャスとは、『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の敵キャラクターである。

CV:朴璐美
SA:藤田洋平

データ

属性/ナイト級幹部
分類/ドルイドン族
身長/197cm
体重/296kg
分布/決着の深奥
経験値/710(ナイト)


概要

第34話「宇宙凶竜現る!」から登場した、戦闘民族ドルイドンのナイト級幹部。
ピエロやトランプのジョーカーを彷彿とさせる姿で、声や体形、仕草も含め中性的な人物。
全体的に装飾の少ないシンプルな姿をしており、頭はまるで燃えているかのような形のシルクハットを被ったような見た目をしており、顔は濃さの違うピンクで彩られた市松模様のハート型になっている。

当初は性別不明だったが、後にガンジョージに自分を「兄」と称していたことから、男性であることが分かった。*1

ドルイドンの中でも独自の派閥を形成しているなど、かなりの有力者である模様。

ワイズルーガチレウス曰く、「かつてリュウソウ族に敗れて逃げ出した負け犬」らしいが…?


人物像

「ドルイドンを束ねる者」 「全ての強さを手に入れる者」を豪語する傲慢で冷酷な性格で、相手を小馬鹿にした軽いノリと口調で喋る陰湿でサディスティックな一面を持つ。
「仲間」や「チーム」といった繋がりに執着しながらも他人を一切信用しておらず、周囲の人物に対しては、自身の能力で味方の心臓を奪って生殺与奪を握り強制的に隷属させる手段を取っているあたり、「自分以外の存在は皆自分の言いなりに動いて当然」とでも言うべき自分本位で利己的な性分であることが読み取れる。
そしてこの考えは、エラスのような目上の相手に対してすら例外では無い

裏切りに対する警戒心は最早「異常」とも呼べる域に達しており、生まれたばかりのガンジョージに「教育」と称して自分の言いなりになるよう破壊の快感を教えたり、撤退したことを褒めるなどして徹底的に洗脳し、最終的にはプリシャスの幸せの為なら自分を犠牲にすることも厭わぬロボットに仕立て上げた。
心臓を取れない相手のことも見逃すような真似は絶対にせず、元々心臓の無いクレオンに対しては「ドルイドンの最高幹部」の地位をちらつかせて一度はワイズルーが嫉妬する程の仲を築いた*2

当然のことながらこうした周囲の人物に対する情などは一切持ち合わせておらず、状況は勿論気分次第で相手の命を奪うことに何の躊躇いもなく、散々失態を犯したガチレウスに致命傷を与えて巨大魔強化を無理矢理発動させて捨て駒として特攻させ、ガンジョージⅡに対しては「追い込まれたらリュウソウジャー諸共自爆しろ」とまで刷り込んでいる。
一応スペースドラゴンやサデン等、愛着を持ってる存在もいるにはいるが、結局は仲間への情などでは無く、愛玩動物を可愛がる感覚に近いと思われる。

このように尊大極まる態度の一方で、万が一自身の優位性が崩れた際には今までの余裕をかなぐり捨てて相手に惨めに泣きつく等、我が身の保身への執着は凄まじく、自分のことしか見えていない姿は、マスターブラックには「ひとりぼっち」と称されている。


戦闘能力

液体金属のような超再生ボディの持ち主で、武器は鍔が馬の頭になった双刃の薙刀「薙刀双剣プリシャスラッシャー」
この武器は分離させて2本のショートソードにも変形が可能。

しかし、一番の特徴は所持する「封印のカード」
このカードは、有体物なら物体そのもの吸収し、相手の技等の非物体ならその効力をコピーしていつでも発動できるように保存することが可能な代物。
また、吸収した物体はカードに入れられた状態でも本来の機能と役割をそのまま引き継いでいる。
例えば、このカードに誰かの心臓を吸収した場合、そのカードを握りつぶせば心臓の持ち主はもがき苦しみ、酷ければ死んでしまう。
また、プテラードンをピーたんへと封印したのも他ならぬプリシャスであり、当初プテラードンはその姿を一目見ただけで一目散に逃げだしてしまった。

プリシャス自身も地力が一人でリュウソウジャーを一人で圧倒し、登場したばかりのマックスリュウソウレッドと互角に渡り合えることもあり、後者の相手の技のコピー能力も威力そのままに発動できるため、「相手が強ければ強い程自分も強くなる」非常に厄介なものである。
反面、その技の弱点もそのまま引き継いでしまうが。

他にも、体の一部を欠損しても瞬時に復活する再生能力も持つ。
その力はナダ「今のドルイドンよりも厄介」とコウに警告を促す程。


活躍

現代から数百年前、派閥を率いて地球に来襲し、マスターブラックとマスターグリーンの二人と交戦する。
その戦いの後、サデンと共にエラスが封印されている真上の神殿に刺さるリュウソウカリバーの存在を確認。
リュウソウ族にしか抜けないそれを取り省くべく、「自分達が地球を攻撃することでリュウソウ族がカリバーに頼らざるを得ない状況を作る」ことを思いつき、その場は地球から撤退した。
恐らく負け犬呼ばわりはこのことに起因すると思われるが、本人は「目的のために敢えて撤退しただけ」と全く気にしていなかった。

その後第34話にて地球に帰還。
早々に自身の能力でワイズルーとガチレウスの心臓を奪い、他のドルイドン族達の生殺与奪を握るという恐怖政治に近い強引なやり方で第4のドルイドン族指揮官となった。
特に、一刻も早く心臓を取り戻そうとして焦るガチレウスに対しては、プレッシャーをかけ続けて心身ともに追いつめていき、それが最終的には彼が本当に戦死する遠因となった。
…が、当のプリシャスはそんなことなど一切気にも留めず、残ったワイズルーにも圧力をかけていった。

その裏では、サデンを呼び寄せたり、復活が近付くエラスと独自に接触し、恭しく接することでガンジョージやヤバソードといった「弟」を生み出させては、言いなりになる様洗脳し、自軍の戦力を着実に強化していく。

しかし、実は今のサデンはマスターブラックが本物を殺害して成り代わったものであり、そのマスターブラックが密かにリュウソウジャーと合流。
事情を知ったコウがサデンに成りすまして接近してきたことを見抜けず、マスターブラックの心臓のカードを奪い返されてしまう。
しかも、下僕にした筈のヤバソードが突如暴走し、敵味方関係なしに暴れ回り始めてしまう。

このような不測の事態の連続に徐々に苛立ちを覚えていき、遂には恭しく接していた筈のエラスにすらも怒りを露わにした。*3
その時「エラスの真意」を知ると、リュウソウ族を駆逐することを決意。

当初はエラスが眠る神殿にリュウソウルを封じる結界を張ることで優位に立つも、リュウソウジャー側の予想だにしていなかった戦力の登場で結界を壊され、更にはガンジョージも失ってしまう。
それでも一人でリュウソウジャー全員を迎え撃ち、その高い実力で粘りに粘るが、徐々に勢いづいていく猛攻に押されていって、再生が追い付かなくなっていき、遂に重傷を負う。

それでも往生際悪く立ち上がると、先程までの余裕が嘘のように消えた情けなさ極まる態度で弟を生むようエラスに泣きついた。


エラス様!新たな弟を産んでください! あなたの意思を必ず果たします……!
今度こそリュウソウ族を根絶やしにしますから!!!



止めを刺そうとするリュウソウジャーに対し、エラスから伝えられた「真実」を告げ、尚も彼らに向かっていくが、そこへ死んだはずのワイズルーがクレオンと共に登場。
「もうやめよう」と手を差し伸べられ、それを掴もうとしたが、その直前に完全覚醒したエラスに取り込まれてしまった...

そのままエラスの素体となり街を破壊し尽くすも、最終話においてリュウソウジャーによりエラスが完全に滅ぼされて素体となっていたプリシャスもまた共に死亡した…







以下、最終回ネタバレ注意






僕はまだ……

生きてるぞぉぉぉぉぉーーーー!!!!



生きてました。

なんとエラスから解放され、リュウソウジャーにやられたダメージもありフラフラではあったものの五体満足で一命を取り留めていた。
そのままエラスが滅びてもなおリュウソウジャーを倒そうとワイズルーとクレオンの前に現れたが、それを見たワイズルーは

「そう!生きてる事がプレシャス!プリシャス!」

ダジャレを発し、唖然とするプリシャスをクレオンの母星へ強引に連れて行かれてしまうこととなった。
当然、プリシャスには何がなんだか分からないまま困惑しつつフェードアウトしていった。

ちょっと……待て……

いや、まだ、まだ、生きて……

だから……!

生きてるんだぁぁぁ!!


これまでの作品にも生き残った敵幹部は多々いたが、中盤登場でかつギャグ要素の薄かったシリアスな悪役の幹部であるキャラが、最後の最後に生き残り、(本人の意思は完全に無視されているが)善玉側と事実上和解・ギャグキャラ化するのは非常に珍しい例である。
もっともこれは「間違っていたとしても、人はやり直せる」とコウが言ったことにエラスが影響されたからであろう。
今後はワイズルーとクレオンに振り回されつつ二人のツッコミ役として生きていくことになりそうである………。
形は違えど、彼にとっては前作のラスボス並みに、悲惨な末路かもしれない………



余談

声優の朴氏は、過去に『侍戦隊シンケンジャー』にて、薄皮太夫の声を演じていた。
また、本編において声優で90年代におけるガンダム作品シリーズで主役を演じた声優がキャスティングされたのはこれで4人め。
しかもガイソーグの声優は『Gガンダム』の主役ワイズルー『ガンダムW』の主役ディメボルケーノ『ガンダムX』の主役、そしてプリシャスは∀ガンダムの主人公と、放送順で揃っている。
さらにガチレウスの中の人とは『∀』で共演しているという繋がりに。

名前が似ているがプレシャスとは関係ない。


さぁ、これからボク等の手で、アニヲタwikiを追記・修正のドン底に叩き落とそう!

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最終更新:2025年05月30日 11:51

*1 一応、東映公式サイトでも“彼”と書かれていた。

*2 後にクレオン自身が「いいように言い包められてるだけ」だったことに気付くが

*3 このことから、所詮はエラスのことも「弟を生み出す機械」としか思っていなかったことが分かる。