登録日:2009/10/11 Sun 21:12:55
更新日:2025/03/22 Sat 20:01:10
所要時間:約 7 分で読めます
天下御免の侍戦隊!
シンケンジャー!!
画像出典:侍戦隊シンケンジャー 第一幕『伊達姿五人侍』より、(2009年2月15日放送)
――参る!!
【概要】
タイトルの通り、戦隊ドラマに時代劇のフォーマットを組み込んだ作風が特徴。
プロデューサーの
宇都宮孝明によれば「真面目に馬鹿なことをやろうとする」というのが本作のコンセプトであり、現代を舞台にしながらチャンバラ時代劇の世界観を徹底的に追求している。
それゆえアクションに殺陣が取り入れられたり、変身アイテムが筆であったりと、和の要素が散りばめられている。
さらにレッドが「殿」、他のメンバーが「家臣」と、戦隊内に明確な主従関係があるのも画期的。
この上下関係と「武士道」が作品の主軸となっている。
ナレーションは『
五星戦隊ダイレンジャー』や『ハリケンジャー』でも担当した宮田浩徳氏。
締めの口上の「まずはこれまで!」など、見栄を切るような独特な語り方は、時代劇を意識した本作にピッタリである。
従来の特撮ヒーローとはまた違ったシチュエーションが新鮮な魅力をもたらし、特に
- 東映時代劇のノウハウを活かした派手で痛快な剣戟アクション
- 物語を通して変化していく人間関係の丁寧な描写
- 主演・松坂桃李を始めとしたキャスト陣の熱演
- 複雑に張り巡らされた伏線が回収されていく秀逸なストーリー展開
などが子供のみならず大人の視聴者層にも人気を博し、Blu-ray/DVDの売上は歴代シリーズで最高の記録を叩き出した。
放送終了後も根強い人気を誇り、戦隊史上最高傑作と評する声も絶えない。
さらに「
侍戦隊シンケンジャーVSゴーオンジャー」は
興行ランキング三週連続TOP10入りという快挙を成し遂げた。
この作品から時差ネットだった静岡朝日テレビでも第八幕から同時ネットとなり、これにより
テレビ朝日系フルネット24局でのニチアサ枠の4番組全ての同時ネットが実現した。
「47戦隊47都道府県」では
広島県を担当。
伝統工芸品である熊野筆や、おりづるタワーなどが由来と思われる。
【あらすじ】
この世とあの世の狭間を流れる三途の川に棲む妖怪・外道衆は、遥かな昔から人間達を襲い苦しめてきた。
その外道衆と代々戦ってきたのが、殿とその家臣で構成される侍戦隊シンケンジャーであった。
志葉家の現当主志葉丈瑠はシンケンレッドとして一人で外道衆と戦っていたが、外道衆の本格的な攻勢が始まることを察知した後見役の日下部 彦馬はいずれ一人での戦いに限界が来ることを危惧し、家臣の子孫である4人の若者を招集し、侍戦隊シンケンジャーを結成した。
【登場人物】
◆侍戦隊シンケンジャー
300年の昔から外道衆と戦うことを代々の使命としてきた志葉家と、その家臣の4つの家から選ばれた侍5人で構成される戦隊。
書いた文字を具現化させる「モヂカラ」を各家がそれぞれ1つずつ受け継いでおり、力の源とする。
現代のシンケンジャーは十八代目の末裔だが、侍という身分のない現代においては別々に一般人として暮らしていた。
外道衆の本格的な侵攻が始まったことでシンケンジャーとして召集され、初めて対面を果たす。
家の宿命として幼い頃から技を鍛えており、この世を守る正義感も人一倍強いため、外道衆と戦うことは早々に受け入れている。
当初は「殿と家臣」という時代錯誤な関係を巡ってすれ違いが絶えなかったが、戦いの中で彼らなりの主従関係を結んでいく。
小説版にてシンケンジャーは日本政府公認の組織であり、治外法権が適用されていることが明かされている。
シンケンマルなどの武器や折神といった兵器の保有を許されていたり、戦闘の結果で町が壊れてもシンケンジャーが責任を問われたりしないのはそのため。
「
火」のモヂカラを受け継いだ侍で、シンケンジャーのリーダー。
代々外道衆と戦ってきた志葉家の18代目当主。
実力も正義感も申し分ない反面、無愛想で人を遠ざけるタイプ。
何故か一人だけキャラソンを歌ってない。
「
俺、余ってるだろ!」
米国版には彼に相当するキャラとしてジェイデンが登場。単独行動が多い丈瑠とは正反対に仲間意識が強い。
「
水」のモヂカラを受け継いだ侍。
歌舞伎役者の家系出身。4人の家臣のうちで最も武士道・忠義心を教え込まれている。
丈瑠を「殿」と呼び常に忠実だが、天然ボケな一面もあり無闇に先走って自らピンチに陥ることもある。時には千明以下の頭しかねぇ、と思われても仕方のないおバカっぷりを見せたことさえある。あとズボシメシに唯一メンバーで二度もぶっ飛ばされたり、勝手に大天空をナキナキテにくっつけて千明に叱られたり、アベコンベにしょんべん小僧の置物に魂をすり替えられたりと散々な目に遭う残念なブルー。
後に
チームラビッツのザンネンレッドになった。
「殿ぉぉぉぉ!!」
海外版では彼に相当するキャラとしてケビンが登場。おそらくだが、アメリカで放映する場合「梨園の人」設定の説明があまりにも面倒になることからか(当たり前だが現地では意図的に観に行ってる人以外は
歌舞伎そのものを全く知らない)、水泳選手に変更された点以外はほぼ日本版と同じ。強いて言えば初期の
正直ギャグキャラだった流さんよりは落ち着きがあるか。
「
天」のモヂカラを受け継いだ侍。
以前は
幼稚園でアルバイトをしていた。観察眼があり冷静な性格で、真意をついて話す。
面倒見が良く心優しい一面もある。
ことはにだけ話した夢は「普通のお嫁さんになる」こと。
料理に関しては最凶であり、ことは意外のメンバーにとっては、外道衆と戦う以上の恐怖だが、自身の料理の欠点を自覚してからは改善を志すようになる。
母親は現役時の後遺症から、現在は車椅子を使いながら、療養の日々を送っている。
米国版には彼女に相当するキャラとしてミアが登場。
料理下手な所に共通点が見られ、序盤からケビンがミアの料理のせいで戦わずして敗走しかけたことも。
「
木」のモヂカラを受け継いだ侍。
メンバーの中で特に現代っ子気質で、
ゲームと買い食いを好む。メンバー中、人として、戦士としての成長が最も顕著に描かれている。
初めはただの
DQNだと思われたが、結構マトモ。
これは父親も同様だったため、そういう血筋なのかも
彼の強みは柔軟な思考回路。劇中で確認できるだけでも
- 500枚書き取りを「五百枚」書き取りと解釈して五百枚と書いた半紙一枚を提出。
- ロクロネリの攻撃が腕のみということを察して腕を絡めて一人で撃破。
- ナリスマシが人間に化ける能力を持つと知っただけで自分に罪をなすりつけようとしたことに気づいた。
など、他のメンバーに引けを取らない。
因みにはじめは「木」ではなく「山」の戦士になる予定だったとか。
米国版では彼に相当するキャラとしてマイクが登場。
肩書きが学生から侍になっているが、それ以外は千明とほぼ同じ。
「
土」のモヂカラを受け継いだ侍。メンバー最年少で京都弁を話す。
以前は田舎で家業の竹細工をしていたが、体の弱い姉の代わりにシンケンイエローになる。折り目正しく、穏和で純粋な性格だが、流ノ介同様にボケキャラで、彼のおバカに巻き込まれたこともあるほど。
劇中では、お嬢様になったり、学生になったりしている。
なお米国版では彼女に相当するキャラとしてエミリーが登場。立場やキャラもことはに準じているが、大きな違いはドジが顕著なこと。何と口紅で一筆奏上してしまったことがある。
二代目ギャバンの相棒や
栄光の騎士に口説かれた博物館の女性職員とは無関係。
「
光」の電子モヂカラを用いる侍で、6人目のシンケンジャー。
本業は「ゴールド寿司」という屋台を営む寿司職人。
かなりのお調子者かつ目立ちたがり屋。丈瑠とは幼馴染。
キュア梅盛についてはリンク先参照。
12年後には
ソードオブロゴスの最高責任者になった。
真の志葉家18代目当主。
戦隊シリーズ初の女性レッド。ドウコクを封印できる『封印の文字』を取得し、年明けて早々に登場した。
つまるところ、丈瑠は薫の影武者だった。
詳細は個別項目へ。
・日下部 彦馬(くさかべ ひこま)
演:伊吹吾郎
志葉家の家臣で、後見人的な立場にいる人物。
丈瑠には「ジイ」と呼ばれている。
丈瑠の親代わりを務めてきたため、唯一丈瑠が気兼ねすることなく弱い面を見せられる人物。
自らの立場を理解し成長する若殿に仕えられることを誇りに思い、忠誠を誓っている。
腰痛持ちで、「馬は腰にくる」という理由から大型
バイクに乗る。
EDではノリノリで
エレキギターをかき鳴らす。
・黒子
志葉家の家臣。日本ガ○シではない。
全員がその名の通り典型的な黒子の姿である黒装束と黒頭巾の姿をしており、基本的に喋らない(どうしてもシンケンジャー正メンバーと言葉で意思疎通しないといけなくなった際に「顔を隠す部分をいったんどけて『素顔』に戻る」という手順を挟んでいたほど)が、志葉家の家事全般や雑用、シンケンジャー達の着物の着付けなど裏方的な役割をこなす。
演出的に不便だったのか、後年の別作品の「殿おつきの黒子さん」は普通にしゃべっていた。
外道衆との戦闘のクライマックスにおいて、シンケンジャーの背後に志葉家の家紋入りの陣幕とのぼり旗を立て出陣を演出したり、一般市民の避難誘導をするのも彼らの役割。
こういった一般市民保護の業務の都合から、平時は家内全体向けの買い出しからボランティアまで近隣の方と相互に触れ合っているとのこと。意図したものではないにせよ、よくも悪くも浮世離れした面の強い志葉家が地域に受け入れられているのは彼らの存在も一因なのだろう。
なかには「茉子といっしょだった+体育館を借りられたとはいえ、多数の子供たちをいっぺんに面倒を見る」「炸裂弾(といってもかんしゃく玉が大きくなった程度?)を扱える」などなかなかに優れた一芸を持つものも登場しており、モヂカラが使えないだけで彼らもまたプロフェッショナル集団と言える。このへんもあってか?彼らのちょっとした気遣いに正メンバーが「ありがとう」をその場で伝えるなど、変身できるメンバーからの評価も高いようだ。
またコラボ回では
通りすがりのモヤシが『シンケンジャーの世界』での役割として混じっていたこともある。
米国版ではおそらく「黒一色の人々が格下の使用人」が黒人差別の歴史があった国で放映する点でマズいこと、そして流さん同様にあまりにも日本の演劇文化が前提すぎる設定・キャラであることから設定全体がオミット。ケビンの初参戦の際に車で送ってもらっているなどあるため彼らに相当するキャラ自体はいるが、原典ほどスポットはあてられていない。
第十四幕に登場した5.5人目のシンケンジャー。
シンケンジャーに憧れて流ノ介に弟子入りした、侍好きの外国人。
【変身装備と武器】
- ショドウフォン
- ショドウフォンホルダー
- シンケンマル
- 秘伝ディスクバックル
- 秘伝ディスク
- ウォーターアロー&ウッドスピア
- 烈火大斬刀
- スシチェンジャー
- サカナマル
- 秘伝ディスクバックル シンケンゴールド専用
- インロウマル
- モウギュウバズーカ
【登場メカ】
アヤカシが二の目となった際に呼び寄せるロボのパーツ…いや、式神のような物。
詳細は項目を参照。
折神が合体したシンケンジャーの巨大ロボ。
詳細は項目を参照。
三途の川に棲む妖怪達。
「六門船」と呼ばれる和船を拠点とし、人間界にある「隙間」から出てくる。
三途の川から長く離れすぎると川の水が抜けて体が干上がってしまう(「水切れ」)ため、人間界では長時間活動できない。
三途の川は人間が苦しみ不幸になると水かさを増すため、人々を襲い苦しめることで三途の川を氾濫させ、この世を支配しようと目論む。
外道衆の長。
先代志葉家当主によって封印されていたが長い時間をかけて復活した。
酒を飲んでいるとき以外は片時も剣を手放さない。アヤカシ達からは「御大将」と呼ばれる。
圧倒的な戦闘能力を誇りアヤカシを支配しているが、封印の後遺症で現世に出るとすぐに水切れを起こし瀕死の状態になるため終盤までは現世に出られなかった。
ドウコクの知恵袋。イカのような頭部を持つ。
作戦に応じた外道衆を呼び寄せるなどの軍師的な役割を持つ。
また、三途の川の深さを調べる役目もある。
詳しくは個別項目へ。
ドウコクの側近。姉御口調で、常に三味線を携え不気味な音色を奏でる。
三味線には仕込刀がある。ドウコクを抑えることができる唯一の存在。
元々は人間で薄雪という名の花魁であったが、絶望から外道に堕ちた。
元の体に戻りたいのかは不明。
声を演じた朴氏は薄雪役でも顔出し出演している。
外道衆のはぐれ者。
元は人間だったが、強さと戦いを求めて辻斬りを繰り返し、死合いを繰り返した挙句生きたまま外道へ堕ち三途の川を渡り、異形の姿となり次元の隙間を長い間さまよっていたらしい。
武器は裏正(うらまさ)という名の逆刃の妖刀。
演じた唐橋充は『
仮面ライダー555』の「ちゅーか」こと
スネークオルフェノク。
おまけに『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』でもキール星人グランデを演じており、これでライダー・ウルトラ・戦隊にレギュラー怪人として出演するという快挙を成し遂げた。
三途の川の底に眠っていた謎の外道衆で、ドウコクやシタリさえもその存在を知らなかった。
独特の公家言葉でしゃべる。ドウコクらに知られていないアヤカシを配下にもつ。
特殊な紙を切ることで「切神」と呼ばれる怪物を生み出すことができる。
十臓に刀を渡した人。
最期は十二折神大侍斬りにて敗れる。
●ナナシ連中
外道衆の戦闘員。
ドウコクの怒りに呼応し、三途の川の積み石のスキマから際限無く発生する。
巨大な大ナナシ連中や飛行タイプの大空ナナシ連中も存在する。
【テレビ本編以外の作品】
●クロスオーバー
●劇場版
●Vシネマ
『帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕』
●小説
【海外版】
パワーレンジャーシリーズでは『
パワーレンジャー・サムライ』のタイトルでリメイク。
ディズニーからシリーズの版権を買い戻したサバン・ブランドの手で製作された。
『
マイティ・モーフィン・パワーレンジャー』以来となるシーズン制が導入され、シーズン1『パワーレンジャー・サムライ』、シーズン2『パワーレンジャー・スーパー・サムライ』の各20話ずつで構成されている。
制作総指揮のジョナサン・ヅァクワーが
小林靖子を気に入っていたことから、シナリオは『
パワーレンジャー・タイムフォース』及び『
ワイルドフォース』以上に原作を踏襲したものとなり、戦闘シーンも流用カットが中心だが、
メンバーの主従関係削除や、オリジナルのメガゾード(巨大ロボ)操縦形態「メガモード」の追加、シリーズではお馴染みの名脇役バルクの出演など、いくつか相違点もある。
日本でも東映チャンネルで吹き替え版が放送され、その後ソフト化やオンライン配信もされた。
日本放送作品としては前作に当たる『[[パワーレンジャー・ミスティックフォース]]』に続き、伊丸岡篤の自重しない大熱演も見どころ
あちらで放送された『RPM』との共演エピソードは残念ながらカットされた。
2022年7月からは東映特撮YouTubeチャンネルで公式配信が開始されたが、これから少し遅れて原作の公式配信も始まったため、しばらくの間は原作とパワレン版を同時に楽しめる贅沢な時期となった。
追記・修正…いざ参る!
- 太夫と十臓の出番をそれぞれの所有物の修復を条件に、アクマロの傭兵として活動という構成も上手い。 -- 名無しさん (2017-05-02 19:24:44)
- Vシネ、開始10分ちょいくらいはなんだツマンネーと思って観てたら先に進むほどどんどんピースがはまっていって最終的に「うん、いつものシンケンジャーだわこれ」ってなる -- 名無しさん (2018-05-04 18:16:58)
- 第12話ではゴーゴーファイブのマツリがゲスト出演してたな -- 名無しさん (2018-06-30 21:17:46)
- 演者が書かれておらず、リンクも貼られていない中の人ネタに関して、1週間程度様子見して修正されないなら削除します。 -- 名無しさん (2018-10-22 13:54:19)
- あまりに丁寧な伏線にビビる -- 名無しさん (2022-03-08 17:55:23)
- ギスギスシーン多しとタグつけてるけど、ギスギスはしてない。タグを付けた人の基準が気になる。 -- 名無しさん (2024-02-04 11:24:21)
- これと仮面ライダーダブルは、特撮から一度離れだけど久々に楽しんで観られた覚えがある。 -- 名無しさん (2024-06-07 00:29:46)
最終更新:2025年03月22日 20:01