カプール(MS)

登録日:2023/05/23 Tue 16:16:00
更新日:2025/04/08 Tue 18:05:56
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※推奨BGM:「若い世界」



いかにも素直そうな人の裏にも、アクシズの動きがあった。
タマンとアヌの兄妹だって、戦争の犠牲者かもしれない。

しかし最後は、自分の責任で決着をつけなくてはいけないこともある。
俺にできるのか?タマンのように…



次回、ガンダムΖΖ

南海に咲く兄弟愛


えへへへ!






こいつがいなけりゃ、俺たちは4、5年生きられる金を……!


カプールとは、『機動戦士ガンダムΖΖ』などに登場する水陸両用量産型MS。
本項ではカプールの他に、『∀ガンダム』で登場したカプルについても記述する。



カプール


性能

Capule
型式番号:AMX-109
所属:ネオ・ジオンジオン残党軍
開発:ネオ・ジオン
生産形態:量産機
頭長高:16.5m
本体重量:38.7t
全備従量:57.5t
ジェネレーター出力:3,680kW
推力:6,800kg
主動力:熱核融合炉
装甲材質:ガンダリウム合金
センサー有効範囲:12,300m(大気中) 7,600m(水中)


概要

カプールはネオ・ジオンがアクシズ内工廠にて開発した水陸両用の量産型MS。
開発系譜としてはハイゴッグなどに連なる。

その大きな特徴として丸いボディの外見が挙げられる。
この球状の外見は水流抵抗を軽減するうえに水中での運動性能を高くする効果が見込め、さらに装甲素材に扱われているガンダリウム合金製の二重装甲で高い耐弾性能を有しているので見た目以上の堅牢さがある。
また四肢はハイゴッグ同様に伸縮自在のフレキシブル・ベロウズ・リム状のものが採用されており、これらを胴体部に収納する事で巡航形態に移行する。

また、宇宙空間でも使用可能。ある意味ズゴックやゾック*1の先祖

開発時期がジオン水泳部最盛期の一年戦争から10年以上経った第一次ネオ・ジオン抗争期というのもあり、カタログスペック上では比べるまでもなくこちらの方が性能が上である。
しかし宇宙暮らしを続けていたアクシズで製造された機体とあって、決起に同調したジオン残党軍からは「海を知らない人間が作った機体」と唾棄され、あまり信頼性は高くなかった。
そのため主力パイロットは連邦で使われていたザク・マリナーを運用し、新米パイロットにこれを宛がうなどゲルググで犯した愚を再度やらかしている。

ラフデザインを担当したのは出渕裕。モチーフはハロだとか。

武装

  • アイアンネイル
両手に固定装備されたクロー。ガンダリウム合金製の装甲すら貫通する。

  • ミサイルランチャー
胸部内側に8門搭載されたミサイル発射管。外殻を展開して発射する。

  • レーザービーム
頭部コックピットハッチ部分に1門内蔵されたモノアイ型のビーム砲。

  • ソニックブラスト
腹部に1門内蔵されているビーム砲。搭載位置的に先行者の中華キャノンっぽい
資料集でもどのような武器かはっきりしておらず、一部ゲームでは衝撃波を発するような描写になっている。


劇中での活躍

『機動戦士ガンダムΖΖ』

第24話にてこの1話のみ登場。
名も無きザクマリナー部隊の隊長が乗っていたが、やたら酷評した後に現地の漁師であるタマンに譲渡した。
その後はタマンの手でΖΖガンダムと戦ったが、他漁師共々利用されているだけと説得されると、生き残っていたザク・マリナーと洞窟基地を巻き添えに自爆した。

機動戦士ガンダムUC

小説・OVAのどちらでもジオン軍残党が搭乗してトリントン基地を強襲している。
OVA版では湾岸基地の先方を務め、巡航形態から変形しアクアジムの頭部を粉砕。
その後は目立った戦果を出せず、バイアラン・カスタムのビームにやられたり、その残骸がゾゴックブーメランカッターの盾にされたりと酷い目にあっている。
新型のカプールよりも、旧式のゾゴックやジュアッグの方が活躍しているのは「覚悟の差」なのだろうか。

ガンダム Gのレコンギスタ

劇中に登場するキャピタル・ガード養成学校のクラシックコレクションとして展示されている。
宇宙世紀の遥か未来の時代でもカプールは存在していた。


ガンプラ

無し

『ΖΖ』登場時代の1/144シリーズはおろか、『UC』のOVA第4話でかなり出番を貰っていたにもかかわらず存在しない。
特に後者はプレミアムバンダイ限定を含めると出ていないキットの方が少ないというのに……。
キット化を望む声も少なくないが、変形機能やその上で胴体を開く機構等、構造的に難しいから出ないのでは?とも言われているが…。
印象的な活躍があって、複雑な機構もないのにハブられたガルスJとガルスK、はカプールと一緒に泣いても良い*2


ゲームでの活躍

初代から登場。
水中適性の高い機体としては最後期に類するため、他の水中専用機に対するアドバンテージはいくらか存在する。
ただし、あくまで機動力面での優勢なだけなので武装面やカスタマイズでどうとでも覆されてしまう哀しき性を背負っている。

  • バトルオペレーション2
2021年1月にコスト500始動の汎用機として参戦。
設定でしか無かったレーザービームやソニックブラストを使用できる稀有なゲームで、豊富なミサイルによる弾幕とアイアンネイルによる格闘まで行える汎用らしい柔軟性を持っている。
高コスト帯では珍しい地上と水中適正を持ち、水中戦での機動力の高さは目を見張るものがある。
一方で水泳部特有のヒットボックスの大きさや、射撃武装の息切れのしやすさから継戦能力にはやや問題がある。

初代から登場。そのHDリメイク版では
「俺の名前はカプールだ。伸ばすのを忘れるなよ!」や「お前とは遠い未来で会いそうな気がする」
など、下記のカプルを意識したセリフが出る。

『第3次』ではDC軍の戦力として中盤あたりから登場。水陸両用MSの中では強い。
『EX』でも敵として出現するが、マサキの章とリューネの章で入手・運用可能。
初期シリーズ最終作の『第4次』や『F』には登場しなかった。

それから時を経て『ガンダムUC』が参戦したシリーズでも、『BX』でユニットアイコンで現れる程度しか扱われなかった。





ロラン!私だってこのくらいできるのよ!

カプル


性能

Kapool
型式番号:AMX-109
所属:イングレッサ・ミリシャ
発掘:イングレッサ・ミリシャ
頭長高:14m
重量:38.7t
装甲材質:ガンダリウム合金


概要

カプルは、アメリア大陸イングレッサ領のマウンテンサイクルから発掘された水陸両用MS。
ボルジャーノン同様に複数機が発掘され、主力機として運用されている。

外見は見たまんまカプールで、名称や型式番号などはコンピュータから判読された物をそのまま利用している。
一方で頭頂高や英名での綴りが大きく異なるなどの違いがあり、カプールのレプリカだと言われているが、仔細は不明。

『ΖΖ』では水陸両用機という事で水中戦でも使われていたのだが、『∀』本編では久しく陸戦のみでしか用いられなかった。
なので水中戦で性能を発揮できる機会は中盤に一度だけであり、だからといってそれ以後も水中戦で使われたようなシーンが存在しない。
むしろ非対応であるはずの宇宙に出て戦った回数の方が若干多いが、これは気密性の高さからくる自信の表れと思われる。
コクピット自体もリニアシートでありながら内壁の全天周囲モニターは正面と左右しか表示されず、度々コクピットからパイロットが乗り出して周囲を確認する姿が映った。


武装

  • アイアンネイル
原型機と同等の武装。ただし鋭さを発揮できるシーンは無かった。

  • ミサイルポッド
原型機と同等の武装。ただしミリシャ……というか地球側にミサイル自体が無いので、無誘導ロケットで代用した。

  • レーザービーム
  • ソニックブラスト
原型機と同等の武装。本編で扱うシーンは無い。

  • ハンドガン
第19話から追加された三連装の機関砲。両腕の外側に固定配置されている。
形状はドライセンの3連装ビームキャノンに近い。

元は∀ガンダムが使っていた武器。
第44話でソシエ・ハイムが持ち出してブンブン振り回し、マヒローのスパイクを破壊する事に成功している。


劇中での活躍

第9話より登場。
初期から複数機がミリシャ領で発掘されたため、殆ど威力偵察くらいしかできなかった複葉機替わりの主戦力として活躍するようになる。
同時期のボルジャーノンなどと比べても愛らしい挙動を見せるシーンが多く、半ば本作におけるマスコットのような立場になった。
パイロットにはソシエ・ハイムやメシェー・クンなどがいる。とりわけ好戦的なソシエは活躍シーンも多く、30~31話では水中戦で∀ガンダム共々に大活躍を遂げる。
地味だが両腕を作業用クレーンに換装したタイプも登場した。

余談だが、本作でカプルが出たのは『ΖΖ』時代にカプールのプラモが欲しかったスタッフによる個人的な欲望によるものである。
結果としてガンプラが出たので悲願は叶った…のかもしれない。


派生機

その股座にロケットパーーンチ!

コレン専用カプル

ギム・ギンガナム率いるギンガナム艦隊による地球侵攻に対し、ディアナ・ソレルの下へ帰参したコレン・ナンダーが乗る機体。
寄せ集めの部品とカプル一機を調達したコレンが、ポゥ・エイジと数名のメカニックを誘拐同然に引き連れ、わずか一晩、徹夜でカスタマイズを完成させた。
徹夜で仕上げさせられたメカニック達、本当にご苦労様です。

カスタマイズの内容としては、まず機体色は彼のパーソナルカラーである赤一色に染め上げられている。しかも頭頂部に角もつけている。
次に右腕のマニュピレータがボルジャーノンのものに替えられ、そこからウォドムのマニュピレータを改造したロケットパンチを装備している。

専用武装

イーゲルが持っていたものと同様の削岩機。ウォドム用マニュピレータで保持して運用している。

ウォドムのマニュピレータを発射する。
拳に逆噴射機能がないため、飛ばしたら自力で拾いに行かなければならない。


劇中での活躍

真っ先にスウェッソン搭乗のマヒローと肉弾戦を繰り広げ、カプル搭乗の先輩であるソシエ達が舌を巻いていた。
ターンXの月光蝶を見て「ガンダムだー!」と叫び、文明崩壊の危機を脱するためにソシエとメシェーのカプルをブースター代わりにするため強奪。
二つのターンタイプが闘う渦中に突撃し、バンデットを一撃で叩きのめすとターンXの股間にロケットパンチを食らわせる。
しかし同時に月光蝶の余波を機体に受けてしまった事で胴体が縦に両断され、ターンエーへの希望を口にし爆散していった。

ちなみに漫画版ではカプルの代わりにガンダムアスクレプオスが登場しており、『ガンダムEXA』ではこれに因んだ小ネタも描かれている。

ハロ(に偽装されたバグ)をみたソシエが「カプルの人形」と認識して拾い上げるシーンもある。


モモカプル

ガンダムビルドダイバーズ』で登場した、カプルを改造して作られたガンプラ。
「可愛いものこそが正義」を主軸とした改造が施されているため、モチーフとなっているのは銀河鉄道999の車掌さんアデリーペンギンだし、胸部のロケットランチャーはオミットされアイアンネイルは先端が丸くなっている。股間砲が残っているのは可愛いと言えるのだろうか。脚部も小さくなっている。
機体内部には「プチカプル」という小型ユニットが入れ子式に搭載されている。戦闘用ではなく、移動用や脱出ポッドとしての運用要素が強く、実際劇中でも主だった戦闘はしていない。

武装は固有名詞がちいかわのように曖昧な名称に変更。ただし小改造により両手の丸くなった爪先にビームが追加されたりと差別化されている。
巡行形態も「丸まりモード」と呼ばれている。
ソニックブラストはお腹のビームに名前が変わったが、性能が変わっていないため続編では乱射して大変な事になった。名前の割にエグイ部分も含めてちいかわっぽい


SDガンダム外伝シリーズのカプールとカプル

カプールがワーカプール、タートルカプール、ヒドラカプールと、いずれもモンスターとして登場している。
また赤の海賊団エターナルウインドのメンバーとして、コレンカプルの親方、青の船員カプール、緑の船員カプルが存在する。


ガンプラ

ターンエー放送時に1/144で発売。
アイアンネイルやスラスター周りが機体装甲と同じライトグリーンで一緒くたにされているが、外見のバランスといいミサイル発射管の展開ギミックといいかなりクオリティが高い。
原型機のカプールと大きな違いが無いので、これを塗装してカプールと言い張ってもバレない……かも?
そのままでは巡行形態を再現できない。


ゲームでの活躍

無印からコスト1000で参戦している。
地走機体で地面をズカズカと走るタイプで、射撃の弾幕形成に優れる。
一方で格闘性能は最低コスト帯の平凡な性能なのでお察し。
通信ボタンを押すとソシエがコクピットハッチから出て手を振ってくれる。いかなる時でも。いかなる時でも。

OPでコレンカプルの登場が予告され、中盤についに登場。コストは2000。
本作ではカプルとコレンカプルを交代制で使う特殊コンセプトで参戦。
特殊格闘の交代コマンドで射撃に特化したカプルと格闘に特化したコレンカプルを交互に使い分けるのだが、コスト2000なのに1000コスト並の低耐久と偏り過ぎた性能は多くのプレイヤーから歓迎されず、EXVSMBONの時代まで冷遇されまくっていた。
ナンバリング更新後のEXVS2では、念願の機体分離が成されてカプルが1500コスト、コレンカプルが2000コストに配置された。この時にはコレンカプルがジャンプ格闘や特殊射撃のブースター突撃で激しい詰め寄りを見せたため、かなり同コスト帯では強い部類に位置していた。
続編のEXVS2XBでは、カプルにソニックブラストが追加。この性能がトールギスⅢの射撃CSと同等レベルと騒がれ、高弾速強制ダウンの股間ビームに恐れ慄くムーンレイスが続出。一方のコレンカプルも特殊射撃にハンドガン連射が追加されるなどの追い風が吹き、同コスト帯でどちらもトップクラスの性能を持つなど我が世の春を迎えていた。

  • SDガンダムGジェネレーションシリーズ
単体生産も可能だが、お約束としてカプールから開発する事でも使用可能。作品によっては最初から生産リストに入っている。
性能自体は微誤差レベルだが、シリーズによってはハイパーハンマーの追加やナノスキン付与などで差別化されている。
カプール譲りの水中適応Aでありながら地上はもちろん、宇宙も適応Bで使えるなど飛べない事以外は良好な地形適応も持っている。『クロスレイズ』で宇宙はCまで落とされてしまった
さらにここからコレン専用カプル(コレンカプル名義)に開発でき、ミンチドリルとロケットパンチと引き換えにハンマーこそなくなるものの、
『PORTABLE』以降『WORLD』までは主役ガンダムに匹敵するスペックを与えられていた
カプルが簡単に作れる以上、当然コイツも簡単に作れるわけで、発展性はないが手軽に作れる強豪機体となっていた。
弱点は武器が全部物理属性(ロケットパンチは必殺技属性)であるため、フルアーマーやPS装甲など物理耐性のあるユニットには決定打を与えられない事。
さすがに強すぎると判断されたのか『OVERWORLD』では性能が下げられ序盤の繋ぎ機体的な立ち位置になっているが、
ここにきてロケットパンチが特殊格闘へ鞍替えし相手を選ばなくなったので、水陸両用機のスペックを底上げできる「工作員」アビリティが輝く機体かもしれない。一番上がって欲しい防御が上がらないが

  • スーパーロボット大戦シリーズ
α外伝』にて『∀ガンダム』参戦に伴い初登場。
設定を活かして宇宙世紀作品の面々がカプルに驚く場面が描かれている(前作の『α』でカプールは登場していない)。
また補給装置持ちで海適応がAと高いが宇宙適応はBと低めなどサポート向けの性能となっている。
コレンカプルは隠し要素として登場。第38話にてクワトロを乗せた際に「懐かしい気もするな」とコメントしてくれるという謎の隠し要素もあったり

Z』でも登場し、海適応Sになっている。こちらもサポート向けの性能。
第2次Z』では∀ガンダムの召喚攻撃「ミリシャ一斉攻撃」としての登場となり、現時点最後のユニットとして使える作品になっている。



追記・修正は宇宙世紀を跨いで登場してからお願いします。

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最終更新:2025年04月08日 18:05

*1 宇宙戦国時代にズゴックやゾック、ジュアッグは宇宙空間で使われている。しかもメガ粒子砲使えるから厄介な敵扱いというおまけ付きで。ちなみに冒険王版1stでもズゴックが宇宙で活動している。

*2 ただし、ガルスJは旧キットで出ている上、系列機はHGで出ているのでまだマシな方ではある。