ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇

登録日:2020/07/31 Fri 16:06:36
更新日:2025/03/11 Tue 13:08:36
所要時間:約 22 分で読めます






今は、もうどこにもない、あの海を。



『ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇』は、02年7月11日に発売されたPS2用アドベンチャーゲーム。
ぼくのなつやすみ』シリーズの2作目。
ミレニアムキッチン開発。
ソニー・コンピュータ・エンターテインメント(SCE)発売。

【概要】

前作『ぼくのなつやすみ』の好評から制作された続編。
思わぬヒット作となった前作と違い、今作は発売前から大々的に宣伝が打たれる等、最初から注目作扱いとなり、実際にシリーズでも最高の70万本もの売上を達成している。
思わぬ泣きゲーとして話題となった前作だったが、今回はCM段階から公式が泣かせに来ているあざとさであり、特に発売の2週間程前から毎日の様に更新された、ゲームに触ったこともなかった、あるお父さん(中年サラリーマン)の日記を交えた連作CMなんてものまで制作された。
以下にその全内容を掲載する。
基本的なコンセプトは前作と共通しているが、舞台が山村から更に解放感のある港町に変わったのに伴い、新たに「水泳(素潜り)」の要素が加わった。
美しい水中をダイナミックに泳ぐボクくんの姿はCM段階から大きなインパクトがあった。
また、パッケージの通りにシリーズで初めて自転車に乗れるようになった*1
海を舞台としたことで前作より遥かにパワーアップした「釣り」や、更に種類を増した「昆虫採集」と「虫相撲」等、純粋にゲームとしてのやり込み要素も増している。

また、シリーズ中でも特にドラマに力を入れた作品とも分析され、ボクくんがお世話になる親戚の家を民宿として設定したことにより、親戚一家の他にもご近所さんや民宿の客等、ボクくんと関わる“大人(中高生含む)”が多く用意されているのも特徴。
それらのサブキャラクター達の物語も中々に重めで、画面の中のボクくんが(子供故に)理解しきれていないのとは対照的に、画面の外のプレイヤーの心を打ったものも多い。
会話パターンが殆どのキャラで毎日更新される程に豊富で、しかも殆どにボイスが用意されているのも驚異的である。

第6回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品。

原作、監督、監修は綾部和。
キャラクターデザインは上田三根子。

主題歌は沢田知可子の歌う「少年時代」のカヴァー*2

2010年6月24日には、シリーズ10周年を記念してPSPにて、追加要素を加えると共に、シリーズの集大成的なリメイクとなった『ぼくのなつやすみポータブル2 ナゾナゾ姉妹と沈没船の秘密!』が発売されており、同作が現時点でのシリーズ最終作となっている。
新キャラクターが加わったことにより印象が少し違ってしまっているとの意見もある一方で、元の面白さはそのまま残されているし、PS2版よりも親切なシステムになっている。
PSP版での「少年時代」のカヴァーは夏川りみ。

【あらすじ】

1975年(昭和50年)8月。
母親が臨月を迎えたことから、主人公となる“ボク”は、8月中を伊豆半島の小さな港町、富海のおば夫婦の元に預けられることになった。
おば夫婦の家では民宿“茜ハウス”を切り盛りしており、様々な大人達との出会いや別れも経験してゆく。

【ゲームの進め方】

基本的なゲームの進め方は前作と同じで、興味の向くままに遊び続けても、反対に何もしなかったとしても、必ずエンディングは迎えられる。
しかし、今作では前作程はエンディングが分岐しないものの、あるイベントを成功させておくと非常にドラマチックなエンディングになる。
海の解放感は前作以上だし、どうせなら心行くまで楽しんだ方がお得だろう。

また、今作から時間の流れの早さをプレイヤー側で選択出来るようになり、慣れてない内は“ゆっくり”でも足りないと思える位だが、慣れてくると複数の遊びを同時に楽しみつつ、サブキャラクターのドラマを追えるようになった。
後半になると流石に全体の流れも鈍化してくるが、中盤までは寧ろ目まぐるしい位の周囲の変化を味わえるのが今作の醍醐味であり、各キャラクターに用意された会話のバリエーションも豊富である。
そして、終盤ともなればどんでん返しに次ぐどんでん返しが見られ、濃密な人間ドラマが形成されている。

尚、前述の様に今作の年代設定は前作と全く同じとなっているように、前作と今作に明確な繋がりは存在していない。
しかし、前作のキャラクターを彷彿とさせる要素や見た目のキャラクターが今作にも登場させられており、そうしたキャラクターに関しては前作と声優まで共通しているという拘りが見られる。

この他、前作では賛否があったのか、新しいエリアを切り開く為の条件等が緩くなっており、日数がかかる場合でも単にフラグが立っているか否かとなり、任意のものについてはプレイヤーの意思のみで簡単に達成出来るようになった。

今回の売りと言える「水泳」は楽しいだけでなく、画面の切り替えによるタイムロスを頻発させずに遠いエリアにも行けるという、効率のいい移動手段として使える。あっという間に港の外にまで泳いでゆくボクくんが魚類とか半魚人か何かに見えてくるのはデフォ。

また、前作にも排除することで新しいエリアへの入り口となる蜂の巣があり、刺されると自宅に強制的に戻される要素があったが、今作では蜂の巣が排除されるものではなくなった代わりにあちこちに点在すると、事実上のデスルーラ要素となっている。
同じく、海で溺れた場合でも“茜屋”に戻されるが、誰も入り込まないような海底洞窟で溺れても誰かが運んでくれ、やはりデスルーラとして使える。
今作では前述の様に自転車で移動可能に、肩たたき等でお小遣いを貰えるようになり、民宿で駄菓子やサイダーを買うことも出来るようになった。
ただし、これ等の要素についてゲーム中では敢えて説明されておらず、プレイヤーの“常識”や“注意力”に気づくか否かを任せている。
そうした“発見”がイベントを進めるカギとなっていると言える要素も少なくない。

やれることは前回よりも更に増えた印象だが、今作では光に今日の行き先を占ってもらえるので主要なイベントは取り零し難くなった*3

本作の舞台となる“富海”のモデルは、静岡県伊東市富戸(東伊豆)。
オープニングの風景や防波堤の形は現実の富戸を参考しており、『ぼくなつ』ファンの聖地巡礼の地となっている。
ただし、現地には今回のボクくんの逗留場所となる“茜ハウス”に相当する民宿は無く、原作・ディレクターの綾部和と設定担当の玖村麻子が一から作り上げたものである*4

また、ゲーム中で度々言及される“潮館”は下田市のこと*5

【主な遊び/収集要素】

  • 虫取り/虫相撲
採集出来る虫の数が100種類になった*6
PS2では、とりあえず見かけたら網を振るってみるしかないが、PSP版は『3』以降と同様に“NEW”マークが出るので解りやすい。
虫相撲に出せる虫の数は13種類
設定上、最強認定されているカブトムシとオオクワガタ以外は相性や短所が存在するが、ある程度まで勝ち進むと相性に関係なく強くなってくれる。ぶっちゃけると苦労してキンオニを育てることが推奨されている。
前作同様に虫相撲で勝ち進むことでしか“一番いい風景”は拝めないので、必ず達成したい所。
PSP版では対戦前に予想が出るようになった。

  • 釣り
川釣りのみならず、海釣りも出来る。
浜辺や小川で採れるカニやザリガニは餌として利用可能。
500mm以上の大物を釣ると、おばちゃんが夕食に出してくれる。
PSPでは振動機能が無いので“HIT”で確認しよう。

  • ジェットサイダー王冠
今作からあちこちでジェットサイダーの王冠*7を集めることが出来るようになっており、集めた数に応じて肺活量が伸びる=より深くまで潜れるようになる
PS2では全25種。PSPでは50種類に増えたが、周回を跨いで集めることが出来る。

  • ロケットバルブ
洋兄ちゃんが以前に打ち上げを失敗したロケットのバルブ。
A~Cの3つが存在しており、見つけて渡してあげることでエンディングが変化する。

【PSP版のみの追加要素】

  • どこでも絵日記
『4』同様にいつでも絵日記が書けるようになり、文面も「かんたん」「しっかり」「ポエム」から選択可能で、何かしらの進行の度に更新出来る*8
絵日記のテキスト数は861種。絵に書けるシチュエーションの数も280枚と驚異的である*9
また、どこでもセーブ(ちょっとタンマ)も可能になった。

  • ナゾナゾ姉妹
3日に1度のペースで民宿の前に姿を見せるチョコとカコからの課題に挑める。全7問。
更に、勝った(勝たせた)方とデート(?)が出来る。

  • 沈没船
沖合いに巨大な沈没船が出現。
君野さんが一生懸命に調査しており、ボクくんも協力出来る。
また、海底に巨大な貝のパズルが出現しており、そこから王冠やお金を入手出来る。

【登場人物】

  • ボクくん
声:村田貴輝
2代目ボクくん
9歳。小学3年生。
基本的な設定やら、性格やら容姿やらは前作から引き継がれている。
都会生まれの都会育ちだが、あっという間に魚人と化し、斧で瞬時に大きな木を斬り倒す等、順当に人間離れしていく。
今作からは任意で半裸になることも可能となり、徐々に日焼けしていくとこまで表現されている*10
目指せ肩たたきマスター。
今作では夜11時までに自力で寝ないと、翌朝のラジオ体操に寝坊してしまうようになった。
歴代では最も失言が少なく*11、いい子であるが、何故か保田さんには強い態度に出る*12

【荒瀬家(おじちゃん家)】

  • おじちゃん(荒瀬源太)
声:天田益男
40歳。ボクの叔父で茜ハウスの主人の筈だが、家族からも普段から「働いていない」と評される、強面だが優しく、見た目通りに大雑把でおおらかな性格だが感動屋なお父さん。
実は、以前は大工をしており、現在でも未練があるのだが“ある理由”から引退して民宿経営を始めたらしい。
しかし、夏休み後半のある出来事をきっかけに…。

  • おばちゃん(荒瀬美津子)
声:一城みゆ希
41歳。ボクの叔母で、前回と同様にボクの父親の妹に当たる。
陽気で料理上手で、年齢の割に若々しい才色兼備のお母さんで、実質的に茜ハウスを切り盛りしている。
今作では海の側ということもあってか、海の幸を使った多彩なメニューを出してくれる。
因みに、今作の夕食メニュー当てはシリーズでも屈指の難しさである。PFPF
夕食後は大体はTVを見ており、その時に肩たたきをしてあげると、お駄賃として10円をくれる。

  • タケシ(荒瀬剛)
声:高山みなみ
11歳。小学5年生。
荒瀬家の長男。
元気印だが公正明大で優しい性格で、民宿の手伝いも嫌っていない。照れ屋。
シゲルを初めとして、富海の子供達は連絡船でわざわざ潮館の学校まで通っている。
威勢が良く見えて心配性だったり、意外と物事が善く見えている所も。
運動が得意なのか、将来は体育教師になりたいと言っていたが…。
今回は特にバーローっぽい。

  • シゲル(荒瀬繁)
声:大谷育江
8歳。小学2年生。
荒瀬家の次男。
弟であることにコンプレックスがあるのか、ボクくんが年上と知って残念がっていた。
意気地無しの癖に小生意気な時もあれば素直な時もあったりと、幼いせいか人格が纏まっていないようでマセた所も。
光のことが好きなのだが、つい悪戯してしまっては嫌われてしまっている模様。
光が好きなことは、デリカシーなくおじちゃんに弄られる有り様で、ボクくんが光と仲良くなると嫉妬する等、この方面の話題では踏んだり蹴ったりである。
タケシがバーローっぽいせいか口調が違うのに光彦呼びされる。

【相良家/診療所関連】

  • 靖子ねえちゃん(相良靖子)
声:坂本真綾
16歳。高校1年生。
相良家の長女で、この春から東京の進学校の寮に入っており、ボクくんと同じ船で夏休みの帰省をしてきた。
これが縁でボクくんと仲良しになり、家に遊びにくることも許してくれる。
相良家は田舎町には珍しいコンクリート製の建物で、しかも天文台の様な形をしている*13
絵描きだった父親の影響か、読書や音楽が好きで自室(死んだ父親から引き継いだ部屋)に居る時には大体は読書をしており、夜にはサティ等のクラシック音楽のレコードを聞いている。
尚、自室と居間を繋ぐドアの鍵は家を出ていった母親が持っていってしまっており、不便だと言いつつも放置したままになっている。
一方で、島の子らしく活発で、昼は光と海水浴をしていることも多い。
洋とは小学校に進むまでは同じ歳と思って過ごしていたが、お姉さんだと解ってからは何となく疎遠となってしまい、中学に進んだあたりからは罪悪感を認識するようになり、まともに顔を向けられないまでになっていた。
しかし、ボクくんの天真爛漫な行動により…。

  • 相良光
声:最上莉奈
8歳。小学2年生。
相良家の次女。シゲルとは同級生なのだが、悪戯されるので嫌っている。
そんな訳で男の子が嫌いとまで言い放っていたが、接している内にボクくんのことは気に入った模様。
終盤には居なくなるなら押しかけろの態度を見せるまでになる。シゲル涙目。
占いが得意で、予言レベルに当たるので前日の夜か一日の始まりには話を聞きに行くべし。
気の強い素振りを装っているが、実は気弱な所があったり、密かに野良猫に餌をあげてたりと優しい性格。自称“働き者の女の子”で、実際に自前の菜園も持っている。

  • 相良のじいちゃん
声:平野稔
靖子と光の祖父。
妻と息子の靖成には先立たれ、嫁の静江は出ていき……と、相良家は現在3人家族。
相良邸は元々は奥さんの実家で、改造される前は普通の古民家だったらしい。
富海の診療所を預かる現役のお医者さんでもあるが、幸せなことに患者が診療所に来る様子は無い。
数えで73歳にもなるが、本人も病気一つせずに元気で*14、杖を片手に光と共に毎朝のラジオ体操にも参加している。
しかし、盆の頃にはメランコリックな様子を見せて周囲からも心配されていた。
診療所の診察室に居る時には相良のじいちゃんにも肩たたきしてあげることが出来、お駄賃の10円を貰える。

  • ケン坊
相良家で飼われている犬。大きいけど優しい。
中盤あたりから話しかけると鎖を解くようにせがんでくるようになり、実際に外すと何処かへと走り去ってしまう。
放っておいても戻ってくるが、ケン坊の行き先を突き止めると…。

  • 入院してるお姉ちゃん
声:坂本真綾
お盆のちょっと前から夕方の診療所の奥の病室に姿を現す浴衣姿の少女で、いつも窓から相良家の方を見守っている。
彼女が居る時には、扉がちょっと開いているので注意。
ボクくんと知り合いになるも「キミが驚くから」という理由で最後まで名前は教えてくれない。
また、彼女が入院していることをおじいちゃんは気付いていなかった。
ちゃんと彼女に会いに行っていると、肩たたきの後で穴の空いていない古い50円玉(50円ニッケル貨)を貰える。
また、ちゃんとフラグを立てておくと終盤のある時にも姿を見せてくれる。

  • 凪咲
声:石塚理恵
24歳。診療所の看護婦*15
東京の出身だが田舎くらしに憧れており、わざわざこっちに働きに来ている。
しかし、その間に実家が田舎である岩手の方に引っ越してしまったらしい。
住まいは潮館で、富海には連絡船で通勤しているので、夕方には公園や茜屋で船を待っていることも。
診療所に話を聞きに行くと、医学的な視点からの蘊蓄と注意を貰える。
日曜日には秘密のデートをしている。
最近、綺麗になったとの噂。
船頭さんに想いを寄せられているようだが…。
『4』のOPにも登場している。

【仲川家】

  • 洋にいちゃん(仲川洋)
声:進藤一宏
15歳。中学3年生。
狭い富海ながら、巷では“ロケット少年”とあだ名されている理系少年。
名前の読みは“ひろし”ではなく“よう”である。
中の人は先代のボクくん。
自作ながら、本格的なロケット作りに挑んでは失敗を繰り返しており、大人の中には迷惑がって見ているものもいるが、タケシやシゲル(やおばちゃん)は応援しており、ボクくんもバルブ集めに協力するようになる。達成すると一番いいエンディングになる。
高校受験を目前に控え、貧乏ながら当人にも進学の意思はあるものの、学力には偏りがあり希望校も定まっていない。
また、母親が出ていって父親と2人暮らしなのだが、その父も殆どは山に籠っているのでボロ屋で実質一人暮らしをしているという逞しい面も。
靖子とは幼なじみだが、同い年と思っていた彼女が一足先に小学校に上がってからは疎遠となってしまったことがキズとなっていた。

  • オオカミじじい
声:中庸助
元猟師らしく、若い頃は疾うに絶滅した筈のニホンオオカミを追っていた。
それだけでも変人扱いされかねないのに、当人によれば実際にオオカミと出会って、しかも仕留めたのに数週間を擁して山探しをしても遺体を見つけられなかったそうで、世間には嘘つき呼ばわりまでされる内に、現在では自分でもオオカミの実在こそ疑っていないものの諦めの境地にある。
現在は炭焼きの職人として山に籠っているのだが、富海の辺りでは素材の関係から大きな炭は作れず、腕はいいが、あんまり儲けにならないのが玉にキズとのこと。
実は洋の父親で、オオカミじじいなんて呼ばれているが、まだ50代の若さである。
女房(洋の母親)には逃げられてしまったらしい。

【茜ハウスの宿泊客/その他の人物】

  • サイモン=ライヒ
声:デビットニール
35歳。1号室の住人。
ヒッピー風の格好をしたドイツ系オーストラリア人で、ナショナルジオグラフィックの誌面を飾る程の腕前を持つ写真家。
世界中の自然の姿を撮影するのを目標にしており、現在は富海から見える夕日を撮影する為に茜ハウスに長期滞在中*16
炊事場では、よくパスタを茹でている。
富海に到着した直後を初め、朝顔の成長記録やボクくんの行動を節目節目で写真に撮ってくれるナイスガイであり、今回の登場人物達の中でも、特にプレイヤーからの支持を集めている*17
非常に日本語が達者だが、上達の秘訣は“いい先生”に付いたかららしい。

  • 芳花/女子大生
声:田中敦子
??歳。
ボクくんの少し後に茜ハウスにやって来て、そのまま長期滞在することになる若い女性。2号室の住人。
ボクくんに「女子大生?」と聞かれ、本人も否定しなかったために、タケシやシゲル達からも女子大生と呼ばれるようになるが、サイモン曰く何か秘密があるようだ。
炊事場ではいつも野菜を切っており、ボクくんを見つけるとキュウリを薦めてくる。
ヘビースモーカーで、彼女の部屋の灰皿はいつもギッシリである。
夕方になると桟橋に出て、ギターで『アルハンブラの思い出』を演奏している*18
実際に一緒の湯船には入れないのだが、脱衣場に居て体重計に勝負を挑もうとしてる彼女を見つけると…。
ある人物が現れた後は、目のやり場に困るビキニ姿で海を監視するようになる。
普段は惚けた風だが電話をしている時のトーンが少佐
また、台詞は発しないものの『3』のOPとEDにて、彼女らしき女性の姿が確認出来る。

  • 静江
声:唐沢潤
靖子と光の実の母親。
お盆の期間だけ茜ハウスの3号室に逗留する。
夫の靖成(姉妹の父親)とは折り合いが悪かったようで、結局は身を引く形で離婚して家を出たようだが現在でも靖子と光の身は案じており、お盆になると富海を訪れている。
家は出たが相良のじいちゃんとの仲は悪くなく、光は静江が来ると茜ハウスまで会いに来るのだが、靖子とは高校の入学式の時に顔を見せていたにもかかわらず、3年以上も直に顔を合わせられていない。
現在は東京で交通遺児の奨学金団体に勤務しており、手に職(和文タイプライター打ち)があるので、失職知らずとはおばちゃんの弁。尚、光の発言からすると再婚している可能性もあるが、単に静江の実家のことかもしれず詳細は不明。
おばちゃんよりも年下だが仲がよく、光と生まれが近いシゲルにはおっぱいをあげたこともあるらしい*19
本人曰く「意地悪だから」夫の書斎(現在の靖子の部屋)と居間を繋ぐ扉の鍵を閉めたままわざと持ち出しており、靖子からは返すように言われても応じてこなかった。
おばちゃんより年下とはいえ、高校生の娘が居るにもかかわらずボクくんからも“ちゃん”付けで呼ばれるあたり、若々しくて格好いい女性らしい。

  • 谷口
声:村田則男
夏も終わりが見えてきた頃に、茜ハウスに現れた無口な中年男。静江の次の3号室の住人。
当初は他の人物に接するのと同じように無邪気に話しかけてきたボクくんに厳しい態度をとる等、遠ざけるような構えを見せていたが、めげずに話かけていると言葉少なながら反応してくれるようになるばかりか、やがては仲良しだと認めてくれるようになる。
青森県出身の元潜水夫で、富海の海で作りかけになっている岸壁やらの作業に来ていたらしく、来てからも何かを探して海に潜っているようだが……?

  • 船頭(前島正男)
声:牛山茂
32歳。
1日に3回、潮館と富海を結ぶ連絡船“マリンランナー号”の船頭。独身。
富海は一応は半島なのだが陸の孤島となっているので、連絡船は住民(特に学校に通う子供達)にとって無くてはならない足であるが、年内に自動車道路が開通する予定であり、失職の可能性を考えつつも連絡船が存在する限りは船頭を続けるつもりでいる。
既にオッサンが入ってるが気のいい男で、彼女の居ないことを悩んでいる。毎日送り届けする凪咲さんに想いを寄せているが…。
昼には、いつも茜ハウスの食堂でラーメンを食べている。

  • お坊さん
声:池田勝
毎年、お盆になると供養の為に富海に渡ってくるお坊さん。
やっぱり檀家(ダンケ)シェ~ン”が持ちネタでお経もアバウトだが、月夜野に出現する坊主と同一人物かは不明。
明るい性格で、檀家からの支払いが作ってる花火でも特に文句を言わないおおらかさを持っており、茜ハウス(と船頭さん)にも大量にお裾分けしていく。
余り富海には来てない筈だが、しっかりと船頭さんの気持ちを見抜いていたりと抜け目が無い。

  • 保田
声:内田夕夜
夏の終わりの頃にやって来た、メガネをかけた青年。
一見すると真面目そうだが、茜ハウスが満杯で宿泊出来ないと知ると、海の真ん前にテントを張るという大胆な行動に出る。
何と、芳花さんの知り合いらしい。
何故だかボクくんは保田さんのみには最初から強気の態度で、誘導するままに芳花さんへの想いを告白させ、男の約束を交わした直後に芳花さん本人に伝えるという、鬼畜な行動を見せた。
……が、バレたらバレたで特に進展も後退もなくで、それでも幾らか真面目に認識して貰えるようになった模様。
電話の内容からすると、一応は芳花さんより年上の可能性がある。

【PSP版のみの登場人物】

  • つみれちゃん/月夜野すみれ
声:沢城みゆき
19歳。
通称の“つみれ”は名字の頭文字と名前を合わせたもの。
茜ハウスの泊まり客で、一階の居間の向かいの部屋に長期間に渡って滞在しているらしい。
実は若手の小説家で、高校時代に書いた小説が賞を獲ってデビュー。
その後、マニアックな層を狙って書いたつもりの次回作、更にマニアックな層を狙った次々回作もヒットしてしまい時代の寵児となるも、世間の期待の声とマスコミから受けるプレッシャーでスランプに陥り、自分を知らない人間の多い富海へと逃げてきたということらしい。
酒やタバコは飲まないのに、たまにテンションがおかしい時がある。(所詮は作家か…)
ボクくんと知り合った後は快く部屋への立ち入りを許してくれ、ボクくんの話す体験を元ネタとして、パンダのクロトシロくんの活躍する物語を書き始める*20
暗い部屋に閉じ籠ってばかりなので、(一応は)若い女性の部屋なのに去年の雑誌が転がっている程で、海が目の前なのにカーテンも閉めきっているので季節感すら失っていた。
(一応は)つみれちゃんが入っているのは女湯の時間なのだが、ボクくんに子供であることを理由に混浴を押しきられる。
(一応は)つみれちゃんも最初は驚愕する様子を見せていたのだが、2回目以降は受け入れて普通に世間話をするようになる。

  • 君野さん
声:仲村トオル
毎年、富海の沖合いに沈む沈没船に調査に来ている自称冒険家。
スキューバの道具を揃える等、かなり本格的。
道楽なのに稼げているのかと思ってしまうが、実は日本でも一番のアジの干物の会社の御曹司である。
スキューバも無しに海底に降りてくるボクくんと知り合い、知らず知らずにボクくんに助けられて遂に沈没船を調べることが出来るようになる。しかし…。
実は、ナゾナゾ姉妹の父親で、この父にしてあの姉妹ありというか…。
素敵なパパなので普段は姉妹は猫を被っているらしく、君野さんから娘達の印象を聞いたボクくんは(既に本性を知っていたので)目くらみを起こした。

  • チョコ/君野千代子
声:本多陽子
13歳。中学1年生。
ナゾナゾ姉妹の姉で、年齢の割に子供っぽい性格。
割とチョロい。
カコとのどっちが可愛いか論争にボクくんを巻き込み、7つの課題を出してくるチョコに勝たせるとビーズが貰える。因みに、最終審査で引き分けになると強制的にチョコの勝ちとなる。

  • カコ/君野里佳子
声:こおろぎさとみ
11歳。小学5年生。
ナゾナゾ姉妹の妹で、小学生ながら姉と同じくビキニを付けているあたりマセているようで、やっぱり子供っぽい所も。
だが、基本的にチョロいチョコよりは男性観はシビアで、ボクくんに“誰にでも優しい男なんて信用できない”と言い放った。
カコに勝たせるとおはじきを貰える。

【ナレーション】

  • 大人になったボク
声:ダンカン(たけし軍団)
前作に引き続き、大人になったボクの役はダンカンが務めており、要所要所のナレーションも担当。
PSP版ではつみれちゃんの小説の朗読もしてくれる。




毎日が、宝石だった。




追記・修正は、あの夏に帰ってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • PS2
  • PSP
  • ミレニアムキッチン
  • SCE
  • ぼくのなつやすみ
  • ぼくなつ
  • キレイキレイ
  • 綾部和
  • 上田三根子
  • ダンカン
  • 名作
  • 涙腺崩壊
  • 少年時代
  • gkdm
  • msdz
  • 夏休み
  • 港町
  • 伊豆
  • 静岡県
  • 素潜り
  • 秘密基地
  • 民宿
  • PlayStation2
  • ゲーム
  • ソニー
  • ぼくのなつやすみ2
  • 昭和
  • 釣り
  • 夏休みに立った項目
  • 高山みなみ
  • 大谷育江
  • 坂本真綾
  • 2002年
最終更新:2025年03月11日 13:08

*1 自由に使用でき、日を跨ぐと戻っているので乗り捨てても安心なのだが、明るいところに置いてあって銀色で透けているため見つけにくい上に、「自転車に乗っていい」といったヒントもない。

*2 オリジナルは井上陽水

*3 ただし、登場人物の増加もあり一度のプレイで全てのイベントを満遍なく見ることは不可能に近い。

*4 綾部和のTwitterより。シリーズ通して同じ方法で建物のデザインと内部設定が考えられていたとのこと

*5 同じく、綾部和のTwitterより

*6 PSP版では201種類に増えているが、周回を跨いで記録することも可能。

*7 『2』では恐竜シリーズ

*8 3回分しかストック出来ないのでパッパッと書いてしまおう

*9 綾部和のTwitterより

*10 因みに、日焼けする場合にはちゃんと脱ぐようにしないと腕と顔だけ日焼けしていく。

*11 芳花さんのみ例外

*12 PSP版ではつみれちゃんにも強気である。

*13 死んだお父さんは、本気で天文台にしようとしていたらしい。

*14 強いて言えば虫歯がある程度。

*15 今作が発売された当時は男性を「看護士」、女性を「看護婦」と呼んでいた。現在は男女共に「看護師」と呼ぶのが一般的。

*16 本人曰く「満足の行く」まで居るとのこと。

*17 実際、女心をくすぐるのか、ゲーム中でも気の強い女性達に囲まれてからかわれている場面がある。

*18 曰く10年程前に憧れていた人から習ったとのこと。

*19 よって、家を出たのも、靖成が死んだのも、ここ数年の出来事の模様。

*20 因みに、彼女がこの時に描いたという体の『クロトシロくんの大冒険』は実際にキャラグッズとして出版もされたが、現在は入手が難しくなっている。