キメラベロス

登録日:2020/08/03 Mon 22:11:34
更新日:2024/12/10 Tue 18:50:07
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その反抗心、流石俺の子だ。父が可愛がってやる!!


ギィオオオ! カチッ

ハッ! カチッ



フフフフ……フハハハハハハハ……!!


\フュージョンライズ!!/


ファイブキング! ゾグ第2形態!

ウルトラマンベリアル!


画像出典:ウルトラマンジード(2017年7月8日~) 第16話「世界の終わりがはじまる日」より
©︎円谷プロ、「ウルトラマンジード」製作委員会


キメラベロス!


画像出典:ウルトラマンジード(2017年7月8日~) 第16話「世界の終わりがはじまる日」より
©︎円谷プロ、「ウルトラマンジード」製作委員会



さあ息子よ、戻ってこい……俺のところへ!!



キメラベロスとは『ウルトラマンジード』に登場する怪獣である。
ウルトラマンジードで登場する『ベリアル融合獣』と呼ばれる怪獣群の第4号。


プロフィール


別名:ベリアル融合獣
身長:58m
体重:6万9000t

声:小野友樹

概要

復活したウルトラマンベリアル「超合体怪獣ファイブキング根源破滅天使ゾグ第二形態の怪獣カプセルでフュージョンライズしたベリアル融合獣。
ベリアルが直接フュージョンライズするということもあり、変身シークエンスは全てベリアルの念動力で行われる。

共通項は翼がある点と一度は2人のウルトラマンを打倒したことがあること。
また、初の平成作品オンリーの融合素材となっている。

上半身が丸ごとウルトラマンベリアルというこれまでの融合獣とは比べ物にならないほどベリアル要素が強いのが特徴。
一見すると何処に融合素材があるのか非常に分かりにくく、ゾグもあのケンタウロス形態はなく、元々合体怪獣であったファイブキングの要素は全体シルエット程度と少な目。
細かく見るならば
  • ゾグ第2形態のような形状の尻尾と両脚
  • ファイブキングやゾグ第二形態の翼が混じったかのようなフォルムの背中の双翼
  • ファイブキングの背中の棘を彷彿とさせる鋭利かつ大きな背びれ
といったように、明確な素体の要素はある程度見受けられる。それでも分かりにくいのは確かであるが。
問題の上半身のベリアルの部分も、造形はそのままながら顔が若干怪獣っぽく変化しており、変身前と比べ口の開き方が大きくなっている違いがある。


戦闘能力

本人が変身しているということもあって、ベリアル融合獣であると同時にウルトラマンベリアルの屈強な戦闘怪獣形態も兼ねた融合体。
自身の遺伝子に宿るレイブラッド星人の遺伝子」と怪獣を操る「レイオニクスの能力」を活かし、カプセルが秘めた力を最大限に引き出すことができるのが最大の特徴。

能力的にはスカルゴモラ同様攻撃能力に特化したベリアル融合獣であるが、ベリアル本人が直接変身しているだけあって戦闘力は他のベリアル融合獣を凌駕。
格闘戦ではゼロビヨンドすら圧倒するパワーに加えて、ジードの連続フォームチェンジの猛攻を防御技無しで受けても、ロイヤルメガマスターからのトドメの一撃を食らうまでまともな大ダメージを受けていない尋常でない頑強さを備えている。
更にスカルゴモラと異なり背中の巨大な翼で飛行することで機動力を補っており、素早い空中戦も可能となっている。

必殺技は口から闇の火炎を吐き出す『ベロスインフェルノ』
このほか、
  • デスシウム光線の強化版『デスシウムフレア』
  • 爪を振るい三日月状の斬撃を放つ『ベリアルリッパー』
も使用可能。
技のレパートリーこそ少ないが、規格外の基礎スペックとベリアルの力も相まって絶大な火力を誇る。
また体内にジードを吸収する能力も持っており、ジードの吸収が進めば進むほどキメラベロスのパワーが更に強化されていく恐るべき特性を持つ。


劇中での活躍

第16話「世界の終わりが始まる日」


――その姿を見た人々は、世界が終わることを悟った――
――雄々しく広げられた翼。それは地面を離れ人々の頭上を横切り、空へと高く上ってゆく――
――その日、人々の中から希望は消えた――

息子であるウルトラマンジードを取り込み、自身が完全体となるべくライザーを使いベリアルが変身。
桁違いの力でジードを圧倒すると、そのまま体内に取り込んで月面へと飛び去ってしまった。


第17話「キングの奇跡! 変えるぜ! 運命」

一度はジードを取り込み悠々と地球を離れると月面で完全に吸収するまでのんびり待機する姿を見せる。
この際リクの精神に、「臆病な人間どもはどうせお前を受け入れないのだから、これからは本当の家族として俺がそばにいてやろう(意訳)」と言葉巧みに囁きかけ、一時は完全に取り込むところまで進行した。
さらに、追ってきたゼロビヨンドに対しては精神世界でジードを扇動してイメージのゼロと戦わせ、
現実ではジードにキメラベロスをコントロールさせて戦わせる、とかなり回りくどいタチの悪い洗脳を仕掛けていた。

が、ウルトラマンキングの導きでダイブしてきたライハの呼びかけでリクの自我が覚醒、分離されたことで形勢が逆転。
プリミティブを羽交い絞めにして動きを止めるも、
レッキングバースト発射の反動を利用して月面から脱出し、地球へと帰還するという荒業によってもろとも地球へ叩き落される。

その後はジードを相手にタイマンに発展するが(BGM「フュージョンライズ!」が流れる中)、
  • ソリッドバーニングに押しまくられゼロ距離ストライクブーストを受ける
  • ジードクローを手にしたアクロスマッシャーに四方八方から袋叩きにされる
  • デスシウムフレアをコークスクリュージャミングで弾かれ無傷でしのがれる
と散々。

爆風をものともせず悠然と歩くマグニフィセントに対しては
その姿から同期を思い出したのか、「ウルトラの父か…ケンには恨みがある。容赦せん!」と敵意を露わにした*1
しかし、人々の声援を受けて完全に勢いに乗ったジードに全く歯が立たず、攻撃をいなされた上に思い切り投げ飛ばされて振り出しに戻ってしまう。

一見、この回では奮起したジードの咬ませに見えるが、実はこれだけジードの猛攻を食らいながら明確なダメージがない。
そもそも、ペダニウムゼットン戦でも高威力を見せたストライクブーストを至近距離から連続で喰らって無事、という時点で元からタフネスとは言えどこかおかしいレベルのタフネスである。


ウルトラマン……キング……!

まさか…!?

僕は……あなたを越えてみせる!!


しかしその中、ライハの祈りを込めた剣舞により分離したリトルスターが、ウルトラマンキングのウルトラカプセルを起動させることに成功。
ついにジードの最強形態・ロイヤルメガマスターが降臨し、今まで余裕を崩さなかったベリアルもついに明白な動揺を見せる。

その姿は……!? 馬鹿な!
貴様、認められたというのか……キングに!?

あなたは強い。だけど……間違っている!!

まるでかつて手放したに手を伸ばすかのように、ジードへ襲い掛かるベリアル。だが、ロイヤルメガマスターの捌きに翻弄され、スウィングスパークルで間合いを開けられる。ならばとベロスインフェルノを放つが、ウルトラ六兄弟の力でシールドを張られ失敗。
たまりかねて空中戦に持ち込み、なおも精神的に揺さぶりをかける。しかし、


どれほど俺を否定しようと、お前はベリアルの息子!
生きている限り、俺の名前からは逃れられん…!


逃げるつもりはない!

この体が、貴方から作られたものでも…この魂は、僕のものだ!!



変えられるものか!運命を!


変えてみせる!僕の運命は、僕が決める!


己を確立し真の意味で「ウルトラマン」となったジードの意志を揺らがせることは出来ず、空中から叩き落とされたところにロイヤルエンドの直撃を受けて敗北、爆散する。


何だ……この力はァァァァッ!?


―――かくしてウルトラマンベリアルは、己の血を継ぐウルトラマンジード……ありえたかもしれない「別の可能性」の前に敗れ去ることになった。
ジードがキングに認められた際に動揺していたように、かつてキングに認められなかったことで完全に悪の道に進んでしまったベリアルにとっては皮肉ともいえるだろう。

その後のベリアルの消息はしばらく不明だったが、「フュージョンファイト」での先行登場を経て本編でも復活を遂げた。
玩具展開の都合上とはいえ、実際の登場の2か月近く前から既にバラされていたが…。*2


余談

コンセプトは「簡易版ベリュドラ
ゾグやファイブキングの要素はあえて排除され、半獣人のおぞましさが追及された。
まさに悪魔といった容姿や各種設定を考えると恐らく『幼年期の終わり』に登場するオーバーロードが元ネタだろう。


当初、『ウルトラマンタイガ』に登場したナイトファングはキメラベロスの改造を前提にデザインされていた。飛行シーンで翼を合成するという撮影手法はキメラベロスを踏襲している。

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最終更新:2024年12月10日 18:50

*1 何気にTVシリーズでウルトラの父の名前が言及された貴重なシーン。

*2 爆発シーンをよく見ると、二番目のカットで何かが飛び去っている。