登録日:2020/10/03 Sat 22:54:09
更新日:2025/03/30 Sun 00:53:06
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2020年9月11日に公開された、映画
クレヨンしんちゃんシリーズ第28作目の作品。上映時間は104分。令和に公開された最初の作品となる。
『
クレヨンしんちゃん』生誕30周年記念作品。
監督は『
ラブライブ!』『
宝石の国』の京極尚彦、脚本は、映画『そこのみにて光輝く』など、実写作品の脚本を主に手掛けてきた高田亮が京極氏と共同で担当。
原作コミック第23巻に収録されている「ミラクル・マーカーしんのすけ」を原案としており(パンフレットにも収録)、現在のアニメシリーズでは描かれない(監督自身がイメージする)しんのすけのいたずら坊主らしさを描くなど原点回帰的な設定が採用されている。
また、劇場版では長らく声無しでの登場だった
ぶりぶりざえもんが久々にメインキャラクターとして登場し、2016年から二代目として担当している
神谷浩史が劇場版で演じるのは今回が初となった。
ある意味
クレヨン
しんちゃんのタイトルを回収した形になる。
ラクガキが具現化したり、ラクガキたちが歌い踊るシーンがあったりと全体的にファンタジックな作風が特徴。
元々は従来通り4月の公開を予定していたが、コロナウイルス感染拡大の影響を受けて延期が決定、社会的状況による公開延期はこれが初となり、4月以外の公開は『
アクション仮面vsハイグレ魔王』以来約27年ぶりとなった。
※以下ネタバレが含まれますので、未鑑賞の方はご注意ください。
※ここから先は物語の核心に迫る内容のため、あえて隠しております。鑑賞後か自己責任で開いてお読みください。
【あらすじ】
ある日、
幼稚園に行く途中ななこに出会ったしんのすけは、
日曜日に一緒に食事すると約束して大喜び。
ところが、天空に浮かぶラクガキングダムでは防衛大臣たちが穏健派の王に対して反旗を翻し、拘束。子供たちに強制的にラクガキを行わせる
ウキウキカキカキ作戦
を実行に移す。
大臣たちの行動に気付いた姫は宮廷画家に描いたものが具現化するミラクルクレヨンを地上の勇者に渡すようにと託す。
地上へ降りた宮廷画家はしんのすけを勇者として見出すが、キングダムの兵士たちに捕まりそうになり、しんのすけを閉じ込めた紙を紙飛行機にして飛ばし、逃がす。
跳び続けたしんのすけはなんと
山梨県に辿り着き、ミラクルクレヨンの力で紙から脱出。クレヨンの力で作り出したブリーフ、ニセななこ、
ぶりぶりざえもんと共に春日部を救うため旅を始める。
【登場人物】
ほぼ四人の勇者
◇
野原しんのすけ(声:
小林由美子)
おなじみ主人公。ななことの食事の約束のために春日部を救おうと奔走する。
ひょんなことから
山梨県まで飛ばされてしまい、相模湖を経由して春日部を目指す。
◇ブリーフ(声:
冨永みーな)
しんのすけがミラクルクレヨンで描いた
二日目のブリーフ
。臭い。
ランガキングダムやミラクルクレヨンに関する知識を持っており、しんのすけの旅をサポートする。
終盤、しんのすけがライン引きと春日部全体を使って巨大ぶりぶりざえもんのラクガキを描くが、あとちょっとのところで石灰が足りなくなり、残りのラインの代わりとなって消滅する。
ミラクルクレヨンで描かれた存在のため、ミラクルクレヨンと同じ力を持ち、巨大ぶりぶりざえもんを具現化した。
◇ニセななこ(声:
伊藤静)
しんのすけがミラクルクレヨンで描いたななこ。
しんのすけがスケッチブック数ページにわたり書き連ね、ついでにお胸もちょっと盛るほどの情熱を注いだが、所詮はしんのすけの、というか5歳児の画力のため本物とは似ても似つかず、吹き出しもつけたために「しんちゃん、すきよ」としか喋れないが、しんのすけに対して献身的で優しい。
元は「ミラクル・マーカーしんのすけ」に登場したキャラクター。
予告編でもやっている通り、サトーココノカドーの屋上でピンチに陥ったしんのすけを助けるために雨の中に飛び出し、溶け消えてしまう。
ブリーフとケンカし、しんのすけ達の元を去る。その際、しんのすけが落としたミラクルクレヨンを手土産にキングダム側に寝返ろうとするが、ユウマの母を救うためにクレヨンを渡し、囮となった。
そのまま捕まり、木の下に吊るされ、そのまま雨に打たれて溶けてしまうが、しんのすけが春日部全体を使って描いた巨大ぶりぶりざえもんとして復活、ラクガキングダムを救って消える。
◇ユウマ(声:
黒沢ともよ)
相模湖近くの定食屋の息子。偶然立ち寄ったしんのすけ達に食事をおごり、春日部から帰らない母を探すため一行に同行する。
母を探すため一行と別行動していた際に姫と出会う。終盤、春日部から逃げようとする人々に対してサトーココノカドーの放送設備を使って呼び掛ける。
その他
◇
野原ひろし(声:
森川智之)
おなじみ野原家の大黒柱。偶然酔って帰る途中でキングダムの兵士に言われるままラクガキしたことで大人達で唯一助かる。
◇
野原みさえ(声:ならはしみき)
おなじみ野原家の主婦。ひまわりとサトーココノカドーに立ち寄った際、騒動に巻き込まれ、壁に閉じ込められてしまう。
◇
野原ひまわり(声:こおろぎさとみ)
ウキウキカキカキ作戦のためラクガキを強制されるが、目を覚ましたひろしに救出される。
◇シロ(声:真柴摩利)
一家が誰一人として帰ってこなかったため単独行動をとる。
◇風間トオル(声:真柴摩利)
幼稚園にいたところを騒動に巻き込まれる。一人だけ反抗したため壁に閉じ込められてしまうが、後にしんのすけに救出される。
◇桜田ネネ(声:林玉緒)
幼稚園にいたところを騒動に巻き込まれ、ラクガキを強制される。
◇佐藤マサオ(声:一龍斎貞友)
幼稚園にいたところを騒動に巻き込まれ、ラクガキを強制される。徹夜でラクガキさせられたため眠りそうになり、オエカキSUNの餌食になってしまう。
最初に登場し、OPでは独壇場を披露する。
◇ボーちゃん(声:佐藤智恵)
幼稚園にいたところを騒動に巻き込まれ、ラクガキを強制される。一人だけオエカキSUNの餌食にならなかった。
宮廷画家に勇者候補に見込まれるが、残念ながらミラクルクレヨンを使えなかった。
◇大原ななこ(声:
伊藤静)
冒頭でしんのすけと食事の約束をする。春日部がラクガキングダムに占領されてからは行方が分からなくなってしまうが…。
◇ラクガキング(声:
中田譲治)
ラクガキングダムの王様。かなりの巨体で巨大な髭に隠されていて顔は見えない。防衛大臣たちが強硬策に出たため拘束されてしまう。
実は巨大な体はハリボテで実際は小さい王冠をかぶった落書きだった。
◇姫(声:きゃりーぱみゅぱみゅ)
ラクガキングの娘。勇者にミラクルクレヨンを託すため宮廷画家を地上に行かせる。しんのすけとは間接的にしか関わらない珍しいヒロイン。
◇防衛大臣(声:山田裕貴)
ラクガキングダムの防衛大臣。冒頭でキングに反旗を翻し、子供たちに強制的にラクガキさせる「ウキウキカキカキ作戦」を実行に移す。
強硬手段を取るものの、愛国心は本物で、今回の作戦も国を思うがゆえに行っている。
全てが終わった後に間違いに気づき、拘束されるものの、愛国心の強さを認められて許される。
◇宮廷画家(声:
平田広明)
ラクガキングダムの宮廷画家。姫にミラクルクレヨンを使える選ばれし勇者を探すため地上に落とされる。子供たちに声かけする姿はどう見ても変質者。
元は「ミラクル・マーカーしんのすけ」に登場した
キャラクター。
【世界観設定】
◇ラクガキングダム
空に浮かぶラクガキ達の王国。地上の人間達が行う自由なラクガキによって発生するエネルギーによって浮かんでおり、『
オラと宇宙のプリンセス』のひまわり星と似ている。
ラクガキの減少により存亡の危機に瀕している。
終盤、ついにエネルギーが尽きて地上に落下しそうになるが、しんのすけが描いた巨大ぶりぶりざえもんによって再浮上。
エピローグでユウマが現在は様々な人々が描いた絵をネットに投稿していることを姫に教え、エネルギー不足が解決することが示唆されている。
◇ミラクルクレヨン
ラクガキングダムの宝である虹色に輝くクレヨンで、選ばれた勇者と王族しか使えない。
このクレヨンで描いたラクガキは
全て具現化するが、食べ物などは出せない模様(しんのすけの絵が下手だったせいかもしれないが)。
◇ミラクルカメラ
撮影した人物を壁などの中に閉じ込めてしまうカメラ。ミラクルクレヨンで囲むことで脱出できる。
◇オエカキSUN
眠りそうな子供を乗せてサンバのリズムで強制的に起こす神輿。振動でラクガキできないという重大な欠点がある。
【主題歌】
◇マスカット(ゆず)
今回はねんどアニメはEDに回されている。
◇ギガアイシテル(レキシ)
冒頭にねんどアニメが用意されている珍しいED。
この曲を収録したCDも元々4月の発売を予定していたが、映画の延期に合わせて9月発売となった。
- 時代なのか裏切った後のぶりぶりざえもんに対するしんのすけ達のフルボッコがない -- 名無しさん (2020-10-04 07:04:47)
- ニセななこだけど、5歳児が描いたにしちゃ相当上手いよね。ていうか描いたもの具現化するアイテムを子供が使えばそうなるわっていうw -- 名無しさん (2020-10-04 07:14:17)
- ラクガキってのは楽しく描くからラクガキなんであって、子供捕まえて無理やり描かせればエネルギーにならんのも当然なのだろう。 -- 名無しさん (2020-10-04 07:24:50)
- ↑3 そのせいか裏切ったあと流血してるのが目立ったなぁ。千歳飴とか時間制限とか昔のネタ拾ってくれたのは嬉しかった -- 名無しさん (2020-10-04 12:06:07)
- ラクガキングダムの面々に固有名詞(名前)がないのは落書きだからだろうか。 -- 名無しさん (2020-10-04 13:49:51)
- 終盤のぶりぶりざえもんが救いのヒーローになる展開、ブタのヒヅメを観た世代はグッときたであろうシーンかもしれない。久々の銀幕出演だけあって最後の最後までやってくれたよね。 -- 名無しさん (2020-10-04 18:41:32)
- ニセななこは原作(ミラクルマーカー)もあるから予想はしてたがやはり泣ける -- 名無しさん (2020-10-05 00:20:46)
- ひろしの声変わってから見てなかったけど評判良いしロボとーちゃん以来に見に行ってみようかな -- 名無しさん (2020-10-05 13:58:42)
- ここ最近で(というかクレしん映画全体で見ても)かなりの傑作だから見て損は無いと思う。 -- 名無しさん (2020-10-05 15:36:22)
- もしあのクレヨンをキラメイジャーの充瑠が使えば完全無双待った無しでしょうw. -- 名無しさん (2020-10-05 17:59:26)
- 春日部市民の動きがファミリー向けにしては珍しかった -- 名無しさん (2020-10-05 20:54:49)
- ↑6さんと同じことを思いました。そういえば、ユウマくんの中の御方である黒沢さんって「 宝石の国 」の....。 -- 名無しさん (2020-10-06 19:37:31)
- ↑2 5歳児に責任おっかぶせてよってたかって責め立てるというえげつなさよ… -- 名無しさん (2020-10-06 20:59:37)
- ちなみに、クレしんでクレヨンが重要なアイテムとして登場したのは、今作ではなく「ぬってクレヨ~ン大作戦」の方が先。あっちはゲームだけどね -- 名無しさん (2020-10-06 21:56:48)
- ニセななこが雨に濡れて消えた時にしんのすけの涙を雨に紛れさせたのは上手いなぁと思った -- 名無しさん (2020-11-12 05:30:42)
- ドラえもんと同じで来年からまた春公開に戻る -- 名無しさん (2020-12-14 16:01:39)
- そういえば黄金のスパイ大作戦だけ項目立ってないのか -- 名無しさん (2020-12-25 11:14:37)
- しんちゃんも延期が決まった -- 名無しさん (2021-04-22 22:16:22)
- ↑2 カスカベ野生王国と宇宙のプリンセスもまだ無いよ -- 名無しさん (2021-04-22 23:13:16)
- 子供たちが落書きを無理矢理延々と描かさせるシーンは、貧しい国の政府が利益のために子供の強制労働させている話を暗に風刺してるようでけっこうゾッとする。 -- 名無しさん (2021-06-18 12:56:02)
- 本来なら子供たちの空想する力が形になった楽しい夢の国のはずなのに、その夢の王国が逆に現実の子供を搾取する側になるという皮肉。姫は全国の女の子が描いたお姫様の落書きから生まれた存在なのだろうか? -- 名無しさん (2021-06-18 13:05:48)
- いつまで経ってもアマプラに出てこないのだが -- 名無しさん (2021-06-18 13:56:39)
- 評価高いだけあって映画全体は良い出来だと思うけど、そもそもスケッチブックに絵を描くのは普通にお絵かきであってラクガキではないよね? -- 名無しさん (2021-09-03 18:27:27)
- 落書きの定義は確かに自分のものではないモノや場所に絵を描く行為だけど、広義で考えれば「(書かれた場所に関係なく)第三者にとって無価値な絵」も落書きと言う場合もあるのであながち間違いとも限らないと思う -- 名無しさん (2021-09-26 10:42:32)
- しんのすけにとってあの落書きたちは自分が産み出したいわば子供なんだからな。それが目の前で親の自分より早死する光景を立て続けに目の当たりにするとか脚本がドSすぎる… -- 名無しさん (2021-10-16 14:46:40)
- キングダムの側近(?)(ホットドッグみたいなヤツとか)の出番がもう少し見たかった どれも面白そうなキャラだったから残念 -- 名無しさん (2021-12-27 16:38:43)
- abemaで見たが実に良い映画だった。最初タイトルの「ほぼ」ってなんでだ?と思ったが、映画を全部見ると「ほぼ」の意味がわかったわ。 ↑2しんのすけが最後の仲間を自分の手で介錯せざるを得ない状況になったのがまた深いよね…雨が頬を伝う→体が震える→涙を流すと徐々に反応がダイレクトになっていってた -- 名無しさん (2022-01-01 12:04:20)
- これってテレビ放送してないよな?コロナのせいでタイミングのがして、そのまま天カスを先にやってしまった感じだろうか -- 名無しさん (2022-04-17 21:22:54)
- これを見て考えたんだけど、この映画の真の悪役は『落書きをする遊び心』を忘れた大人だと思ってる。終盤の春日部市民の言動見てみるとほんとそう -- 名無しさん (2022-04-27 21:02:53)
- 今作のヒロインはニセななこだろ -- 名無しさん (2022-04-27 21:16:30)
- 終盤の大人たちの醜さがこうも生々しく描かれるのって珍しくね。そこもっとオブラートに包むことが多いと思うんだが。個人的には嫌いじゃないし生々しくて好き -- 名無しさん (2023-04-08 21:23:32)
- 「やっちゃえばー♪やっちゃえばー♪」のシーンは癖になる。 -- 名無しさん (2023-05-05 22:35:00)
- ゲストの山田裕貴はもしミラクルクレヨンが使えたら?の問いに「現金」と答えていた あっても絶対使えないわコレ -- 名無しさん (2023-05-05 23:49:11)
- ブタのヒヅメ好きだから、最後のあれは反則 -- 名無し (2023-09-12 22:09:37)
- ぶりぶりが現実に出るのはベンダーにもあったけどこっちは原作付きだからレギュラーなのがいい -- 名無しさん (2024-07-17 10:16:29)
- ラストの掛け声が映画しんちゃん恒例の「ファイヤー!」ならもうちょい評価出来た -- 名無しさん (2024-07-17 10:30:19)
- 公開されたときにマツケンサンバ2流れても知っている子供そんなにいたんだろうか……今でもちょくちょくやってるから意外と知ってるのかな? -- 名無しさん (2025-02-10 02:06:07)
- 序盤の春日部侵攻のエアボーンとかロシアのウクライナ侵攻前にやってたのが凄い、自衛隊描写も妙に凝ってたし軍事監修がいそう -- 名無しさん (2025-03-15 20:08:39)
最終更新:2025年03月30日 00:53