ヱヴァンゲリヲン新劇場版オリジナルの使徒

登録日:2021/04/07 Wed 23:46:37
更新日:2024/02/27 Tue 10:36:31
所要時間:約 8 分で読めます






「新劇場版オリジナルの使徒」とは、『新世紀エヴァンゲリオン』における「新劇場版シリーズ」に登場する謎の生命体「使徒」達である。
字面だけだと曖昧な表現ではあるが、分類については下記の「定義」欄を参照。

+ 目次

定義

最初に留意しておくべき点として、「エヴァンゲリオン」に登場する使徒は、アニメ版と新劇場版で同一、もしくは類似した形態であっても別の存在として区別されている。
例を挙げるなら、アニメ版の「サキエル」と新劇場版の「第4の使徒」は形態も登場シチュエーションもほぼ同じだが、別の存在として設定されている。
そういった観点から言えば、「アニメ版と同じ使徒」は厳密な意味では存在せず、新劇場版に登場する使徒は全てオリジナルの使徒と言える。
が、それだとこの項目は単なる新劇場版の使徒の一覧になってしまう。

知っての通り、「新劇場版」シリーズは「」から原典のアニメ版とは徐々にストーリーの内容が変わり始め、「Q」からは完全新作のストーリーになっていく。

この事を踏まえ、本項目内では以下の定義に合致する使徒を「新劇場版オリジナル」であるとして、紹介していく。

  • アニメ版にモデルとなる形態、もしくは設定を持つ使徒が存在しない。

第2, 4, 5, 6, 9, 13の使徒は同等の形態の使徒が存在する為、この条件により紹介対象から除外する。
第8, 10の使徒はアニメ版と同等ではないものの、類似形態かつ設定も同じなので、同じく除外。

  • 「モデルとなる使徒がいない」事が明確に示されている。

第1, 11の使徒は、前者は渚カヲルの言及こそあるが、アニメ版の使徒と異なると確定可能な描写がなく、後者は作中で登場は勿論、言及もされていない為、アニメ版の使徒と違っている可能性があるが、そう断定できる情報がない為、紹介対象から除外する。


よって、本項目ではどちらの条件も満たす「第3の使徒」「第7の使徒」「第12の使徒」を紹介対象として取り上げることとする。


第3の使徒

基礎データ

登場:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
全高:不明(エヴァよりも数段大きい)
体重:不明
能力:眼部からの光線

概要

旧北極にあるベタニアベース内にてエヴァンゲリオン仮設5号機と戦闘を行った使徒。
ちなみにアニメ版の第3使徒はサキエル。

外見は恐竜の骨のような容姿で、胴体部分に黒と黄色の殻のようなものを持ち、そこから異様に細い四対の足が生えている。使徒共通の弱点であるコアは口の中にある。
また、移動時にはカラコロと印象的な足音がなるのも特徴。
誰の眼にも異様な印象を与える姿だが、それもそのはず、この使徒は人工的な改造を施された使徒なのである
永久凍土から発見された使徒で、その後ユーロNERVによって*1人の手で制御ができるかどうかの試験として、胴体部分に当たる部分に拘束具を取り付け、腕部や脚部の切除や首部分に当たる骨には擬似エントリープラグ挿入口まで付けられている。
その為、元はもっと違う外見をしていたものと思われる。

「未覚醒の段階で発見される」「人の管理下に置かれている」「極地にて発見され、その地での戦闘に特化した形態のエヴァと戦闘する」と言うシチュエーションは、アニメ版の第8使徒であるサンダルフォンと類似していると言えなくもない。

主な攻撃方法

光線

眼部から打ち出される光線。
戦闘相手の仮設5号機のパーツを焼き切るほどの威力を持つ。
改造前だとどのような状態の攻撃になったのかは不明。

エンジェル・ハイロゥ

他の使徒や覚醒したエヴァでも時折見られる天使の輪だが、本使徒はこれを攻撃に用いた。
劇中では辺獄エリアからアケロンエリアに脱出する際に使用。
展開と同時に自身の上方向に位置していた上部外壁を円形に切断して持ち上げ、アケロンに出た後は持ち上げていた外壁をカットケーキの如く切断した。

A.T.フィールド

使徒共通の能力。

劇中での活躍

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

永久凍土から発見されて以降は、封印状態とされていたが、加持リョウジの手引きによって封印が解かれてベタニアベース内で暴走。
そのまま真希波・マリ・イラストリアスの駆るエヴァ仮設5号機と戦闘。

一度はエヴァを振り切ってベース屋外のアケロンエリアへ脱走するも、仮設5号機から複製品のロンギヌスの槍を刺されて身動きが取れなくなった所、口内のコアを攻撃され、しばらくは抵抗するものの、最終的に破壊されて形象崩壊。
しかし仮設5号機も仕掛けられた自爆プログラムによって破壊。結果として相打ちになった。(なお、このプログラムについても加持が一枚噛んでいる。)

第3の使徒と仮設5号機を同時に失った事により、ベタニアベースにおけるマルドゥック計画は頓挫することとなった。


第7の使徒

基礎データ

登場:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
全高:不明
体重:不明(浮遊することができる為、重さはさほど重くないと思われる)
能力:触手攻撃

概要

第3新東京市地下のNERV本部を目指し侵攻をした使徒の一体。
ちなみにアニメ版の第7使徒はイスラフェル

登場タイミングはエヴァンゲリオン2号機初登場時の戦闘で、アニメ版では海上でガギエルと戦闘を繰り広げていたのだが、
当時のアニメの原画が残っていなかった為に、本作では新たな使徒が用意されることとなった。*2
外見を一言でいうなら「水飲み鳥」の様な姿で、細長い脚部と第4の使徒と類似した頭部を持つ。また頭部は脚部と細い棒のような部分でつながっており、棒は下の方に球体が付いている。頭部には顔の他に細い突起の様な物が存在し、そこで頭部が回転する為に時計の様な印象を持たせる。

地面スレスレを浮遊することができ、劇中では海面上を歩くように移動していた。
歩くたびに海面に雪の結晶のような紋様が浮かび上がるが、これは浮遊する脚がディバイダーのように空間を切り裂くことで、軌跡が凍り付く事で出来たもの。

一見すると顔のような部分のある球状の頭部がコアに見えるが、実はこちらはデコイ(囮)。
実際は下側にある球状の部分がコアであるため、頭部を崩されても、(一度身体が崩れかけはするものの)殲滅はされず、頭部とコア部を入れ替えて攻撃を行ってくる。

主な攻撃方法

光線

頭部を変形して放つ使徒によくある光線。
軍艦に対して使ったが軍艦には直接当てず、すぐ下の海面に当てて海面を十字架状の吹き上げさせて、軍艦を下から突き破って破壊という妙に器用な攻撃を仕掛けた。

触手

頭部を変形して放つ触手。
劇中では攻撃してくる弐号機に対して夥しい数の触手を伸ばし、見事な板野サーカスを繰り広げた。

A.T.フィールド

使徒共通の能力。
小型のフィールドを複数枚連続して展開できる他、エヴァが豆粒に見えるほど巨大なものも展開できる。

劇中の活躍

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

墓参り後のシンジミサトが車内にて会話している最中、唐突に登場。

ミサトは零号機を中心とするタスク03による作戦遂行を指示しようとするが、NERVは既にタスク02を発動していた。それに従って式波・アスカ・ラングレー共々空輸中であったエヴァ弐号機が投下され戦闘を開始する。第7の使徒は触手攻撃を仕掛けるが、全て躱され頭部への直撃を許してしまう。
だが破壊された頭部はデコイだった為にコア部分を頭部と逆転させることで復活。

しかしアスカはコア部に向かって超電磁洋弓銃を連発し、その上でコア部分に蹴りこんで破壊。形象崩壊を起こし、ひときわ大きな十字架が立ち上り、今度こそ事態は収束した。


第12の使徒

基礎データ

登場:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』
全高:不明(伸縮性が非常に高い)
体重:不明
能力:全身コアによる変形

概要

セントラルドグマ内でエヴァンゲリオン Mark.06に潜んでいた使徒の一体。
ちなみにアニメ版の第12使徒はレリエル。

マリ曰く「最後の使徒」だったらしいが、作中でカヲルが第13の使徒に落とされた為、その座を奪われることとなった……のだが、見ようによっては意図的にカヲルに最後の使徒の立場を委譲したとも考えられる
当初はロンギヌスの槍を2本刺された状態でMark.06と共に活動を停止していたが、エヴァンゲリオン第13号機に搭乗したシンジがそれらを2本とも引き抜いた結果活動を再開。
ちなみにいつの段階からMark.06内にいたのかは作中では明言されていない。

外見は端の部分が赤く光る、黒いケーブルの束の様な姿であり、活動再開後は体をくねらせながら移動している。また束の数も1つとは限らず、作中では2束に分かれての移動をしているシーンがある。

変形する際は体色が赤く変化し、表面上に綾波レイの姿(あるいは既に骸となっているリリスを模したとも考えられる。)が映り、彼女の笑い声なども響き渡る。

「赤い外見」から何となく予想は付くだろうが、この状態の時は身体全身がコアであると言う特徴を持ち、この状態では倒すことが出来ないらしく、マリは使徒を倒そうと躍起になるアスカに対して「無駄弾になる」として攻撃中断を進言している。

形状だけを見るならば、最も近い使徒はアルミサエルかもしれない。
また、能力もどことなくではあるがアルミサエルに似ている。

主な攻撃(?)方法

取り込み

自身の身体を変形させて相手に巻き付いて中へ取り込む。
取り込まれた中では原形を保ってはいるが、自由に動く事自体は出来なくなってしまう模様。

A.T.フィールド

使徒共通の能力……のはずだが、劇中で使用している部分はなし。

劇中の活躍

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

上記の通り、Mark.06内のバイザー部分にて封印されていたがシンジが槍を引い抜いた事で活動を再開。アスカはフォース・インパクト阻止のために息の根を止めようとするが、
エヴァンゲリオンMark.09がMark.06の頸部を切断したことで外界へと脱出。

そのままエヴァンゲリオン第13号機に取りつき、身体を変形・コア化させながら包み込んでいく。
この時、13号機を何らかの形で変質させたりしていたのかは不明だが、この中でカヲルが第1の使徒から第13の使徒へと堕とされることとなる。*3
最終的にコア部分を小さくまとめて13号機の口部へ移動。最期はそのまま13号機に噛み砕かれた。

しかし、この際にコアを13号機が吸収して覚醒へと至った結果、フォース・インパクトが始まってしまう事となる…………。

余談だが使徒の目的を大雑把に言えば「サード・インパクト」を起こすことであり、この使徒は自身は噛み砕かれる形で消滅しているが、間接的にとはいえフォース・インパクトを起こしているため、ある意味では目的を果たすことに成功した使徒と見ることも出来なくはない。

月面のダブハベースにて建造されているMark.6の素体は旧作のリリスの仮面に似た仮面を付けている黒い巨人である。
そしてMark.06は建造方法が特別であり、『真のエヴァンゲリオン』とゼーレに言われている。旧作の設定に当てはめるならばエヴァは始祖アダムのコピーであるため、『真のエヴァンゲリオン』つまりコピー元であるアダムを素体に使っているとも解釈できる。
またこの仮面をつけた黒い巨人が、第12の使徒であったとも考えられる。

余談

本項目での新劇場版オリジナルの使徒は「破」「Q」からしか紹介されていないが、「」では条件に該当する使徒が存在せず、「シン」では第9の使徒がサプライズ的な登場を果たすのみである。

新劇場版におけるオリジナルの使徒達だが、第3の使徒はサンダルフォン、第7の使徒はガギエル、第12の使徒はアルミサエルと、それぞれにアニメ版の使徒を連想させる要素が存在している。



追記・修正は新劇場版を見て、アニメ版と新劇場版の使徒を完全には同一視しないようにしながらお願いします。
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最終更新:2024年02月27日 10:36

*1 ただしこのベタニアベースは「秘密結社ゼーレ直轄第3の使徒厳重保管用秘密基地」という、ゼーレ直轄の秘密基地である。かつ検体頭部にも薄っすらゼーレマークが刻印されいることから、この研究にもゼーレが深く関わっていたとも推察できる。

*2 また、新劇場版では海が赤くなっている為、これも使徒を変えた理由なのかもしれない。

*3 これが第12の使徒の能力なのか、もしそうだった場合この行為に第12の使徒の意思が介在していたかは不明。