ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

登録日:2012/11/18(日) 02:09:29
更新日:2021/02/03 Wed 22:05:06
所要時間:約 11 分で読めます






「希望は残っているよ。どんな時にもね」

少年は目覚める。

少年は困惑する。

少年は邂逅する。

少年は絶望を知る。

そして、少年は希望と出会う。

新たな物語が、幕を開ける。



EVANGELION:3.0
YOU CAN (NOT) REDO.

概要

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は、2012年11月17日に公開された映画。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』4部作の第3作であり同時上映は『巨神兵東京に現わる』。

タイトルの『Q』は「序破急」の「急」を指しており、当初もそのタイトルの予定だったが、『破』次回予告において庵野秀明総監督が「『急』だと『急行』みたいでカッコ悪かった」とのことでアルファベットの『Q』に変更された。
また、『破』予告に記載してあった単語「Quickening」には「『急』速化、胎動」という意味がある。結果として本来のタイトルである『急』の意味を内包しているといえなくもない。

主題歌は宇多田ヒカルの「桜流し」。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」から14年後の世界でネルフと人類との戦いが描かれ、TV版を完全に離れた完全オリジナルストーリーになっている。
また、サードインパクトが発生した世界崩壊後が舞台となっているためか、終始シリアスな展開が続き、前2部とは違いコミカルなシーンはほぼ皆無となっている。
なお、『破』の次回予告で描かれたシーンは一切使用されていない。
「予告詐欺」と非難の声があるが、一説では「空白の14年間のダイジェスト」と推測する声も多い。
(一応、本編で語られたことと照らし合わせると辻褄が合っている)

かつてのガイナックス制作で本作と裏設定で繋がっている『ふしぎの海のナディア』の劇中音楽の一部が使用されている。

ストーリー

エヴァンゲリオン初号機の覚醒により発生したニア・サードインパクトから14年後の荒廃した世界。
そこではフォースインパクトの発生を目論むネルフと生き残った人類との戦いが続いていた…。

14年間初号機の中で眠り続けていた碇シンジは、かつての上司である葛城ミサト率いる組織「ヴィレ」に初号機ごと確保され、そこで目覚める。
しかし、目覚めたシンジを待っていたのは、自身が原因の一つとなって発生したニア・サードインパクトで崩壊後から14年が経過した世界の光景と、
ニア・サードインパクトを起こした元凶として、ミサトや式波・アスカ・ラングレーといったヴィレの人々から向けられる憎悪の視線と冷徹な対応であった。

そんな中、使徒の襲来と共に自身を迎えに来た零号機によって、シンジはヴィレからネルフに保護される。
そこで碇ゲンドウから、自分と共にエヴァンゲリオン13号機に乗るパイロットとして渚カヲルという少年を紹介された。

カヲルと友人となったシンジだったが、彼に世界の実状を尋ねた結果、上記のニア・サードインパクト及びヴィレの構成員が自分を憎悪する理由、
そして、そうまでして助けたかった綾波レイは助けられておらず、自分を迎えに来た零号機のレイは14年前に出会ったレイ本人でなかったことを知り、絶望する。

だが、自分と真正面から向き合い、助けようとするカヲルの真心に触れ、彼の導きでエヴァンゲリオン13号機に二人で搭乗。
世界と自らの救済のため、カヲルと共にターミナルドグマ最深部にあるという二本の“槍”の確保に向かう。

それが、フォースインパクトの始まりだとは、二人には知る由もなかった…

ネルフ

サードインパクトによって壊滅した、旧第3新東京市の廃墟に存在するジオフロントを拠点とする組織。

不完全に終わったサードインパクトに次ぐフォースインパクトの発生を目論む人類最後の敵。
既に職員のほとんどが離反し、残った職員は実質的に碇ゲンドウ、冬月コウゾウのみで、「人としての」組織としてはすでに崩壊している。

碇シンジ

かつてのエヴァ初号機専属パイロット。14歳(実年齢は28)。
14年の歳月を経て覚醒するも、周りの環境や周囲の人間関係の激変、自らの「願い」によって崩壊した世界を目撃し自分の罪に苦悩する。
世界を再生するためにカヲルと共にエヴァ13号機に搭乗し、ターミナルドグマの最深部に侵入するが……ぶっちゃけ今作一の被害者。
能動的に動いてこそいるが、やる事なす事裏目に出る。

渚カヲル

元エヴァMark.6専属パイロット。
苦悩するシンジを導き、彼の願いを叶えるべく共に13号機に搭乗しターミナルドグマの最深部に向かうが…
いろんな意味で軒並みシンジに冷たい登場人物たちの中で、唯一彼と真正面から向き合って接した存在。

アヤナミレイ(仮称)

エヴァMark.9パイロット。
アヤナミシリーズの初期ロッドであり、シンジの知るかつての綾波レイではない。
また、本作で彼女のオリジナルとなったシンジの母親である碇ユイの旧姓が綾波ユイであることが判明する*1

碇ゲンドウ

ネルフ司令にしてシンジの実の父親。62歳。
ゼーレのキール・ローレンツに似たバイザーを装着している。
自らの望む形の人類補完計画の完成のため暗躍し、シンジにカヲルと共に13号機に搭乗するように命令する。

冬月コウゾウ

ネルフ副司令。ゲンドウと共に人類補完計画を推し進める老人。74歳。
シンジに対し、母親やエヴァンゲリオンに関する秘された真実の一端を話した。

エヴァンゲリオン

エヴァンゲリオン第13号機

ネルフが完成させた人類補完計画の鍵となる機体。
ダブルエントリーシステムを採用しておりシンジとカヲルが搭乗する。
外観は初号機に似ているが、4つの複眼、腕を持ち、従来のエヴァシリーズを凌駕する性能を持つ。
また、エヴァンゲリオンでありながらATフィールドを持たない。
シンジの願いと共にターミナルドグマ最深部に侵入するが…。

エヴァンゲリオンMark.9

ネルフの所有するエヴァシリーズ。
外観はかつての零号機に似ているが、形状変化や全身がコアになっているなどその構造はエヴァよりも使徒に近い。
第13号機の護衛としてターミナルドグマの最深部に侵入する。

エヴァンゲリオンMark.6

かつてカヲルが搭乗していた人類補完計画のカギを握っていた機体。
現在はターミナルドグマの最深部、リリス「だった」亡骸の残骸と共に眠っている。

エヴァンゲリオンMark.4

ヴィレを襲う謎の敵で、ヴィレからは「ネーメズィスシリーズ」と呼ばれる。
US作戦では日向は「パターン青」と呼称し、青葉はコード4Aを指して「自動防衛システムの質量兵器」と言っている。
基本的に円盤にエヴァの部品が生えている謎の形状をとっており、BDブックレットで初めて名称が明らかにされた。
劇中では冒頭のUS作戦時に改2号機及び8号機と戦ったコード4A、同作戦で棺の中から現れた4B、ヴンダーを襲撃した4Cの三種類が登場した。
エヴァ4号機や本家「パターン青」である使徒との関係は不明。


ヴィレ

サードインパクト後、生き残った人類がネルフに対抗するべく結成した軍事組織。
フォースインパクトを阻止すべくネルフとし烈な争いを繰り広げている。
旧ネルフ職員が多数参加しているが軍と民間人の寄せ集め組織であるためその練度は低い。
意味はドイツ語で「意志」。

葛城ミサト

ヴンダーの艦長であり階級は大佐。43歳。
サードインパクトとネルフの真実を知ったためか、かつての優しかった彼女の面影はなく、シンジに対しても終始冷淡な態度をとっている。
“破”のやりとりを見た後に彼女を見ると落胆する部分がチラホラ。
だが、シンジの首に付けたDSSチョーカーの起爆スイッチを握りながら、零号機の誘いに応じてネルフに向かおうとするシンジの行動の危険性を理解していてもなお、
彼の命を奪うスイッチを最後まで押し込めなかったのもまた事実である。

赤木リツコ

ヴンダー副長。44歳。
ゲンドウの元を離れフォースインパクト阻止のためミサトを補佐する。

式波・アスカ・ラングレー

エヴァンゲリオン改2号機専属パイロット。28歳。
かつての参号機の事故による負傷から復帰したが、負傷のためか左目にはアイパッチを着けている。
また、彼女曰く「エヴァの呪縛」のため14歳当時のままの姿をしており、シンジに憎悪を向け、彼がネルフに衝動的に向かった時から、嘲りを込めて「ガキシンジ」と呼ぶようになる。
一方、冒頭の使徒戦で窮地に陥った際「なんとかしなさいよバカシンジ!」と叫んだり*2、ラストではシンジを救出しに行くなど、
“破”の時と同様にシンジへの思慕を思わせる言動も見られ、おそらく内心ではシンジの帰還を誰よりも望んでいたと思われる。

真希波・マリ・イラストリアス

エヴァ8号機専任パイロット。28歳。
彼女もアスカ同様に14年前とほぼ同じ容姿をしており、マイペースな性格もそのままにアスカのパートナーとして彼女を補佐している。
ある意味、14年間で最も変わっていない人物と言えるが、ゲンドウを(本人に呼びかけたわけではないが)「ゲンドウくん」と呼ぶなど、不可思議な一面も見られる。

鈴原サクラ

鈴原トウジの妹であり、碇シンジの管理担当医官。階級は少尉で年齢は20代前半。
14年前にも彼女の名前だけは聞いていたことで、シンジは自分が眠っている間に14年経過していたことを実感した。
兄の友人であることもあり、ヴィレでは珍しくシンジにそれなりに好意的に接する人物ではあるが、
一方で彼が引き起こしたサードインパクトによって人類が絶滅の危機に瀕していることから、複雑な感情を抱いている。

日向マコト

青葉シゲル

元・ネルフのオペレーターでヴンダーのブリッジクルー。
すっかり老け込んで、上司として部下たちに指示を与えている。
やはりシンジにはいい感情を抱いていないらしく、目覚めたシンジに声をかけることなく、横目で冷淡な視線を向けるだけであった。

伊吹マヤ

ヴンダーの整備長。
かつての潔癖症で清楚な面影はなく、年下の男たちに喝を飛ばしている。

高雄コウジ

新キャラの一人で、ヴンダーの機関士。声はネモ船長だけど。
ハゲマッチョで何かと豪快な性格。
加持リョウジと知り合いらしく、ミサトの無茶だが的確な作戦に呆れつつも感心していた。
シンジには一定の同情心がある様子。

長良スミレ

新キャラの一人で、ヴンダーの操舵士。
褐色肌にぴっちりスーツがエロい。
ミサトの無茶な操舵命令も忠実にこなす。

北上ミドリ

新キャラの一人で、ヴンダーのオペレーター。
年上にも態度の大きい典型的な現代っ子。
ピンクに染めた髪に派手な唇と異物感が凄い。
他のヴィレメンバーと比べても強い憎悪をシンジに向けているらしく、
ミサトに2号機を援護すべく初号機で出撃させてくれるよう頼むシンジの言動に露骨に顔をしかめたりしていた。

多摩ヒデキ

新キャラの一人で、ヴンダーのオペレーター。
几帳面で慎重派な性格の様子。

エヴァンゲリオン

エヴァンゲリオン改2号機

アスカの搭乗するエヴァンゲリオン。
14年前の第10使徒との戦闘で大破した機体を修復・改修した機体であり、頭部右側は応急処置を施された生々しい跡が残っている。
近距離戦を得意とし、ターミナルドグマ深部でシンジの乗るエヴァ第13号機と熾烈な争いを繰り広げる。
アタッチメントにより様々な武装を使い分けが可能。

エヴァンゲリオン8号機

マリが搭乗する新型エヴァンゲリオン。パーソナルカラーはピンク。
中長距離戦を得意とし、アスカの2号機をサポートする。

エヴァンゲリオン初号機

14年前に覚醒し、ニア・サードインパクトを起こした最も神に近い存在。
Mark.6による封印後、その力を恐れたゼーレによってシンジとレイをプラグに閉じ込めたまま月に幽閉されていたが、
US作戦で改2号機、8号機によってヴィレに奪取される。
奪取後、ヴィレはプラグからシンジをサルベージすることに成功するが、そこに彼が助け出した綾波レイの姿はなかった…。

現在はその体から発せられる膨大なエネルギーを利用する形でAAAヴンダーの動力炉として「ヴィレ」に幽閉されている。
その戦闘時間は約12秒。しかも左目のみ。史上最短の出番しか与えられなかった主人公機である。

ゼーレ

世界を裏で操り裏死海文書のシナリオ通りに人類補完計画の完成を目論む組織。
既に彼等の計画は半ば完成したためかゲンドウに対して計画の完遂を託し、舞台から退場する。
本作で彼らは肉体を捨て、死を克服した意識だけの存在として描かれており、ゲンドウによって「安らかな死」を与えられることになる。

その他

AAAヴンダー

ネルフに対抗すべくヴィレが開発した超巨大空中戦艦であり「神殺し」の武器。
強力な兵装を装備し、単艦で使徒を消滅させる武力を持つ。
意味はドイツ語で「奇跡」。

ニア・サードインパクト

『破』ラストで初号機が発生させた事象。おそらく世界を壊滅状態に追い込んだ「サードインパクト」とは別と思われ、被害範囲は第三新東京市周辺。
(『破』の次回予告にも「NEAR THIRD IMPACT」の記述あり。)
事象自体はMark.6が食い止めたものの、14年の間に起きた「サードインパクト」のトリガーとされており(この間、ネルフ関係者の幽閉もサードインパクト発生の後押しになったと考えられる)、
それ故に、引き起こした張本人である碇シンジは危険視され、ヴィレの面々からは憎悪を向けられている。

インフィニティ

サードインパクトの発動で人類が人口進化させられた生命体。コア化した大地のあちこちで発見されている。
首が全て刈られており、それらはセントラルドグマに打ち捨てられていた。
カヲルいわく「生命の実を与えられた新しい生命体」。サードインパクト発動中にリリスに群がっており、おそらく融合しようとしたものと考えられている。

DSSチョーカー

14年間の昏睡状態からの覚醒早々、ヴィレによってシンジの首につけられた特殊なチョーカー。
正式名称は「Deification Shutdown System(シン(神)化遮断装置)チョーカー」。
「自己の感情に飲み込まれ、エヴァの覚醒状態を抑えられなくなった時」や葛城ミサトの一存で起爆するシステムが装備されている。
平たく言えば、エヴァを覚醒させたらそれに反応して装着者を殺して覚醒を止める装置である。
シンジがレイによってネルフへ奪還された際はミサトがスイッチを押そうとしたものの彼女の甘さによって押せず、最終的にはシンジに信用してもらうためカヲルが肩代わりするのだが…。















NEXT


EVANGELION:3.0+1.0

THRICE UPON A TIME


予  告



全てに決着をつけるため、出撃するミサトとヴィレクルー。


全てに決着をつけるため、満身創痍のエヴァを駆るアスカとマリ。


全てに決着をつけるため、父ゲンドウと対峙する碇シンジ。


そしてシンジは決断する。




さらば、全てのエヴァンゲリオン。




次  回

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||*3



さぁ~て最後まで、サービス、サービスぅ!



西暦2021年公開予定

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最終更新:2021年02月03日 22:05