メアリー・世良

登録日:2021/04/10 Sat 09:45:33
更新日:2024/02/22 Thu 23:18:56
所要時間:約 10 分で読めます





行け秀一!

その熱病でお前の命が尽きるまで…真実を覆い隠す霧を一掃しろ!!

その代わり靄一つ残したら許さんぞ!


メアリー・世良とは『名探偵コナン』の登場人物である。




※警告※

この項目には大きなネタバレが含まれております。
原作未読・アニメ版未視聴の方はご注意ください。


□概要

赤井務武の妻で、赤井秀一羽田秀吉世良真純の3兄妹の母親
年齢は『骨董盆は隠せない』の回想*1から逆算すると53歳前後と思われる。
巻き毛のショートヘアで瞳の色は緑。秀一や真純と同じく独特の隈を持っている。
日本人とイギリス人のハーフである日系イギリス人。色素の薄い髪と肌が特徴的。
真純が自慢するほどのスタイル抜群の美女であり、真純は貧乳なのを周囲から突っ込まれる度にメアリーの事を持ち出し「母親も大きかったからこれから大きくなる予定」だと言い張っている。
なお、「世良」は旧姓であり、務武と結婚してから真純が生まれるまでは本姓の「赤井」を使っていた。故に作中では「赤井メアリー」「メアリー赤井」などと呼称されることもある。
「メアリー」の綴りは「Mary」で、この刺繍がされたハンカチを拾ったラーメン屋店主・小倉功雅はこれを「マリ」と読み、このハンカチを落とした真純の名前を「マリ」と勘違いして呼ぶようになった。

かつては女性らしい口調であったが、『さざ波の魔法使い』で秀一のFBIに入局するという強い意志を知ってからは、務武と同じ口調で話すようになった。
その口調はどこか威圧的でもあり、他人に対しても「バカかお前は」と容赦ない事を言う場合もある。
この口調は秀一たちの父親代わりになるという決意の表れでもあり、これを機に感情を表す事も少なくなったが秀一たちへの愛情はとても深い。
『太閤恋する名人戦』で秀吉が名人位をとって七冠を達成した時には珍しく笑顔になり鼻歌まで歌っていた上、口調も女性的なものに戻っていたため、秀𠮷の近況を知らない真純には気味悪がられた。
務武に対しても同様で、数か月前に再会した務武が変装したベルモットだと気づくと、涙を流しながら声を荒げ拳銃を突き付けていた。

江戸川コナン灰原哀と同じく、黒の組織が開発したAPTX4869で幼児化した人間の1人で、現在の外見は(コナン曰く)中学生程度となっている。
子供の義体使っているわけではない。
現在の顔立ちはマスカラをつけた灰原に非常に良く似ており、それに気づいたコナンは「灰原と赤井一家は血縁関係にあるのではないか」と考えている。
コナンから素性を訊かれる事は想定しており、もし訊かれたら領域外の妹と言うように真純に指示していた。
毒薬の副作用かは不明だが、幼児化して以降は時折咳をするようになった。

現在は自身の幼児化を知っている真純と共に都内のホテルを転々とする生活を送っている。
その理由は組織に自身の生存を知られないためであり、宿泊先からも殆ど出ないようにしている。だが、APTX4869の解毒剤を手に入れ元の姿に戻り次第、真純と共に「反撃」に出ようと考えており、真純にコナンから解毒剤をせしめるよう指示している。

務武と同じくイギリス諜報部(MI6)のエージェントであり、抜群の推理力と冷静な分析力、自分よりも遥かに大柄な相手を一瞬で仕留めるほどの戦闘能力を持つ。さすが少佐
『霊魂探偵殺害事件』では、コナンと出会わないように命綱を使いながらホテル客室のベランダの下に身を潜め、たまたま拾った蝶ネクタイ型変声機を使いこなし、眠りの小五郎の推理ショーを披露して事件の真相を暴いている。
その後、逃走した犯人が自分のいた部屋に逃げ込んでくると、幼児化した身でありながら一撃で犯人の急所を的確に突き気絶させており、その後で部屋に入ってきたコナンには「シークレットサービス並みの早技」だと評されている。
精密機械に関心があるようで、コナンが仕掛けた盗聴器を見つけた時には「バッテリーサイズから駆動時間は極めて短そうだが、この形状でこの性能はなかなか興味深い」と解析し、初めて手にした蝶ネクタイ型変成機をすぐに使いこなして「様々な場面での使用が想像できて胸が躍る」と関心を持っていた。

なお、真純を通じてコナンに名乗った「領域外の妹」は、「妹」の英訳シスターのつづり「sister」から「領域」の英訳テリトリーの略称「ter」を外すとsisとなる。
これは「MI6」で知られるシークレットインテリジェンスサービス(イギリス情報局秘密情報部)の事である。
これに気づいたコナンは、メアリーがMI6を暗示させる名前を名乗ったのは、自分が協力者として信用のおける有能な人物かどうかを試しているのではと考えている。

コナンの正体が工藤新一であると確信しているが、真純に「江戸川コナンに気を許すな。10年前に会ったあのボウヤとはまるで別人なのだから」と伝えているように、コナンの事は警戒している。
『真夏のプールに沈む謎』では真純の勧めでコナンと会おうとしていたが、コナンが毛利蘭鈴木園子と一緒に来てしまい、その後で殺人事件まで発生したので結局会わず終いとなった。
だがコナン達が帰ろうとしていた時に蘭に姿を見られており、「以前どこかで…」と思われていた。

灰原の母親・宮野エレーナの姉であり、エレーナの夫・厚司が烏丸グループの施設に移ろうと考えていた時には「少し胡散臭い」と忠告していた*2


□来歴

本編から17年前。
羽田浩司殺害事件を調査していた務武が危険な相手(黒の組織)を敵に回してしまったため、務武の指示で家族を連れて日本へと避難する。
この時には真純を妊娠しており、秀一が渡米した後で真純を出産している。
日本へ渡る直前に務武からこの先、私はいないものと思えとの別離のメールを受け取っており、以降は務武は死亡したものとしている。
だが務武の遺体は見つかっていないため、秀一は務武の事件の真相を探るためにFBIへの入局を志すようになる。

本編から10年前。
秀一の渡米の目的に気づくと、FBIへの入局を反対する。そして彼の頭を冷やすために海水浴に誘い、久々に家族そろって静岡県の海水浴場を訪れた。
その際に真純を秀一に合わせており、たまたま海水浴場を訪れていた工藤新一・毛利蘭・工藤有希子と出会った。
秀一との口論がヒートアップした結果、格闘も交えた激しい親子喧嘩に発展したことが語られており、息子が本当の希望進路を隠していたことを叱責したり、今後の生活費はどうするのかと心配して問い詰めたりといった母親らしい姿も見せている。
そして、この時に自動車転落事故に遭遇。この事故の真相を秀一が暴いた後、彼のFBIへの入局という決意が決して揺らぐ事はないと気づく。
今回の海水浴に秀一を誘ったのは、彼を日本に戻して秀吉と真純の父親代わりになってもらうためであったが、彼に務武の面影を見た事で「やっぱりこの子は主人の息子なのね…」と思い直し、それを諦める。
更にこれからは自分が秀一たちの父親代わりになる事にし、秀一のFBI入局を認め、以降は務武のような口調となった。

その後、秀一はFBIへ入るために渡米、秀吉は務武と交流のあった羽田家の養子となり、真純と2人で暮らすようになる。

だが本編の3年前、MI6の同僚がロンドンで務武らしき人物を目撃したことをきっかけに、真純と共にイギリスへと向かう。
その3年後(「ホームズの黙示録」でのミネルバ・グラスの試合の同日)、ロンドンのヴォクスホールブリッジで務武と再会するが、17年前には生まれていなかった真純の事を知っている口ぶりだったので、彼を偽者だと見抜き拳銃を向ける。
務武の正体は組織の女幹部・ベルモットであったが、すぐに彼女の仲間に囲まれてしまう。
ベルモットの目的は、務武に成り済ましMI6に潜入するためと、務武が偽者かどうかを見分けられるメアリーを殺害するためであったが、メアリーが真純に「時間になっても私が戻って来なければ、務武は偽者だとMI6に伝え、ロンドンから離れろ」と指示していたと知ると、MI6への潜入を断念する。
しかし、もう1つの目的であるメアリー抹殺を果たすために、APTX4869を取り出しメアリーに飲ませた。

APTX4869を服用したメアリーは、発作が起きた直後にテムズ川に転落。奇跡的に命は助かるが、真純の元に戻ってきた頃には体がすっかり幼児化してしまっていた
その直後、真純がたまたま録画していたウインブルドンのテレビ中継でコナンの姿を目にし、彼が10年前に出会った新一とそっくりである事に気づく。
すぐにMI6の仲間に新一について調べてもらい、彼が半年前から姿を見せなくなった頃からコナンが事件現場に現れるようになったと知る。
この事からコナン=新一だと確信。彼も自分と同じくAPTX4869で幼児化し、飛行機に乗る時に何らかの方法で体を元に戻していると推理する。
そしてコナンが解毒剤を持っているならば、彼に接触して薬を手に入れなければならないと考え、すぐに真純と共に来日した。

赤女の事件では世良を使いコナンに自らの存在を伝え、恋愛小説家の事件ではコナンが部屋に盗聴器を仕掛けている事を見破り、破壊した後で盗聴器について「なかなか興味深い」と評していた。
だがコナンを信用するには程遠いと判断し、コナンが痺れを切らして自分の事を尋ねてきた時には「領域外の妹」と答えろと真純に指示した。
ホテル杯戸プライドに滞在していた時には、真純の勧めでコナンに会う事にしたが、コナンが蘭と園子を連れてやってきたので結局会えず終いとなる。

霊魂探偵の事件では宿泊先のホテルにて、羽田浩司の事件の情報を掴んでいた霊魂探偵が隣の部屋で殺害されたため、組織が情報を嗅ぎ付けやってくる前にホテルを移動しなければならなくなる。
部屋に入ってきたコナンをやり過ごした後は真純に指示を出して事件の情報を収集し、偶然拾った蝶ネクタイ型変声機で眠りの小五郎の推理ショーを行い、事件を解決する。
その後、逃げてきた犯人と鉢合わせとなるが、一撃で相手の急所を突き気絶させ、再び身を隠した。
今回の事件でコナンは10年前に会った新一とはまるで別人と判断し、真純に決してコナンに気を許すなと忠告していた*3
だがベランダの裏に隠れていた時にコナンに姿をスマホで撮られており、推理力と身体能力から彼に「17年前にラムが関与した事件でアメリカ人資産家のボディガードをしていた「浅香」の正体では?」と疑われるようになる。

修学旅行の事件にて、世良からの連絡でコナンがAPTX4869の解毒剤を持っている事を知ると、是が非でも薬を手に入れろと真純に指示する。
薬が手に入り次第反撃に転じようと考えており、真純に「ぬかるなよ…」と念を押していた。


□余談

劇場版には2021年公開『緋色の弾丸』で登場。キーパーソンの一人として活躍。
しかし2014年公開『異次元の狙撃手』の真純の部屋のシーンにて、真純の寝ていないほうのベッドの掛け布団が膨らんでおり、一部ではメアリーが寝ていたのではと言われている*4

なお、メアリー役の田中敦子女史はのちに萩原研二の姉である千速を演じており、『コナン』では本編における重要キャラを2役演じる事になった*5



追記・修正は日本人とイギリス人のハーフであるMI6諜報員にお願いします。


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最終更新:2024年02月22日 23:18

*1 現在高校2年生の真純を身籠っていた頃のことが描かれており、当時36歳だったと作中で明言されている。

*2 『迷宮カクテル』、『天罰くだる誕生パーティー』より。

*3 この際に「暗がりに鬼を繋ぐが如く…」と発言している。ジンもウォッカとの会話で同じフレーズを口にしていたが、『名探偵コナンBLACK PLUS SDB』という公式ガイド本にて作者に寄せられた質問(この二人何か関係ありますか?)に対して、作者は「あるかも」と返答している。

*4 この時点ではアニメ版未登場。

*5 千速役に関しては番組表のキャスト欄で発表していなかった為、エンディングでのキャストクレジットで発表する形となった。