覇世川左虎(忍者と極道)

登録日:2021/06/25 (金曜日) 14:44:00
更新日:2025/03/14 Fri 20:56:38
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並の医者なら匙を投げる…が 幸運だぞ忍者(シーノ)

此処にはこの 左虎がいる…!!!


覇世川(はせがわ) 左虎(さこ)とは『忍者と極道』に登場するキャラクターである。

●目次

【プロフィール】

年齢:29歳
生年月日:10月4日
身長:182cm
体重:78kg
好きなもの:ふたりの父、弟、華族(巣鴨の喫茶店)のテラス席で読書、吉野朔実、白い巨塔(田宮二郎版)、忍者(しのは)(炸羅に似てるから)、色(八忍の中で一番性格が合って仲よかった)

【概要】

東京を極道などの悪の手から守る忍者集団帝都八忍の一人で、弟の邪樹右龍と合わせて「呪血の忍者兄弟(ブラザーズ)の異名を持つ。
400年間続く医者にして忍者の一族である名門「覇世川家」の跡取りであり、風貌は長い髪を三つ編みにした、細身のクールな耽美系イケメン。
表の顔は本郷にある「聖帝大学医学部付属病院」*1に勤務する若き天才外科医。

有給休暇取得の条件として「1週間で100件の手術を達成する」という異常なノルマを疲労一つ見せず悠々と成し遂げ、激化する『破壊の八極道』との戦いに参戦した。
忍者(しのは)からの愛称は虎兄(とらにい)


【人物】

一人称は左虎(さこ)
冷徹な風貌と普段の冷静沈着な態度に反して、素顔は他の忍者達と同じく非常に仲間想い。
弟である右龍の事は「愚弟」と呼ぶが、真逆な性格と無駄に距離感の近い振る舞い故にイラッと来たり邪険に扱うことこそあれど、実際は仲はかなり良い。
忍者(しのは)のことを忍者(シーノ)と呼んで溺愛したりと結構フレンドリー。
なお右龍の無駄に暑苦しく馴れ馴れしい距離感に辟易してる素振りを見せている割には、彼も大概距離感が近い。流石は兄弟。

医者としての矜持から面倒見もよく、忍者(しのは)の「笑いたくても笑えない」という悩みを気に掛けているが、肝心の解決方法が善意のロボトミー手術だったため忍者(しのは)からドン引きされた。
壊左によると、第2話以前にも忍者(しのは)のトラウマを癒すために薬を与えたことがあるらしい。
の治療にも関わっており、彼女の顔の痣を治せなかったことに不甲斐なさと後悔の念を抱く慈悲深さも持つ。
そして彼もまた、色を外見の美醜だけで判断せず、その気高い精神から「美しい女性」と評している心優しい男である。

なお
  • タピオカジュースを堂々と街中で飲む
  • 一人称が自分の名前
  • 単語を省略して話す癖がある
など、クールなように見えて言語センスは若干トンチキな上にチャラめ。というかヤンキー。(例:心底(マジ)」「無能(ショッパ)い」「憤怒(おこ)」「民間人(パンピー))

破壊の八極道の一人忍殺番長(にんさつばんちょう)砕涛華虎(さいとうはなこ)に父親を殺されており、再会したときの華虎の言動から子供の頃に殺されたと推察されている。


【戦闘能力】


一分一秒争う麻薬(ヤク)テロの中 弱体(デバフ)った我らがイチイチ雑魚に体力使うは賢くない(・・・・)───

ならば どうする?

忍者の答えは

「知るかボケェ」だ…!!


メスも使わず素手で、おまけに一切患者に触れることなく執刀を行い、更には他の名医が軒並み裸足で逃げ出す超絶難易度の手術*21日で10件も難なくこなす神技の持ち主。
医師なだけあって忍者陣営では治療や仲間の検死なども担当する後方支援に長けた人物であり、例え目玉を切り裂かれ失明しようと一瞬で縫合・治療し数日で完治させる絶技を持つ*3

戦闘では一子相伝の秘技により、刃に変えた髪糸を神速で振るって敵を切り刻む技の使い手。いわゆる糸使い
強靭(つよ)くしなやかな毛髪の糸はコンクリートの壁は愚か強化改造された極道車すら容易く綺麗に両断するほどの切れ味を誇る。
加えて彼の髪の毛は忍者の秘薬により無菌かついかなる糸より人体によくなじむ性質を持つ。手術の際もこの毛髪を駆使して手術を行っていると推察される。

忍装束は着物+狐の仮面。装束の背面には覇世川家の家紋(8枚のユズリハの葉)が描かれている。


凍剣執刀(とうけんしっとう)


極道 死すべし

一子相伝の秘技の発展系たる異能。
暗刃の超音速の動きで振るわれた無数の毛髪が宙空の大気を裂くことで生まれる複雑怪奇な気流と温度変化によって毛髪が氷点下の刃に変化。対象を切り裂くと同時に一瞬で凍り付かせる
炸裂すればほぼ全身を凍結させるだけでなく、氷塊を瞬時に構成して銃口に詰めることで銃の暴発を意図的に引き起こす小技も可能。

弟の異能ほどでは無いが攻撃範囲と射程距離はそれなりに長く、手刀の届かない中距離から多数の極道の首をまとめて刎ねて殺戮できる。
また「無数の細い毛髪」を武器にする点から高い隠密性を有しているのは左虎独自の強みである。

惨蔵によるとあくまで冷気や氷の発生は副産物に過ぎず、真骨頂は異能や特異体質を持てなかった左虎が代々受け継がれてきた忍者の技術を知恵と努力により更に上の次元へ技術を昇華した結果冷気を操るに至った点。
中距離から極めて精妙かつ極めて鋭利な斬撃を繰り出すことが可能であり、惨蔵は左虎の力を「すべてを斬り断つ技術の刃」と評している。


◆技

  • 暗刃(あんじん)
現代忍者の基本技。音速を超えた速度と貫通力を併せ持つ「弾丸の象形拳」。
毛髪を超音速で振るうのに用いているが、当然毛髪抜きの肉弾戦でも高い威力を誇る。

  • 潰礫(つぶて)
小さな石などを高速で弾いて弾丸のように飛ばし、監視カメラを潰すことで自身の姿を映像媒体に残さないようにする忍者の技。

  • 氷帝雷公来駕(ひょうていらいこうらいが)
双輪(ふたわ)と呼ばれる弟右龍とのタッグ技。
左虎が凍剣執刀によって周囲一帯の空中の水分を氷結させて雪のような氷の粒子を形成して電撃の触媒とし、射程内の大気そのものに右龍の電撃を伝播させて敵を黒焦げにする大技。
大部屋一つくらいなら電撃で包み込む広い攻撃範囲を誇る。

  • 雹穿雨脚(はくせんうきゃく)
「暗刃・異型(いけい)と呼ばれる派生技。
凍剣執刀によって周囲一帯の空中の水分を氷結させて大きく鋭利な氷柱を無数に形成。
手の動きによって氷柱を発射し敵を撃つ中〜遠距離攻撃。近接戦闘を行いながらも氷柱の弾幕を連射することもできるため取り回しにも優れる。

  • 逆垂氷(さかだるひ)
異型その2。
地面から巨大な氷柱を無数に生やして敵の攻撃を防ぐ壁とする技。

  • 縛冽陣(ばくれつじん)
異型その3。
地面から生やした大量の巨大な氷柱を目眩しとして周囲に美髪(いと)を張り巡らせて結界とし、不用意に踏み込んできた相手の身体を拘束。
そのまま美髪で絞め上げ相手の全身を刻む技。


【劇中での活躍】

第三章


「バッ…莫迦な!!!死んでしまうぞあの医者(おとこ)ッッ!!」
「本日10件目の癌手術執刀!!! しかもすべて名医(ゴッドハンド)がこぞって裸足で逃げ出す超絶難易度の…ッ」
あの術式(・・・・)は何!?妖術!?魔法!?まさに神技ッ!!!」
「神の“無刀”が患者(クランケ)を裂くッッ!!!」「一体どうやって!!? メスも持たず!!患者に触れもせず執刀執行ッッ!!!」

「執刀完了ッ!!! 全身88ヵ所ッッ散らばる癌を!! わずか30分で駆逐したァァ!!!」


上記のノルマを達成し、明らかにライブ会場化した手術室の中で仕事を終えると有給休暇を取得し参戦。
その後発生した暴走師団・聖華天の大暴走を食い止め、暴走族をブッ殺すべく出陣する。

“聖華天”副総長 詩隈殴偉斗!!!
暴走族(ゾク)流剣術” いざ尋常に特攻(ブッコ)む!!

“帝都八忍”覇世川左虎
来ませい

レインボーブリッジで極道車を悉くスクラップに変えて暴走を阻み、副総長Σと激突。凍剣執刀によりΣを一蹴する。
聖華天の大暴走に参加した暴走族達を皆殺しにするも、色とガムテの戦いには間に合わなかった。だが色の遺体を調べ、ガムテの極道技巧の謎を解いている。


第四章

総理官邸を占拠し、要人と忍者を抹殺しようとテロを引き起こした割れた子供達をブッ殺すべく出撃。
弟が人助けのため独断専行で消えてしまった事に辟易しながら捜索していたが、右龍が暴れる爆音を頼りに再会を果たすと、右龍が戦っていた幹部・毒&天使とのタッグマッチを開始。


“帝都八忍”覇世川左虎
悠長に闘う暇はない…愚弟よ 瞬殺(ソク)で征かん
“帝都八忍”邪樹右龍!!!
応!!お兄ちゃん!!!


割れた子供達(グラス・チルドレン)(ブス)ッッ!!!
援護(サポート)してやっからよォォ~~ッ畏怖(ビビ)んなボケェ!!
割れた子供達(グラス・チルドレン)天使(アンジュ)……!!!
畏怖(ビビ)ってねェーし! 守護(まも)ってやるからしくじるなドブス!!


お互いに啖呵を切り合うが、その瞬殺宣言通り開幕から連係必殺技「双輪・氷帝雷公来駕」を放って天使を打倒。
続く毒に対しても銃口に小さな氷を詰めて攻撃を封じることで完封し、圧勝した。

その後は人々の避難を行いつつ、ガムテと戦うことになるであろう忍者(しのは)の身を案じていた。
同時に万一(ヤマイダレ)を喰らった時の備えとして自身の毛髪と手術用の針を渡しており、これがう忍者(しのは)の命を救うこととなる。

そして戦いの終盤、遂に探し求めていた父の仇敵……忍殺番長(にんさつばんちょう)砕涛(さいとう) 華虎(はなこ)と遭遇。
戦いになるも討ち取るには至らず、逃げられる形となってしまった。
この時同じく医者である怪獣医(ドクター・モンスター)繰田(くりた) 孔富(あなとみ)とも遭遇したが、変わり果てた”その姿”を見て戸惑いを隠せずにいた。


第五章

『地獄への回数券』の影響で飛躍的に戦力を強化した極道に対処すべく、右龍と共に大阪に拠点を置く忍者集団浪華拾忍(なにわじゅうにん)に加勢を求めるも、トップである忌井魎斎を除いて華虎の襲撃により全滅していたという衝撃の事実を知り、敢えなく救援の要請は頓挫。
交渉失敗後、梅田にて偶然にも買い物中の『怪獣医』繰田孔富と遭遇してしまう。
自身が最も尊敬していた医師が極道に転落していたことに内心衝撃を受けるも、その原因が自分達兄弟が殺した彼の兄ではないかと推察したことで、遂に孔富と因縁が生まれてしまう。
悪事を働く前に孔富を殺そうとするも、その行為は彼の配下『救済なき医師団』の加勢により失敗に終わる。

そして翌日、救済なき医師団の麻薬テロにより阿鼻叫喚の地獄絵図となった東京で、麻薬水のデバフに苦しみながらも人命救助に走ることに。
…だが患者を職場に運んだ際、医療崩壊間近の修羅場となった自身の勤務先を見て愕然。
人手が足りず自身に助けを求める同僚達の姿を見た上で、苦渋の決断を得てトリアージを決断すると、病院への加勢よりもテロの元凶である救済なき医師団の討伐を最優先事項と決めた。
だが代償として、病院への加勢を断ったことで同僚から非難と罵声を浴びせられ、これまで培った医者としての信頼や名誉を全て捨てる憂き目に遭ってしまう。
弟からも慰めの言葉を掛けられるも、

左虎は言った 先約の手術(オペ)があると
忍者(われら)が東京に巣食う極道(ガン)を ブッ施術(ころ)す…!!

そう宣言し、装束に着替えると右龍、忍者(しのは)の3人で東京水道の中枢部たる「水運用センター」に出撃した。
センター内で『救済なき医師団』のメンバー・嫌慈の自爆特攻によって視力を失う更なるデバフを背負いながら遂に首魁・孔富と交戦。
視力を失ったが故に苦戦を強いられながら、右龍が奪取したワクチンの効果によって視力を回復したことで形勢を取り戻した…かに見えたが、孔富も『驚躯凶骸』を解禁したことで形勢は五分に。
戦いの中で救済なき医師団達の歪みながらも医者としての真摯な眼を見たが故に、彼らの心境に一定の理解を示したが、それでも左虎は「例え絶望に溢れた人生でも、生きていれば1%に満たない可能性だろうと幸福に巡り合える」という信念を貫く。
だが孔富はそれを運のよかった幸福な者の戯言と一蹴。その批判を否定することなく受け入れながらも、そうして2人は改めて対立する。

左虎は信じる 人間(ひと)の“可能性”を
だからこそ憤怒(キレ)る…麻薬(ヤク)で人々の生命を───可能性を潰す貴様らに
医者として忍者として憤怒(キレ)るのだ

“帝都八忍”覇世川左虎
我が全霊を以て貴様の救済を否定しよう

“破壊の八極道”繰田孔富!!!
否定されるのはッ!貴方のその甘っちょろい幻想のほうだわ!!

こうして啖呵を切り合ってのぶつかり合いは、左虎の頭脳戦により孔富を凌駕。
斬首寸前にまで持ち込んだが、同時期に行われていた忍者(しのは)vs華虎の戦いの衝撃により形勢逆転を許してしま・・・おうとした瞬間、今度は土壇場で右龍が乱入。
2vs1で孔富を追い詰めていったが、孔富側も地獄への回数券2枚服用を解禁することで今度は孔富側が終始優勢に傾いていく。
目まぐるしく変わる形勢の果てに、孔富の最終極道技巧「生命の技巧(アート・オブ・ライフ)」が炸裂。
自身は下腹部臓器の80%が挫滅し、右龍は心臓破裂による致命傷という敗北間際まで追い込まれてしまった。
だが人の可能性を「幸福者の幻想」と見下す孔富に一矢報いるべく、瀕死の身体を起こしてでも再起する左虎。
そして…

左虎は学んだのだ…!
ふたりの偉大な父の生き様から!!
救済とは 人間(ひと)の可能性を信じ……!未来へ希望を遺すことだと!!
左虎も遺そう 忍者の可能性を!!極道ブッ殺す希望を!!!

征こう…右龍 兄弟ふたりで…!!


最後

左虎の選んだ最終手段。それは自らの胸を裂いて心臓を摘出し、右龍の欠損した心臓と接合させて弟を救済(すく)前代未聞の執刀だった。
如何に超人的な生命力を持つ忍者とはいえ、心臓を失えばまともな行動などできる筈もなく、意識がもうろうとし絶命寸前になる左虎だったが…


倒れんなッッ!!!

倒れんなっ…!!救済(すく)うのでしょう!!?
貴方は兄弟をッ!!救済(すく)うのでしょう!!?

「己の命を捨ててでも血を分けたたったひとりの双子の兄弟を救済(すく)う」という行動を目の当たりにして感極まり、八極道としての立場も医者としての立場も全てかなぐり捨てて自身を応援する孔富の姿を見て、苦笑しながらも再起。
最後の全身全霊を振り絞り、覚悟を決める。


忍者(シーノ)───笑えぬ少年よ お前はいつかきっと笑える…!)
(お前のような善き男が笑えぬなどあってはならぬ)
(どんな強敵に どんな困難にブチ当たれど 生き抜けばいつかきっと…!!)
(──────だから)

左虎は今ッッ!!

最強の戦士をここに遺そう!!!

遺される帝都八忍の仲間達への謝罪、大切な弟弟子の忍者(しのは)へのエールを心の中で想いながらも遂に執刀。
超速度の手術により残された命の全てを賭けて手術を無事完遂した上で、弟に孔富攻略の秘策を死の間際に伝え、彼は安らかにこの世を去った。
なお、作劇の都合上読者目線では普段は仲間の死に悲しむ忍者たちだが左虎の時は何故か事態が収束したことに安堵してて誰も悲しむ様子もなかった……様に見えてしまった*4


【余談】

当初は超高速で木の棒を振って敵を斬るキャラだったそうだが、「髪の方がいつでも闘える」「クール系イケメンなら氷雪系属性も付けてやろう」といった変遷を経て今のキャラに落ち着いたと語っている。
学生時代に『烈火の炎』の水鏡の影響を受けたことが左虎が氷雪属性持ちになった理由らしい。




追記修正は1週間で100件の手術を達成してからお願いします。

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最終更新:2025年03月14日 20:56

*1 元ネタは「東京大学医学部付属病院」

*2 例:全身88ヶ所に散らばった癌の摘出

*3 最も「回復速度」に関しては処置されたのが忍者である故にその肉体の回復能力あっての事らしい。が、その時の言い分的に「視力の回復」に関しては忍者では無くとも問題ない模様

*4 当然ながら力及ばず左虎が命を賭して自身を助けた事で死した左虎の遺体を見て右龍は悲しみ、それ以上に怒り狂って超電導の異能をフルで行使して孔富と戦った。ちゃんと他三人も左虎の遺体を確認した際には状況が落ち着いたら悲しみに暮れていた事は想像に難くない