救済なき医師団(忍者と極道)

登録日:2023/08/20 Sun 11:48:00
更新日:2025/05/25 Sun 16:09:02
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(めか)しましょ哀しみ隠すため

(イカ)れましょ生きるため

ようこそ我等が“救済(すくい)なき医師団(いしだん)”…!!



救済(すくい)なき医師団(いしだん)とは『忍者と極道』に登場する敵組織である。

●目次


【概要】

宿敵である忍者諸共日本を滅ぼさんとする極道陣営第四の刺客。
何らかの理由で表社会の医療界から追放された医療従事者達で構成される闇医者集団。
全員がリーダーの孔富と同じくセンター分けされて2色に染められた異様な髪と、同じように分けて染められた白衣で統一されている。*1
名前の由来は恐らく「国境なき医師団」。
しかし公開された正面のビジュアルはほぼヴィジュアル系ロックバンドのそれであり、一見するととても医療従事者とは思えない。
おまけに総理官邸撤退後は「忍者への最大級の嘲弄と日本政府に大打撃を示せた凱旋」記念に屋形船の中で『天国への回数券(ヘヴンズ・クーポン)』漬けのワインや日本酒を飲んで不気味に騒ぐなど、医者の不養生を体現するかのような集団である。


劇中では東京水道局の要所を占拠すると、東京の浄水場の水に『天国への回数券』を大量混入させることで東京全域の水道水を薬物汚染。
「救済」の信念の下、水道水を通じて東京全土と全東京都民を麻薬漬けにし、中毒状態による阿鼻叫喚の地獄絵図を生み出すという前代未聞の化学テロを引き起こした。


【組織構造】

構成員は総勢6名。
その特徴は「この世はみんな病んでいる。表向きは元気でも法など守っていては救えぬ心で溢れている」という孔富の思想に同調した結果、「人を麻薬で中毒(ラリ)らせ快楽の中で殺してやることが真の救済である」という信念のもと活動しており、全員がその信念を心から信じていること。
生命を救うだけでは幸福になれず、不条理な現実に打ちのめされた人々の心を救済するべく、善意の押し付けから麻薬による殺人を許容し実行した無法の集団である。

その内情は全員が医療に纏わる深刻なトラウマを抱えてそれに耐えられず、持ち前の優しさから深く病んだ末に現実からの逃避手段として麻薬に手を出した結果、身も心も社会的にも破滅して精神までもが壊れた若き医者の集まり。
現在は麻薬による補助と『麻薬(ヤク)救済(すくい)』という思想に縋ることで無理矢理精神の均衡を維持しており、麻薬をキメていない間は自らが犯してしまった罪や過去のトラウマに苛まれ、謝罪や後悔を只管泣き叫ぶ。
その姿はさながらドラッグの離脱症状の様であり、これまた医療従事者とは思えない光景が広がっている。
このあまりにも常軌を逸した彼等の在り方は、麻薬を「人を救うために作られたお薬」として積極的に利用し「哀しみを隠すために粧し、生きるために(イカ)れる」という孔富の方針の元で行われているもの。

一方で彼等の根底にあるのは、麻薬によるテロが「まがい物の救済である」と自覚した上で、それでも
  • 「神の如く人を救済(すく)えると信じたい」
  • 救済(すく)いたくても救済(すく)えなかった過去の後悔を取り戻したい」
という過去への慚愧と医療活動への執着心であり、たとえ落ちぶれ歪み果てながらも「病める人々を救いたい」という医療従事者としての純粋な想いの発露である。
またその境遇から、人の未来の可能性を無いものとして認識してしまっているのも特徴。
「どんな苦しい絶望があっても、生きていれば幸せになれる可能性があるかもしれない。今不幸な人間はこの先も一生不幸とは限らない、思いもよらない幸福に出会えるかもしれない、それが例え1%にも満たないモノであっても」という可能性を全否定している点で、同じ医者である左虎や同様の信念を持つ斗女は彼らの悲観を煮詰めた価値観に憤怒していた。


そんな彼等の在り方を極道(きわみ)

夢澤も優しい男であったが 孔富達の"優しさ"は常軌を逸する

優し過ぎるが故に救うことに苦悩し
優し過ぎるが故に鬼畜に堕ちる─────

まさに"堕天使(ルシフェル)"
さあ───乗り越えられるものならば乗り越えてみたまえ

と評している。


【戦力】

戦闘能力については割れた子供達ほど殺傷に特化してはいない*2ものの、総合的な戦闘能力については互角。
  • 客となるのはガラの悪い連中のみ
  • 客の抗争相手が手負いの患者を狙って襲撃(カチコミ)を仕掛けてくる可能性がある
といった闇医者という職の特性上、客からは舐められず、かつ患者を守りきることができる程度の実力はある。
大阪においては個々人の技能を見事に組み合わせて、呪血の忍者兄弟2名に手傷を与えて撤退を成功させるという*3戦術的・組織的な戦いを見せた。

個人としての能力も高く、全員が斗女の操る忍巧美男衆(テクノビダンズ)を無傷で一蹴できるだけの猛者揃い。
また極道技巧(スキル)
  • 腹部に住まわせている寄生虫の操作
  • 相手が忍者だろうが声を聞くだけで機能する催眠術
  • 肉体(腕など)による防御が不可能な人体破壊攻撃
  • 遠距離攻撃と精密操作が可能な飛ぶ斬撃
といった、端から見れば「異能」にしか見えないクラスのものを所持している。
更には忍者の「暗刃」に近い象形拳を用いる者も数名存在しており、「暗刃」が「弾丸の音速越えの速度」を再現するように、彼等もまたそれぞれが「注射やメス等の医療器具」を再現した戦術を行う。
ある意味「忍者に近い極道」とも言え、その特性上「忍者と同等の異能じみた挙動」を取る事が多い。
例えば極道技巧は「肉体や感覚の強化*4」「自身の特技の大幅な強化*5」のように「自身が持つ才能や磨き上げた技術をヤクでブーストしたもの」がメインとなっているが、救済なき医師団の面々が使う極道技巧は、原点が医療技術とはいえどれも「正体不明・原理不明・再現不能レベルの異能」にまで昇華されたものばかりである。
その為、タネが割れなければ文字通りの初見殺しを強いられ、タネが割れても常人に理解できない理不尽な技を相手にしなければならない。

上記の要素やこれまでの極道陣営の実力から推察するに、少なく見積もっても準「破壊の八極道」級の実力を持つ割れた子供達の幹部クラスはあると見てとれる。*6

なおこれまでの極道陣営はいずれも多くの人員を抱えていたが、彼等は構成人数の少なさから人手を必要とする作戦時には極道(きわみ)から下っ端極道を借りている。


麻薬水(ヤクみず)


さあみんな…溺れましょう

救済と死の大海嘯よ

救済なき医師団が東京のテロに用いた物質。
特別に濃度を高めた『天国への回数券(ヘヴンズ・クーポン)』を大型ダンプの荷台に満載し、そのまま浄水場の水の中に荷台から大量混入することで完成した麻薬入り水道水。
おまけにダンプは複数台あるため、仮にテロの対処に時間がかかった場合ドンドン水道水中の薬物濃度が増していく。

分類としては「オピオイド」と呼ばれる麻薬(ヤク)化合物に分類されるが、その薬物濃度はコップ一杯の水を少し摂取したり水道水で軽く洗顔したり、街角のミストシャワーを少し浴びただけで急性オピオイド中毒を発症するレベルの超特濃。
摂取したが最後、強烈すぎる酩酊感と多幸感により強制的に満面の笑顔に“させられて”死に至る致死毒と化している*7

モブ極道ですら「飲んだら快楽通り越してあの世行きよ」と忌諱する超劇薬で、常人離れの解毒力を持つ忍者ですら激しい酩酊状態に陥るため、一般人(パンピー)が耐えられる道理はなく忍者以外だと愛多総理のような極めて精神力の高い者でなければ耐えることは不可能。
「ドス黒くも心地良過ぎる酩酊感」「気を抜かば魂ごと絶頂してしまいそうな…」とは麻薬水と化した水道水を飲んでしまった総理の談。
更に、日頃から深いストレスや絶望を抱えていた人間は発症と共に狂乱。
車を暴走させて大人数を轢殺したり、狂気の笑みでガス管を殴りまくって自爆事故を起こしたり、無差別に人を刺したりと、ねずみ算式に事件を起こして死傷者を爆発的に増やしていく。
対処する側も消防や警察は中毒(ラリ)ってまともに連絡のつかない機能不全に陥っているため、これらの二次被害を抑えることすら困難な状況。
病院では余りに被害規模が甚大なためパンデミック扱い。しかも水道水全般が使用不能となるため水分補給はおろか医療機器のまともな洗浄すら行えない医療崩壊寸前の事態となってしまっている。

おまけにこれは第一段階での惨事。
東京中に蔓延し切った後は、元々の麻薬中毒者達は元より、
  • 喉の渇きや今の人生への苦悩から逃避するための快楽の誘惑に耐えきれず麻薬水を飲む者
  • 麻薬水を飲んで即死せずとも、ラリって錯乱しながら街で暴れ回る狂乱の暴徒と化す者
などが発生。
人間は生きる限り水道からは逃れられないため、場所を問わず、ほんの小さな要因で新たな中毒者が生まれ、更なる惨事を引き起こしていく。

同時に忍者の弱体化という点でも効力を発揮。
救済なき医師団陣営は「薬物による強烈な弱体(デバフ)を与えた上で自分達に有利な戦場で戦う」という忍者への対抗策をこれに見出している。


【関連用語】

  • 繰田医院
孔富が経営する闇病院。救済なき医師団の本拠地兼住居であり、メンバーは往診時以外はここに引き籠っている。
医院という名目でちゃんと表札もあるのだが、外観は蔦が生い茂るホラー作品に出てきそうな巨大な洋館そのもので病院にはまるで見えない。また聖堂のような設備まである模様。
孔富の方針から気軽に違法薬を処方するため、一般病院の処方箋では効きの悪い者にとっては便利な場所。
なお、生活必需品や仕事に必要なものは極道デリバリーが運んできてくれるらしい。

  • 反俟(そりまち)義治(よしはる)(42)、鎖野(さの)茂美(しげみ)(32)、洩田(もりた)忠治(ちゅうじ)(26)
今回のテロで犠牲になった名有りの犠牲者達。職業はそれぞれ旅客機パイロット、保険営業員、ガス配管工事業。
3人とも過去に大病や重傷により入院し苦しんだものの、適切な治療を受けたことで無事完治・退院している。
…が、退院後「妻の不倫が発覚*8」「入院前から続く夫からの苛烈なDVによる重度のうつ病の発症*9」「親の借金に治療費が加わることによる多重債務*10
といった形で、3人とも逆に精神的に追い込まれ生きる事への希望を失ってしまっている*11
後に全員が救済なき医師団のバイオテロによって薬物汚染を受け発狂し「無敵の人」化。
満面の笑みを浮かべた錯乱状態に陥り重大な大事故*12を引き起こして死亡した。
孔富が語る「医療が発達しても救えぬ心」の具体例ともいえるが、勝手に麻薬を盛られて周りを巻き込みながら殺される謂れはない。

  • DJポンダ
反俟義治が出勤前に聴いていたFM帝都の朝のラジオ番組のパーソナリティー。
本編での出番はごく僅かだが、11巻のおまけページで殺島飛露鬼の同級生だったこととその後現在に至るまでの苦難の人生、そしてテロの犠牲者の一人であることが明らかになった。中学時代は今でいう陰キャ系の人物だったらしい。
中学時代殺島から聖華天に誘われた経験があるが、ビビってしまった姿を見せてしまったため殺島の方から誘いは打ち切りとなり、加入することはなく殺島とは疎遠になって悪の道に走ることなく学生生活を終えた。
高校生になると死んだ父の代わりに育ててくれた義父の影響を受けギタリストを目指すも9年前暴漢に襲われた際の後遺症でバンドができなくなり夢も頓挫。流れ流され現在は打ち切り寸前のマイナーラジオ番組のバイト司会に収まっている。

社会人になってからは子持ちの女性と結婚していたようだがその妻子は交通事故によって死去。
最終的に彼も水筒の水を飲んだせいで麻薬水テロの被害に遭い、職場で「妻子と今も尚幸せな家庭を築いている」という幸福な幻覚を見ながら中毒死したと思われる。


【メンバー】


怪獣医(ドクター・モンスター)繰田(くりた)孔富(あなとみ)


つらかったでしょう 苦しかったでしょう
大丈夫……!

いい特効薬(オクスリ)があるの
救済(すく)いましょ…我等と共に───…!!


救済なき医師団創設者にして破壊の八極道のメンバー。43歳。
様々な理由で表社会に居られなくなった構成員達を勧誘して言葉巧みにまとめ上げた闇医者にして稀代の天才外科医。
詳細は個別項目を参照。


艶道(エンドウ)


我等は堕天使(ルシフェル)
救済阻む者は絶望の淵に…死ね

救済なき医師団・外科医。
5人の中で初めて登場。右半分の髪を黒に染めた、赤い地毛が特徴の眼鏡の青年。
一人称は「オレ」。孔富の前でのみ(わたし)。作者のツイートによると年齢は34歳。
登場時のシルエットは女性的だったが、実際は引き締まった肉体を持つ中性的な顔立ちの美青年。
メンバーの中では最古参に位置する。ちなみに身長は嫌慈どころか歪罹井よりも低く、最も小柄。
他のメンバーと違い精神的にかなり安定しているようで、麻薬入りワインに口をつけず繰田医院でも泣き叫ぶことなく平然と孔富の補佐をしている。
しかしテロの前日には堰を切ったように他の四人と同じく絶えず悔悟の涙を流していた*13

性格は冷徹で常に無表情。「どうでもいい」が口癖。
自分達救済なき医師団のことを堕天使(ルシフェル)と自称しており、忍者(しのは)が我流で縫合した手術痕を見てボロカスに貶すなど口は悪い*14
自分達が行う救済活動の邪魔をする者は誰であろうと容赦なく処断しようとする冷酷さを見せる一方、孔富が掲げる「この世はみんな病んでいる」という思想に同調し忠誠を誓っており、
麻薬(ヤク)で人々の苦痛を救済(すく)える」と信じ「麻薬で救済われる人を救済いたい」本気で願う医師故の優しさも持つ。
そして同時に孔富の”本当に救いたかった存在”が何なのかも理解しているらしく……。


戦闘では黒旋術式(シュトゥルム)と名付けた特殊な手刀の構えから繰り出す遠隔斬撃を駆使して戦う。
この構えは遠距離攻撃以外でも暗刃同様近接戦での格闘術にも転用でき、有事には直接手刀で斬撃を放つ。
そして医者らしく『地獄への回数券』の賜物か負傷者を見ただけで傷の内容と数を特定することができる。
他にも、相手の体に触れることなく切開を行うという左虎によく似た技術を身につけている。



ガムテの敗北直後に総理官邸を訪れると、肝臓へのダメージを軽減しきれずに苦しむ忍者(しのは)に、敵とは知らずにその場で手術を行い、適切な縫合をし直して去っていった。
この時、忍者(しのは)に鍼麻酔で痛みを和らげるなど気配りを見せてもいるが、それでも「この程度では救済(すく)いではない」と語った。

テロ実行後は孔富、叛巻、嫌慈と共に東京水道管理の中枢部・本郷の「水運用センター」を占拠しており、左虎を敢えて先に行かせた後忍者(しのは)と改めて対峙。
当初は黒旋術式の遠距離攻撃と鉄壁の護り、更には右腕の筋肉を断ち使用不能にする堅実な戦術で忍者(しのは)を圧倒していたが、麻薬水の浸食覚悟で水運用センター地下の貯水池に落として風の刃を封じる奇策の前に形勢が逆転。
おまけに断たれた腕の筋肉を固結びするとんでもない第2の奇策によって無理矢理腕を回復されてしまい、最後は水中で暗刃を喰らい致命傷を受け敗北した。

文字通り首の皮一枚繋がったことで絶命は免れるが、水中から這い上がると、自分の敗北を認めて麻薬水の成分表のデータ忍者(しのは)に提供する。
そして忍者(しのは)の前で自分達の身勝手な無様さ、救済いようの無さを自虐するも「忍者はブッ殺しても嘲笑(わら)わない」という厳しくも優しい信念の前に感銘を受け自嘲。
緊張の糸が解けたのか、瀕死の中、みきこへの懺悔の念と「みきこのような人々を救済いたかった」という医療への想いを吐露しながら、月へ向かい手を伸ばし続けた。

大…丈夫…
みき…こ……ちゃん
君…は
きっと…走れる…五輪で…君の足…で思いっきり…!

大丈夫…!きっと走れる……!!
オレが…きっと君を──…!!!


浸るな!!!

敗北者は()()と死ねい!!


だがそんな懺悔の涙と幸福な幻想も、『忍殺番長』砕涛華虎の乱入により破綻。肉体を拳によって粉微塵に砕かれるという、呆気なくも無惨な終わりを迎えた。

しかし、ここで忍者(しのは)に託した麻薬水の成分表のデータは…つまりは『天国への回数券』(ヘブンズ・クーポン)の解毒薬を開発できる可能性を秘めている事に他ならない。
漆黒に堕ちた『赤毛の天才医(レッド・ジャック)』は、今度こそ未来に救済(すく)いの道を示したのだ。

ちなみに、同じ作者の作品である「ジュウドウズ」でも縁堂(えんどう)という人物が登場していたりする。


歪罹井(エリイ)


ないのよ…そんな幸福(モノ)
世界は私が観てきた限り…

救済なき医師団・看護師。
元産婦人科の看護師でメンバーの紅一点。
顔の右半分をメキシコのカトリーナメイク風に化粧した奇抜な外見だが、顔立ちは端正でスタイルも抜群。若々しく見えるが年齢は恐らく30代後半から40代前半あたり。
そしてKILL ME BABYの文字に臍の緒の切られた胎児の刺青を腕に刻印している。
加入時期は艶道の次に当たる。

一人称は(わたし)
言動や性格は若干ダウナー気味だが極道の闇医者らしく暴力沙汰にも強く、暴力的な言動も躊躇わない。
その実態は「この世界は産まれるには残酷過ぎる」「この世に幸福などない」という悲観・諦念を抱えた、過激な反出生主義者。
テロ前日の『子供達』への謝罪の言葉と刺青から『墮胎』や『医療過誤による流産』に関するトラウマを有していると推察されていたが、実際は真逆で産ませてしまったことそのものを悔いていた。
過去の経験から今回のテロについては疑問の余地なく救済だと捉えており、麻薬水による乳児の中毒死を知って心から安堵の笑みを浮かべて喜ぶほど。
また発狂前から妊婦の気持ちを理解するために体内に巣食わせた無数の寄生虫への愛着は深く、「私のお胎で大事に育てた寄生虫達(こどもたち)とまで呼ぶレベルで慈しんでいる。
ちなみにミュージシャンの清春の大ファンらしく、99年1月29日の名古屋ハートランドで行われた黒夢の無期限活動休止ライブでは泣いたと語っている。



戦闘では捌いた自身の腹部から、麻薬で強化された寄生虫を放って戦う、所謂虫使い。帝都八忍よりも古典忍者っぽい。
忍者と戦う以前でも『地獄への回数券』の薬効と寄生虫を駆使し、患者を守るため華極道(チャイナマフィア)すら尿漏(チビ)らせた実績を持つ。


テロ実行後は東京への供給量トップ2の浄水場の1つ「葛飾区K浄水場」を占拠し、惨蔵の指示を受けて現れたロボ娘ちゃん…もとい斗女と交戦する。
ジェット噴射による高い機動力で攻撃を躱されるも、壁抜きによる不意打ちや再生能力で対処し、一度は斗女を拘束したうえで解体してしまう。
しかし事前に忍巧美男衆を通してその戦法を把握していた斗女が編み出した現代版身代わりの術『美男抱擁(ビダンボックス)』に引っ掛かり、背後から斬首される。
それでもなお胴体の養分で活動する寄生虫達で抵抗するが、自身の首を掴んだまま放たれた『完全無敵乙女砲(ラブずっきゅん)』を大元である胴体に叩き込まれ漸く敗北。

(これだ……!!私が理解(しり)たかった気持ち)
(これが…これが────…)

…おぎゃあ

死の間際、血が溢れ出る腹部の前で首を抱きかかえる恰好となり、その温かさから自分が知りたがった「赤ちゃんの気持ち」を理解。
安らかな笑顔を浮かべ、産声のような断末魔の言葉を残し絶命した。

後に作者によると元々はチェーンソーを得物としてぶん回すキャラだったらしいのだが、
チェンソーマンを超えるようなハッタリが思いつかず、内臓ブン回すキャラに変えたら担当さんから内臓NGを喰らい
最終的に寄生虫ブン回すキャラに落ち着きました。」
とコメントしている。


美陀(ヨシダ)


“お喋り”しましょう 紅茶(ティー)でも飲みつつ────


救済なき医師団・精神科医。
薄い青色の瞳を持ち眼鏡をかけたカイゼル髭の中年男で、戦闘時にはシルクハットを被った奇術師めいた装いをする。
加入時期は歪罹井の次に当たる。

一人称は(わたくし)。トラウマに苛まれている際は(ぼく)となる。
殺人は躊躇わないが物腰は穏やかで、敵にも常に丁寧な口調で接し紅茶を嗜むなど表面上は非常に紳士的。
過去には壮絶な介護生活の果てに看病していた母親を殺害しており、その過去から母親を殺してしまったことへの激しい慚愧の念を抱えている。
本人の救済への信条は語られることはなかったが、経歴を考えると「老いて身も心も苦しむ前に麻薬で殺してあげることが慈悲」というスタンスか。
また母の遺品と思わしきひび割れた置き時計を捨てずに未だ近くに置いている。


強力な催眠術師で、麻薬で強化された能力も自身の催眠話術。
戦闘ではベルト状の拘束具*21と仕込み杖を駆使。
催眠術で動きを止めた相手を拘束してから、急所を突き刺したり首を刎ねたりして確実にトドメを刺す堅実な戦い方を好む。



テロ実行後は東京への供給量トップ2の浄水場の1つ「朝霞市」の「A浄水場」を占拠。地下配水池に現れた神賽惨蔵と交戦する。
惨蔵を前述の戦法で仕留めようとするも、突き刺す瞬間にギリギリで急所を外されたり、拘束を「全姿全能」による変形で抜け出されたりしてしまう。
それでも攻撃を催眠で止めた彼は、惨蔵を紅茶を飲みながらの「お喋り」に招待する(を強要する)
毒も麻薬も一切仕込まないながらも自身の極道技巧で優位を取り、身動きできない惨蔵を完全な催眠状態に陥れ、忍者に関する情報を搾り取ろうとした。
……が、その際「知っている忍者の情報を『全て』話せ」と命じてしまったのが運の尽き。
惨蔵の記憶が明暦2年(1656年)364年前という通常の人類が生きられる筈がない時代まで遡ってしまい、肝心の現代忍者に関する情報は一切出てこない。
自身の催眠術の精度故に彼が嘘を言ってもいないため、目の前の男が人智をも超えた途方もなく恐ろしい存在であると悟ってしまい動揺。*23
冷静さを欠いて慌てて殺そうとした瞬間今度は自身が催眠術に陥ったような状態になってしまう。
その正体は惨蔵がその場で習得した『神誅焰魔洞』。…戦死者の一人であるの暗刃『睡掌髑路』*24と他ならぬ美陀の『夢遊(むゆう)ナル螺旋回廊(らせんかいろう)』をコピー&複合させた術に嵌り敗北。
人の深層心理(プライバシー)を覗こうとしたことにキレた惨蔵からの御礼参りを受けることとなる。

母さん ごめん……!!

最期は惨蔵の催眠術で過去の記憶を想起させられ、麻薬水テロに関する情報と共に、自身の中のトラウマと自罰意識を掘り起こされた結果、母親への懺悔の言葉を涙ながらに呟き自らの首を捻じ切って自害した。
偶然か否か、両手に頭部を抱えたその死に様は、生前最も喜びを感じていた母の両手で優しく頬を撫でられる姿によく似ていた。



嫌慈(ケンジ)


()ンだよ叛巻さん 役立たせてくれや(・・・・・・・・)…!
ここは オレが死ぬ

救済なき医師団・看護師。
片方を白銀に染め上げてパンクロッカーのように逆立たせた髪型が特徴的な男性で、外見年齢だけなら最も若い。白衣の下に色分けしたタンクトップを着ている。

一人称は「オレ」
ダウナー気質な者が多い救済なき医師団の中では、外見相応にテンションも高め。
元々は極道やチンピラのようなファッションの、あまり堅気には見えない少年。言動から察するに恐らくは暴走族上がり。
命に係わる大病を患い、叛巻の病院で入院生活を送る中、医療の偉大さに感激。退院後、約5年の努力の末に看護師免許を取得し、叛卷の下で働きたいと願って病院に押しかけた経歴を持つ。
なので主治医であり恩人である叛巻には並々ならぬ敬意を抱いており、彼に貢献する為なら死も厭わない。

鉄筋コンクリートの床を階下の天井もろとも一蹴りで壊し、崩落させる脚力の持ち主だが、実力は医師団最弱。
地獄への回数券2枚服用(ギメ)による過剰強化を以てしても呆気なく瞬殺されてしまっている。*25
本人も「気合と根性しか取柄がねえ未熟なオレ」と自嘲しているが、それ故に以下の極道技巧にかける全力は相当なもの。


“救済なき医師団”看護師・嫌慈ィ!!
()くぜ()くぜェェェェェェェェ!!!

劇中では本郷の水運用センターでの一番手として突貫。
己の極道技巧を利用した自爆特攻で己の命と引き換えに、忍者(しのは)・左虎・右龍にさらなる弱体化(デバフ)を与えた。


叛巻(ホンマ)


この程度なら問題ない
問題なくお前を“診て”殺そう

救済なき医師団・内科医。
風貌は左側の髪が色褪せた金髪になったウェービーな長髪で、長身痩躯の中年男性。メンバー内では孔富を除くと最も大柄。
医師団の中では嫌慈と同時に加入した新参。
嫌慈とは主治医と元患者及び医師と助手の関係であり、闇医者に堕ちた今も尚嫌慈の上司としてほぼ常に行動を共にし、時には丁寧に指導をしている。

一人称は(わたし)
初登場時は『天国への回数券』漬けのワインを飲んだためか哄笑する姿を見せていた一方、それ以外では常に陰鬱な表情を湛えているダウナー系の人物。
淡々とした口調だが嫌慈への慈しみは深く、彼を「病む人を心から想う優しく立派な医療者だった」と述懐している。


暗刃に似た鋭い指の構えで相手の肉体を突き、局所的に相手の肉体を破裂させる技術を持つ。
また内科医として日常的に触診を行っているからか触覚が鋭いようで、大阪では建物の床に触れることで攻撃すべき脆い部分を見抜き、嫌慈に破壊するよう指示を与えていた。


テロ実行後は嫌慈の自己犠牲により弱体化した3人のうち、自身を抑え込んだ右龍と対峙する。
弱体化を重ねた右龍を相手に花葬拳を駆使して一方的に攻撃を仕掛けて大量出血による死を確信するほどに追い込んだが、
右龍の人知を越えた造血能力によって大量出血を回復されてしまい驚愕。
再び花葬拳による大量出血を狙うが、カウンターで放たれた新技「血風怒涛剛雷漢(ビリビリクラッシュメン)」の直撃を受け全身を黒焦げに焼かれてしまう。
それでも気合と根性で右龍に立ち向かうが、最後は「不死身(ふじみ)電撃漢(エレキマン)」の高圧電流を直接流されたことで遂に敗北。

救済(すく)おう嫌慈 すべての人々を…すべての心を)
生命(いのち)の限り)
(灰になるまで……!!)

こうして側にあった嫌慈の生首共々全身が灰に還り、粉々に砕け散りながら死亡した。



【救済なき医師団(+α)の慈悲深い語録抜粋】

  • 愚医(ヤブ)
  • 「大麻もコカインもヘロインもみんな人を救うために作られたお薬───本来そこに悪意も罪も存在しないの…」
  • 驚愕(オッタマゲ)
  • 双生児(ふたご)
  • 苛烈(エグ)
  • ()っとけ()っとけオレ達は今麻薬(ヤク)の力で無敵だからよォ」
  • 弱体(デバフ)った
  • 闇医者の戦力(ちから)
  • 「せめて…麻薬(ヤク)快楽(ラク)に────…」
  • 麻薬中毒(ヤクチュー)
  • 「なんて───悲壮(シケ)形相(オカオ)なの 病院(ウチ)…来る?」
  • 「信念に基づき人を救う…それが医者です」
  • 極道輸送車(デコトラ)
  • 極道(ごくどう)リリーフ
  • 立入禁止(タチキン)
  • 極道科学(ごくどうサイエンス)
  • 「水道ひねれば麻薬(ヤク)がガブガブ飲める!バキバキ幻惑(キマ)る!!麻薬中毒者(オレたち)大願(ユメ)が叶ったァァ!!!」
  • 「さあ“診殺(しんさつ)”の時間だ ……少し痛いぞ」
  • 「大学病院の恩師は言っていた 『僻地医療は 己が生命(いのち)削り 薬と成すが如く』」
  • 珍獣(ちいかわ)
  • 「我等の救済否定するなら逃げず()ってみろ!! オレは命の限り麻薬(ヤク)水流し救済を続けよう!!」
  • 麻薬(ヤク)()つる水中
  • Oh〜…My God Hand(  半端ねぇ)()!!」
  • 弱者男性(シャバゾウ)
  • 極上麻薬(ヘロイン)
  • 極道闇病院(ホスピタル)
  • 「オイ!お前しっかりせぇ!!」「なんて残酷な…!債権者(カス)共を麻薬(ヤク)の実験台にしただけやん!!」
  • 4枚服用(ゼンリョク)
  • 「オバケ!!?」「うるせー!!!」
  • 「アンタねぇ…!!“覚醒剤(コレ)”がなんだかわかってんの!?手ェ出せば最後アンタの人生破滅しかなくなるのよッッ!?」
  • 救済(すく)いたいから医者になったのでしょうッッ!?ならば今逃げたら後悔するわ。救済(すく)いなさいそんな患者も!!我が身がどうなろうとも!!」


【余談】

救済なき医師団がメインとなる五章からの各話のサブタイトルは、多くが90年代のヴィジュアル系ロックバンドの楽曲が元ネタとなっている。
MALICE MIZER』を中心に『L'Arc~en~Ciel』『X JAPAN』『GLAY』『HIDE』 など幅広く拾われているため、これを期に聞いてみてもいいだろう。

上述のオピオイドは現実にも存在し、ケシから採取されるアルカロイドや、そこから合成された化合物の事である。つまり「オピウム(アヘン)類縁物質」という意味。
効果としては鎮痛・陶酔作用があるが、高用量の摂取は昏睡・呼吸抑制などの副作用を引き起こしてしまう可能性がある物質。
オピオイドを元に合成される薬剤にはモルヒネ、ジアセチルモルヒネ、コデイン、ヘロイン、オキシコドン、フェンタニル、メサドン、ペチジン、ヒドロコドンなどが存在する。
それらは、現代において「最も強力な鎮痛薬」と呼ばれ、末期がんの治療や麻酔臨床では必要不可欠な薬剤とされる。
アメリカでも多く使用されており、一般人にも処方箋として流通している。
…しかし、強い効力故にオピオイド依存症や離脱症状、過剰摂取による死亡の危険性があるため多くの国で規制物質となっている。
オピオイドを導入しているアメリカでは社会問題にもなっており、オピオイド(特にオキシコドン、ヒドロコドン、フェンタニル)の依存症や過剰摂取などで1999年から2016年までに63万人以上が死亡。 2017年にはアメリカで「オピオイド危機*27」と呼ばれる公衆衛生上の非常事態が宣言されたほどである。


12巻のおまけページではそれぞれの極道技巧のネーミングセンスについて書かれているが、孔富は「みんなとってもいい厨二(センス)♡」と微笑ましく見ている。


追記・修正は髪色と服装を二色のセンター分けにしてからお願いします。


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帝都八忍の活躍で『救済なき医師団』は壊滅するも、彼らの残した麻薬水テロによる爪痕は甚大。
忍者にも一人殉職者が出てしまった。
崩壊した水道インフラの復旧は一朝一夕には進まず、愛多間七総理は精魂尽き果て昏睡。
都内には麻薬水の快楽を忘れられず快復しても再び薬物に手を出し中毒者になる都民が続出した結果、都内のあちこちに麻薬中毒者が溢れ返り、天国への回数券が未成年の子供が簡単に入手できるほどに広まり、麻薬中毒者になった子供も蔓延る地獄と化してしまった。
治安悪化に伴い都内の地価は暴落の一歩を辿っていく中間髪入れず、忍者を含む世界を滅ぼすべく、新たな八極道の刺客が動き出す。





次に
忍者と()るのは"(アナタ)"じゃない
"芸"に生きるこの我々…

塵芥芸者衆(じんかいげいしゃしゅう)

忍者は 我らの"祭"の大事な来賓(ゲスト)
何人たりとも邪魔立ては許さない…!


忍者(しのは)君…忍者達よ
次の極道たちに“優しさ”はない
彼らにあるのはただただ純粋な─────

大衆(セカイ)”への 極大の“憎悪”のみ



最終更新:2025年05月25日 16:09

*1 なお個々人のそれ以外の服飾(ヒール,タンクトップ,髭など)も可能な限り左右で分けられている。

*2 片や幼くも戦闘技術を磨いているプロの暗殺者、片や元々表社会で普通に働いていた医療従事者なのだから、ある意味当たり前ではある。

*3 戦闘の舞台がショッピングモールだったこともあって、電撃を床や地面に伝播させる右龍の暗刃を使うと一般人を巻き込んでしまうという忍者側の制約もあっての事だが

*4 進撃の極道電車道、仏破砕拳、箱庭覗聴、妖精通信など

*5 極道居合、官憲斬棄、狂弾舞踏会、蹴球地獄変など

*6 ただし、医師団は事前に麻薬水によるデバフを行った上で戦っているため、デバフ抜きでの『割れた子供達』や忍者との戦力比は不透明。

*7 そもそも通常の『天国への回数券』も、1度に11枚以上キメれば確実に死に至る代物。濃度を特別に高めたものを何千枚何万枚と水に曝せば、こうなるのも当然だろう。

*8 すでに気づいているが、息子のためにバカを装い黙認している。これは彼が子供時代に片親で辛い幼少期を過ごしたことで息子にも同じ思いをさせたくないから

*9 10年間甘言をを囁き続けた夫は結婚して僅か半月で別人と化した。夫は弁護士であり、自分が不利になるような証拠は残しておらず裁判して勝てる見込みは無い

*10 借金完済まであと40年。彼も「自分の人生は借金で終わる」と見ていた

*11 鎖野茂美に至っては「その方が楽だから」と言う理由で悩む気力も自殺する気力も失せてきているらしい

*12 乗客を乗せた旅客機の都心への墜落、乗用車の暴走による大勢の人間の轢殺、工事現場のガス管の破壊による大爆発

*13 とはいえトラウマに押しつぶされていた四人と比べても、強迫観念に囚われているとはいえ救いについて孔富に誓いの言葉を述べる等まだ安定している。

*14 最も医学の心得がない素人が自分で自分に外科手術を行う等忍者でなければ普通に死ぬ可能性が高く、その痕を見れば「医者なのに下手すぎる処置」と判断して施術者を酷評するのは寧ろ当然ではある。

*15 「単純に取り押さえようとした」とも「トラックから艶道を庇おうとした」とも取れる構図となっている

*16 例を挙げれば「カルテ」がドイツ語。また日本でも「カルテはドイツ語で記入する」という慣例があるため、ドイツ語の読み書きは医療現場の必須スキルになっている(現在は日本語や英語で書かれたカルテも多い)。

*17 元々はコップの中で何匹も泳いでいるような常識的なサイズだった。

*18 死亡が報じられた子供たちは全員がいわゆるキラキラネーム(単行本ではイニシャルによる不特定な名前に変更されている)であり、そもそも病院の客層があまりに酷かったのではないかと考える読者もいる(とはいえこの漫画だと元からそんな感じの名前も多いが)。また「ことごとく」とあるが、歪罹井は検索を途中で止めており、本当に全員が不幸な死を遂げてしまったのかどうかはわからない。いわゆる「生存者バイアス」がかかっていた可能性もある。

*19 あくまで「深淵を覗きすぎない様に」という事であり、患者とは素っ気ない態度で接しているが、決して邪険に扱っているわけではない。認知症になる前の母親の前では患者のことは笑顔で「患者様」と呼んで、職場復帰できた事を喜んでいる

*20 ここで専門家を頼ればまた違った人生を歩んでいたのかもしれないが、母を恐らく唯一の心の支えとしている美陀が、母を施設に預けるなどの決断ができたかは疑問が残る。一方、自分でどうにか症状を和らげようにも、自分が得意とする「寄り添わない」治療は自身が一番寄り添っていたい、絶対に距離を取れない相手である母親にはどうしてもできなかったのだと思われる。

*21 精神病院で用いられる患者用の拘束具に似ている

*22 催眠術は「相手の深層意識を後押しする」ものなので、死ぬ気が全くない者を自殺させることはできないため。…逆に言えば「深層意識で心の底から死を望んでいる相手」に関しては「深層意識に『死んでもいい』という願いがある」ため可能

*23 彼の過去を考えると惨蔵が自分のトラウマである老いによる認知症を克服した存在である事も大きいだろう

*24 聖華天でも示されていたように彼女の暗刃は「非殺傷性の鎮静ガスを放つ」というもの。それによって「催眠ガスを放つ事」が「攻撃」と認識されなかった。また、惨蔵は事前に、スコーンの欠片を飛ばしてぶつける嫌がらせのような、暴力とは言えない行動なら体が動くことを確認していた。

*25 それでも忍巧美男衆を返り討ちにできる程度の実力はある

*26 犯人は小火で思い知ればいい程度にしか考えていなかった。共犯者もガソリンを使っていることに気づいた時には遅く、2人まとめてその場で爆死した

*27 オピオイド・クライシスとも言われる