天海祐希

登録日:2021/10/28 Thu 21:04:28
更新日:2021/11/04 Thu 16:06:23
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天海祐希(あまみ ゆうき、1967年8月8日-)は、日本の女優で、元宝塚歌劇団月組トップスター。本名は中野 祐里(なかの ゆり)のため、愛称では本名の方で呼ばれることも。
史上最短で宝塚歌劇団のトップスターに上り詰めた、レジェンドともいうべき御方。
2021年現在は研音所属。


来歴

東京都台東区東上野出身。両親、兄と弟の5人家族。
小さい頃から演じることが好きで、中学の頃に担任から宝塚歌劇団に入ることを勧められる。ダンスの練習をしつつ高校に通い、2年修了後に宝塚歌劇団の団員養成機関である宝塚音楽学校に首席で入学*1
ちなみに同校の面接試験において、試験官に「お母さん、よくぞ生んでくださった」と言わしめたという逸話がある……が、真偽は不明。

タカラジェンヌとしての芸名を決めるにあたっては、「天海祐希」か「木条祐希」のどちらかに絞られた際、当初は男らしいという理由で後者を選ぼうとしていた。
だが、宝塚音楽学校の副校長から「『天海』の方がスケールが大きい」という助言を貰い現在の名前となった。*2

1987年に73期生として宝塚歌劇団に入団。1年目にして『ミー・アンド・マイガール』の新人公演で初主演を果たす。
新人公演は入団7年目までの生徒*3による公演なので、1年目で主演を務めたことがいかに異例だったかが伺える。

その4年後の1991年には月組の2番手男役になり、その2年後の1993年にはついにトップスターにまで上り詰めた。
これまで男役トップスター就任の最短記録を誇っていたのは大地真央だったが、それを更新することになるスピード出世にして偉業だった。
宝塚ファンの間で使われる用語には「男役十年」という言葉がある。要するに、男役として完成を見るまでにはそれくらいの時間がかかるもの……ということだが、天海はそれをも塗り替えてのけたのだ。
そして1995年12月、かつて新人公演で主役を張った『ミー・アンド・マイガール』を以て退団*4
もちろんトップスター経験者では最短の在籍である。
退団時はテレビニュースやワイドショーにも取り上げられるなど、大きな話題となっていた。

退団後はテレビドラマや映画の女優の道を進むことを選ぶ。
しばらくは自身の役柄の在り方に苦労することとなるが、やがて女刑事や女弁護士など「クールな女性」としての女優像を確立させていく。

また、声優としてもいくつかの作品に出演しており、概ね高い評価を得ている。演じているのは主に悪女だが。


人物

『女王の教室』や『BOSS』などの役柄から真面目でお堅いなどクールな印象を受けるかもしれないが、実際は明るく表情豊か
またお笑い好きで自身もモノマネを少しながらやっている。よくやるのは黒柳徹子

『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』の年末恒例企画『笑ってはいけない』シリーズの2019年版『絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール』では『女王の教室』の鬼教師・阿久津真矢として出演。様々な方法で5人を笑わせに来る。
……だが、実は天海は笑い上戸でもあるので、一切の笑顔を見せない阿久津真矢の役柄を崩さないため、自身で命じた5人の奇行に対し、必死になって笑いを堪えていた。*5
まさに天海にとっても「笑ってはいけない」わけだったのだ。

また、正義感も強く、幼少期はいじめをしていた男児を蹴り飛ばしたり、宝塚時代には一人でスリを駅員に突き出したりなどもしていた。
スリ検挙のときは、犯人の行動の時刻も詳細に把握していたことから、対応したお巡りさんに「お嬢ちゃん、警察官にならないかい?」と誘われたとか。

ある時に腰痛に悩まされるようになってからは、体調管理と筋トレを欠かさず行っている。
曰く、「男は裏切るが筋肉は裏切らない」
尤も、天海自身は別に男性に対して差別意識を持っているわけでもなく、「なんだったら『女』でも『人間』でも適宜変えてもらっていい」とのこと。
50代に突入してもなお、女優として凛々しくも美しいイメージを保っているのはこの日々の努力の賜物だろう。

アニヲタお馴染みLiSAのファンでもある。
彼女がベストアルバムを出した際、三十路に入ったこともあり、
「自分かこれからどう生きていこうか、いつまで続けていけるだろうか」という悩みを抱えていた。
そんな時、ベストアルバムのお祝いメッセージの中に天海のものもあり、そこにはお祝いとともに次のような言葉が贈られた。

重ねていくということは1人の女性として孤独を背負うということですけど、孤独でもその孤独を是非楽しんでください

LiSAは天海と相談をしていないにも関わらず、彼女は「そろそろこのことで悩まれる時期かな」という経験の元でLiSAにこの言葉を贈ったのだった。
この言葉に胸を打たれ、「だったら行けるところまでやってみよう」と開放感を得た彼女は、後に『紅蓮華』そして『炎』で大ヒットを飛ばし、紅白歌合戦出場、日本レコード大賞受賞を果たすこととなる。

LiSAは天海祐希によって「強くなれる理由を知った」のだ。

ちなみに天海の方はというと
「落ち込むことはない。落ち込んでる時間がもったいない。」
「年取ってくると悩みなんてない。いらないものなんかボンボンボンって捨ててっちゃえばいい」
と、「竹を割ったような」という言葉に相応しい回答をしていた。


主な出演(宝塚時代以外)


  • テレビドラマ
離婚弁護士(間宮貴子 役)
女王の教室(阿久津真矢 役)
トップキャスター(椿木春香 役)
演歌の女王(大河内ひまわり 役)
Around40~注文の多いオンナたち~(緒方聡子 役)
BOSS(大澤絵里子 役)
GOLD(早乙女悠里 役)
緊急取調室(真壁有希子 役)
2夜連続ドラマスペシャル 女信長(御長/織田信長 役)
マッサン(川上一恵 役)*6
おちょやん(箕輪悦子 役)*7
偽装の夫婦(嘉門ヒロ 役)
アガサ・クリスティ「パディントン発4時50分~寝台特急殺人事件~」(天乃瞳子 役)
『サザエさん』放送50周年記念スペシャルドラマ企画『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』(フグ田サザエ 役)
トップナイフ-天才脳外科医の条件-(深山瑤子 役)

  • 映画
狗神(坊之宮美希 役)
千年の恋 ひかる源氏物語(光源氏 役)
突入せよ!あさま山荘事件(佐々幸子 役)
世界の中心で、愛をさけぶ( 朔太郎(現代)の上司 役)
バッテリー(原田真紀子 役)
サウスバウンド(上原さくら 役)
アマルフィ 女神の報酬(矢上紗江子 役)
カイジシリーズ(遠藤凛子 役)※『カイジ 人生逆転ゲーム』『カイジ ファイナルゲーム』の2作品
清須会議(枝毛 役)
恋妻家宮本(宮本美代子 役)
チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~(早乙女薫子 役)
最高の人生の見つけ方(剛田マ子 役)※吉永小百合とのW主演
記憶にございません!(ドラマ「女西郷」主演女優 役)*8
老後の資金がありません!(後藤篤子 役)

  • アニメ
崖の上のポニョ(グランマンマーレ 役)
名探偵コナン 純黒の悪夢(キュラソー 役)
メアリと魔女の花(マダム・マンブルチューク 役)

  • 洋画吹替
マイティ・ソー/バトルロイヤル(ヘラ 役)
ミニオンズ(スカーレット・オーバーキル 役)
プリンス・オブ・エジプト(ツィッポラ 役)
リアル・スティール(ベイリー・タレット 役)


追記・修正は天海祐希より早くトップスターになれた方にお願いします。

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最終更新:2021年11月04日 16:06

*1 ただし卒業時の席次は首席ではなかった。

*2 ちなみに天海に憧れたある女性が後に劇団を立ち上げ、その時に「木条祐希」を名乗っている。ある番組で対面し、そのことについて謝罪したが、天海は「最悪だ」と冗談めかして言ったものの特に咎めてはいない。

*3 宝塚歌劇団の団員は公式にはこう呼ばれる。

*4 トップスターになったら、交代の際に退団するという決まりがあるため。

*5 堪えられなかったときは顔を背けて笑っている。

*6 「収録当日まで玉ちゃん(主演の玉山鉄二)には内緒にしよう」という天海の発案であり、スタッフと他キャストの結束もあって、玉山は当日リハーサルまで知らなかった

*7 ポスターでの出演。これも主演陣には事前に一切知らされてない。

*8 作中にちらっと映るテレビ画面の登場のみ。大写しにならないので、言われなければ気付かないレベル