インセクトロン(G1)

登録日:2021/11/01 Mon 23:52:00
更新日:2025/07/18 Fri 00:57:37
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インセクトロンとは、トランスフォーマーシリーズに登場するグループ名のことである。ここでは、初代アニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』に登場するインセクトロンについて解説する。

目次


概要

悪のデストロン軍団に所属するトランスフォーマーのグループで、「インセクト」とあるように全員がロボット昆虫に変形する。海外名は「インセクティコン/Insecticons」。

最大の特徴として、エネルゴンのみを摂取する他のトランスフォーマーと異なり、雑食であり、植物や金属からエネルギーを抽出することが可能である。
これらのエネルギーを基にエネルゴンキューブの自力生成も可能であり、デストロンはそのことを利用して地球の食物から大量のエネルゴンを作り出したこともある。
さらに、機械の残骸などを基に自分たちのクローンを作ることも可能。クローンは能力こそオリジナルと遜色ないものの知能は低く、オリジナルの命令に従ってのみ行動する。

元々はセイバートロン星の地中で暮らしており、他のトランスフォーマーより早く地球に到来していた。サンダークラッカー曰く、メガトロン率いる本家とは異なる、分家のような存在らしい。
そのためか、あくまでもメガトロンとは協力者のような関係であり、エネルゴンキューブなどを報酬に作戦への協力を請け負う程度の立場に過ぎない。
インセクトロン達自身の不義理さもあって信頼関係も全く無く、部下に優しいはずのメガトロンがピンハネ彼らを騙したり、インセクトロン側が命令に逆らったりすることもある。
勿論スタースクリームら他のデストロンも彼らを嫌っており、虫ケラだのゴキブリだのと散々に罵っている。
サイバトロンのホイルジャックはそんな彼らの様子を「同じオイルの流れてるデストロン」と評してはいるが、正直完全に敵対しないのは奇跡に近い。

前述した食物からエネルゴンキューブを生成する作戦では、空を覆いつくすほど大量のクローンと共に、蝗害のごとく世界各地の農作物を食い荒らし、人類滅亡の危機にまでなっている*1
この危機に対し、サイバトロンは「ロボット昆虫殺虫剤」を使ってクローンを倒そうとしたが、デストロンの妨害で破壊されて失敗。
最終的には、アダムスが宇宙から殺虫剤を運ぶときに付着したロボット食虫植物「モルフォボット」を野菜と勘違いして飛び込んだことで、飛んで火にいる夏の虫とクローンたちが根こそぎ食われ、事なきを得た。
ちなみに残されたモルフォボットは満腹になったからか大人しくなったようで、サイバトロンの手でロケットに詰め込んで宇宙に放逐された。大迷惑。しかし、パーセプターが研究用に持ち帰ったモルフォボットは残されており…

トランスフォーマー ザ・ムービー』では、設定を忘れたためかあくまでもメガトロンらとは同盟という立場から一転、彼の部下という扱いになる。しかし、負傷したことで荷物減らしとして宇宙に放逐され、その後ユニクロンの手によってサイクロナスやスカージ、スウィープスとして生まれ変わったような描写がある。

戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー2010』では、サイクロナスらに生まれ変わったはずが、なぜかインセクトロンも登場している。彼らは同種の別人やクローンだと思われる。あるいは作画ミス。

トランスフォーマー アーススパーク』では、久々にチームとしてのインセクトロン(インセクティコン名義)が登場。ボンブシェルとシャープネルが登場している。初登場時はマンドロイドに操られていた。

メンバー

  • 諜報工作兵キックバック
CV:石井敏郎
メカバッタに変形する。テックスペックによると人心掌握に長けたインセクトロンのリーダーらしいが、アニメ本編ではあまりリーダーらしい活躍はない。

バッタらしく、高い跳躍力や、キックを得意とする。
しかし他の二人のような特殊能力は無く、ぶっちゃけ地味。

  • 心理工作兵ボンブシェル
CV:城山知馨夫
メカカブトムシに変形する*2。メンバーの中では冷静で頭脳派。メガトロンからも他の二人よりかは信頼されている模様。
角から迫撃砲を発射できるほか、「セレブロシェル」という物質を発射し、相手を意のままに操るという恐ろしい能力を持つ。ただし自身の頭脳と接続しているのか、セレブロシェルを破壊されるとそのダメージがフィードバックしてしまうのが弱点。

さらに、機械いじりに秀でており、くノ一ロボット、ナイトバードの強化改造を担当している。

  • 電子工作兵シャープネル
CV:江原正士
メカクワガタに変形する。電気を操る能力を持ち、雷のエネルギーを利用した「サンダーアタック」が得意技。また、大顎から「オーバーライドウェーブ」というメカを操る電磁波を放てる。
また体内から爆発してバラバラになったとしても、平然と再生できる程の生命力を誇る。何故ザ・ムービーで発揮出来なかったのか。

彼がインセクトロンを代表して喋る事が多い。そこはキックバックじゃないのか…

玩具

初代放送当時の玩具は、ダイアクロン・昆虫ロボの「バッタス」「カブトロン」「クワガトラー」を基にしている。
他のロボはデストロン軍団も含め正義のロボットが基になっているが、彼らの玩具は元の時点で敵側のワルダーのメカである。

『トランスフォーマー コレクション』にて3体セットで再販されたときには、エネルゴンキューブが付属し、胸のスペースに収納可能である。

また、ダイアクロン版のカラーを基にした「クローンアーミー」がe-hobby限定で発売。キックバックのクローンである「ショットホール」、ボンブシェルのクローンである「サルボー」、シャープネルのクローンである「ザップトラップ」のセットである。
ちなみにクローンアーミー達のうち、ショットホールのテックスペック上の知能は、最低値である「1」。当然ながらオボミナスとともに、歴代最低である。残る2人の知能は「2」である。


『コンバイナーウォーズ』にて、ボンブシェルとシャープネルがリメイク。大きさはデラックスクラスより一回り小さいレジェンズクラス。
日本ではなんと『トランスフォーマーアドベンチャー』のオフスクリーン玩具として発売された。アドベンチャー玩具共通のコードを張り付けるため、胸部分が少しえぐれており、賛否両論。

キックバックは、少し遅れて『タイタンズリターン』の玩具として発売。大きさは他の2人に合わせたレジェンズクラスで、タイタンズリターンのメインギミックであるヘッドマスターギミックはないが、背中にタイタンマスター*3を搭乗可能。
日本では、『レジェンズ』で発売。『トランスフォーマー 超神マスターフォース』に登場した「クラウダー」がヘッドマスターとして付属する。

後に『レガシー』にてキックバックが再リメイク。今回はデラックスクラスになっている。その後シャープネル、ボンブシェルが次回作の『レガシーエボリューション』でリメイクされた。
シャープネルとボンブシェルはリデコの関係になっているが、それぞれ見た目は差別化され、G1アニメらしいデザインを再現できている。

余談

初代アニメではデストロン(と一部のサイバトロン)の声には基本的に全員ボイスエフェクトが掛かっているのが特徴だが、彼らの場合は特にエフェクトの癖が強いため台詞を聞き取りづらい事で有名。
下手をすればサウンドウェーブ以上である。

インセクトロンという名称は、『ビーストウォーズⅡ 超生命体トランスフォーマー』でも登場している。ただし、こちらはサイバトロンである。

アニメで登場し、かつ日本で玩具が発売されたインセクトロンは以上の3体であるが、海外では玩具限定で「デラックスインセクトロン」が存在する。
タカトクトイス社から発売された『機甲虫隊ビートラス』の玩具が基となっており、セミに変形する「ヴェノム(ビート・ゼグナ)」、クワガタに変形する「チョップショップ(ビート・グガル)」、カブトムシに変形する「バラージ(ビート・ガドル)」、バッタに変形する「ランサック(ビート・バダム)」で構成されている。
実はビート・バダムのみタカトク版は制作されていたにもかかわらず未発売におわり*4、ランサックとして初めて世に出る形となった。
以降のシリーズではチョップショップのみ優遇されており、クワガタ、ロボット、武器に変形できるマイクロンや、シャープネルのリデコでコンバイナーウォーズ版が発売されている…と思いきやレガシー版キックバックを基にしてランサックがリメイクされた。その後チョップショップとバラージがセットで出た。


追記・修正は、地球の食料を根こそぎ食い荒らしながらお願いします。

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最終更新:2025年07月18日 00:57

*1 さらに、食物が無くなることで生態系が崩れ、人類以外の生物にも多大なダメージを与える可能性が高い。

*2 海外ではカブトムシがマイナーでないからか、ゾウムシ扱い。このこともあってか、角にあたる部分から物を食べるシーンがある。

*3 タイタンズリターンでのヘッドマスターの呼称。

*4 プラモデル版は発売されている。その代わりビート・グガルが発売されていない。