トランスフォーマー ザ・ムービー

登録日:2011/09/13(火) 02:50:40
更新日:2019/10/25 Fri 19:47:07
所要時間:約 7 分で読めます




トランスフォーマー ザ・ムービーとは1986年にアメリカにて公開された日本製アニメ映画である。

本作は1984年(日本では1985年)よりスタートした『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー』(海外ではシーズン1〜2)と続編である
『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー2010』(海外ではシーズン3)との間の物語を描いた作品である。

アメリカでは1986年夏に公開され日本でも1987年夏に公開される予定だったが、日本国内では諸事情により公開されることなく1989年になって
一部劇場にてチャリティー上映されたのみで他はVHS、LD販売のみに留まっている。
2001年にDVDが発売されたが、一度も再販されることなく廃盤になってしまったためオークションなどでは非常に高騰している。
(海外ではBlu-Ray化、さらにデジタルリマスターされて通常販売されている。)

それまでのトランスフォーマーでは、描かれることのなかった登場キャラクターの死が描かれているのが大きな特徴。
(当時のアメリカの子供向けアニメは倫理規定によりキャラクターの死亡はご法度)
前半はTVシリーズで慣れ親しんだキャラクター達がこれでもかというほど死ぬ鬱展開なため、初見でのショックが非常に大きい。


●あらすじ
2005年、超ロボット生命体「トランスフォーマー」が地球のエネルギー資源を求めた戦いを始めて20年の月日が経とうとしていた。
平和を愛する正義の「サイバトロン」と悪の軍団「デストロン」の戦いは故郷セイバートロン星をデストロンに完全に制圧され、
劣勢のサイバトロンはセイバートロン星の二つの月「ムーンベース」に隠れて反撃の機会を窺っていた。
一方、惑星リゾンではモンスター惑星ユニクロンの突如の襲来により滅亡してしまう。
そしてユニクロンは標的であるセイバートロン星へと向かおうとしていた。


●登場人物
[サイバトロン]
CV:玄田哲章
サイバトロン総司令官。
デストロンの奇襲を受けた地球のサイバトロンシティへ増援として向かいメガトロンと最後の一騎打ちを繰り広げる。
単騎駆けで轢き逃げからの跳躍しながらトランスフォーム、空中で正確に地上のデストロンを狙撃して着地後すぐさま残りを撃ち、幹部クラスも含めたデストロンをほぼ手も足も出させず一蹴するという、TV版とは比べ物にならないくらいカッコいい戦闘シーンを見せる。

CV:石丸博也
ひよっこ新米騎士。
年相応の若者らしく軽い性格だが熱血漢で正義感は人一倍強い。
ダニエルとは釣りをしたり兄弟のように仲が良い。
終盤、マトリクスを引き継ぎ、ロディマスコンボイになる。

CV:速水奨
サイバトロンシティのシティコマンダー。
予告編ではダイアクロンカラーだった。
死に際のコンボイからマトリクスを託され、総司令官代理となる。
マトリクスを破壊しようとするデストロンの集中攻撃を受けてバラバラ死体になるが、ジャンキオンに修理されてあっさり復活した。他の戦死者の立場は…

  • チャー
CV:阪脩
歴戦をくぐり抜けてきた老兵。
豊富な知恵と経験で若者たちにアドバイスし、実戦でも活躍する。
ロディマスに対する印象は「イカレ暴走族」だが、なんだかんだで信頼してはいる。

  • ブラー
CV:山口健
情報員。
音声回路が壊れてるのではないかと思うほど異常な早口が特徴。
名前の通り、劇中では動きにブラー処理がかけられている。
原語版の声優は早口言葉のギネス記録保持者。

  • アーシー
CV:勝生真沙子
サイバトロンの紅一点で、ダニエルには非常に頼りにされていた。
後にスプラングと付き合うことになる。

  • スプラング
CV:堀内賢雄
装甲車とヘリコプターに変形するサイバトロン初のトリプルチェンジャー。
2010ではアーシーと恋人同士だが今作ではお互い愛し合っている描写は見られない。

  • ダイノボット
CV:喜多川拓郎(グリムロック)、稲葉実(スラージ)、山口健(スラッグ)、塩屋翼(スワープ)
グリムロック、スラージ、スラッグ、スナール、スワープの恐竜軍団。
サイバトロンシティ襲撃の際にコンボイと共に増援として駆けつけてデバスターと戦い、その後ロディマスとチャーの救出にも一役買う。
緊急事態真っ最中なのに空気を読まずチャーの武勇伝を聞きたがって怒られる等、萌えキャラに拍車がかかっている(特にグリムロック)。
スナールは何故か劇中では一言も喋らないうえに殆ど映らない。

  • ウィリー
CV:小宮和枝
生存者(サバイバリスト)。
ダイノボットたちが不時着した惑星にいたミニボットの少年。武器はビームパチンコ。
グリムロックたちと意気投合して仲良くなる。

  • ブロードキャスト
CV:難波圭一
通信員。
サイバトロンシティ襲撃の際にムーンベースへ救援要請の通信をし、妨害のために現れたカセットロンをカセットボットで迎撃した。

  • カセットボット
スチールジョー、アムホーン、リワインド、リジェクトで構成されたサイバトロン版カセットロン。
サウンドウェーブが送り込んだカセットロン部隊相手になかなかの活躍を見せる。
イジェークトされた直後にリワインドとリジェクトの色が作画ミスで入れ替わっている。

CV:城山知馨夫
科学者。
事ある毎に回りくどい報告をしてウルトラマグナスを苛つかせる。

  • ハウンド、サンストリーカー
偵察員と戦士。
サイバトロンシティ襲撃の際にコンボイと共に増援として駆けつける。

  • スパイク
CV:江原正士
サイバトロンとは20年来の協力者。
カーリーとは結婚してダニエルという息子を授かっている。
本編中では終始「エクセルスーツ」というロボットスーツを身につけていた。
ムーンベースで親友のバンブルと共にセイバートロン星を監視していたが、突如現れたユニクロンに飲み込まれて生死不明になる。
その後、サイバトロン達と息子によって救出される。

  • ダニエル
CV:田中真弓
本作で初登場したスパイクとカーリーの一人息子。
地球のサイバトロンシティでスパイクの帰りを待っている。
エクセルスーツを変形させ、サイバトロン伝統の轢き逃げアタックを披露。

CV:稲葉実(マイスター)、喜多川拓郎(クリフ)、塩屋翼(バンブル)
副官と戦闘員と情報員。
ムーンベースでセイバートロン星の監視をしていたがユニクロンの襲撃により生死不明になる。

  • ギアーズ
探査員。
序盤でクリフと共にオペレーターをやっていた。

  • アイアンハイド、ラチェット、プロール、ゴング
CV:速水奨(アイアンハイド)、江原正士(ラチェット)、石井敏郎(プロール)、稲葉実(ゴング)
警備員と看護員と戦略家と攻撃員。
序盤にムーンベースからシャトルで地球に向かうが、デストロンの襲撃によりシャトルを乗っ取られ、全員殺害されてしまう。

  • ホイルジャック、チャージャー
技術者と戦闘員。
サイバトロンシティ襲撃の際に発明品が暴走し、爆発に巻き込まれて死亡する…という経緯があったのだがカット、本編では死体のみ描写された。


他にも劇中に登場はしていないが、アラート、リジェ、スモークスクリーン、トレイルブレイカー、ドラッグが戦死している。



[デストロン]
CV:加藤精三
デストロン破壊大帝。
コンボイと一騎打ちを繰り広げ、致命傷を与えるも自身もコンボイの最後の一撃で致命傷を負い、瀕死状態になってしまう。
セイバートロン星への帰還途中、スタースクリームに放逐されてしまうもユニクロンの力でガルバトロンとして再生強化される。
ユニクロンとの会話「リーダーのコンボイはこのワシが素手で捻り潰してやったわ!」「誇張するでない」は必聴。

CV:鈴置洋孝
航空参謀ことデストロンのNo.2。
メガトロンが「役立たずでドジな誰かと違って…」と発言した際、誰も名指ししていないのに反応。まあ明らかにスタスクにあてこすった発言だったが。
いつもの如くニューリーダー病を発症して瀕死のメガトロンを宇宙空間に捨てデストロンのニューリーダーになるものの、
戻ってきたガルバトロンに瞬殺され消し炭になる。その後、2010やビーストウォーズで幽霊として登場するが、やはり裏切りは繰り返すままだった。

CV:政宗一成
情報参謀。
カセットロン部隊を総動員してブロードキャストの通信を妨害する。
瀕死で動けなくなったメガトロンを見捨てずに助けた忠臣であるが、メガトロン放逐の際は止めなかったゴマすりのクズ野郎。
ニューリーダー決定戦では自分の頭の良さを主張、ビルドロンを「皆、馬鹿ばかり」とこき下ろした。

  • カセットロン
CV:城山知馨夫(フレンジー)、山口健(ランブル)
毎度おなじみのカセットテープ型トランスフォーマー部隊。
コンドルは序盤に登場してサイバトロン基地を偵察、いつもどおりの有能さを発揮。
その後ジャガー、ランブル、フレンジー、ラットバットがサイバトロンシティ攻防戦で登場したが、登場早々作画ミスでランブルが分身している。しかもどアップで。
その後、ニューリーダー決定戦でもフレンジー、ランブル、コンドル、ジャガーが登場、合体の隙を突いたとはいえデバスターに完勝するという強さを見せた。

  • レーザーウェーブ
CV:島香裕
防衛参謀。
今回もセイバートロン星でお留守番をしているが、ユニクロンの襲撃により命を落とす。

  • アストロトレイン
CV:喜多川拓郎
輸送参謀。
重傷者放逐のきっかけを作り、後にニューリーダー決定戦の会場役にして被害者になる。

  • ブリッツウイング
CV:江原正士
空陸参謀。
サイバトロンシティ襲撃に参加するが、チャーの活躍でボンブシェルを誤射したり危うくコンボイに轢き逃げされそうになったりとろくな目にあわない。

  • ビルドロン部隊
CV:江原正士(グレン)、難波圭一(スクラッパー)、城山知馨夫(ミックスマスター)、難波圭一(スカベンジャー)、石井敏郎(ボーンクラッシャー)、島香裕(デバスター)
グレン、ロングハウル、スクラッパー、ミックスマスター、スカベンジャー、ボーンクラッシャーの陸上部隊。
サイバトロンシティ襲撃に参加。
デバスターに合体してサイバトロンシティの隔壁を破壊した。
「自分達がデバスターになれば無敵」という理由でニューリーダー決定戦に参加、早速デバスターになるも、ランブル&フレンジーのハンマーアームであっさりと分離してしまう。
ちなみにメナゾールとブルーティカスは、映画制作時にはまだ存在していなかったために未登場。

  • ジェットロン部隊
CV:江原正士(スカイワープ)、稲葉実(サンダークラッカー)、阪脩(ラムジェット)、城山知馨夫(スラスト)、難波圭一(ダージ)
スカイワープ、サンダークラッカー、ラムジェット、スラスト、ダージの航空部隊。
スカイワープとサンダークラッカーはサイバトロンシティでの戦闘で重傷を負ったため、荷物減らしのために宇宙空間に捨てられる。
スラストはコンボイに撥ねられ、ダージとラムジェットはコンボイに撃たれたが、放逐されなかったのでそこまで重傷ではなかったらしい。
他にも名無しジェットロンがユニクロン襲撃の際に多数登場したが、その殆どが戦死している。

  • インセクトロン部隊
CV:塩屋翼(キックバック)、石井敏郎(シャープネル)
キックバック、ボンブシェル、シャープネルの昆虫部隊。
TV版では独立部隊として正規のデストロンとは同盟的な関係だったが本作では完全にデストロンの一員になっている。
山程いる同型の内何体かがスタースクリーム達に棄てられた。
ちなみにシャープネルは、この作品で「トランスフォーマーも下痢になる」という事実を明らかにした。

  • ガルバトロン
CV:加藤精三
新破壊大帝。
コンボイとの最後の死闘で瀕死の重傷を負ったメガトロンが、ユニクロンの手により再生強化された姿。
自身を放逐したスタースクリームの戴冠式に新たな部下と共に乗り込み、新破壊大帝を襲名したばかりのスタースクリームを瞬殺する。
マトリクスの破壊を条件に再生強化されたため、ユニクロンの意にそぐわぬ事をすると激しい頭痛が起こり、苦しみ悶える。

  • サイクロナス
CV:稲葉実
ユニクロンにより瀕死のスカイワープ(またはボンブシェル)を使って再生強化された新たな航空参謀。
なお、誕生時に隣にいたのは同系機のアルマダだが、その後出番が全く無い上に日本語版では「サイクロナスの無敵艦隊」と誤訳されてしまっている。

  • スカージ
CV:島香裕
ユニクロンにより、瀕死のサンダークラッカー(またはキックバックかシャープネル)を使って再生強化されたスウィープス参謀。
同型のボディを持つ兵士たちスウィープスのリーダー。
ガルバトロンの命令に従う一方で、本作では自身の主はユニクロンであると言っている。


[その他陣営]
  • レックガー
CV:石井敏郎
ガラクタ惑星ジャンキオンに住む一族の長。
当初は無断でやってきたウルトラマグナスたちを敵視したが宇宙共通の挨拶をしたことにより仲良くなる。
バラバラに吹き飛んだウルトラマグナスを蘇らせるなど超技術を持った技術者。
言葉はテレビで見て覚えたため、語尾に「〜アル」がつくなどおかしな口調になっている。

  • クインテッサ星人
CV:石井敏郎、政宗一成、速水奨、城山知馨夫、難波圭一
2010でも登場するトランスフォーマーたちの創造主だが、今作ではユニクロンの襲撃を生き延びた人々を根絶やしにする役割を持っていることになっている。
無実の人々を裁判に掛けては処刑していた。

  • クラニクス、アーブラス
CV:石井敏郎(クラニクス)、山口健(アーブラス)
惑星リゾンの住人。
ユニクロンによって同胞のほとんどを失い、彼ら自身もクインテッサ星人に処刑された。
なお、クラニクスが脚本のミスでクラニクス人を自称するシーンがある。

CV:鈴木瑞穂
星間帝王。
本作で初登場した史上最大最凶のトランスフォーマー。
全長90000000mもあり、普段は惑星形態だが状況に応じて人型にトランスフォームする。
通り道の惑星を文字通り、喰らいながらセイバートロン星を目指していた。
唯一の弱点であるマトリクスを破壊するために宇宙を漂流していた瀕死のメガトロンたちを復活させた。
終盤で倒されるも、2010やビーストウォーズネオにも登場している。



●余談
  • 本作の予算は当時の日本円にして40億円が用意されたが実際には使い切れず半額を返却している。
制作は東映アニメーションが担当し、この時の利益やノウハウが後に『聖闘士星矢』のアニメ制作に活かされたとか。
湯水のごとく金をつぎ込んで作っただけあって書き込みの細かさも動きの滑らかさも凄まじく、現代から見ても驚愕に値するクオリティ。
しかしそこはやはりトランスフォーマー、よく見ると作画ミスもちょこちょこ存在する。神作画でもミスはすることにファンは実家のような安心感を覚えたとか何とか。

  • ユニクロンの原語版の声優を担当した名優オーソン・ウェルズは本作が遺作である。

  • 前述の通り日本では諸事情により本来の時期に公開されず、第1作最終話の翌週には『2010』が開始されたため、コンボイの死という重要要素が視聴できないことになってしまった。
そのためタカラは迷作FCゲーム『トランスフォーマー コンボイの謎』の発売や、第1作放送終盤から「コンボイが死んだ!」キャンペーンを行い、
テレビCMや雑誌などである程度の情報を補完し、新司令官のロディマスコンボイを紹介する手法をとった。
ちなみに、『コンボイの謎』の業者向けPVでは本作を「トランスフォーマーパート2」、2010を「トランスフォーマーパート3」と紹介しており、一応公開の予定はあったことが伺える。





お前が追記するか、私が修正するかだWiki篭り

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