ゲゲ(機界戦隊ゼンカイジャー)

登録日:2021/11/28 Sun 18:42:41
更新日:2023/01/04 Wed 12:30:28
所要時間:約 13 分で読めます






ね~え、ボッコワウス? このしぶとい世界は、トジルギアにせずにストレートに侵略したらどう?

領地も増やせると思うんだ~


ゲゲとは『機界戦隊ゼンカイジャー』に登場する敵キャラクター。

CV:鈴木達央(第21カイ!まで)→福西勝也(第25カイ!以降)

●目次

【データ】

身長345cm
体重:518kg
世界:キカイトピア

【概要】

本作の敵組織「キカイトピア王朝トジテンド」の一員であり、首領・ボッコワウスの側近にして参謀である紫色のキカイ怪鳥。
彼もキカイトピアに生息する機械生命体の一種である様だが、動物に過ぎない為か扱いはあくまでペットである。
一人称は基本的には「僕」だが、時折「俺」に代わる。

普段はボッコワウスの左側に空いている穴の中に鎮座しており、事ある毎に彼に寵愛されており、実際に幹部格ではゲゲだけボッコワウスの怒りを買うような様子もない。
喋り方は非常にねっとりとした雰囲気であり、ボッコワウスの前やステイシーと個人的に話す時には柔らかく甘い口調で喋るが、謁見の間でボッコワウスと共に幹部以下に接する時には一転して低く高圧的な口調になる。はっきり言って声と喋り方の時点で非常に不気味な鳥である。

シルエットはセッちゃんとよく似ているが、これは単にメタ的に同じ金型を使ったというだけで、作中で両者が似ているといった設定は一切ない*1。実際に共通しているのは首から下と翼の形状でくらいであり、頭部の形状は全く異なり正確には鳥というより翼竜に近い。また、背中にはセッちゃんにはないもう一対の翼がある(羽ばたく時には使用しない)。そもそもセッちゃんがロボットなのに対して、ゲゲは機械生命体なので本質的には全く異なる存在である。
さらにサイズがかなり異なり、公式の説明では「巨大メカ怪鳥」と紹介されている通り、ボッコワウスが大きいせいで普段はあまり大きさが目立たないが、実際は成人男性を超える程の巨体を持つ*2。この手のマスコットキャラとしてはかなり珍しいパターンである。


【人物】

ボッコワウスがほぼ唯一寵愛を与えている存在で、作中では唯一ボッコワウスに対してタメ口かつ呼び捨てで接しているが、それでも一切怒られないなかりか、むしろボッコワウスは怒っている最中でもゲゲに話しかけられると一転してご機嫌になる有様である。その様は完全に孫を溺愛しているおじいちゃんのそれである。
ゲゲもまた、ボッコワウスに溺愛されている自分の立場に自覚があり、ボッコワウスの前では猫撫で声で甘えながら、さり気なく作戦を誘導する事もあり、甘い声で囁きながらボッコワウスを誘導するその姿は、まさに悪魔の誘惑のようである。

その一方で、ボッコワウスの寵愛を受けている立場を利用して、イジルデ達幹部には常に上から目線で非常に高圧的な態度を取る等、かなり二面性が強くて強かな性格。公式によると、ゲゲはボッコワウスのペットという立場だが、ゲゲの方はむしろボッコワウスを自身のペットとして認識しているらしく、この話からもゲゲの本性が伺える。

イジルデやバラシタラは「所詮はボッコワウスのペット」としか思っておらず、内心では見下しているのだが、ゲゲの方はそんな彼等の心情などどこ吹く風で、虎の威を借る狐の如くあくまで尊大な態度で接するので滅茶苦茶嫌われている。CV:ギアダリンガー「ゲゲのくせに生意気だ!
その為、自分が提案した作戦が失敗した際には、二人から揃ってここぞとばかりに嫌味を言われたのだが、丁度ボッコワウスの機嫌が悪かった時期だったので、逆に「でも僕が手を出したことで、ボッコワウスの機嫌が直ったと思わない?」とあっさり論破してしまい、それどころか「君たちはこれからも、自分のやりたい事を試してごらんよ。また僕が機嫌を取ってあげるからさぁ」と、逆に二人が作戦を進めやすい環境作りを約束する事でさらなるマウントを取ってみせた挙句、トジテンドが回っているのは自分のお陰だと言わんばかりに幹部達の前で高笑いしながら飛び回っていた。
これに対して実際にそれでボッコワウスの怒りが収まったのも、ゲゲが機嫌を取った方が作戦をやりやすいのも事実なので、イジルデもバラシタラもそれ以上は何も言い返せなかった。
その次々カイでは自分がそうやって焚きつけたせいで、レンアイワルドによるカオス極まる作戦が実行された事に困惑していたが…?

ちなみに言うまでもないが、彼の作戦失敗はボッコワウスからのお咎めは一切無し。それどころか「色んなギアが使えて楽しかったよ」と喜ぶゲゲの事を、デレデレになりながら可愛がる始末である*3。ボッコワウスにとってゲゲの失敗は失敗にはならないらしい。

なお一時期は担当声優の事情もあってめっきり喋らなくなった上、口を開いても「ゲーッゲッゲ…」という笑い声しか出さなくなった。再び喋るようになったのは「ヒドケイワルドの歴史改変の影響」と一部では言われているとか


【指揮官として】

戦略眼に優れたトジテンドの実質的なというか他が色んな意味でアレなので唯一と言っていい参謀格であり、そもそもトジルギアへの封印に失敗したゼンカイジャー達がいる人間界を、武力によって侵攻する方向へと切り変えたのも彼の進言によるもの。

彼の作るワルドはイジルデが作る純粋に殺傷力の強いワルドと、バラシタラの作る精神攻撃や搦め手に長けたえげつないワルドの丁度中間点といったところであり、実行する作戦もまさに両者の良いとこ取りをしたような内容でとてもバランスが良い。
イジルデのような詰めの甘さや、バラシタラのように感情や権力闘争に引きずられる指揮官としての致命的な欠点も無く、実際にワルドを作って作戦を指揮した事は少ないものの、彼の作戦時にはいずれもゼンカイジャー達は大きな苦戦を強いられている。

特にジシャクワルド戦は、ゾックスが半ば脅迫してステイシーを無理矢理協力させていなければ本当に詰んでいた



【謎】

実は、本作でも最も謎に包まれた腹の底が知れない不気味なキャラであり、普段は常にボッコワウスの側にいて参謀然として振る舞っているが、時折不穏な行動を見せる。

混血児という身の上からトジテンド内では疎ましく思われ、軽んじられているステイシーの事やその動向を、トジテンド側では唯一何故か気にかけているキャラであり、ステイシーと二人だけで個人的に話す時には、ボッコワウスに話しかける時に近い柔らかい口調で話しかけている。
第16カイ!では、自身の配下であるジシャクワルド討伐に彼が協力した事を察していながら、その上で何故か幹部達に報告せずに「『今は』黙っておいてあげる」と言ったり、第23カイ!では瀕死の重傷を負ったステイシーをわざわざ助けるだけでなく、その後はイジルデの元に運んで治療を依頼している*4

そして、サカサマワルドの能力でステイシーと入れ替わった介人(inステイシーの身体)が、トジテンドパレスに潜入した第32カイ!では、最初は謁見の間に現れた介人を一目でステイシーではないと看破して追及し、追い回される事になった彼に今度は並行世界間ゲートの位置を教えてこっそり逃がすという、先程までとは言動が真逆な上に、明らかにボッコワウスの利にならないような不可解な行動をした
これについては、当然介人からも不審がられ、元トジテンドの構成員であるブルーンに「ゲゲは双子ではないのか?」と尋ねていた*5

さらに第39カイ!で、イジルデがボッコワウスの指揮下でハカイザーの強化改造計画に入った際には、謁見の間ではその事を気にするステイシーとバラシタラに高圧的な口調で「余計な詮索をするな」と告げていたにも関わらず、後でステイシーの前に現れるとこっそりハカイザーとイジルデの居場所を教えて、訝しむステイシーに「これからのトジテンドでどうなりたいか、よ~く考えてからにしなよ」というアドバイスまで残して飛び去った。
これについては、イジルデがボッコワウスの作戦を任されたのが気に入らず、こっそりイジルデの様子を探っていた途中で影から話を聞いていたバラシタラも、「あの鳥先程とは真逆の事を…」と不審に思っており、これ以降バラシタラは明確にゲゲへの不信感を強めている。

そもそもステイシーとゲゲには、一人称が「僕」で紫がメインカラーのキャラであり、どちらも幹部達等からは下に見られている*6、加えてどちらも本作の作風であるゼンカイ脳に一切染まっていないシリアス担当キャラであるなど、意外に共通点が多い。
そして何より、ステイシーザーの専用武器・ギアトジンガーはゲゲがデザインモデルの武器というメタ的な前振りがある*7。 

これらの事から「ゲゲはステイシーを利用して下剋上を企てているのでは?」と考察する視聴者が多い。ボッコワウスが「態度はでかいが頭脳面では今一つな上、頭の良い側近に懐柔されている」という典型的なダメ首領なのもこの説を後押ししている。
あるいはボッコワウスはただのハリボテで、ゲゲが真の黒幕である可能性もある…とも思われていたのだが、ボッコワウスと二人しかいない時にも普通に会話していた為、この線は薄いと思われる。

いずれにせよゲゲの目的や正体については、物語が後半に差し掛かっても未だに謎が多くて全容が見えず、ファンの間では様々な考察が盛んにされている。


【終盤の動向】

そして第40カイ!では、ハカイザーをゼンカイジャーに奪い返されてボッコワウスが怒り狂う姿を見て、「『ここ』もそろそろ潮時かな?」と呟いており、いよいよ不穏な空気を見せ始めている。
また、この言葉からゲゲは様々な場所を渡り歩いてきた存在なのではないか、という考察も新たにされている。

更に第42カイ!ラストでは、反逆者として拷問された上で投獄されていたステイシーの前に現れると、両目を光らせて何らかの干渉を行い、ステイシーの身体を乗っ取ってしまった。

さらに公式サイトによると、ゲゲの声は明確に初期段階から「色っぽい甘い声」と「クールな低い声」の2種類に演じ分けるように両声優に対しても指導されていたらしく、台本でもゲゲの台詞の前には必ず「甘く演じる」「低く演じる」といった風に細かく指示が追加されていたとの事だが、これが意味するものとは一体…

これは完全に意識を移し換えたというよりは、遠隔操作端末のように操っている状態であるらしく、ゲゲ本体は第43カイ!以降も引き続きトジテンドパレスにて、ボッコワウスの元で何食わぬ顔で活動している。しかもボッコワウスに対して「ステイシーが自力で脱走したとは思えない、別の内通者がいるかも知れない」という事をわざわざ吹き込んで内部対立を煽っており、第39カイ!の件以降ゲゲに不信感を抱いているバラシタラからも、疑いの目を向けられていた。  

一方で、ゲゲに乗っ取られたステイシーの方は、乗っ取り直後はゲゲの声がエコーのようにかかっていたが、第43カイ!以降は身体に馴染んだのか完全にステイシーの声になった。ただし、喋り方はゲゲの柔らかく甘い口調になっており、やたらと朗らかで友好的に接してくるなど、その言動はそれまでのステイシーの言動や性格を考えても非常に不気味である。
乗っ取り後はトジテンドパレスから脱走し、本人曰く「トジテンドの打倒」を目的にしているらしく、その為にゼンカイジャー達と手を組もうと持ち掛けてくるが、介人達にその言動からステイシーではないと見破られてしまい、協力を断られて警戒をされている。しかしそれでも仲間になる事を諦めていないらしく、ゾックスに対しては「次は手土産でも持ってくるよ」と不気味に囁いており…。
ちなみにゲゲに乗っ取られたステイシーの事は、ファンの間では「ゲゲイシー」と呼ばれている。当初は非公式なものだったが、第45カイ!振り返りにおいて公式からも呼称された。

更に不可解なことに、第44カイ!で侵略が進まないことやステイシーの裏切りで完全に意気消沈するボッコワウスに、甘えてこないことを嘆かれた際には、例の如くそれまでのクールな言動から何時もの甘えん坊になったのだが、その際にはステイシーを洗脳した時の如く目が光り、まるで人格そのものが変わったかのような演出がなされた。




【余談】

  • スーパー戦隊シリーズの悪の組織側のマスコットキャラクターは、『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のバエ以来。
    尤もバエはあくまで捕虜にされていただけで、厳密には悪の組織側のマスコットではないのだが。

  • 基本的に戦隊シリーズのこの手の悪のマスコットキャラは、あくまで組織内での立場もマスコット程度であり、ゲゲのように首領に取り入って幹部以上の地位にいる者は非常に珍しい。ましてや首領を操って組織自体を動かせる者など間違いなく初である。

  • 初代声優の鈴木達央は『特命戦隊ゴーバスターズ』でウサダ・レタスの声を担当していた。
    福西勝也は本作が戦隊シリーズ初出演であるが、前任の鈴木達央に声質はかなり近く、交代後も違和感は殆どなくゲゲの声をしっかりと演じている。

  • 上記の通り胴体や翼はセッちゃんの色違いだが、これについては「ゼンカイジャー側のナビゲーターが鳥ロボットなので、トジテンド側もそれに合わせた」以上でも以下でもないとの事。よって設定上セッちゃんと繋がりがあるわけではなく、事実作中で二羽が似ていると言及された事もない*9

  • トジテンドは女性の構成員が皆無な歴代でもかなり珍しい悪の組織だが、前任の鈴木達央はゲゲについて「ゲゲが女幹部のように見えてきた」とコメントしており、ゲゲについては公式サイトでも首領を手籠めにして組織を動かすその様から「傾国ノ美姫」と評されている。ゲゲの演技についても「美人秘書を目指して演技させた」と明かしている。

  • 名前の由来は『下の下』を捩ったと思われる。その他にもボディの色合いから蓮華の古い呼び方の『ゲンゲ』を捩ったのも有り得るのかも知れない。


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最終更新:2023年01月04日 12:30

*1 実際に作中で両者が似ているといった言及や説明は一切ない

*2 巨体のボッコワウスの顔面とほぼ同じサイズで、ステイシーより一回り大きい。

*3 この時にトジルギアの開発者であるイジルデをゲゲがさり気なく持ち上げた事で、ボッコワウスのイジルデへの株はある程度持ち直した。

*4 イジルデには、ボッコワウスの命令と偽って治療をさせた。

*5 ブルーンはゲゲの事をよく知らなかったので、返答に窮していたが

*6 とはいえボッコワウスに取り入って、実質幹部より上の立場を築いているゲゲとステイシーでは、扱いは雲泥の差だが。

*7 これ自体は作中でそうなった理由は、イジルデによるボッコワウスへの忖度なのだろうが…

*8 前述通り、初期の頃からしっかりと神と素で声は演じ分けられていたので、後から見直してもどの場面のゲゲが神か素かはすぐに分かるようになっている

*9 間違われやすいが、33カイ!冒頭での介人の「トジテンドの鳥って双子なの?」という発言もセッちゃんと比較したわけではなく、「介人の正体を看過したゲゲ(=ゲゲ本人)」と「介人に並行世界間ゲートの場所を教えて逃がしたゲゲ(=ゲゲに憑依した神)」が同一個体だと結びつかなったための疑問である。