バラシタラ(機界戦隊ゼンカイジャー)

登録日:2021/06/21 Mon 10:07:37
更新日:2025/06/04 Wed 17:43:44
所要時間:約 23 分で読めるのである






子供…?

ハッ!いや俺様が気になるのは、面白そうな戦いの行方である!


バラシタラとは、機界戦隊ゼンカイジャーに登場する敵キャラクターの一人である。

CV:乃村健次
SA:清家利一

◆目次

データである

身長:203cm
体重:335kg
世界:キカイトピア

概要である

本作の敵組織「キカイトピア王朝トジテンド」に所属する最高幹部の一人で、トジテンド軍軍隊長を務める砂色のキカイノイド。
戦車の砲塔を模した頭部、無数の砲塔を生やした体、キャタピラが連なったような脚という無骨な姿をしており、胸には幾つもの勲章を下げている。

クダックやワルドを率いて並行世界侵略の前線指揮を執る行動隊長で、描写されている限りではトジテンド政権での軍事面のトップ。
役職の軍隊長とは軍の一隊長ではなく軍隊の長という意味らしく、総司令官や総指揮官、将軍などと書いた方が正しい。


人物像である

一人称「俺様」、口癖は「~である」*1
侵略先の住人は勿論、同族のキカイノイドすら上述の通り「支配層以外は価値がない」「全て等しくスクラップ」と言い放つ選民思想の塊。
公式サイトでは「機械バラシが得意な武闘派」と紹介されており、事実「他の並行世界を侵略したくてたまらない」という非常に危険な欲求を持った凶悪な男。
加えて前述通り自分達支配層以外の全てを見下している為、意にそぐわない者は自身の配下ですら問答無用で粛清するなど極めて横暴かつ冷酷な面を持つ。

その一方で、ゼンカイジャーの実力を見て(ややイラつきながらも)「なかなかやるのである」と素直に認める場面もあったが決して自分と対等の相手として認めている訳ではなく、自分が認めた相手と正々堂々と戦おうとするような武人肌な面は皆無。
むしろ積極的に搦め手や精神攻撃を狙った卑劣な作戦などで、あくまでリスクを冒さずに狡猾に効率よく相手を叩き潰そうとする策略家らしい戦い方を好むタイプである。
また、自分にとって邪魔や目障りと思うならたとえ相手が味方でも平気で嫌がらせし、特に権力争い関係もあってステイシーイジルデに対しては何かと嫌味や挑発をしながら絡んだり、場合によっては援護の名目で露骨な作戦妨害を行ったりするなど、そのいかにも武闘派なビジュアルや印象に反して実際はかなり陰湿な性格である

作中でも度々戦いを楽しんでいるような発言をしているが、これも実際は戦いそのものが好きというよりも、前述の機械バラシが好きという解説通り、相手を侵略して壊すという行為を過程も含めて楽しんでいる。
あくまでも相手を叩き潰すのが好きというのが実態であり、前述したゼンカイジャー達を評価するような発言も、あくまで自身が弄ぶ玩具としての価値を見出しているだけである。
総じて、同じ脚本家の別の戦隊に登場する敵組織に近い精神性のキャラだと言えば分かり易いかもしれない。

その一方で
  • ボッコワウスの機嫌を損ねる事を面倒に感じる
  • ボッコワウスの威光を笠に着て高飛車に振る舞うゲゲ「ペットの分際で」と忌々しく愚痴る
  • 良くも悪くもマイペースな奴が多いワルドに活を入れる事もある
などといった中間管理職的な苦労を感じさせる側面も見られた。
しかし、そもそも後述する自らの楽しみを優先する面など、実際に部下や組織人としても大いに問題があるのは間違いないので、ぶっちゃけ少なくともこいつには上司のボッコワスをとやかく言う資格は無い。加えてこういったあくまで自己の楽しみを優先する面やボッコワウスへの内心の不満などを見ても、実際のところどの程度ボッコワウスへの忠誠心があるのかは不明。
しかし、悪い意味で融通が利かない保守的な堅物という上司としては致命的な欠点を持ち、無自覚に作戦失敗のきっかけを生んでしまった事も多い。


総評すると、ボッコワウスやイジルデと同じかそれ以上に、トジテンド王朝の独裁政権下における上流階級の悪い意味での象徴とも呼ぶべき最高幹部。
他のキャラクター達の様にゼンカイ脳に染まりきってない辺りは、息子のステイシーと似た者同士と言えなくもないのだが、その選民思想や権力志向や陰湿な性格などから、彼等とは違った意味での「バカ」をしているとも言える。
なお意外とユーモアもあり、スシワルドの作戦時には「こんなもの、寿司で言ったらガリレベルである!」と例えた上で、軽くゼンカイジャーを蹴散らす姿も見せた。


指揮官として

一見すると脳筋そうなビジュアルに反してかなり知恵が回るタイプであり、前述通りむしろ搦め手や精神攻撃を狙った狡猾な作戦を好んでいる。
バラシタラが選ぶトジルギアは寿司、ゴミ、柏餅といった色物揃いで、一見するととても侵略には役立ちそうにないものが多いが、実際はいずれも奇想天外な搦手を駆使してゼンカイジャーを確実に翻弄、分断する事に成功している。

劇中では
  • 第13カイ!ではリサイクルワルドに加え民間人とダミーのトジルギアを利用する事で、ゼンカイジャーとツーカイザーの目的の違いに漬け込んだ潰し合いを誘発させる
  • 第25カイ!では時間操作によりそもそもゼンカイジャーの結成そのものを無かった事にする
  • 第36カイ!ではゼンカイジャー達がハカイザーの身柄を狙っている事を逆手に取って、ビックリバコワルドを意図的に情けない雑魚怪人の様に見せかければ、ビックリバコワルドを人質にしてハカイザーを誘き寄せようとするであろうと予見し、わざと捕虜にさせた上で油断させたところを、ビックリバコワルドのレベルアップによって抹殺に追い込もうとする。
といった周到な作戦を立案・実行している。

中にはボンワルドの時の作戦の様に、人間の情や絆に付け込んだ極めて卑劣な作戦も立案しており、ゼンカイジャー側からも怒りを買い、ステイシーにも迷いを生じさせているが、逆にこのような卑劣な作戦であっても躊躇なく実行できるのは、バラシタラの指揮官としての強みだとも言える。
この様に勝利の為なら、手段を選ばない冷酷かつ狡猾な知恵者である。

しかし反面、上記の通りその性格や権力争いへの執着、悪い意味で保守的な思想やプライドの高さが足を引っ張って、大失態を招く事もある。

特にバカンスワルドのバカンスパワーの影響でクダック・クダイター達すらも遊び惚けてしまった時には、あまりにダラけきっていた事や自分達より地位が低い者が先に遊んでいるのが気に食わないという理不尽極まりない癇癪を起こして、自分の命令に従って動いていただけのバカンスワルドを「粛清」と称し、問答無用で一方的に処刑
残ったクダックとクダイター達を頭ごなしに説教し、未だにバカンス気分だったクダイテスト2体にも怒鳴り散らすという、超ブラック上司ぶりを見せた。
また前述したボッコワウスについて愚痴っているシーンでも、それを偶々横で聞いてしまったクダックに暴行を振るっており、ぶっちゃけボッコワウス以上のパワハラ上司である*2
そもそもバカンスワルドの行動は先述の通りバラシタラの命令に沿っており、(絵面はどうあれ)世界征服もきちんと成し遂げている。そのままならゼンカイジャー達も正気には戻らなかったであろう。
結局、念願であった侵略完了を成し遂げたにも拘わらず、自分の一時の感情だけでそれを台無しにしてしまった。

更に後にサカサマワルドを使った作戦では、サカサマワルドがステイシーを自身の能力に巻き込んで介人と入れ替えてしまった事が原因で、結果的に介人のトジテンドパレスへの潜入を許すという大失態を招いてしまった。
この前後でも自分の配下のワルドがステイシーを巻き込んだりしても気にする事もなく、そのせいで結果的にステイシーも自衛の為にワルドと戦わざるを得なくなった事で、作戦に支障をきたしたりそれが原因でステイシーがトジテンド側に不利益となる行動をするなど、完全に悪循環を招いてしまっている*3

この様に作中では、詰めが甘いイジルデと違って狡猾に作戦を進める一方で、結果的にトジテンドに対して大きな損害を齎しているのは悉くバラシタラ配下のワルドの作戦時だったりする。




加えて前述した通り「相手を壊すのが好き」という嗜好から、自覚・無自覚問わずに「侵略という自身の楽しみを終わらせたくない」という意識が働いていると思われる面もあり、第43カイ!ではステイシーが脱走して反逆者となったという事態に対して、「ボッコワウス様には悪いが、(ステイシーを潰すという)楽しみが増えた」と喜んでおり、トジテンドの利益よりも自身の楽しみを優先するようなそぶりをしている。一応仕事自体はきちんとしているが。

総じてバラシタラの人物評としては「能力自体は優秀だが、性格と嗜好に大いに問題がありの最悪な人物」といったところである。

対人関係


同僚たる最高技官。ただし犬猿の仲であり、互いに手柄を巡って権力闘争に明け暮れている。
その不仲っぷりはイジルデの作戦やその失態を事ある毎にあげつらっては、嘲笑いながらネチネチと嫌味を言ったり、イジルデの方も売り言葉に買い言葉でボッコワウスの目の前でも構わず喧嘩する程で、終いには「儂の前で揉めるでない!」と床ドンともに一喝される流れがお約束。

軍人だからか技術屋である彼を「下らんものばかり作っている」「貴様は技術だけ提供していればいい」と、露骨に見下した発言を本人の前でしている。
そのくせゴミワルドの作戦時に、ボッコワウスがゴミだらけのになった世界は欲しくないと不快感を示した時には、「侵略が完了したら世界を掃除する巨大掃除機でもイジルデに作らせればいい」と、イジルデに後始末を丸投げしようとした事もあった。

  • ゲゲ
ボッコワウスのペット。
しかしボッコワウスの権威を傘に着た高慢な物言いから、当初からイジルデと共に毛嫌いしており、「ペットの分際で」「忌々しい鳥め…」と見下しながらも悪態をつく場面もあった。
しかし第39カイ!で、ボッコワウス肝入りのハカイザー強化作戦をイジルデが任された事が気に入らず探っている最中に、ゲゲがステイシーにイジルデの居場所をこっそり教える場面を偶然目撃してからは、トジテンドの構成員の中では唯一明確にゲゲに対して不信感を抱く様に。
第43カイ!でステイシー逃走に協力した内通者の存在をゲゲが示唆した際にも、一人だけゲゲに対して疑いの眼差しを向けていた。
但し前述通り、逃走したステイシーの中身が別人である事には全く気付いていないので、あくまでゲゲとステイシーが共謀しているのではと疑っている程度である。しかし後にゲゲがなんらかの暗躍をしているのは知り、ゲゲを追求しようとしたものの、その事でボッコワウスに激怒された事で委縮してしまい、確たる証拠もある訳ではなかったので、それ以上ゲゲに踏み入る事を躊躇い、ボッコワウスにも「裏切り者が誰にせよ、情報が漏れているのは確実」といった曖昧な報告しかできなかった。
その間にゲゲのさらなる暗躍を許してしまい、ゼンカイジャーがトジテンドパレスに攻め込んでくるという展開を招いてしまった。


親として

ある意味バラシタラの最大の問題点。
こう見えて数百人もの妻を抱えており、イジルデの配下である実験兵士のステイシーは彼の実子であり、彼が893人目の妻(しかも人間)との間に作った子供。
おまけにその妻の顔も経歴も碌に憶えておらず、「398…いや、483番目の妻だったか?」と素で間違えていた。
ちなみにこれは女性のキカイノイドのマジーヌからは「ヤバいドン引き…」と即座にマジレスされ、他の男性のキカイノイド陣は絶句していた事からも、仮にキカイトピアに一夫多妻制があったとしても、キカイトピアやキカイノイドの価値観で見ても倫理的に完全にアウトである模様。

彼の妻達は、ステイシーの母親のリセの例を見る限り、おそらく侵略した各世界から無理矢理連れてきて娶った女性達であると思われる。
妻に対する愛情など皆無であり、リセは息子のステイシーと共に捨てられ、その後はステイシー曰くそれが原因で「野垂れ死んだ」との事。
劇中では他の妻達も一切姿を見せない事から、既に劇中の時点で彼女達も全員捨てられているか悲惨な目に遭っている可能性が高い。
自分が捨てたリセがボンワルドの能力で幽霊と現れたのを見ても、特に何も想う事はないばかりか、息子のステイシーの目の前でリセに向かって「幽霊は嫁にした事がない」と言いながら平然と手を出そうとした事から、彼にとって妻というものはあくまで戦利品やコレクション感覚で集めているに過ぎない事がうかがえる*4
リセの事も自身の何番目の妻だったかすらまともに記憶していなかった有様*5
こういった人物なので妻だったリセとの仲も険悪そのもので、彼女からは「バラシタラ」と呼び捨てにされて嫌悪されており、幽霊として復活した際にも早速ステイシーへの言動に対して真っ向から非難されていた。
但し、ステイシーに対するあんまりな言動からリセに詰め寄られた際には、強気な態度は相変わらずと言っていた事から、彼女個人の事は記憶していたらしく、愛情の有無はともかく強気な女性が好みなのかもしれない。

その最早、女癖が悪いなどという次元を超えた女癖と、女を何とも思ってないクソっぷりの滲み出し方から、ファンの間では「トジテンドに女性の構成員がいないのはバラシタラのせいではないか」という否定しづらい考察がされた事もある。

そもそも彼が初登場した時のリアクションから、彼の事自体をあまり覚えていなかったと思われる
当然ながら息子に対する情など無く、彼の事は政敵であるイジルデの配下なのもあって「イジルデの人形」と言い捨てて見下しており、イジルデに対してと同様に事ある毎にその失敗などをあげつらっては、仮にも親が子にかける言葉とは思えない程に酷薄な嫌味や嘲笑をあびせている。
そればかりか「息子の初陣祝い」などと称して露骨な嫌がらせを行ったり、ステイシーを平然と自身の配下のワルドの作戦に巻き込んで*6、それをステイシーに非難されても「巻き込まれたお前が間抜けなだけだ」などと嘲笑っている始末。

こんなにも冷酷なのはステイシーに対してだけ…というわけでは全く無く、彼の異母兄弟にあたる子供達に対しても同様の扱いだった様で、実際まともに認知されていたと思われる子供は一人もいない。
中には母親の仇を討ちに来た者もいたが、全て迎え撃って葬るという「子殺し」という最大の禁忌を平然と犯している上に、その事を誇らしげに堂々と吹聴している有様
歴代作品でも、グランディーヌヨゴシマクリタイン幻月など「毒親」として名高い悪役は色々と居たが、彼らですら曲がりなりにも「子を持つ親」としての自覚そのものはあった事を思うと、もはや毒親とすら呼べない何かである。
そもそもバラシタラの思考自体がトジテンドの圧政者の典型なので、支配階級として成り上がっていない時点で、彼の中では妻子でさえも身内以前に人間扱いする気がさらさら無いのであろう。

当然ながらステイシーの方も、そんなバラシタラを親と慕う気持ちなど一切無く、むしろ母親の仇として強く憎悪しており、バラシタラを超える事を目的にトジテンドで活動している。
両者の関係は険悪どころか、最早半敵対状態と言っても過言ではない。
物語後半の描写だけでも
  • 第41カイ!:イジルデの出まかせから情報漏洩がバレて反逆者としてボッコワウスに拷問されるステイシーを、「愚かな」と鼻で笑いながら冷淡に侮蔑。
  • 第42カイ!:投獄されたステイシーには一言も触れないばかりか、ステイシーの行動でイジルデの信用が失墜したのを良い事に、ここぞとばかりにボッコワウスのご機嫌取りの為の作戦を立案。
  • 第43カイ!:身体を乗っ取られて脱獄したステイシーと対峙した際、仮にも親でありながら直接会話をして戦っても、全く違和感を抱かないという酷薄っぷり。
    • ステイシーとの直接の関りが薄かったジュラン達や、フリントとカッタナー&リッキーの双子すら初見で違和感を抱いたにもかかわらずである。
当然ながら息子を手にかける事への躊躇なども微塵もない。
そもそも前述した様に、バラシタラ視点では実子すらも自身の嗜虐心を満たす玩具でしかなく、ステイシーの事も今までの子供とは違うアプローチで自身に復讐に来た為に、興味本位で泳がせていただけに過ぎない。しかもステイシーのトジテンドで地位を上げて復讐するやり方は、結局彼の嗜虐心を満たさなかったらしく、根性なし扱いでまともに敵対視すらしていなかった模様。
なので、上記のステイシー(中身別人)が脱走した際には、


まず褒めてやるのである!お前にそんな度胸があったとはな!
確かにあのまま牢獄で死んでいくよりは、最後にひと暴れするというのも悪くない選択である!


などと初めてステイシーを褒めたのだが、そのあまりにも一方的かつ身勝手な称賛に加えて、そもそも中身が別人である事にも気付いていない事から、流石に中の別人からも「今、褒められてもねえ?」と呆れ気味に返されていた。


戦闘能力である

人格は徹底して最悪を貫いているが、トジテンドの軍のトップなだけあって戦闘力はトップレベル。
全身を高火力兵器でフルカスタムしており、腕・肩・胸部に生えた砲塔から強力な砲撃も繰り出せる為に、遠中近いずれも隙が無い。
更にこの全身の重火器とバラスピアーを一斉解放する事で、周囲をまとめて吹き飛ばす程の攻撃力を発揮でき、その威力はゲゲからも「流石は軍隊長だね」と称賛されている程である。
膂力も非常に強く、人間を100メートル以上先まで片腕で投げ飛ばしている。

ワルドの能力の規模や厄介さなどから、自分も巻き添えを食わない為か本人が前線に赴く事は少ない。
だがいざ自身が戦うとなればゼンカイジャー達やツーカイザーを単騎でまとめて蹴散らし、更にはスーパーゼンカイザーやスーパーツーカイザーを相手取っても難なく圧倒する非常に高い戦闘力から、最終決戦まで苦戦らしい苦戦もせず無敗を貫いていた。

一方で、弱点としては武装がとにかく火力に偏っているので、地下施設などでは思う様にフルパワーを出せない。加えて強力なエネルギーを受けて限界を迎えると、全身の兵器が誘爆するリスクも抱えている。
しかしその弱点がありながらも、単純に実力が高いので並大抵の相手ではそもそも弱点となりえない。但しカスタム抜きの素のキカイノイドとしての戦闘力がどの程度なのかは不明。

武装である

  • 起爆槍バラスピアー
穂先がミサイルヘッドを模した、身の丈ほどもある大槍。
普通に槍として中・近接戦を行えるだけでなく、穂先のミサイルを発射して遠距離攻撃もできる便利武器。
ミサイルの威力もワルド程度なら一撃で爆殺できる。

  • ギガバラシュート
バラシタラの必殺武器。
胸部の砲身から放つ大出力の破壊光線で、構図としてはステイシーザーの「シーザー邪王砲皇撃」に類似している。

暴虐と毒親の限りを尽くした冷酷無慈悲な鬼将軍の末路

そして最終決戦で唐突にトジテンドパレスに突入してきたゼンカイジャーに驚愕しながらも、ゼンカイジャーがボッコワウスの床ドンでパレスの外に叩き出されたところで遂に対峙。
ゼンカイジャーと争い合う事と地球侵略を楽しんでいた心境を白状しながら、ブチ切れたボッコワウスの意向に従いゼンカイジャーを攻撃していく。
しかし、対峙した介人とブルーンからギアトリンガーを叩き落として変身不能にしたにもかかわらず、ここでまた悪い嗜虐心が出てしまい、変身できなくなった彼等をキツネ狩りの様にじわじわ嬲りながら追い詰めて楽しんでいたが、そこでステイシーと遭遇。
続いてカイゾクトピアから参戦したゴールドツイカ―一家を含めた2vs1の状況下でありながら、全力のステイシーザーとツーカイザーを1人で圧倒する底力を見せつける。

ステイシー!母の敵討ちに来た子供は、貴様だけでは無い!片っ端から返り討ちにしてやった!
別の方法で俺様にぶつかって来る貴様を、一時は面白いと思ったが、結局はこれである!
しかも1人で向かって来る気概もない!実に情けないのである!!

何とでも言え!

お前の事は憎いが…これは敵討ちじゃない!俺が…これから生きる場所を守る!そのための戦いだ!

ステイシーを見下し罵倒するバラシタラだが、既に復讐の一念を乗り越えて精神的にも成熟したステイシーからは一蹴され、更にその覚悟にゾックスも奮起。
更に徐々に互いの動きを見極めて、連携の精度を上げ始めたスーパーツーカイザーとステイシーザーの猛攻によって、やがてバラシタラは押され始め苦戦していき…

この程度で俺は倒れんのである!ギガバラシュート…!

界賊!受けて立つぞ!
ああ、面白ぇ…!

シーザー邪王砲皇撃…!
ツーカイザー・レックスリフレイザー…!


お前を、超える!!


3人の必殺技のぶつかり合いの末に軍配はステイシーとゾックス、そして2人の背中を文字通り押したゴールドツイカー姉弟側に上がり、二大必殺技の直撃を受けたバラシタラは遂に攻撃を跳ね返されて撃沈。
軟弱者と見下していたステイシーと、所詮は海賊として見下してきたゾックスに敗北するという現実を認められないまま、全身が誘爆を起こして爆散し、その最期の巨大な誘爆もステイシーザーのシールドに阻まれて届かなかった。


この俺様が…!こ奴ら如きにィィィィィ!?



バラシタラの敗因は全てにおいて彼の性格や思考に起因している。
最初に介人とブルーンを相手に嗜虐心を見せて、すぐに彼等を葬らずに弄ぼうとした事から、自身に不利な地下施設に結果的に誘導されてしまい、ステイシーとゾックスを完全に見下して油断しきっていた事から、彼等に互いに連携を高めるだけの時間を与えてしまい、結果見下していた彼等に形勢逆転されて、最期は自らが他者を蹂躙する為に使ってきた己の武装の誘爆にトドメを刺され、更にはその誘爆は自身が「下らんものばかり作っている」と見下してきた、政敵のイジルデが遺したシールドによって阻まれてしまい、結果彼だけが死ぬ事になったのである。
要はバラシタラは、自らの嗜虐心によって自分の首を絞め、自身が見下してきた全ての者達によって足を抄われ、自身の武器によって破滅するという、二重三重にあまりに皮肉過ぎる末路を辿ったのである
当然ながら、このようなバラシタラを助けて共に戦おうとする者など誰もおらず、イジルデもイジルデで功を焦って先に出撃してしまい、最後まで連携はおろか互いにろくな連絡もしないままだった。

ステイシーの邪魔が入る前に介人とブルーンを仕留めていれば、ゼンカイジャーは確実に負けていたので、バカンスワルドの件も含めてファンからは「トジテンド最大の戦犯」というレッテルを貼られてしまっている*7

ちなみにステイシーは、最終決戦時点で迷いや復讐という執着を振り切って、自身の仲間や居場所を手に入れていたのもあって、既に彼の中でバラシタラという存在は「自身が乗り越えるべき最後の障害」以上でも以下でも無くなってしまっていた*8
更にトジテンドが滅んだ後の最終カイ!では、ステイシーはキカイトピアを纏める立場となり、住民達から新たな王となる事を望まれる様になったが、自ら王の座は断って退いた。ここに至ってステイシーが精神的にもバラシタラを超え、あれ程執着したキカイトピアにおける立場すらも、死後にステイシーに完全に超えられてしまう結果となった。

余談である

  • 名前の由来はそのまんま大阪弁の「バラしたらぁ」。


  • 戦車がモチーフの戦隊怪人は前作のタンクリガニー以来2作連続の登場だが、幹部怪人に限定すると百獣戦隊ガオレンジャーのキュララ以来20作ぶりの登場だったりする。

  • ペット枠だったゲゲを除けば、作中で強化形態も専用のロボも一切無かった唯一の幹部ポジのキャラである。当初からフルカスタムで強いためそれ以上は必要無かったのかもしれないが、後付け強化等が無かったのは技術者であるイジルデと敵対していたのも一因であろう。ここでも権力志向やプライドの高さと、それによるイジルデとの対立関係が足を引っ張ったと言える。





追記・修正してやるのである。息子のアニヲタデビュー祝いである。
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最終更新:2025年06月04日 17:43

*1 ボッコワウスの前では「小生」「~であります」に変える

*2 ボッコワウスは度々癇癪を起こすが、ゲゲのフォローもあって部下を一方的に処刑をしたりまではしていない。

*3 実際に作中でステイシーが直接処刑した、あるいは打倒に協力したワルドは殆どがバラシタラ配下である。

*4 妻を数える時の助数詞もステイシーは普通に「◯人目」なのに対して、バラシタラは「◯番目」と呼んでいる事から、実際は奴隷や物扱いだったのかもしれない

*5 本人は最初は398か483番目の妻と勘違いしていた。桁すら合っていない。

*6 バラシタラの配下のワルドにはステイシーを攻撃や作戦に巻き込む者も少なくはなく、バラシタラがそれを気にしていないばかりか、ドアワルドの様に時には故意に巻き込まさせる場合もある。

*7 公式サイトでも、「バカンスワルドの件はトジテンドの人間としては最大の罪」と言われてしまっている

*8 バラシタラを倒した直後は流石になんとも言えない表情を見せたが、フリントが神に憑依にされた事に気が付きすぐ切り替えた