こんなカードオレは36枚持っているよ…(遊戯王)

登録日:2012/05/13(日) 19:47:41
更新日:2025/04/05 Sat 20:29:11
所要時間:約 4 分で読めます





こんなカードオレは36枚持っているよ…


とは遊戯王カードをコレクションするコレクターがノルマを達成した時のみに発言できる名言である。
公には知られていないが実は遊戯王カードのコレクターには自分の一番好きなカード1枚を決めて、それを36枚集めるノルマがかせられている。
無事にノルマを達成した場合は事務所に電話すれば優秀なコレクターとして表彰されて

こんなカードオレは36枚持っているよ…

を発言できる権利が与えられる。
10年以上も続いている遊戯王カードだがいまだ達成したコレクターは1人もいない。




デュエル!
スタンバイ!










   *   *
 *   + ウソだピョ~
  n ∧_∧ n
+ (ヨ(*´∀`)E)
  Y   Y  *


「羽蛾ぁぁぁぁ」








【真の概要】

本当は遊戯王劇中で海馬瀬人が発言した迷言である。


バトルシティの童実野町の北地区で決闘(デュエル)開始前に互いのアンティには納得したはずなのに、
「気が変わったんだよ」と勝利後に対戦者を恐喝していたのは、
なんと連載初期にアテムの制裁を受けた名蜘蛛コージ(そう、人から盗んだおもちゃを3万円で売りさばく程の商売の達人?の彼である)。

名蜘蛛は自分のアンティであるダイヤモンド・ドラゴンに釣り合うカードを出すか、10万円払うか、残る最悪の選択で二度と決闘(デュエル)できない体にするかと恐喝していた……
なお、対戦者のカードの名前は不明。星6で人型かつ武者みたいなモンスターっぽいが……

そこにバトル・シティ運営委員会の会長であるモクバが登場。
決闘(デュエル)後のアンティカードの変更と金銭の要求は禁止*1であること、さらに互いのカードの価値に問題はないので、十分アンティとして成立しているため対戦者が名蜘蛛にそのカードを差し出せば解決するとのジャッジを下すが、
名蜘蛛はモクバに暴言を吐いて反発。その時である!!


「貧しい決闘者(デュエリスト)めが…」

「俺の弟を侮辱することは…海馬コーポレーションを侮辱するに等しい…それなりの覚悟はあるのだろうな…」

と、凄まじい剣幕で海馬が登場したのである。


まさかの海馬の登場に動揺する名蜘蛛にモクバは

「あらら…兄サマのルールはおっかねぇぞ…知ーらねっと!」

と言うと、

「兄サマ これがアイツのアンティカードだ!」

と言って名蜘蛛のダイヤモンド・ドラゴンを海馬に手渡した。



カードを受け取った海馬は強張った表情で

「ほう…ダイヤモンド・ドラゴン…

よくこの程度のカードで虚勢が張れたものだ…」

と呆れの言葉を呟くと、わずかに微笑みながら……



(こんなカード オレは三十六枚持っているよ…)



と内心で語り、その場でダイヤモンド・ドラゴンビリビリに破り捨てた


そのあまりの所業にブチ切れる名蜘蛛に社長は

「どのみちこのカードは貴様の元には戻らんさ…」

「…何故なら………」

「たった今 貴様に決闘(デュエル)を申し込むからだ」

と名蜘蛛に告げると、アンティとして例のアタッシュケース一杯にぎっしり詰め込まれた大量のレアカード全てを用意した上で、
「破り捨てたダイヤモンド・ドラゴンの代償として、このケースの中のカードを好きなだけ使い、名蜘蛛のぬるいデッキを強化するよう促す」という、
自身が名蜘蛛のカードを破り捨てた所業を踏まえて考えても、レアカードとはいえただのバニラに過ぎないモブカード1枚の代償には到底釣り合わないほどのあまりにも太っ腹すぎる好条件を提示する。

名蜘蛛は大会の運営委員会会長及び主催者側の副社長のジャッジに食ってかかったのだから、後のアニメでの没落貴族のように主催者権限で失格を言い渡す、あるいはそれを盾にモブと名蜘蛛のアンティを成立させる方がフェアなはずだが…

興奮して嬉々としながらデッキに加わるカードを選ぶ名蜘蛛に、社長はさらに自身が「たとえ50億積まれても手放さないであろう究極のレアカード」と称する神のカード「オベリスクの巨神兵」をもアンティに追加することを告げる。
何気に青眼はアンティに加えないのね社長さん…
そして、海馬と名蜘蛛の決闘(デュエル)の火蓋は切って落とされ、借りパクしたカードで最強に高まったフィールを社長にぶつける名蜘蛛だったが……



名蜘蛛「ぎゃああああああ!オベリスク!!ヒイイイイイイイイイイイ!!」



わずか1コマで玉★砕


真の決闘者(デュエリスト)ならもうお気づきだろう…
名蜘蛛は犠牲になったのだ
手に入れたばかりの社長の愛人の犠牲に…


なお名蜘蛛によるシャーク被害に遭ったモブ決闘者(デュエリスト)だが、
彼も呆然とした様子で歩き出し呆けている名蜘蛛の横に落ちていた星5のカードを拾うと、それを自ら破り捨てる奇行に及んで町内へ消えていった。
シャーク被害に遭うわ絶望的な実力差を見せ付けられるわでヤケを起こしたのか、今回の件で決闘(デュエル)を辞める事にしたのか………
この事件で一番可哀想な目に遭ったのはどう見ても彼であろう。
「半端な気持ちで入ってくるなよ、決闘(デュエル)の世界によぉ!」とも言えなくもないが…。


なお、行動については常識に捕らわれない海馬らしく迷走、もとい暴走しているとしか言いようが無いが、
彼曰く大したレアカードではない割に、カードを無数に所持している彼のこのカードの所持数が明らかに少ないことについては諸説ある。

  • 実はこの世界ではかなりのレアカードであり、パンピーにとっては1枚でもかなりの価値がある。
    そもそもこの世界は特別扱いの神のカード以外も大概で、青眼が世界に4枚しかなかった、闇遊戯と海馬の最初の決闘(デュエル)で闇遊戯が召喚したデーモンの召喚に海馬が驚く、真紅眼がプレミアムで数十万円もの価値がついたほどのレアカードである*2など、レアカード1枚当たりの価値は現実と大きく異なる。というか文字通り命より大切
    ただし、上記のデーモンの召喚や王国編での城之内戦で城之内が召喚した真紅眼を見た時の海馬の反応からすると、ダイヤモンド・ドラゴンはこれらのカードほどのレアカードではないだろう。

  • 上記の通りパンピーにとってはかなりの価値のあるレアカードだとしても、海馬にとっては目を見張る強さも大した価値もなく、ただのダブリカードに過ぎない。なので新たに入手してもトレードや売却、あるいは破り捨てるといった何らかの形で処分しておりその時点での保有枚数が36枚だった。

  • 発言は「こんな(程度のレア)カード、オレは(デッキに)36枚持っているよ…」という意味だった。
    アンティは基本デッキから選ぶ・デッキの枚数などから意味は通じるし相手を見下すことも頷ける。
    またこの説を前提とすると、妙に具体的な「36枚」という数字は40枚デッキから「こんなカード」ではないオベリスク&青眼の4枚を引いた数ともとれる。

  • 海馬のアタッシュケースは現実でもグッズ化され、カードが約7000枚収納可能だが、これを基準にして考えると数多の種類のレアカードを保持する海馬にとって36枚という枚数は実は決して少なくない可能性も考えられる。


【補足】

この項目はなぜかアラビア数字で建てられているが、上の記述から分かるように正しくは「三十六」は漢数字である。
また、モノローグの吹き出しが使われており、実際に口に出しての台詞ではない。

2022年には現実での遊戯王グッズストア「KAIBA CORPORATION STORE」にて、「こんなカードオレは三十六枚持っているよ…Tシャツ」が販売された。
デザインはTシャツのフロント部分に36枚のダイヤモンド・ドラゴンのカードがプリントされた物になっている。


遊戯王デュエルモンスターズにおいて】

あまりにもカードゲーム販促アニメとして 決闘者(デュエリスト)失格の行為だったためか、アニメでは海馬がダイヤモンド・ドラゴンを破るシーンは完全カットされている。
双六に勝利した海馬が青眼の白龍を破り捨てたのはそのままなのでこれで海馬の評価が改まることはないが。

なお、ダイヤモンド・ドラゴンもジュラルミンケースの中にハーピィの羽根帚などと共に確認できる。

しかし出番が無くなったかと言えばそんな事は無く、
グールズの手下や大門とのデュエルで海馬自身がダイヤモンド・ドラゴンを使用していた。
しかしオベリスクの効果発動のための生け贄やスピリット・ドラゴンの攻撃力をあげるためのコストにする等、活躍したかと言われると……


余談だが、闇遊戯もアニメ版で他人のカードを破り捨てる行為を行っている。
ただ、こちらはグールズのレアハンターが悪用していたエクゾディアのカード(グールズが不正に偽造した物)に対してであり、闇遊戯は「こんな偽りのカード…!!」と怒りを露にしていた。「カードの偽造は絶対に許さない」という製作陣の思いが見てとれる。
少なくとも他人の正規のカードを破り捨てた海馬よりはまともである。



遊戯王デュエルモンスターズGXにおいて】

(まだ  ではない頃の)三沢大地が使用。
カーボネドンの「墓地のこのカードより上に10枚以上のカードが置かれた時、自身を除外して手札・デッキから《ダイヤモンド・ドラゴン》を特殊召喚できる」
と言う効果により特殊召喚され、そこそこ活躍した。

ちなみにこの特殊召喚は「圧力の加わった炭素がダイヤモンドに変化する」と言う化学変化を元にしたものだが、
あまりに使いにくく再現しにくいと言う事もあり、カーボネドンの効果はOCGで変更された。
一応ダイヤモンド・ドラゴンも召喚できるので再現は可能。

万丈目長作(万丈目準の兄)もパラレルレアでよりピカピカのこのカードを使用したが、こちらはあっさり撃破されている。



遊戯王デュエルリンクスにおいて】

海馬の任意のセリフの一つにこのセリフをアレンジした「こんなカードオレは三十六枚持っているわ!」というものが存在する。
上述したようにアニメではオリジナルバージョンもカットされているので、津田氏による三十六枚ボイスは初。

なお、任意のセリフなので、青眼の白龍だろうがなんだろうが、「三十六枚持っているわ!」と叫ばせることが出来る。



【OCGでのダイヤモンド・ドラゴン】

ダイヤモンド・ドラゴン
通常モンスター
星7/光属性/ドラゴン族/攻2100/守2800
全身がダイヤモンドでできたドラゴン。
まばゆい光で敵の目をくらませる。

初収録はウルトラレアかつ収録回数自体も少ないため、レアカードであることに間違いはない。
ただ、このテキストから分かる通りダイヤモンド・ドラゴンは単なるバニラ
ステータスはレベル相応にあるのでOCGに数多いモリンフェン族ではないが、攻撃力は下級に毛が生えた程度で真価を発揮するのが守備表示なのは辛い。
エネミーコントローラー等で表示形式を変更されたら途端に脆くなってしまう。
海馬に呆れられたのも仕方なく、原作・アニメと同様、現実でも活躍は厳しい性能であった。

星7ドラゴン族の通常モンスターとしては専用のサポートカードが無い分、真紅眼の黒竜より使い勝手が劣る。
光属性という点を重視しても攻撃力2500のホーリー・ナイト・ドラゴンがいる。
そのためドラゴン族のバニラが主軸となる聖刻のような専用デッキでもあまり使われないカードである。

「カーボネドン」のOCG化後は若干上記の2体に対する優位性が出てきた。
召喚時の表示形式が守備表示で固定されているので高い守備力にも意味を見いだせる。
次のターンで召喚素材等に使うなら、低攻撃力を晒す心配もない。
まぁ現実的には相手がバトルフェイズに入る前に効果で除去される可能性が高いのだが…。

相手の攻撃時に守備力を活かす方法としては速攻魔法である「銀龍の轟咆」による特殊召喚もある。
メタル・リフレクト・スライム」よりも数値は劣るが「サイクロン」で破壊されず、召喚素材としての使い道も異なる。

なお、後に「エメラルド」「サファイア」「ラブラドライト」「アレキサンドライト」と続く宝石ドラゴンの開祖である。
宝石ドラゴンデッキを作りたいのなら入れてみよう。

さらに、最近は上記の宝石ドラゴンを補助する「インペリアル・トパーズ」と「ベリル」も登場している。
名蜘蛛がこれを手にして社長に再戦を挑むというシチュを想像しながら、【青眼】相手に戦ってみるのも悪くない……かもしれない?
ちなみにこれら【原石】はその【青眼】と組み合わせると非常に相性が良く、トーナメントクラスにも顔を出している程である。


【最後に】

この項目のセリフの一件によってダイヤモンド・ドラゴンは妙な愛着を持たれており、
中にはこの台詞に影響されて、OCGのダイヤモンド・ドラゴンを36枚収集してしまった猛者も存在する。

もしあなたの手元にこのカードがあるなら、何枚持っていようと破り捨てたりせず大事にしてほしい。
というか、前述の通り古い絶版カードなので、ネタで集めようと思うと意外とお財布が痛む程度の価値はあるぞ!





「こんな項目オレは36回立てているよ…」

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最終更新:2025年04月05日 20:29

*1 ただし、城之内vs梶木戦にて梶木の当初のアンティは「リバイアサン」と「要塞クジラ」であったが、梶木は決闘での敗北後に自身がアンティに指定しなかった「伝説のフィッシャーマン」を城之内に受け取ってもらいたいと言い、最終的に城之内も快諾して当初の予定通りに渡された「要塞クジラ」に加え、「リバイアサン」からの変更で「伝説のフィッシャーマン」を受け取ったことから、双方合意の上であればアンティカードの変更は可能である様子。

*2 ただし、現実でも公式大会での上位入賞者に入賞賞品として配布された特別な真紅眼のカードは世界に1枚しか存在しないため、売りに出したら数千万円は下らないほどの価値があると思われる。