登録日:2011/03/18 Fri 21:42:02
更新日:2026/06/25 Thu 13:08:17
所要時間:約 11 分で読めます
概要
肩口くらいまで伸びた茶髪に、緑の
カチューシャ。
シンプルなピンクのドレス+シンプルなネックレス。
少しつり目の目には、勝気そうな感じが見て取れる。
パーティーのために年相応のおめかししたとはいえ、名前もわからず、数シーンにしか登場しない彼女を、
と言われたらわかるのは、この少女がそれほど諸君の心に残っているからではないだろうか。(以下、表記上は「少女」とする。)
登場シーン
おばあちゃん「孫に温かいお料理をと思ったのよ、私の自慢の料理ニシンと
かぼちゃの包み焼き」
少女の祖母おばあさんやバーサ(ん)と一緒に、薪の窯で必死に焼いた手作りのパイを抱え、
雨風に耐えて少女の家にたどり着いたキキ。
少女「何かご用?」
キキ「お届け物です!」
少女「まあ、ずぶぬれじゃない」
ここまでは配達に来たキキへの配慮が見える。
キキ「でも!お料理は大丈夫です!」
というキキに対して、呆れ気味に
少女「だから、いらないって言ったのよ……(部屋の奥から誰が来たか訊かれる)お婆ちゃんからまたパイが届いたのー」
キキ「……受け取りにサインをお願いします」
サインを終え、パイを受け取りつつも、ズブ濡れになってまで届けてくれた配達人の目の前で
少女「私このパイ、キライなのよね」
そして、締め出さんとするかのように勢いよくドアを
バタン!
以上。
猫のジジすら「今の本当にあの人の孫?」と呆れるレベル。
少女は届いたパイこそ嫌いでも、キキ個人を軽蔑したり見下したりしている様子はなさそうだが……。
その後、トンボとの束の間のデートにあらわれて、華やかな女子たちに混ざって少女が
「あの子知ってる。宅急便やってる子よ」
とデートに水を差し、彼女たちに鼻の下を伸ばすトンボにキキはヤキモチを焼いて帰ってしまう。
そんな度重なる自信喪失とフラストレーションの結果として
ジジの言葉が分からなくなったばかりか、飛行能力を喪失。
魔力が弱まったキキは、自らの成長を余儀なくされる。
物語の担い手
監督の宮崎駿はこのシーンに関して「
キキの甘さ」という見解を示している。
今までの好調ぶりから「荷物を届けたら感謝されるもの」という甘い認識だったキキは、少女の微妙な反応によって、「
お金を貰って仕事をする」ことを思い知ったのである。
なお、宮崎の言う所によれば、アニメ版魔女の宅急便では、ジジは「キキのイマジナリーフレンド」と言う設定であると言う。
つまりジジの「今の本当にあの人の孫?」と言う台詞はキキ自身の心の声であり、「自分に感謝してくれる祖母は良い人で、その孫も当然良い人のはず」と言う甘い考えを象徴する台詞とも言えるだろう。
そもそも宅急便に対応しただけの少女は、配達人の事情なんか知りようがないから、キキがトンボとパーティーに行けなかったのは、様々な要因(
時計の狂い+急な雨+彼女の態度に受けたショックetc)が重なっただけ。
少女にとっては、届いた「
嫌いだからとも何度か断った郷土料理」に苦い顔を浮かべるのは不思議ではないし、むしろ「ずぶぬれじゃない」「だからいらないって言ったのよ……」という様子を見れば、「急変する天候でも送りつけてくるお節介の無神経さ」でずぶぬれになった「宅急便の人」の気の毒さに困った顔にもなるだろう
実際に田舎の実家あるあるではある。
そもそも、少女を批判している人間とて、他の人に対して気づかぬうちに同じような不快な目に合わせているかもしれない。
仕事として自分に応対する人間(宅急便の人、あるいは店の店員、など)全てに親切にして気を遣っていられる完璧な人間がそうそういる筈もなく、時には不機嫌な顔で応対してしまうこともあるのは仕方ない。
だが、視聴者はそんな自分を棚に上げて、キキに共感し、少女をひねくれた性格と批判してしまう。
そういう所こそが「このシーンの一番つらい所」だと、宮崎は言っている。
なお、その後はトンボ救出シーンで飛行船を見に行った時のみんなと一緒に応援していたり、エンディングはじめのトンボが飛ぶシーンで応援する仲間たちの中によく見るといたりする。
彼女と一緒にいた別の女の子と仲良く談笑しているカットはあるが、件の少女とはそこまで親密な友達にはなっていない模様。
余談
担当声優の本業は女優で、
NHKのドラマによく出ている。2020年代現在も活動中だが、アニメで演じた役は同年までこれだけ。
若干
棒読み気味だが、モブキャラなので大目に見てあげよう。
……で、ある意味ここからが本題。ぶっちゃけニシンのパイとやらはうまいのか?
と思ったあなた、実際に作った人達レシピがネット上に掲載されているので、調べて試してみてはいかがだろうか。
日本では(特に放送当時は)パイと言えばアップルパイなどの甘いパイが想起されがちなので、ゲテモノのように思う人も多かったようだが、海外では肉や魚を使った食事パイは珍しくない。
ただ、子供が好きな料理かと言うと微妙な所ではある……日本で言うなら誕生日パーティに魚の煮付けを持ってこられるようなものと思えば、少女がそれに顔を顰める事にも少しは共感出来るのではないだろうか。
ともあれ、ニシンを使ったパイはごく普通の料理であり、ちゃんと作れば割と美味しい。もちろん、ニシン以外の魚を使っても良い。
もちろん、作ってみた結果「あたしもこれ嫌いなのよね」となっても責任は取らないのであしからず。
なお、本場スウェーデンではニシンとして
シュールストレミングの缶詰を使うこともあるようだが、いろいろと問題がある食材なので、よいこは真似しない方がいいだろう。そもそも日本に取り寄せるにも時間かかるのよあれ……。
あと「ニシンのパイ」で検索をかけると、本作のパイに混ざってギョッとするような姿のパイが見られるが、こいつは「スターゲイジー・パイ」という由緒正しき
イギリス料理である。
(スターゲイジーとは「星を見上げる」の意。顔を突き出した魚が星空を見上げている事から命名された)
こちらも、その見た目とイギリス料理への偏見からネットではゲテモノのように扱われているが、実際はごく普通の魚のパイであり、ゲテモノ要素は特にない。
その見た目も、嵐の中で漁村の飢饉を救った伝説の漁師を讃えるため、「彼の獲ってきた魚が使われている事をはっきりと示す」目的と言う、立派な由来がある。
確かにインパクトの強い見た目ではあるが、それだけで一方的に馬鹿にするのは行儀の良い事とは言えないだろう。
ちなみに、ブリテン島南西端コーンウォール地方の
ごく一部でクリスマス前々日に作られるものであり、もちろんキキの運んだパイとは無関係。
そもそも、この料理の材料は
イワシとジャガイモ。「魚と野菜を使っている」という共通点はあるが、「ニシンとカボチャのパイ」ではない。
キキ「追記・修正をお届けにきました!」
ニシンパイ娘「あたしこの項目嫌いなのよね」
- パイが嫌いなのは仕方ないとして、見ず知らずの宅配人にわざわざ言うセリフではないと思うんだよなぁ・・・。 -- 名無しさん (2022-03-30 20:25:00)
- やっぱりパイの好き嫌いどうこうじゃなくて「自分と同年代で働いてる少女」に「おばあちゃんからパイ貰って喜んでるような子供」と思われるのが恥ずかしかった、でいいのかな -- 名無しさん (2022-04-20 03:09:23)
- ニシンのパイだから味付けに独特なのは勿論、血をきちんと取り除くなりしないと食中毒にまでなるからマジ注意。トラウマになるくらい嫌いになるぞ -- 名無しさん (2022-04-29 22:17:03)
- このエピソードはアニメオリジナルだけど、原作だと傲慢な態度をとる吹奏楽団から楽器を空輸しろと無理難題言われて頭にきたキキが、配達場所に着いてもわざと降りずに結びつけた楽器を風で奏でながら旋回し続けるという嫌がらせをしてた。 -- 名無しさん (2022-04-30 00:51:10)
- この子別に嫌いではないが、キキやトンボよりも先に項目が立ってるのは面白いなw -- (2022-04-30 01:38:48)
- これそもそも原作と映画じゃ仕事の対価が違うんだよね。原作のキキは魔女の風習に則って「お仕事に対してお金はいただきません。代わりに何かお裾分けをください」とお願いしてる(例えば絵描きの人の依頼のお礼は絵を描いてもらうでもok)。対して映画の方はきっちり代金を要求してる。子供向けでも仕事を現実的に描いた宮崎駿と子供向けだからお金云々は描かなかった角野栄子の違いなんだろうけど -- 名無しさん (2022-04-30 17:49:51)
- TLで流れてきた「二進(法)のπが嫌いな少女」に吹いた -- 名無しさん (2022-04-30 18:24:24)
- この子に対する意見を見ると、他人は他人の言動に思った以上に厳しいものだと分かる -- 名無しさん (2023-03-27 18:04:33)
- 自分が子供の頃はどうだったかなんて考えられる人はそもそも書き込まないんじゃなかろうか -- 名無しさん (2023-05-03 12:45:23)
- 『あずきちゃん』で小5のヒロインがおばあちゃんから送られてきた金魚柄の浴衣が子供っぽいから着たくないと嫌がる場面があったな。年頃の子供は色々とデリケートなんだよね -- 名無しさん (2023-10-29 17:38:23)
- 断ったのに送り付けてくるあの婆ちゃんが悪いよね… -- 名無しさん (2024-03-23 19:50:05)
- 婆さんのお節介説も色々言われてるけど、思春期であるからこそお婆ちゃんに反抗したくなるってのもあるとは思う。しかし、「トイレの神様」みたいにこの孫がある程度成長してから、「お婆ちゃんごめん、あの時は気付かなかったけどありがとう」ってなる世界線もありそう…。 -- 名無しさん (2024-08-13 02:30:47)
- 「この夏休み中に飛ばすんだぜ」というトンボの台詞から、魔女の宅急便の時期は夏休み(キキも冒頭でキャンプの予定を返上している)。そりゃみんないろんな所でパーティしてておかしくないし、キキがそんな街へ勝手に修行にやってきて、勝手に場違いとか感じてるだけなんである -- 名無しさん (2024-08-26 11:11:01)
- ゼハハハハハ!!チェリーパイならどうだァ!!? -- 名無しさん (2024-10-26 20:48:18)
- ニシンのパイは作って食べたことがあるけど若者向けではない味だった。普通においしいんだけどそれこそおじさんとかある程度 -- 名無しさん (2025-03-11 15:16:30)
- コメントのログ化を提案します -- 名無しさん (2025-03-25 10:44:28)
- コメントをログ化しました -- (名無しさん) 2025-04-01 09:19:01
- 大泉洋召喚 -- (名無しさん) 2025-04-05 16:08:51
- チョコレートケーキを贈れば良かったのに -- (名無しさん) 2025-04-05 16:34:08
- ↑2 片手にこう包丁持って座ってるわけだろ?シェフの格好したヤツがパーティー会場で -- (名無しさん) 2026-03-15 02:43:00
- お婆ちゃん的には多分子供の頃ニシンのパイ美味しいって言ったから誕生日に送り続けてるんだろうけど少女側も恐らくやんわり断ってるだろうしキキにはチョコレートケーキ焼いてあげたんだからそっち贈れば良かったのにな -- (名無しさん) 2026-05-09 00:38:27
- というか観直したら「だからいらないって言ったのに…」ってちゃんと断ってるしそれでも電子レンジもない時代に冷めたら急激に味が落ちるニシンのパイ、しかもかなりデカイサイズをサプライズで贈られても困るだけだしせめて冷めてても美味しいアップルパイとかにしとけばなあ -- (名無しさん) 2026-05-09 00:58:19
- ちゃんと断っているのに送り付けてくるおばあちゃん側が悪い案件だよなこれ… -- (名無しさん) 2026-06-15 07:50:41
- 麻美先輩「レモンパイもいけるわよ」 -- (名無しさん) 2026-06-23 15:22:49
- 誕生日に嫌いなもの贈り付けられた挙句、視聴者から叩かれてるの見て、子供心に可哀想と思った覚えがある。 -- (名無しさん) 2026-06-23 15:31:06
- 良くも悪くもやっぱ「おばあちゃん」はそういうものだなっていう -- (名無しさん) 2026-06-23 15:31:10
- 俺も自分のおばあちゃんのことは好きだけど、おばあちゃんの作るミカン入りのポテトサラダは嫌いだったから、この娘の気持ちわかるわ。 -- (名無しさん) 2026-06-23 15:37:05
- ↑5 「ちゃんと」断ったかどうかはわからない。焼くの大変だろうし無理しなくていいよ、的な婉曲的な言い回しだったのかもしれない。 -- (名無しさん) 2026-06-24 05:29:56
- あとまあ、キキが個人間のドアtoドア宅配業はじめるまで、温かい料理を届ける手段がなかった、実家に帰省した時だけ我慢して付き合ってればよかったのに、今後いつでも送られてくるのかぁ、とうんざりした側面もあるかもしれない。 -- (名無しさん) 2026-06-24 06:00:02
- 連投失礼。いや、「また」言ってるから、今までも送ってないわけじゃないのか。もしくはおばあちゃんの方から遊びに来るときの手土産か。 -- (名無しさん) 2026-06-24 06:06:41
最終更新:2026年06月25日 13:08