ゴルドン(ウルトラ怪獣)

登録日:2022/06/09 Thu 22:17:58
更新日:2025/07/08 Tue 14:42:38
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もしかして?→ゴルドラス

ゴルドンはウルトラシリーズに登場する怪獣。
初登場は『ウルトラマン』の第29話「地底への挑戦」。


【スペック】

別名:黄金怪獣
身長:65m
体重:6万t


【概要】

トサカに一本角を生やした首長竜のような姿の四足怪獣。体全体のフォルムから手足までイモムシのような形が特徴。
そういう意味でも陸上で活動しながらも首長竜の方が似ているかもしれない。*1
長い尻尾は極めて柔軟で、の鼻のように器用に物を掴んだり手足のように自在に動かすことができる。
主にこれを利用して敵に巻きつけたり、掴んだ岩などを投げ飛ばしたりするのが攻撃手段。

地底を住処にしており、最大時速150キロという物凄い高速で掘り進むことができるほど俊敏。地震が起きそうだ。
ただし、地底怪獣故に光には弱く、地上での活動は鈍い。特に強烈な光を浴びると急激に弱ってしまう。

純金を主食にしており1日に10兆円分もの金を食べ尽くすというガマクジラと同じく非常に食事コストの高い傍迷惑な怪獣。
ゴルドンの体は食べた純金で出来ており、皮膚が金色なのもそのため。汗が乾くと砂金が出てくるという。存在そのものが宝の山と言える。

純金以外でも金属であれば問題なく食べられるようで、取り込んだ金属の性質がそのまま体に現れる。
例えば銀やプラチナを食べれば体は銀色になるし、銅を食べれば銅色になる。
よって、食べた金属の種類によってはその体は非常に高い耐久力を得ることに繋がる。

映像作品では未使用だが、解剖図解によると背中のアンテナ状の突起からは黄金光線と呼ばれる破壊光線を発射することもできる。
これを利用して岩盤などを掘削しており、それが地中での高速移動の理由らしい。


【本編での活躍】

日本一の金埋蔵量を誇る大田山の金鉱を住処にしたゴルドンはそこに埋蔵される金鉱脈を全て喰い尽くしてしまった。
さらに地上にまで姿を現したゴルドンは麓にある町を襲い、住民の避難先でも所構わず地底から姿を現しては地中に逃げるのを繰り返して大混乱に陥れる。

出撃した科学特捜隊はイデ隊員が用意した新兵器・地底戦車ベルシダーで地中に逃げるゴルドンを追跡し、地上に追い立てる作戦を決行。

しかし困ったことに鉱山内には金を求めて潜っていった鉱夫の一人が取り残されており、キャップとイデは彼の救助も兼ねてベルシダーで地底へと潜っていく。
大空洞で発見した彼は大怪我を負っている上に出血の影響で完全に正気も失い発狂しており、イデ達も手を焼くという有り様。
さらにはゴルドンに襲撃され、ベルシダーのレーザー光線で応戦してひとまず地上へ追いやることには成功したが、ゴルドンの攻撃でベルシダーは故障してしまう。

地上に残っていたハヤタ達はジェットビートルから降りてマッドバズーカの閃光爆弾のコロナ弾でゴルドンを弱らせ、急所の心臓を攻撃して倒す作戦を実行。
ゴルドンが暴れた拍子にフジ隊員が崖下に転落してしまうが、アラシのコロナ弾とハヤタのスーパーガンの連続攻撃により辛うじてゴルドンの撃破に成功する。

故障で地底を暴走していたベルシダーもとりあえず修理でき、これで一安心――


……と、思いきや何と地上で倒されたゴルドンとは別のゴルドンがベルシダーの前に出現。ゴルドンはつがいだったのか、二匹いたのであった。
完全に操縦不能になってしまったベルシダーに襲い掛かるゴルドンは地底魚雷を浴びせられ、地上へと逃げていった。

地上に一人残っていたハヤタはウルトラマンに変身し、ドドンゴの時のように速攻で馬乗りになってマウント攻撃を仕掛ける。
が、ゴルドンはそうはさせじと尻尾を器用にウルトラマンの首に巻き付けて締め上げ、引き離すとのしかかって反撃する。

のしかかりから逃れて再びマウントを取ったウルトラマンはゴルドンの尻尾をゴルドンの首に巻きつけ、自滅させることに成功。
自分で自分の首を絞めて弱り切ったゴルドンにスペシウム光線を浴びせて倒すのだった。

無論、これで終わりではなくゴルドンの襲撃で壊されたベルシダーを救出するために地底へと潜っていく。
酸素切れで窒息死寸前だったキャップ達三人は辛うじて地上へと運ばれ、命辛々生還するのだった。
ついでに鉱夫も正気に戻ったようだ。

倒されたゴルドンの死体からは150tもの純金が採取され、ゴルドンの被害を受けた町の復興資金として利用されたそうな。
体のサイズと重さからして一体分でも明らかに少なすぎな気もするが。


【余談】

●デザイン担当の成田亨氏は自身の画集で「イモムシから着想を得た」とコメントしている。
着ぐるみとしては手足がヒレ状になることで、当時の四足怪獣によくあった膝がつくことへの違和感の軽減を図っている。

●ゴルドンはBタイプのウルトラマンが最後に戦った怪獣である。

●本編では同種が一度に二体も登場したため、科学特捜隊とウルトラマン双方によって退治されたという珍しい怪獣。
マグラーと同じく肉弾戦のみの地底怪獣で単体での印象こそ薄いが、実は戦略的にウルトラマンが二対一のピンチに陥る可能性もあり得た相手であり、アントラーケムラー同様、下手をすればウルトラマンも負けていたとも言われている。

●キャップとイデが救出に向かった坑夫の一人を演じたのは、「怪奇大作戦」の狂鬼人間役やスチール星人の人間態でもお馴染みの大村千吉氏。

●ベルシダーの名前は小説家エドガー・ライス・バローズによる地底世界を舞台にした『ペルシダー・シリーズ』にちなむとされるが、「ベ(BE)」と「ペ(PE)」という違いがある。また、『ウルトラマンタロウ』のZATの地底戦車は「ペルミダーⅡ世」という、ベルシダーを誤植したような意識したような名前を持つ。

●ファミコンソフト『ウルトラマン倶楽部3 またまた出撃!!ウルトラ兄弟』では地球エリアの最初のボスとして登場。本編で2体の同族が出たのに対して、このゲームではウルトラマンとしんマンというよく似た二人で立ち向かうことになる。

ニンテンドーDSで発売されたゲーム『怪獣バスターズ』では巨大怪獣の一体として登場している。
なお、同作では通常の個体の他にも、銅と銀の亜種個体も登場する。ブロンズドンとシルバドンじゃん
なお本来亜種個体は通常個体より強く、戦う時期も遅いのだが、ゴルドン種だけは例外的に亜種個体から討伐することになる。

●『ウルトラマンティガ』に登場するガクマ
  • 鉱物を食べる
  • 同族が地底から2体現れる
  • 両者を防衛組織とウルトラマンがそれぞれ倒す
といった類似点がみられる。ただし、こちらは地底戦車はまだ登場しない。

●柳田理科雄氏の『空想科学読本』における検証では並居る競合相手を打ち破って最も地底に適した地底怪獣の称号を得ている。
ぶっちゃけスペックに無茶なツッコミどころがなかったせいで消去法で生き残っただけ感があるが*2




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最終更新:2025年07月08日 14:42

*1 首長竜とは手足がヒレ状で水中で生息していた爬虫類の事で、陸上で生息していた首の長い恐竜は竜脚類やカミナリ竜と呼ばれる。なおゴルドンは長い尻尾という竜脚類やカミナリ竜の特徴もある。

*2 この点に関しては本書内でも「ほかと比べて単に揚げ足を取られる要素がなかっただけかも」と突っ込まれてはいる。