花咲友也(遊戯王)

登録日:2022/07/22 Fri 22:19:40
更新日:2025/06/04 Wed 05:54:18
所要時間:約 5 分で読めます




花咲(はなさき)友也(ともや)は漫画『遊戯王』の登場人物。
アニメには未登場。


【人物】

眼鏡をかけた小柄な男子生徒。童実野高校2年B組に在籍している。
何かと問題児だらけな遊戯王のゲストキャラクターにしては、珍しくごく普通の感性を持った人。
当初は内気な性格をした典型的ないじめられっ子だったが、遊戯達との交流を経て大きく成長する。

そんな彼にはアメコミヒーローのコレクターというオタクの一面があり、特にゾンバイアはグッズを大量に収集するほどハマっている。
彼の前ではゾンバイアを「筋肉男(マッチョ)」とか言ってはいけない
ガレージキットは作らずに箱のままにしておく派。

他にも、文化祭の出し物には「お笑い漫画道場」を提案している。一瞬でクラスが静まり返ったので、「やっぱり言わなきゃよかった……」とものすごく後悔した

【家族】

父親

息子そっくりの眼鏡をかけた中年。普段は海外で働いており、帰省する度にお土産としてアメコミのグッズを持ってくる。
友也が所持しているゾンバイアグッズは、ほとんど彼が買ってきたものである。

友也が昔から体が弱かったということもあってか、やや過保護気味。
詳しくは後述するが、友也に強い子でいてほしいあまり見ず知らずの不良に金を渡してやられ役を演じてもらうという相当危険なことをしている。*1
しかも自身も息子同様の内気な性格なので、いざ友也が危険な目に遭っても完全にパニックなってただ狼狽えるだった。

作者の高橋和希からは「槍を捨てた父親」と評された。
とはいえ、ろくでなしが多い遊戯王シリーズの親の中では、人並の倫理観は持ち合わせている上、
最後は自分の非を認めて改心や反省したので総合的にはかなりまともな部類に入る。善人である分、城之内父や海馬剛三郎、マリク父などの毒父連中とは別ベクトルでタチが悪いが

母親

こちらも眼鏡をかけている。ストーリーには全くかかわっていないので空気。

【活躍】

第3話に初登場。この時は遊戯とは一言も喋ったことが無く、「暗そーなヒト」と思っていた。
騒象寺からパー券5枚も渡されて困っていたところ、同じく10枚ものパー券を持った遊戯と接触。
「そのパー券全部ボクに渡しなよ」と言う遊戯の厚意に甘えてパー券を全て受け取ってもらうものの、一部始終を見ていた騒象寺の怒りを買って暴行されてしまう。
ボコボコにされた自身を心配してくれる遊戯に「ボクがパー券を君に売ろうとしたからバチが当たっちゃったんだ…」と謝罪し、気弱ながらも人の良い性格の持ち主である描写がされていた。
この一件を機に遊戯と友達になる。

その後はモブキャラとして時々出ていたが、第22・23話で遂に主役回を担当することに。タイトルは「アメリカン・ヒーロー」。
父親が買ってきたゾンバイアのリアルマスクに大はしゃぎし、ついコスプレをしたまま夜の街を走り回る。
すると、公園でいかにも柄が悪い2人組が一般人に暴力を振るっている場面を目撃。
最初は逃げ出そうとしたが、今の自分はゾンバイア。
勇気を出して2人組に立ち向かうと、一撃で吹っ飛ばして撃退してしまった。

私はゾンバイアだー

「ゾンバイアになれた」と喜ぶ花咲だが、もちろんそんなうまい話は無い。
実はゾンバイアごっこをしている花咲を目撃した父親が「友也が自分に自信を持てるように」よかれと思って不良達にやられ役を演じてもらっていたのだ。ちなみに料金は10万円。牛尾さんのボディガード料の半額である
当然不良達はやられたフリをしていただけで、二人に殴られていた一般人も仲間だった。

父親の目論見通り、自信が付き始めた花咲は、翌日ゾンバイアにならずとも不良から遊戯を守る。
この時既に不良達の作戦が始まっていたことなど知らずに…。

その夜、部屋に「遊戯を拉致した」という不良からの果たし状が届き、遊戯を助けるべくゾンバイアに変身して向かう。
だが、それは花咲をおびき出すための罠で、不良達は父親に50万円払うように要求し、従わなければ「正義のヒーローは悪者になぶり殺しにされるってストーリーに変更する」と恐喝。*2
そして、花咲は演技をやめた不良達に一方的に叩きのめされてしまう。
追い打ちをかけるかのように、昨夜の不良達はやられ役を演じていたことと自分の父親がそれに関わっていたことを知らされた上、目にスプレーを吹きかけられる。
心身共に傷ついていたところに、花咲の父親から事情を聞いた闇遊戯が駆け付け事なきを得る。

父親に介抱されながら帰ろうとするが、遊戯が自分のために戦っている姿を見て……

パパ ボクは逃げない!

ここで逃げたら 永遠に強くなんかなれないよ!!

ゾンバイアのマスクを外し、ボコボコに腫れ上がった素顔を晒しながら父親に反発し、遊戯の元へ向かった。

彼が憧れるゾンバイアは、元々は死神で人間の愛に目覚めたことで人間の為に悪と戦うようになった。
その代償として、戦えば戦うほど仮面の下の素顔はゾンビのように醜くなり、命まで削られてしまう。
それでも、ゾンバイアは人間の為に戦うヒーローなのだ。
花咲の父親は、花咲の本当のヒーローの顔は、ゾンバイアのマスクなんかではなく、その下に隠された友達の為に傷ついた顔だったと思い知った。

その後、不良達は闇遊戯の普通に死人が出るであろう罰ゲームで成敗され、花咲は遊戯に迷惑をかけてしまったことを謝罪する。

ボクがヒーローになんか なれるワケないのに…

落ち込む花咲に、遊戯は「いや…なれるさ!」と励ますのだった。


そして、DEATH-T編では城之内に頼まれて海馬の罰ゲームで倒れた双六の看病をする。
そして、城之内に電話で双六の容態を伝えるシーンを最後に彼の出番は終わった。せめてじーちゃんのお見舞いのシーンがあればもう少し出番も増えただろうに

ゲーム作品では「モンスターカプセルGB」や「DDM」にゾンパイアがいないにも関わらず*3対戦相手として登場している他、「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神」においてモブにまぎれて*4、登場しており、ネオグールズに占拠された童実野町を救うためにゾンパイアに扮して活動した。
さすがに構成員一人を追っ払うのが精一杯だったが、その勇気をや城之内たちに感心されるなど「ヒーロー」になれた彼がそこにいたのだった。


ダーク・ヒーロー ゾンバイア

星4/闇属性/戦士族/攻2100/守 100
このカードが戦闘によってモンスターを破壊する度に、このカードの攻撃力は200ポイントダウンする。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできない。


「マジック&ウィザーズ」とは無関係なキャラでありながらまさかのOCG化。
《増援》でサーチ可能かつ2100と高い打点が魅力なデメリットアタッカー。
しかし、そのデメリットも大きくはなく一体モンスターを破壊しても1900という高打点が維持できる。
戦闘の度に攻撃が下がるデメリットは、上記の命を削る設定を反映したものだろう。
直接攻撃こそできないが、カオスの素材にもなれたので、アタッカーとしては優秀な部類であった。

融合軸のデッキが繰り出す強力モンスター《異星の最終戦士》の融合素材であったことも人気を後押ししていたが、
それらに支えられていたスタンダードが下火となり下級モンスターで殴り合う時代が終わると第一線からも退いた。

現在では《融合準備》などの登場で手札に加えるのは容易になったが、
攻撃力が下がることが災いし《魔のデッキ破壊ウイルス》と相性が悪いためファンデッキ以外ではまず見られなくなっている。戦闘さえ行わなければそこまで気にならないが。
採用するならば《異星の最終戦士》を主軸にしたデッキが良いだろう。

ご存知デメリット効果の救世主《スキルドレイン》などと合わせる手もアリだが、妥協召喚系の上級モンスターや《ゴブリン突撃部隊》など格上のデメリットアタッカーの存在がネックか。

非OCGのゲーム作品では「DM7」や「DM8」に登場。「自身の攻守を500ダウンさせて、相手の場の最も高い攻撃力のモンスターを破壊」という効果を持っており、元々の攻撃力の高さも合わせて高コストカードとなっていた。
実用性の程は、「DM7」はともかく「DM8」ではコストの高さが足を引っ張り、投入すること自体が困難なカードであった。
ただし、それを差し引けば「弱点を突かれにくい黒魔族」「草原に対応している下級の中で最も高い攻撃力」「効果で破壊できないのは三幻神くらい」と強カードには位置している。
なお、花咲本人が使うタイミングはないと言ってもいい(序盤も序盤でこんなの出されたレベッカ以上の強敵だし)。


アニメには未登場だが、『遊戯王デュエルモンスターズGX』にて十代がゾンバイアのイラストが描かれた《ヒーロー見参》を多用していたため、姿だけならアニメでも見ることができた。

【余談】


城之内の下の名前が「友也」と誤記されていた時期があるほか、原作での二回目の登場はなんと本田よりも先*5というところから、当初の予定では城之内、杏子に次ぐレギュラーキャラの予定があったのかもしれない。

東映版では彼は登場しない…のはおろか、彼の登場するエピソード全て(初登場回、文化祭、ゾンパイア)がアニメ化してないという事態になっている。
おそらく、レギュラーの男女の人数を調整する目的でレギュラーキャラとして強烈な個性とともに追加されたミホがいたこと(六人目としての枠がない)、パロディとして危ない橋を渡る可能性のあるゾンパイアのエピソードをやらないなら出す理由が薄いからというのが大きいと思われる。

「ゾンバイア」の元ネタは恐らくトッド・マクファーレン作の有名アメコミヒーロー「スポーン」から。
外見だけでなく、キャラクターとしての設定や(作中世界での)玩具展開の豊富さなどもスポーンをイメージした描写と思われる。



追記・修正は傷つきながらも誰かのために最後まで戦うヒーローにお願いします。


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最終更新:2025年06月04日 05:54

*1 本人に悪気はなく、純粋に息子を想ってした行動である。

*2 この時、父親が即座に警察に通報しなかった理由は不明。もし警察沙汰になった場合は、悪意は無かったとはいえ友也への暴行に加担したことになるからだろうか。

*3 DDMのボードゲーム版には登場しているらしいのだが、ゲーム版では収録されていない

*4 あきらかに彼なのだが、名前や顔グラが登場しない。本作では他にも名蜘蛛といった学園編のキャラも確認できるのだが、なぜか顔グラは愚か名前が出てくることがない

*5 同じ話で文化祭の出し物の小道具として『本田が提供したモデルガン』という設定があるが、本田本人の出番はない