ダーク・ヒーロー ゾンバイア(遊戯王)

登録日:2025/04/05 Sat 14:03:30
更新日:2025/04/08 Tue 00:05:35
所要時間:約 4 分で読めます






I'm ZONBIRE!!


《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》とは遊戯王OCGに存在するカードの1つ。
高橋和希原作の漫画遊☆戯☆王』に登場するキャラクターをモチーフにしている。
名前は恐らく、「ゾンビ」と「バンパイア」を合わせたものと思われる。
ただ、「ゾンイア」ではなく、「ゾンイア」なので注意。
スペルは、原作漫画では“ZOMBIRE”だが、カードの場合は“ZOMBYRA”*1である。

【性能】

効果モンスター
星4/闇属性/戦士族/攻2100/守500
(1):このカードは直接攻撃できない。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合に発動する。
このカードの攻撃力は200ダウンする。

2001年7月12日発売の「Labyrinth of Nightmare -悪夢の迷宮-」で登場した下級モンスター。
リリース無しで出せるモンスターにしてはかなり高い攻撃力を誇るが、ダイレクトアタック出来ない制約と、相手モンスターを破壊すると攻撃力をダウンする永続効果を持つ。

登場当時の環境としては攻撃力1900の下級通常モンスターによるビートダウン……要するに殴り合いが主な戦いであり、そんな中で2100もの打点を持つこのカードはかなり強力なカードである。
このカードの使い方も高い攻撃力による相手モンスターの戦闘破壊が主流。なので(2)の効果が痛いが、1体破壊しても1900と下級モンスターで一流レベルのステータスダウンで収まるのが強み。
また今も昔も下級モンスターが数ターン場に残るのは稀な為、多少のデバフは問題ではないだろう。
ダイレクトアタック不可は地味に痛いが、それ以外のさしたるデメリット効果を持たないため、数あるデメリットアタッカーの中では特に使いやすい。
初出のパックではいわゆる「ノーマルレア」で手に入れにくかったが、ストラクチャーデッキ「STRUCTURE DECK-遊戯編- Volume.2」にて再録され、財布にも優しい下級モンスターとなった。
だが登場して20年以上が経過した今では単にステータスの高い「だけ」のモンスターは活躍しにくい。
攻撃力2100、レベル4、戦士族というだけでも、もっと使い出の良い《フォトン・スラッシャー》等も存在する。
とはいえ向こうと違って属性が違い、何より通常召喚も可能な為、デッキによっては採用価値はあるだろう。
攻撃力が下がる効果は、原作の「心が正義になっていくたびに仮面の下の顔が醜くなり命もすり減っていく」という設定の再現だろうか。

ちなみにカタカナで「ヒーロー」なので【HERO】カテゴリではない。
だが遊城十代からしてみれば彼もヒーローの一員らしく《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》が写っている罠カード《ヒーロー見参》を愛用していた。
また、後に登場する【ヴェンデット】とは色々と似ており、遊戯王マスターデュエルソロモードではヴェンデットのゲートを進めると《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》のカードがもらえるという小ネタがある。

初期のゲーム作品では「このカードの攻撃力・守備力を500下げ、相手フィールドで最も攻撃力の高いモンスター1体を破壊する」というまさかの除去カード。
投入コストは高いがそれだけ強力なカードとなっている。

【関連カード】


《異星の最終戦士》

融合・効果モンスター
星7/地属性/戦士族/攻2350/守2300
「ダーク・ヒーロー ゾンバイア」+「魔力吸収球体」
このカードが特殊召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚する事はできない。

《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》を素材に指定している融合モンスター。
自分フィールドのモンスターを全て破壊してしまう豪快なデメリットはあるものの、場にいる限り全ての召喚を封じるという非常に強力な効果を持つ。
一応「裏側守備表示でのセット」でモンスターをフィールドに出すことは出来るが、それ以外の事は何も出来ない、数あるロックカードの中でも最強レベルの効果を持つ。
ステータスは若干低いが、そもそも出した時点で相手にできる事はほぼ無い。
こちらに破壊耐性を持つカード、もしくは《S:Pリトルナイト》の一時除外能力などをあわせればフィールドにモンスターを残すこともできる。
だが魔法、罠耐性はない事と、すでにフィールドに居るモンスターの効果を無効に出来ない点は注意。採用する場合はこいつをどれだけ早く出せるかが問われる事となる。
相手依存になるものの《やぶ蛇》なんかで出すと面白いかもしれない。
デビル・フランケン》の現役時代はセットで使われたこともある。
ちなみにこのカードの素材に指定されているお陰で、各種融合サポートなどで《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》をフィールドに出しやすくなっている。
この部分だけは《フォトン・スラッシャー》等と比べ明確に優れている点だろう。


なお一部ゲームでは通常モンスターとなっておりフレーバーテキストもあるが、その内容が「星を守るため戦い続ける しかし星にはもう彼しかいない」という衝撃的な内容であった。
背格好も戦闘以外のことを考えていない歪な状態なので、もしかしたら《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》の未来の姿なのかもしれない……。

《ヒーロー見参》

通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
自分の手札1枚を相手がランダムに選ぶ。
それがモンスターだった場合、自分フィールドに特殊召喚し、違った場合は墓地へ送る。

《ダーク・ヒーロー ゾンバイア》が描かれた罠カード。
このポーズは遊戯たちが読んでいたソンバイアの原作コミックの一コマと同じである。

特殊召喚対象がランダムであること、相手の攻撃を待つ必要があるといった条件はあるが、制約なくモンスターを特殊召喚できる。
手札を特殊召喚したいモンスターのみにするなどの工夫が必要。

前述の通り、アニメGXでは十代がたびたび使用していた。
ちなみにこの効果で特殊召喚に失敗したことは一度もない。
また、アニメGXには「ヒーロー見参!」というBGMがある。

【原作】

さてこのゾンバイア。実は原作出身のモンスターである。
とはいえ原作に登場した「カード」やれっきとしたキャラクターではなく、作中作の主人公という特異なキャラである。
いわゆる「アメリカンコミック」に出てくるヒーローをモチーフにした作品であり、原作初期の登場人物である花咲友也くんお気に入りのキャラクター。
OCGカードのイラストも、この時に出たゾンバイアのポスターが元になっている。
元々は人の命を刈り取る死神であったが、仮面を被り「ダークヒーロー」となるものの、心が正義となるたびに身も命も削れていく悲劇の設定を持ち合わせている。
作中ではなりきりグッズやガレージキットなんかも出ている。
この時に城之内がやたら手慣れた手つきでガレキを作り上げたのはネタになっている。他人のプラモやキットを勝手に作るのは善意であってもやめましょう。
だが花咲くんはヒーローに憧れるだけの普通……いや、かなり気弱な少年であり、そんな息子を父親は心配しているが……。

ヒーローになりたくてもなれない少年がそれでも一歩前に進むこのエピソードは、原作遊戯王でも屈指の名話と言えるだろう。

設定やビジュアルのモチーフは実在するアメコミ『SPAWN』と思われる。
こちらもフィギュアなどの玩具展開が盛んというかむしろそっちがメインであり、花咲くんのような熱心なグッズの蒐集家を数多く産んだシリーズである。
また実はあの《サクリファイス》にもモチーフとして組み込まれており、遊戯王とは縁の深い作品と言える。


【余談】

海外版ではイラストが違う。
と言っても背景の文字が消されているだけだが。スペルが違うためにオミットされるという珍しい変更内容であった。
「The Lost Art Promotion 2023」では日本版と同じく背景の文字が入ったイラストが収録された(スペルの違いはそのまま)。





追記・修正は、《あまのじゃくの呪い》を発動し、敵を倒すたびに強くなるヒーローを生み出してからお願いします。

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  • 攻撃力ダウン
  • 原作出身
  • 花咲友也
最終更新:2025年04月08日 00:05

*1 フルの表記名は“Zombyra the Dark”