ソールオリエンス(競走馬)

登録日:2023/05/28 (日曜日) 17:29:14
更新日:2023/08/20 Sun 13:24:38
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ソールオリエンスとは、日本の現役競走馬である。


データ


生誕:2020年4月4日
父:キタサンブラック
母:スキア
母父:Motivator
調教師:手塚貴久
馬主:社台レースホース
生産者:社台ファーム
産地:北海道千歳町



父キタサンブラックは、言わずと知れた演歌歌手北島三郎の持ち馬で、GⅠ七冠のアイドルホース。初年度産駒より年度代表馬イクイノックスを輩出しており、ソールオリエンスは2年目の産駒に当たる。
母スキアはフランスより輸入された繁殖牝馬であり、自身もフランスのGⅢフィユドレール賞を勝っている重賞馬。そして母父Motivatorは、凱旋門賞馬Montjueの初年度産駒であり、2005年にイギリスのエプソム競馬場で行われるダービーステークスで勝利しているGⅠ馬。メロディーレーン・タイトルホルダー姉弟の母父としても有名である。
2020年4月4日に、日本有数の競走馬生産牧場である社台ファームで生まれた『スキアの20』は、150万×40口の6000万円で社台レースホースにて募集。父と同じく菊花賞を勝ち、天皇賞(春)を連覇した名ステイヤーのフィエールマンや、オークス馬のシロイアレノムスメユーバーレーベンなどの名馬を手掛けた美浦の名門、手塚貴久厩舎に預けられる事となる。

迎えた早朝、そして大胆な初日の出


11月13日に東京競馬場の新馬戦でデビューしたソールオリエンスは、レーベンスティールに対してクビ差で勝ち、その次は2歳GⅠには向かわず、共同通信杯へ向かう事が有力視される。だがオーナーサイドの意向で、1月に開催される京成杯へ向かう事となる。
さて1月15日、鞍上の新馬戦の戸崎圭太から、横山武史に変更したソールオリエンスは、4枠4番より重賞初挑戦。レース当日に中山競馬場の馬房で寝ているなどその大胆な様子を見せていた彼は、衝撃のパフォーマンスを見せる事となる。
1000m62秒2というスローペースでレースが展開する中、序盤から後方でレースを進めるソールオリエンスは、4コーナーにて危うく逸走するかという程に大きく膨れるも、最後の直線にて末脚を発揮。先頭の馬群を一気に差し切り、見事初重賞挑戦で勝利を収めた。
その走りはまるで2015年皐月賞でのドゥラメンテをも髣髴とさせるものであり、「またキタサンブラック産駒からドゥラメンテみたいなのが生まれた」と話題になった。

親父の忘れ物を取りに


ともあれ重賞を勝利し、賞金も十分に積んだソールオリエンスは、クラシック三冠のトライアルレースとして知られる弥生賞ディープインパクト記念や、祖父ブラックタイドや父が勝利したスプリングステークスに向かわず、そのまま皐月賞へと直行する。そのレースでは弥生賞を勝ったサトノクラウン産駒のタスティエーラや、スプリングS勝ち馬のベラジオオペラも参戦しており、加えて2歳GⅠ馬のドゥラエレーデ(ホープフルステークス勝ち馬)やドルチェモア(朝日杯フューチュリティステークス勝ち馬)が不在である事もあって、大混戦が予想された。
内の荒れた重馬場、前走のドリフトっぷりから内での出走が不安視されたにもかかわらずよりにもよって1枠1番での出走。しかも1枠1番で勝ったのはナリタブライアン・コントレイルなど三冠馬のみという前例もあって、共同通信杯馬のファントムシーフに1番人気を譲る形となった。
レースは重馬場にもかかわらず前が58秒5という高速戦になる中、最後方に位置することに。4コーナー通過順は18頭中17番目、更にある意味期待通りに逆手前でドリフトをかまし、万事休すかと思われたが、縦に伸びた馬群を活かして静かに外へと持ち出すと、最後は外から勝利目前まで迫っていたタスティエーラを上がり3ハロン35秒5という豪脚で強襲して差し切り勝ちを決めた。
一気に同父の先輩イクイノックスがなし得なかった史上最短キャリアの3戦、かつ無敗でクラシックを制覇した。事実上これ未満の出走数でクラシック制覇は不可能である為、今後この記録が並ばれることはあっても更新されることは無いだろう。
京成杯馬が皐月賞を制するのは史上初。クラシック全体に広げて見ても2010年ダービー馬のエイシンフラッシュ以来2頭目、グレード制導入前からの前身『京成杯3歳ステークス』を含めても5頭目である。
なお前週の桜花賞もドゥラメンテ産駒のリバティアイランドが大外から豪快な差し切りを決めており、『先週見た』と話題になった。

こうして父やイクイノックスの成しえなかった春クラシック勝利を決めたソールオリエンスは、5月28日に90回目の節目を迎える日本ダービーへ挑戦。この時ソールオリエンスは過去のクラシック三冠馬(ディープインパクトオルフェーヴル・コントレイル)が入った3枠5番に決まり、前走で争ったタスティエーラやベラジオオペラに加え、ホープフルS勝ち馬のドゥラエレーデに、同父で青葉賞を勝ったスキルウィングと、2015年クラシックを争った馬の子供たちの激しい勝負が予想された。
さてレースがスタートした直後、なんとドゥラエレーデが落馬。パクスオトマニカが逃げてペースを作る中、そのアクシデントに構わず、ソールオリエンスは中団やや前からのレースを進める。そして4コーナーで内側より他の馬が加速を始める中、ソールオリエンスも差し切りを狙う。
…が、その時、後方に位置していたタスティエーラが、前走での意趣返しで借りを返さんとばかりに急加速。一気に前に位置し、粘る。そして大接戦の果てにハナ差の2着と敗れる。
確かにソールオリエンスの走りは強かった。しかし、前走で2着に敗れたタスティエーラのリベンジに対する執念はそれを上回る、大波乱のダービーとなったのである。



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最終更新:2023年08月20日 13:24