ゴールドシップ(競走馬)

登録日:2021/04/20 Tue 18:33:00
更新日:2022/05/21 Sat 18:19:08
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120億事件 12年クラシック世代 G1馬 「少し気位が高い人間と思ってないとダメ」 アレ エンターテイナー グランプリホース ゲート難 ゴルシ ゴルシ伝説 ゴールドシップ サラブレッド ステイゴールドのバカ息子 ステイゴールド産駒 ステイゴールド自慢の息子 ステイヤー ステマ配合 ハジケリスト ヤンキー ワープ 不沈艦 今浪隆利 内田博幸 合体事故 問題児 奇行 奇行子 岩田康誠 日高の白い悪魔 暴れ馬 横山典弘 気まぐれ 気分屋 濃すぎるキャラクター性 無事之名馬 猛獣 猛獣ゴルシ 白いの 種付け上手のゴルシさん 種牡馬 競走馬 競馬 繊細 芦毛 芦毛の暴君 英雄色を好む 苺大福 走ってくださいお願いします 蹴り癖 迷馬にして名馬 金返せ 須貝尚介 頑丈 顔芸 黄金船 黄金配合



黄金の航路

ヒーロー列伝No.74より



ゴールドシップ とは、日本の元競走馬、種牡馬。
勝つ時はその末脚と無尽蔵のスタミナを武器とした豪快な勝ち方で、'12年皐月・菊花二冠、史上初の宝塚記念連覇('13・'14)、史上7頭目となるJRA同一平地重賞3連覇*1を達成した阪神大賞典など重賞レース11勝*2を挙げ、WBRR(ワールド・ベスト・レースホース・ランキング)*3でも現役時毎年120以上を誇り、2013年と2014年には世界11位を記録するなど、かの修羅揃いだった2012年クラシック世代の中でも筆頭に挙げられるほどの非常に高い実力を持つ。しかしそんな高レベルの実力とは裏腹に、馬名に逆らうかの如く順風満帆とは行かない数々のエピソードを生み出す、メディアから言葉を選んで『稀代の超個性派』『猛獣ゴルシ』と称される破天荒な性格と仕草、そして特徴的な目立つ葦毛とピンク色の鼻など愛嬌のある見た目*4から、引退した今でも多くの競馬ファンから愛される迷馬にして名馬である。競走馬時代は須貝尚介厩舎所属(ちなみに須貝厩舎の重賞初勝利(2012年共同通信杯)・GI初勝利(同皐月賞)・通算100勝(同菊花賞)を飾った馬でもある)。

なお、よく「 ゴルシ 」と呼ばれ本項目においてもこの呼び名を主に用いるが、元担当厩務員の今浪隆利氏など一部からは他馬(特にゴールドシチー、次いでウマ娘での方やゴールデンシックスティ)との区別のためか「シップ」と呼ばれることもある。そっちはそっちでルラシことルーラーシップなどとかぶってしまうが。


なお、ウマ娘 プリティーダービーでのゴールドシップについては当該項目参照→ゴールドシップ(ウマ娘 プリティーダービー)


来歴

血統と誕生からデビューまで

今やすっかり社台グループが幅を利かせる競馬界であったが、彼は出口牧場という中小牧場で産声を上げた。
父はサンデーサイレンス産駒のステイゴールド、母はポイントフラッグ、母の父はメジロマックイーン
このポイントフラッグ、須貝氏が騎手時代に騎乗していたが、あと一歩重賞に届かぬまま怪我で引退してしまったという背景がある。
ポイントフラッグが大柄ゆえに産駒がみな大きく脚元の不安に悩まされたことなどから父にステイゴールドが(その値段もあって)選ばれており、これはつまり

  • 「小柄かつ頑丈」 だが 「気性の荒い」 ステイゴールド
  • 「賢く癖が無い」 「大柄で虚弱」 なメジロマックイーン が父の牝馬
という組み合わせで 小柄かつ頑丈 *5な仔を産み出そうとしたものである*6

この『父に ステイゴールド 、母父に メジロマックイーン 』という組み合わせはこの時点でドリームジャーニーを産出しており、その後も三冠馬オルフェーヴル、そしてこのゴールドシップといった優秀な産駒を世に送り出したことでニックス(優秀な産駒が生まれる組み合わせ)とみなされ、父ステイ ゴールド の名も相まって「黄金配合」(またはステ イゴールド+メジロ ックイーンで「ステ配合」)と呼ばれ、一時流行した*7

ゴールドシップがこの世にウマれてきたのはそんな流れの生じつつあった2009年3月6日のことであったが、上述した通りの関係者達の意に反し、その体躯は 大柄 であった。産まれた時から人間の思い通りにいかない馬である。*8
とはいえ 頑丈であった のは思惑通りであり、その巨体が功を奏した事(2013年の宝塚記念)もあった。加えて母方譲りなのか 賢い馬 でもあった。
……ところがそのメジロマックイーンは レースでは堂々としているが、レース外の調教では甘えん坊・暴れん坊だわかつ頑固で調教嫌い と言う一面があった。そこに父方の 気性の荒さ まであのような形で引き継いだ親と祖父の特徴ほぼ全部乗せ欲張りマシマシフルコースのとんでもない合体事故のような馬であるとまでは、さすがに予想外であったが。そうそうウマいこといかないものである。

ちなみにゴールドシップはドリジャ/オルフェ兄弟と違い、ノーザンテーストのインブリードを持っていない。しかし代わりにというべきか、牝系の8代前に下総御料牧場(嘗て存在した宮内庁直営の牧場。成田空港建設により移転)の六大牝馬の一頭「星旗」*9を有する、日本競走馬における由緒正しい血統の末裔である。
ただし、社台グループなどに押され最近はめっきり活躍馬を出しておらず、生産牧場もお世辞にも有力な牧場と言い難く*10、天下の社台ファームでぬくぬく育ったオルフェーヴル*11とは逆に生まれた時から強力なバックアップがあるわけではなかった。

デビュー前は福島県でトレーニングを積んでいたが、東日本大震災……俗に言う3.11によって預かり先の牧場が被災したため北海道へ戻されたりなどあちこちを転々とし、最終的に石川県へ避難した。
この頃について、育成を担当した吉澤ステーブルの吉澤克己社長は『ゴールドシップは(落ち着いて育成できなかった分、)馬運車に鍛えられたのかもしれない』と回顧している。
なお、この際にサイレンを何度も聞いたことでトラウマになっているらしく、今でもサイレンを聴くとヘドバンし、その様子を収めた動画もある。ボス馬気質からくる周囲への警告だとも言われているが、その意図は不明。

脚質

とにかく頑丈
父親も頑丈なことで有名だったが、馬体重500kgを超え、後述の脚質で無茶苦茶な走りをしておきながら、一番酷い怪我・病気が、2015年阪神大賞典後の自身の脚がぶつかったことによる蹄球炎*12で、それも42日後の春天を回避するまでもなく治癒し、そして「ちゃんと走れば勝てる」と判を押された上で実際に(しかも無茶苦茶な戦法を用いて)勝ってみせたというデタラメすぎる頑丈さを誇る。

ウオッカ*13、ジャングルポケット*14「「なにそれ怖い」」

大きい体のせいでケガしやすいマックイーン系統の弱点をカバーしようとステゴをかけ合わせたのに「大きいけどケガしない奴になった」とは、なんという合体事故
近年では「競走馬のガン」と恐れられている屈腱炎も「小型馬よりも大型馬」「一瞬の爆発力を発揮するスプリンターよりも長時間脚に負担をかけるロングスパートをかけるステイヤータイプ」の方が発症しやすいという定説が固まっているが、ゴールドシップに競り掛けたライバルが次々に屈腱炎を発症しているのに*15、毎回最後方からロングスパートをかけている当のゴールドシップが平然としている辺りにも出鱈目な頑丈さは見て取れる。そのせいで一時期『壊し屋』『日高の白い悪魔』と恐れられるハメになる。
その特殊な脚質の理由は、緩めの関節と柔軟かつ力強い筋肉がショックアブソーバー(振動減衰装置)さながらに体への負担を軽減していたからである。しかも筋肉は若い内から白くなった芦毛と相まってイヤでも目に付く、浮き出るほど太い血管で血液を筋肉へ大量に送り込める、人間のトップアスリートさながらのもの。その強力な筋力たるや、後ろ脚だけでその巨躯を数秒支えられるほど。後述の事件のダメ押しにもなったとか
おまけに蹄も母父譲りの大きさと丈夫さに父譲りの対称性も兼ね備えており、かと言ってその父の斜行癖まで引き継ぐことなく、走り自体 「は」 安定していた。また、鼻の穴の大きさが物語るように心肺機能の高さも彼の武器であった。
そのため、手前からスパートを掛けてもゴールまで持続する並外れた持久力を以てブチ抜いていくことを可能としていた。

しかしステイヤー向きとは決して言えない骨格と体躯に急加速の効かない関節とあり、ゲート適性を抜きにしてもどうしてもスタートで出遅れやすく*16、後方から普通にスパートをかけても上がり切れないのでやる気も中々出ないという欠点も抱えており、東京競馬場などの高速馬場は滅法苦手であった*17

つまるところゴルシの基本戦法は
最後方から早々に加速を始め、トップスピードを長く長く維持してゴリ押す
というものとなった。なお分類は便宜上「追込」として扱われるが、一般的な追込とはまるで別物である。俗な分類ではあるが「差し寄りのまくり」とするのがより正確だろうか。
代表的なところで言えばディープインパクトの追込に比較的近いが、あちらは典型的な追込馬の持つ切れ味を長持ちさせる馬であり、その切れ味を欠くゴルシはさらに異質と言える*18
ゆえに残り800m(!?)程から「ぬーーーーーっ」と伸びて先頭集団に食いついてくるような戦法の前例はほぼ無く、ゴールドシップが競馬ファンの記憶に残った理由のひとつとなっている。
とはいえキレる末脚が全く無いわけでもなく、2012年有馬記念では内側からキレある末脚で抜け出したエイシンフラッシュを残り1ハロンで外から強烈な二の足を繰り出して一気に捻じ伏せ勝利している。つまり本当にやる気があれば末脚勝負もきちんとこなせるだけのキレはあった。
それ程のパワーとスタミナを有するゴルシがいくらスタートが苦手と言っても先行策を取れないわけはなく、13年・14年の宝塚記念などは第一コーナー時点でしっかり先頭集団に入ってきっちりライバルをすり潰して勝ち切る、母父メジロマックイーンを彷彿させるような非常に強い競馬を見せている。加速力に難がある以上前目につけておいた方が勝負どころが図りやすく、スタミナを均等に配分することで筋力の消耗も少ないためこちらの方が本来勝てる戦法だったと評する向きもある。どのみちある種器用にこなせる馬だった訳であり、要するに、戦術に関してはゴルシのやる気と騎手の読み次第、スタミナにものを言わせれば先行だろうが後追いだろうが関係なし。この結果に尽きた(ただし12頭立て以上且つレース間隔が2カ月以下だと、その気性から成績が下落する傾向あった*19)。

デビューしてから

その後に栗東トレーニングセンターへと入厩して2011年に函館の新馬戦に出走。ディープインパクト産駒のサトノヒーローに次ぐ2番人気。馬連5倍台という『逆転するならコイツしか居ないだろう』という完全な一騎討ちムード。
すると、いきなり2歳馬のコースレコードを叩き出して快勝。そのスケールの大きさの片鱗を見せつける、鮮烈なデビューを飾った。
2歳シーズンを4戦2勝で終えると、クラシックシーズン初戦となる共同通信杯をディープブリランテを捕えて重賞初勝利。

そのままトライアルを経ずに牡馬クラシック三冠のひとつ・皐月賞に単勝7.1倍の4番人気で出走。これは当時のクラシック戦線は混戦気味であり、1番人気のグランデッツァも3倍台。また人気上位に来たのはトライアル上位のメンバーであり、ゴールドシップは共同通信杯から直行したため、あまり注目はされていなかった。
…が、この2012年皐月賞において、ゴルシはその特異な能力を見せつけた。
前日に降った雨でぬかるみ、さらに皐月賞前のレースで他の馬が走ったことで、中山競馬場の内ラチ*20沿い(クルマで言うインコース)は荒れ果てていた。
ただでさえ足への負担がかかる*21内ラチが荒れているとあってほとんどの馬がそれを嫌って外側に流れていく中、ゴルシ鞍上の内田博幸ジョッキーは大外を回されるのを避け、思い切ってまさにこの荒れた内馬場を突っ切る勝負に出た。
レース後のインタビュー曰く、「この馬は重たい馬場を苦にしない」という見立てがあってのことだったという。
果たして見事、読みは的中。最終コーナーでゴルシはがら空きとなっていた荒れた内ラチ沿いに突っ込み、跳ねる泥に白い馬体を汚されながらも最短コースを猛進。
コーナー前では最後尾だったのがあっという間に先頭集団に合流すると荒れ地を踏破してきたのにそのまま最終直線で加速。結果、2馬身差で見事優勝。*22中山競馬場に観客の悲鳴が響いた
晴れてゴルシはスターホースの仲間入りを果たし、この時に見せた「ワープ」と形容される豪脚は今日も語り草となっている。

さて、続く東京優駿(日本ダービー)だったが、先行有利の高速馬場で、直線仕掛けが遅れたこともあり先行策を取ったディープブリランテに雪辱されてしまう。
菊花賞では相変わらず最後方でスタート*23するが、京都競馬場の3コーナーにある高低差4.3mもある上り坂、通称「淀の坂」の手前でスパートを掛け出し、そのまま坂を駆け抜け前走する馬をごぼう抜きした末、ぶっちぎりで1着と言う常識破りなレースを展開。
奇しくもこの年の菊花賞のCMは、同じく淀の坂を全力疾走して完勝した1983年菊花賞のミスターシービーが放映されていた。が、下り坂で若干減速した以外ほぼそのまま同じ事をやってのけた*24
なお有名な舌ペロペロ事件はこのレースでの出来事であり、(坂を全力疾走したにもかかわらず)追い上げられてるのを確認し再度加速し出すなど、底なしのスタミナに競馬ファンは唖然とした。
レース後のインタビューで鞍上の内田は「少し早いとは思ったけど、早めにスパートしても持久力があって最後に伸びる器用な馬だから、ゴールドシップの強さを信じれば大丈夫と思った」とサラリと言ってのけている。ゴルシワープの件と言い、馬もイカれていればジョッキーすらイカれていた。

そして放牧の後、3歳馬ながらぶっつけで有馬記念に挑戦。
あおった出遅れたルーラーシップの前、いつも通りの最後方からの競馬となったが、残り800近くから追い上げを始め、馬場の外側へ。そして残り200からこれまで見せたことないような二の足を繰り出して一気に10頭もブチ抜き、2着のオーシャンブルーへ2馬身半付けての圧倒的ゴール。
古馬すらすり潰すその無尽蔵のスタミナと豪脚にフジテレビで実況を行っていたアオシマバクシンオー青嶋達也が「ツヨオオオオオオオオイ!」と絶叫したのは氏の実況で比較的有名な話か。二冠馬はやはり強い。


以降、強烈な末脚と馬場を無視できるような*25スタミナを武器にゴールドシップ号は「突然爆発するおっかない追込馬」として 史上屈指のハイレベル世代 と言われた同期*26の面々と覇を競い、ゴルシ世代(ないしゴルシ・ジェンティル世代)の通称で呼ばれる2012年クラシック世代は、競馬界を湧かしていく。
ちなみにかの98世代が至高という方もいるだろうが、12世代では 同一G1を連覇した馬が6頭もいる *27上に、G1レース勝利数43(うち平地競走28)で、G1レース勝利数では18世代(50勝)に更新されるも平地競走数では歴代最多を誇り、98世代や01世代に並ぶ最強の一角と呼ばれる世代である。同じレース連覇した馬が2頭いる世代なんて後にも先にもこいつらぐらいだろう。
なにぶん例年であれば皐月・菊花の二冠馬且つ有馬記念を制した彼は、通常の基準なら間違いなく選ばれていたであろうJRA賞年度代表馬の座を、桜花・優駿牝馬・秋華を制した牝馬三冠のジェンティルドンナに搔っ攫われた。最終的にG1を7勝・6勝するこの2頭が同一世代であると言う時点で特異と言わざるを得なかった。

そして3歳クラシック以降も、目覚めた気性難に悩まされ凡走を繰り返しながらも阪神仁川を根城に数多く好走し、(惨敗はしたが)フランス凱旋門賞にも出馬、ジェンティルドンナ、フェノーメノとの12クラシック世代三強対決となった2013年と2014年の宝塚記念を連覇、2013年-2015年阪神大賞典を3連覇、そして2015年天皇賞(春)では'13・'14と連覇していたフェノーメノが繋靱帯炎と屈腱炎で無念の回避・引退となってしまった分、同世代としての仇を取るかのように念願の春の盾を獲るなどGI6勝を挙げた。特にこの天皇賞では、3200mの長丁場でゲート前で大暴れした挙句、鞍上の横山典弘の極端な騎乗で有名な所謂「ノリポツン」がクリティカルヒット*28。1枠1番をかなぐり捨てた最後方待機&横ポツンと言うだけでも異常であるが、一周目のスタンド前からペースアップ、そしてあろう事にそこから1100m前後、2012年菊花賞の如く淀の坂の手前からスパートを掛けて上がっていき一気に4番手までポジションアップ、タイミングを見計らい最後の直線で更に加速し出し残り50mで逃げ切るカレンミロティックを抜き去り、更に猛追して来たフェイムゲームをクビ差でかわしての勝利*29(そして鞍の上もとい案の定、担当騎手の横山典弘をヘロヘロにさせた)という、掟破り、否、常識破りのレース展開は2020年代に入っても尚、ファンやメディアを含めて語り草となっている。そしてその約2ヶ月後にあの伝説の大事件が起こってしまい、そちらが一層の語り草となってしまっている。

ゴルシはそんな多士済々の名馬ひしめく12世代の、文字通り第一線を張っていた馬でもあったと同時に、絶大な人気を誇っていた馬だったのである。


……と、ここまでが大体の彼の来歴。ここからは彼の生い立ちとその性分を記していく。


ゴ ル シ 伝 説

「たまにでもいいから真面目に走ってくれれば」
―――― 横山典弘(競馬騎手)


先程「走り自体『は』」と含みのある言い方をしてきたが、
実はこの馬、勝敗予測が困難なことで有名な競走馬でもあった。

その気になれば他の馬を難なくブチ抜いて一人勝ちできる圧倒的ポテンシャルの持ち主、……というのがその走りからして決して嘘でないのは先述の通り。実際、豹変する前の'12年有馬までは実際に「メジロマックイーンの再来」・「最強ステイヤー筆頭候補」とまで言われていた(一応実際にメジロマックイーンの子でも為し得なかった春の盾を、芦毛の孫として現役最後の年の'15春天で獲っている時点で唯一の後継者と言えなくもないが)。
しかし、4歳以降の気性難が顕在化してきたコイツの難しさはいつその気になるか誰にも予測できないという点にあった(後述総評も参照の事)。
「葦毛の暴れん坊(将軍)」、「葦毛の暴君」という二つ名があった点からもそれは伺えるだろう。

とはいえ、ゴルシの血統表にはヘイロー、サンデーサイレンス、ステイゴールドと続く由緒正しい気性難一族であるヘイルトゥリーズン系に加え、父母父にディクタスアイでお馴染みの瞬間湯沸かし器ディクタス、そして母父に冒頭でも先述した、レース時とオフの調教での性格の切り替えが激し過ぎるインテリヤクザな名優のメジロマックイーンといった錚々たる面々が名を連ねており、そんな名だたる荒くれ者揃いの血統ともなれば乱暴だったりわがままだったりするのは物珍しい話でもない。

が、ゴルシがゴルシたる真骨頂はそこではなく、「お前絶対に解っててやってるだろ!」と言いたくなるような、狙いすましたかの如く衆人環視の中で繰り広げられる奇行の数々にある。
簡単に言えば、マックイーンのオフの時の気性の粗さが常時発動するようになったような繊細で荒っぽい気性に加えて、妙に知能が高い*30が故にその思考回路を読める者はほとんどおらず、結果、競走馬時代から種牡馬入り後(の現在)に至るまで「ゴルシ伝説」として箇条書きコピペが成り立つほどのエピソードを残し(続け)ている。


箇条書きでざっと挙げると
  • 毎日遊んであげないと暴れる。遊んでやったらやったでシャツを破られる。
  • 騎手騎乗の調教などで無い限り調教は基本的にやる気が無いが、調教で出くわした馬を威嚇する時「殺る気マンマン
  • 好き嫌いが激しく、気に入らない人or馬の存在を察知すると暴れ出すが、気に入った相手に対しては全力でデレる。極端すぎるツンデレ
  • 基本何でも喰らうが、硬いもの、特にリンゴが苦手*31
  • そのためか父ステイゴールドや他のステイゴールド産駒同様「飼葉を水でふやかしてから食べる(通称:お茶漬け)」。が、ゴルシはむしろ「飼葉で風味の付いた水だけをいただく」事も。
  • 人だろうと気に入らなければ容赦なく蹴る*32
  • 特にトーセンジョーダンにはあちらの方が歳上にもかかわらず、目に入れば必ずといっていいほど蹴りにいく*33
  • ほか、同じくステイゴールド産駒で同期のフェノーメノ*34や、年下のワンアンドオンリー*35とも威嚇しあっていたという。
  • 逆に、同じ須貝厩舎の馬房が隣で優等生的な性格のジャスタウェイとは何故かウマが合う*36*37。普段は露骨に嫌がる調教も、ジャスタウェイが一緒だと闘争心を駆り立てていた。
  • まだG1未勝利だった頃のジャスタウェイに併走で負けた際にはガチ凹みして20キロ痩せた。
  • なお須貝厩舎のもう1頭の併せ馬だったタイセイモンスターが一緒にいる間も珍しく大人しかった。タイセイモンスターもまた穏やかな性格であり、彼が引退*38した時は体調を崩した*39
  • 調教中だろうと牝馬を前にすると興奮して立ち上がる。ただしジェンティルドンナには無反応。あっちも鬼婦人だの吉田沙保里だの言われる位大概な馬だったので牝馬扱いしてなかった説も?
  • (元)担当厩務員の今浪隆利氏にはやたら懐いている。かまってアピールをしたり、レースで勝つと甘えたりなど*40
  • 一方で(元)担当調教師の須貝尚介氏のことは苦手としているのか、近づかれるとレース直後や写真撮影中だろうと露骨に離れるか蹴りに行きたがり、挙句同氏とのツーショット写真では目が死んでいる*41
  • なおゴルシ以降、「あのゴールドシップを扱えたのだから」と言う理由で須貝厩舎に癖馬の入厩希望が多くなった*42
  • 幼少期からデビュー前を知る人間は大人しかったと口を揃え*43、現役時代も北海道で休養している間は静かで利口(引退後は言わずもがな)。
  • しかしレースが近づき滋賀に移るとやんちゃになり出す
  • 生まれつきの気性の荒さを問題視した北村浩平調教助手が「一発かましたろ」と厳しくしつけようとしたら、その後ロデオ状態で振り落とされ右肩脱臼で病院送りに。当のゴルシは北村助手を振り落とした後(多くはそのまま逃げるように走っていくところを)彼に向かって笑い、その顔を見た瞬間北村助手は「こいつには絶対勝てない」と逆に理解らせられる*44
  • 上記エピソードもあり「このままだと暴れすぎてゴルシかスタッフのどちらかが重大なケガをする」と判断されて、「とにかくさっさと体力使わせよう」とのことで皐月賞前に挑むレースが定番コースの弥生賞ではなく共同通信杯に。
  • ゲート入りを(後ろ歩きから振り向きざまに入ることすら)拒否した結果、目隠しをさせられた状態でゲートに押し込まれる。なのにそのレースでは当たり前のように優勝(in2015年天皇賞春)。そしてゲート再審査はいつも通り一発合格
  • ゴルシが厩舎に帰って来ると隣の長浜厩舎の馬がざわめく
  • レース中に並走しただけでビビってヨレた馬もいる
  • レース中に舌をペロペロさせながら走って余裕の圧勝(in2012年菊花賞)
  • というか舌を出す行為が「相手をバカにする、挑発する」行為だと理解してる節がある。
  • 体当たりして来たジェンティルドンナを逆に押し返した挙句ぶっちぎる(in2013年宝塚記念*45)
  • 2014年の天皇賞(春)の出走前に 吠える そしてレース後に炸裂した蛯名のモノマネエビダンス*46*47
  • 凱旋門賞出走のためのフランス遠征中、調教へ向かうべく通った森で機嫌が良くなりすぎて今浪氏を置き去りにし、危うく迷い人にするところだった
  • その凱旋門賞での入場時に勝手に列を離れて観客に欽ちゃん走りで愛想を振りまいてファンサービスし、そのまま走り出す(ついでに他馬もつられて走り出す)。もちろん大歓声。そのせいか本戦の結果もあって「凱旋門へショーをしに行った(凱旋門ショー)」だの「ジャスタウェイとフランス観光」などとネタにされる。なおこの時ジャスタだけは目を逸らし必死に無関係を装っていた。親友でも奇行を前にすると関わりたくなくなるのは馬も人間も同じらしい
  • 暴れ馬乗りの名手である横山典弘氏ですら「お願いですゴルシさん走ってください」と懇願しながら乗る*48
  • そのせいかレース前の騎手インタビューでは「どう戦うか」ではなく「(強さはご存じの通りなので) まともに走ってくれるかどうか 」が焦点として語られていた*49
  • ゴール後に何故か馬よりも騎手の方がヘトヘトになっている
  • (特に繁殖牡馬入り以降の)カメラを向けられた際の顔芸*50。寧ろ東京スポーツで秘蔵写真特集まで組まれた*51
  • グラスワンダー*52がビッグレッドファームにいる間、隣同士だったその馬房の前を通るたびに立ち止まっては姿を見せるのを待っていた。グラスもグラスでそんなゴルシになぜか喜んでいた。(さながら「先輩へ欠かさず挨拶をする後輩の図」)
  • 輸入種牡馬で放牧地が隣だったアイルハヴアナザーとも相性が良かったのか、同じタイミングで歩いたり、先に帰ると鳴いたり、排便を見せつけられたりしていた。
  • 成人誌の竿役めいたレベル の紳士&絶倫&的中の種牡馬活動(後述)
  • ガチの競馬写真家によるゴルシのガチの写真集を作る為に800万円を目標にクラウドファンディングで募る→最後の最後で追い込むように集まり825万円に達して成功。黙ってすましていれば本当に美しい白馬である

などなど、いくつもエピソードがある。
そしてこれ(ら)を目の当たりにしたファンは、ある者は乾いた笑いを浮かべながら、またある者は自分に言い聞かせるかのように、皆口々にこう一言――。


「ま ぁ ゴ ル シ だ し」


中でもゲートとの相性は最悪の一言に尽き、上述のエピソードにもあるようにゲート入りを嫌がり、ゲート入りしてもゲート内で暴れたのはしょっちゅう*53
後年にゴルシがすんなりゲート入りしたり、入ってからすぐスタートできたりするだけで客席がどよめいていたのも、その気質の激しさ・強さを象徴するエピソードと言える、かも。
一応ゲートをブチコわしたりはしていないだけ、後に同じく極度のゲート難で有名になったブチコ*54と比べればまだ大人しい方ではあるが、何の自慢にもならないのは言うまでもあるまい
更に余談だが、そのブチコの娘で、ゴルシと同じく須貝厩舎所属のソダシ*55は、今浪氏に「あいつ(ゴルシ)に似てきた」と言われた事がある。

競走馬としてのキャリア最後のレースとなったのは2015年の有馬記念。キタサンブラックら若き新鋭達を抑えて1番人気となり、レース中一旦は先頭争いに入って大歓声を湧かせたものの、戦法*56が空回ったか最後の直線からまるで燃え尽きたかのように脚が伸びず、ゴールドアクターの8着に終わった。
が、その後の引退式でも誘導馬やインタビューで出た自分の名前に反応していななき、このレースの鞍上の内田氏のインタビューを中断させ、更に記念撮影を嫌がって5分程ごね続けるなど、最後までゴルシらしさ全開で振る舞い、笑いを誘ったのだった。

ちなみに「たまにでも~」は2015年春天後のコメント。横山騎手は2014年宝塚記念以降のレースを主に担当したが、この口振りからして、最後方から最初のコーナーに入る前に前方好位置に付きそのまますっ飛ばした2014年宝塚記念ですら真面目ではなかったようだ……。



120億円事件


ゴールドシップの三連覇か、それとも他馬が待ったを掛けるのか!


あーっ!?

ゴールドシップが立ち上がった!?


あーっ!!?

おーっと、立ち上がったゴールドシップ! 出ない出ない!

6万大観衆からどよめきーーーっ!!



そんなゴルシの特に有名なエピソードとして、「大得意の阪神競馬場で」*57「3連覇の懸かった」*58*59*60「圧倒的1番人気*61の」第56回宝塚記念(2015年)にてゲート内で立ち上がって約10馬身差もの特大出遅れをかまし、およそ120億円分の馬券全てを一瞬でただの紙屑にしてのけた通称「120億円事件」で、全くやる気のない無事の完走を優先した横山による走りもあり16頭中15着という自己最悪の結果を叩き出してしまった一件は欠かせないだろう。むしろこれ無しにゴルシを語るべきではない。
前走(2015年天皇賞(春))の反省から最初に目隠しの上でゲート入りさせられて長く待たされた挙句、スタート直前に隣でトーホウジャッカルにチャカつかれて気が立っており、しかもスターターがレバーを引くコンマ数秒前に立ち上がってしまうと言う不運が重なってしまったとはいえ、この時はさすがに彼も場内の空気を察したらしく、調教師が近寄って来ると顔を気まずそうに「こんなつもりじゃなかった」とでも言いたげに逸らしていた
この様子は写真にバッチリ収められている*62終始この白いのに振り回されて最下位になってしまったアドマイヤスピカはマジで泣いていい。
とはいえそのハチャメチャさと、このレースまでの順調さからやらかしを期待予想した者が多かった*63ためか、ブーイングのほとんどは「金返せ白いのー!」、「ゴルシ金返せぇ!!」と、ゴルシに向いていた。
また、当時のゴルシの騎手の横山氏やその他関係者にはむしろ同情的・擁護的な声の方が多く、このことについて他の紙屑化事件を知る者(特にその事件を起こした馬の当時の騎手)には概ね「馬の方ばかり責められてある意味羨ましい」と評されている。

競馬ファンの間では 「競馬に絶対は無い」 というある種の不文律があるが、この年の宝塚記念は(「シンボリルドルフには絶対がある」と言う格言との対比も含めて)その代表例の1つとして、同時に当時のゴルシのやらかしの意外性と人気の高さを示すレースとなったのだった。

ゴルシ並、あるいはそれ以上の額の紙屑化事件自体は他にもある。
とはいえそれらは単純にレースで普通に負けたり*64落馬したり*65降着になったり*66といったもので、同じステマ配合のオルフェーヴルも150億円溶かしたことがある*67
だが、この件は強さとやらかしの併存で有名な馬がよりにもよって3連覇の懸かった宝塚記念で立ち上がってしまった(≒レース開始直後に紙屑化がほぼ確定した)せいで自己最低記録のブービーを叩き出し、更にゴルシ1頭にブーイングが集中したがゆえに有名となっている節がある。
ゴルシが1位を取った2012年有馬記念のルーラーシップも10馬身もの大幅な出遅れがあったが、ゴルシほど有名ではなく、こちらは奮闘のかいあって3位だった。

このようにあまりにもゲート絡みで問題を起こしまくるため、何度かゲート入りの再審査が課せられたが、その度に一発合格していたらしい。故意犯だと疑われるのもむべなるかな。

ただ、今でこそこうして笑い話になっているが、真面目な話をするとこうしたゲートでの警告行為が積み重なれば最終的に出走停止処分とされてしまう。
そしてゴルシはその時点であと1回の警告でアウト、有馬記念のラストランがおじゃんになってしまうという瀬戸際まで来ていた。
そのため最終的にファンはもはや勝ち負けの前に「とにかくまずは無事にゲートに入ってスムーズに出てくれ」と祈るようになっていた、という背景があったことも付け加えておく。

また、このレースでG1初勝利を果たしたラブリーデイは、その後も京都大賞典・天皇賞(秋)と連勝し、2015年JRA最優秀4歳以上牡馬にも選出された。
どうしてもゴルシのやらかしの方が有名になってしまっているが、勝ち馬がその後大躍進を果たしたことも忘れてはならない。

この事件はゴルシの引退式に招かれた横山騎手が印象に残ったレースを聞かれた際、勝ち馬となった2014年の宝塚・2015年春の天皇賞や、惨敗にこそ終わったが出走できただけでも凄い凱旋門賞などではなく、この宝塚記念を挙げていた。むしろ忘れるほうが無理な話である
この回答に対し会場では爆笑の渦が巻き起こり、同時に「ゲートはちゃんと出て普通」とも答えるとこれに対しゴルシは唸っていた。
その引退式では加えて、涙ぐむ関係者へまるで「気にすんなよ」と言っているかのように反応する場面もあった。特に今浪氏が涙を流した際のリアクションを含めて涙を誘った……、つうかやっぱりこいつ頭良いわ。


引退後と現在

かくして良くも悪くも人の言うことを聞かなかったのが結果的に幸いしてか、 ゲート内で暴れて 筋肉痛になった時と 自身の脚がぶつかって 蹄球炎を発症した時以外大した怪我もせず無事に引退している。
そのため元々言われていた賢さから「(単にめちゃくちゃ頑丈だっただけではなく) 現役時代の舐めプに見えた仕草が実はゴルシなりの自己管理だったのではないか? 」という疑惑すら浮上している。
奇しくも父にも同じような疑惑が持ち上がったこともあるが、一線を退いた今、もはや真実はゴルシのみぞ知る……。
この唯我独尊ぶりから、現役時代も28戦中のわずか3戦を除いて全て1番人気か2番人気という人気を誇り、その引退式には4万人ものファンが詰めかけた。

引退後2016年初頭から2022年現在まで、北海道のビッグレッドファーム(以降BRF)で牧場筆頭の種牡馬として活動している*68
当初は繁殖馬としてはその気性の荒さが懸念されていたが、いざ繁殖入りすると一転して荒々しい振る舞いがほとんど無くなり*69、寧ろ年々大人しくなっては種牡馬展示会の場や見物客の前で愛想を振りまくなどネタに走るようになり*70、時にはお披露目などで大人しくも出来る器用さ見せている…しかし、やはり逆に大人しくしててもネタになるのは言うまでもない。

そして種牡馬としての彼は非常に種付けがウマいことが判明*71し、相手が嫌がることも滅多に無いらしく(むしろガチ惚れされるケースもあるそうな)、種付け成功率は驚きの9割後半を維持。
これ自体はあくまで「最終的に種付けを行えた割合」であり、『これだけが高くても他が良くないと困る数値』なのだが、その他の種付け回数当たりの数値も産駒数ですら70%強、受胎率に至っては4年連続約80%というチン記録*72を達成。
成人誌も真っ青な性豪ぶりに、引退後も種だけでなく更なる笑い話題を提供することとなった。
ちなみに祖父であるメジロマックイーンが引退後にすっかり老け込んでしまった事は有名な話であるが、ゴルシ自身は種牡馬としての生活が気に入ったらしく*73、他の種牡馬が種付けに向かうのを見ると「自分も連れて行け」とばかりに騒ぎ出し、
しまいには「種付け」、「種馬」(単に「種」?)というワードを聞いただけで(ツアー客一行に撮影されている中だろうと)「臨戦態勢」に突入するようになる程、実に愉快でファンキーなオッサンになった。これに関連して、2021年・2022年のBRF種牡馬展示会では立ち上がるなどの行為が無く、彼にしては大人しかった事から「お披露目で大人しくスマートにしていれば種付け件数が増えると悟った」だとかなんだとか指摘されている。寧ろそうとしか見えないしやっぱしコイツ頭いいの通り越して前世が人間なのでは?

……やはり話題が絶えそうな気配は無い。

ただ、ゴルシだから笑い話のようになっているが、馬も生き物なので本来は個々の趣味嗜好が存在し、意に添わない交合を嫌がって種付け作業が長引いたり、最悪頓挫したりすることも普通にありうる*74
おまけにそんなことを繰り返しさせられているうち、現役時代は穏やかな気性だったのに種牡馬入りしてから精神的に荒んで粗暴になったり*75、人間不信になってしまったりする馬*76も少なくない。
自身が嫌がらない場合でも種付け自体が極端に下手なケース*77やそもそも精虫が少なすぎて種牡馬検査に受からない場合*78もあり、ゴルシの種付けのウマさや受胎率の高さが注目されるのは、そういった事情が背景にあることも留意しておくべきだろう。
BRFの関係者によると、他馬での種付けが不受胎に終わった牝馬の相手に受胎率の高さを見込まれて指名を受けることもあるらしい。さながら種付けの駆け込み寺

産駒の成績と傾向

産駒の成績に目を移すと、初年度(2017年)産駒からは2019年の札幌2歳ステークスを勝ったブラックホール、2020年オークスで3着に入ったウインマイティ、
2021年目黒記念*79を牝馬としては1988年のメジロフルマー以来33年ぶりに勝利し、同年のオールカマー2着で、1着のウインマリリンと(地味にウイン冠名で初の)ワンツーを飾ったウインキートスを輩出。
2年目(2018年)の産駒であるシロイアレノムスメ*80ユーバーレーベン*81は2021年のオークスを制し、早くもGIホースの父という名誉ある称号を手にしている*82
ある意味ウインキートスのようなノーザンテースト系かユーバーレーベンのようなHalo系の血統強化で成績が見られる傾向にあり、産駒が晩成型ステイヤー気味が多いのではではないかと心配されながらも意外と早熟な産駒も多い。しかも非社台系種牡馬としては腐ってもマイネル軍団らしく現状なかなかの成績を残しており*83、この先の活躍にも期待がかかる。

ただ頑丈さは遺伝しづらいらしく、ブラックホールが早くも故障引退し、他に4頭*84が予後不良を起こしている件は少々気になるところではある。*85
そもそもズル賢くペース配分が出来てたとされる上にクソ頑丈でヒールチート持ちのようなオヤジが異常なだけで比べてはいけないのではあるが。自己管理疑惑の論拠がまた一つ。
一方でユーバーレーベンは母方の血統の影響*86かオークスの後に屈腱周囲炎らしき症状が認められたものの、5カ月後のぶっつけ本番で秋華賞に向かっている。だが治癒はしても本調子には戻らなかったようで13着に終わった上、鼻出血も見られた。

産駒の脚質で言うと、やはり父親譲りのスタミナ豊富な中長距離で強いステイヤータイプが多めではあるが、逆にジュニパーベリーのような1000m直線のスプリントレースに勝ってオープン昇格を果たす馬も存在するなど、似ても似つかないタイプまで登場しカオスな様相を呈している。
しかも何故かゴルシが宝塚連覇・阪神大賞典3連覇ととにかく勝ちを掻っ攫うなどして得意としていた阪神では勝率が極端に悪く、逆に彼が大の苦手としていた府中(東京競馬場)でやたら好成績だったりする。
……要は彼とは逆に坂が緩ければ強い場合が多く、現に札幌・函館1800mの勝率がやたら良い(札幌に至っては連対率4割超え)など、父親とは真逆の産駒が多いのもある意味特徴である*87
一応種付け相手の幅広さを考えればある意味自然ではあるが、やはり種牡馬になって日が浅く血統方程式が読めない事と、ゴルシ自体血統がインブリードしづらい*88のもある模様。
しかし、従前から懸念されていたゴルシ似……もといステゴ系の気性難を持った馬は当初あまり聞かれず、
デビュー前のユリシーズが(2020年のセレクションセールで大暴れし去勢されて騙馬としてデビューした為)その疑惑を持たれていた位であった。
まぁ寧ろゴルシの気性が特殊なのでそれを持った産駒と言うのもある意味困りものであるが。
が、2021年デビューのゴールドローズ*89やタイラーテソーロ*90をはじめとして若干オヤジ譲りの性格の馬もちらほら出て来ている模様。

はっきりと苦手な傾向があるのがダートとマイルである。
中央競馬のダートではマリオマッハー(オープン)とメガゴールド(3勝クラス)、ジーマックス(2勝クラス)が目立つくらいで、牝馬は2022年3月にウインメイフラワー*91が勝利するまで勝ち星ゼロだった。2021年には中央ダート出走107戦でわずか3勝と低迷している。
未勝利戦で勝ち上がれず地方に転厩を余儀なくされた馬でも3歳で2勝、4歳で3勝すれば中央の1勝クラスとして扱われるため復帰は可能(馬主がNRA、JRA両方の資格を持っているか、JRAの馬主資格所持者に譲渡した場合)だが、地方ダートで勝ち上がり速攻で復帰を果たせたのはウインエアフォルク、シュルシャガナ、ルリオウとわずかであり、地方のダートに馴染めないままもがき苦しんでいる産駒は少なくない。
もちろん名古屋のツインシップ、佐賀のホウオウテーラー、川崎のゴールドフレイバー、浦和のトーセンフランク等と地方で根を張り着実に勝ち星を重ねている産駒もいるし、コスモナビゲーターのように中央芝で全く走らず地方に移籍したとたん絶好調というような特殊例*92もあるにはあるのだが…。
ゴールドシップ産駒が中央で高い勝ち上がり率とまずまずのAEIを出している割に体調を崩すほどの種付け数にならないのは、こうしたダートの成績の悪さから「主取り」(セレクトセールで希望額まで値が付かず、生産者が買い取る事)になった場合のリスク*93が忌避されてのことと思われ、母母父がオルフェーヴルはノーザンテーストであるのに対しゴルシはプルラリズムである点も種付料が例年据え置きとなっているものと思われる。

マイルに至っては現状クロノメーター(3勝クラス)しか勝っていない鬼門中の鬼門。マイルは短距離でもスタートダッシュの後一旦ペースを落として直線で再度加速といったスピードの変化が大きく、加速に時間がかかる傾向が強い産駒とは特に相性が悪い。

なお、2021年の重賞獲得が牝馬のみだったためフィリーサイアー(好成績が極端に牝馬に偏っている種牡馬)気味と指摘する声もあるが、勝ち上がりが若干遅い傾向がみられるものの実際の獲得賞金総額で言うと牡馬と牝馬の差はあまり無く、条件戦や格上挑戦で順当にオープン昇格を果たした牡馬は既に3頭(うち1億超えではノーザン産のマカオンドールが)出ている。

現状の不安材料としては、ゴールドシップ及び産駒の能力そのものよりも産駒の主力顧客であるビッグレッドグループ傘下の一口馬主クラブ「サラブレッドクラブ・ラフィアン」「コスモオーナーズ」の問題と相性だろう。

どちらのグループも先代総帥である岡田氏の個人的なコネで騎手が重用される傾向があると言われ、ここ数年の主戦騎手は柴田大知、丹内祐次の両騎手が務めることが多い。
が、柴田騎手は逃げが主戦法であり、最後の直線で馬群を捌くのが苦手と行き足がつきにくく追い込みが主戦法となりやすいゴールドシップ産駒と相性が悪い。また癖馬を制御することを苦手としているためゴールドシップに限らずステゴ系種牡馬産駒全般との相性も悪い*94
また2019年に150連敗、2020年に160連敗、2021年にも99連敗を記録するなど単純に騎手としての衰えもあり、2021年にはローカル開催(福島・新潟等)の未勝利戦以外でゴールドシップ産駒の勝ち星ゼロ、ゴールドシップ産駒以外も含めた全勝率でも3%という惨状を呈している。
ラフィアン全体で見ても2021年には中央デビュー産駒の勝ち上がり率が一口馬主クラブとして最低の10%を割るなど、少なくない馬が勝ち上がりを果たせないまま無理なローテーションで故障・抹消されたり、障害転向を余儀なくされたりといった事態に陥っており、早急な改善が望まれる。
なお、オークスに勝ったユーバーレーベンもラフィアン所有馬だが、預託先の手塚貴久調教師はミルコ・デムーロ、戸崎圭太*95の両騎手を騎乗させることを最優先しており、柴田騎手はアルテミスステークス(9着)でしか騎乗していない。

一方、岡田総帥の三男がトップを務めるウインレーシングは(総帥の死後のお家騒動で、実質所有していたコスモヴューファームと共に)2021年5月末にグループを離脱後、新人の減量騎手を柔軟に登用するなど柴田騎手を騎乗させない(一応丹内はウインキートスの主戦騎手を務めるなどしてたまに騎乗している)方針を明確にしており、こちらは所有していた2017年産駒4頭の中央勝ち上がり率100%(うち一頭のウインエアフォルクは売却→地方転厩→中央復帰後の勝利)と爆発力はないものの比較的好調である。

またゴールドシップ産駒に限ったことではないが、一口馬主クラブに所有された馬が逃れえぬ問題に最近ではもはや主流となった外厩の調整能力がある。戦いが続いた後疲労から回復するために放牧に出される際はラフィアンやコスモオーナーズではビッグレッドファーム鉾田、ウインレーシングではコスモヴューファーム、ノルマンディーオーナーズではノルマンディーファーム小野町といった系列の牧場で放牧されることが多いのだが、いずれも設備や人員の問題もあって一線級の管理能力とはいいがたく、完全に体が緩んでしまったり、酷い場合には疾病を発症したりと帰厩後に戦闘態勢が整うまでに余計な時間がかかる事も少なくない。そんな状態でもクラブ馬としての宿命から出走をせっつかれる場合もあり、潜在能力を発揮できないまま凡走する例も後を絶たない*96。俗に「天栄仕上げ」と言われるノーザンファーム*97での調整ができる馬たちとはこの時点でビハインドを抱えており、これを馬の能力だけで覆せというのは酷な話だろう。

ちなみにその種牡馬適性の高さからか産駒の毛色も多様であり、その中には珍しい白毛もいる。しかもその第1号で2020年産まれのアオラキの白毛の由来はブチコやソダシでお馴染みのシラユキヒメ*98ではなく、母カスタディーヴァのそのまた母であるジオペラハウス(ジ・オペラハウス:The Opera House)*99*100
さらに彼の白毛産駒第2号となるサトノジャスミンの2022は、牝系の6代前はホワイトビューティー*101がルーツと言う歴史的白毛。加えて牝馬なので言わば『アレノシロイムスメ』であり(既に白毛遺伝子を持つメンデルの法則上)白毛率が単純計算50%のところを2回目も白毛に産まれている*102ことと合わせ、白毛馬産出に関しては芦毛であったクロフネの再来且つ現状存命の有力芦毛種牡馬がゴルシ位であるためか、早くも注目を集めつつある。
他には牝系の8代前がゴルシと同じ星旗というホッコーサラスターとの産駒にホシハタノキセキがおり、その血統と馬名で一時期話題となったりもしている。

また、上述したように他馬での種付けが不受胎に終わった牝馬の駆け込み寺的需要*103も重要な強みとも言える。


総評

エンターテイナー精神を振るってそのレパートリー豊富な奇行ファンサービスなどでファンの心を掴んでおり、何とも憎めない馬である。
特にその気まぐれぶりやイケメンぶり、牝馬への紳士ぶりから女性ファンが非常に多く*104、その豪快なレースぶりから(選出には程遠いが)顕彰馬投票でも大抵票が入る常連でもある。
後述するウマ娘に登場しているものの、名前だけで検索すると他のウマ娘に登場している競走馬のほとんどはウマ娘の方が先に出るのに対し、
ゴールドシップは馬の画像から先にズラリと並ぶあたり、その人気やネタ画像のレパートリーの程が窺えるだろう。
とはいえ「ゴルシ」で検索するとさすがにウマ娘の方が先に出てくるが。

ちなみにこんなんでも気性難揃いと評判のステイゴールド産駒の中では比較的マシな方
父・ステイゴールドが「馬だけど肉与えたら喰うんじゃないか*105」と囁かれるほど荒くれ気質で凶暴だったことを鑑みると、賢くてひょうきんで気分屋……で済んだゴルシは本当に大人しい方である。と言うよりこれが本来の性格とも言えなくもないが。
おそらく母方の血が、説明しづらいがとにかくこう……、……何か良い方向に作用したのだ。きっと。
気に入らないことを断固拒否する気難しさは母父由来とされるが。

ファンからの主な愛称は「苺大福」。
これは芦毛の白(っぽ)い馬体と鼻先にうっすら混じるピンク色という配色に加えて、デビュー5戦目から10連続で1着と5着だけ取り続けた挙句(特に11戦目から14戦目までは1着と5着を交互に取り)、デビュー15戦目に15着でオチをつけたエピソードに因んだもの。
その他体の頑丈さから名前に引っかけて「不沈艦」、一つ上の同父産駒の暴君をもじった「芦毛の暴君」、行動と成績の読めなさ(及び120億円事件でやらかした実績にその毛色と当時白毛と居合わせなかったこと)から揶揄と呆れと諦め(と、少しの愛情)を込めて「白いの」「シロイアレ豆大福と呼ばれる場合もある。

先述したあれこれだけ見ると 迷馬 としか思えないが、 G1を6勝(史上9頭目) *106、結果的に惨敗してしまったものの 世界最高峰のレースである凱旋門賞にも出走 するなどの実績を残しており、かの12クラシック世代の筆頭馬の1頭である時点で文句なしに 名馬 であることは間違いない。しかも天下の社台グループ生産馬でなく地方中小牧場産、そして馬主も主要クラブ系でなくてこれである。
レース内容でも やる気にさえなれば 雨で荒れた馬場をフルスピードで突っ切り、道中はやる気が出ず後方でぽつんと走っていたと思いきややっとやる気を出しいつの間にか先頭集団に紛れ込んでそのまままとめてぶち抜いていく豪快な走りは稀代のものであり、人々を魅了するに足るものであった。
道中の出来が悪くなりがちな一方で やる気にさえなれば 並大抵の不利は挽回してしまうため、「レース前半はゴルシを見なくていい」とまで評したファンもいるくらい。

しかし、ゴールドシップはその一方で気が乗らないとテコでも走らない、「体調が良くて、気力が充実してて、走りたいと思っている以外はいい加減(岡田談)」と言う、気まぐれを絵に描いたような馬でもある。
おかげで当時の競馬ファンの間では非難のことごとくが「 ゴルシを信じた奴が悪い 」と一蹴され、「(迷馬という他無いほど気分屋な)ゴルシ買う馬鹿、(無尽蔵のスタミナを誇る名馬な)ゴルシ買わぬ馬鹿」という格言(?)すら飛び出していた。
要はゴルシが勝てば「なんでゴルシを買わなかったの」とバカにされ、ゴルシがやらかせば「なんでゴルシを買ったの」と責められていた。どうしろと……。
これらもあって単純に調子が読めない馬である事は上述のゴルシ伝説の項冒頭でも述べた通りであるが、
これに加えてゴルシが勝つ場合は必然的に他をスタミナですり潰すレースになることから、複勝圏内に連れてくる馬も上位人気な末脚自慢ではなく人気薄のスタミナ自慢というケースが多く*107
そうでなくとも2012年の東京優駿よろしくレースペースに付き合った人気勢が撃沈……といったことが起きていた為、単勝・複勝以外で買う場合にも予想が困難であり、馬券師には厄介極まりない存在となっていた。
実際、岡田氏には「あのウマ、キャラクターとしてはウケるんですけど、経済的に関わってる人(馬券を買ってる人)はハラハラドキドキですよね」と大いにネタにされる始末である。

と、このように文句なしの実績もある名馬だが、負けるときは豪快で気紛れ。おまけに人間臭い賢さを持った種付けまでウマい芦毛の愛嬌のある馬と言う、恐らく今後十年単位で出て来ないであろうある意味唯一無二と言える『 名馬にして迷馬 』の代表格と言えよう。

(二次)創作上でのゴルシ

競走馬を擬人化した漫画「馬なり1ハロン劇場」では作者がキャラを掴み切れなかった事(ファンもまだネタ馬と認識していなかったという事でもある)もあってキャラ付けが迷走気味で、シルバーコレクターのジャスタウェイに円筒を着せて爆弾にするくらいしかネタが無かったが(しかもそれも初出では他の馬がしていたネタ)、
第151回天皇賞(春)と第56回宝塚記念を機にようやく奇声を上げて暴れ回るという持ちネタ(?)を得る事となった。ちなみに毛並みもリアルを反映してか第151回天皇賞から白色となっている。
しかし、宝塚記念後の登場が有馬記念後の引退式だったため特に出番の増加には繋がらなかった。
余談だが出番初回等では天上から子孫達に期待を掛ける祖父サンデーサイレンスとメジロマックイーンの霊も登場しており、サンデーの方は自分の孫が勢ぞろいした2012ダービーにて一時降臨して孫じゃない馬を威圧したため大御所が連行
マックイーンの方は全弟(後のゴールドフラッグ)の世話で母が手一杯なのに拗ねて家出したゴルシの全妹「ポイントフラッグの2014」(後のフラワーシップ)の前に現れ、天皇賞に出る兄の所に奇行は隠しつつ連れて行った引退式では孫そっちのけで「じゃない方」繋がりなゴールドアクターと会っていたけど
本作はゴールドシップに限らずリアルタイムの連載という事で、実際の馬が徐々に明らかになる性格で漫画内の性格と解離するの自体は珍しくないのだが、作者自身実際の馬が凄すぎてキャラに苦労したと漏らしたのには、かのオルフェーヴルも存在しており、奇しくも両者ともステマ配合である。
そんなわけで本編ではいまいち影が薄かったゴルシだが、2021年に現実の彼の人気を受けてなんとゴルシが登場する回を中心にした総集編が発売(電子書籍限定)。
同時期には続編『馬なり1ハロン!NEO』第105R「新たな光」(オークス回)で久々に登場し、遠くから中々勝てない娘ユーバーレーベンを案じていたそのせいでダノンバラードからかつて父がメインだった「ブロコレ倶楽部」への娘の入会を勧められたが
ちなみに過去に同様の総集編が出た馬はあのオグリキャップただ一頭のみである。
また作中の芦毛馬としては珍しく「白くなる過程」がある程度描かれているのが特徴で、
デビュー時~2014年頃までの芦毛色・2015年の鬣や首等に色が残った白色・2022年の発売予定のゲーム『ウイニングポスト9 2022』コラボ4コマ時の鬣が黒から灰色に変わった姿・そして『NEO』登場時のほぼ白毛風と時期ごとに色が変化している。

Cygames社がアプリ・アニメなどのメディア展開を行っている『ウマ娘 プリティーダービー』では、競馬を題材に実際の競走馬を(初の牝牡不問で)擬人化・美少女化させたキャラクターが登場しており、ゴールドシップもその中に含まれている。
当作では見た目こそ美人だが言動は非常にハジケている、という強烈だがモチーフ元に忠実な個性を持っており、彼女の影響で実際のゴールドシップも競馬ファン以外からも認知されるようになった*108勿論あの120億円事件ごと。
その実質ハジケリストと評されるとんでもないイカれキャラは原作ゲームやアニメ版すら超えるイカれぶりとされるコミックス版「STARTING GATE!」を以てしても(先述のように画像検索で「ゴールドシップ」とだけ検索すれば馬の方からズラリと並ぶなど) アレでも本物の馬の方がまだキャラが濃い *109だの、果ては実馬が原作呼ばわりされる傾向がある中で「 原作以上の二次創作は不可能 」と言わしめ、上述通り「ゴールドシップ」と検索すれば本馬の方がイヤと言う程出て来る為かMADやコラ画像等の二次創作で度々本馬の方の画像・映像が(寧ろ唯一と言って良いほどに)使われるなど…色々さすがとしか言いようがない。
2021年度のネット流行語大賞では『ウマ娘 プリティーダービー』が1位に輝き、ウマ娘のキャラも2位のゴルシを筆頭に多数名を連ねているのだが、そんな中5位に馬の方のゴルシが(元)競走馬から唯一のランクインをしており、まさかの擬人化キャラとその元ネタが揃ってトップ10入りという珍事を引き起こした。
ついでに120億円事件もしれっと43位にランクインしていた。

なお、二次創作ではないが上記の破天荒なエピソードの数々から、漫画『みどりのマキバオー』に登場するベアナックルになぞらえる声も散見される。

余談

ゴルシの気性は唯一無二とも称されがちだが、似ている馬としてアメリカから逆輸入されたラニ*110がいる。と言うのも彼も550kgを誇る巨体でゲート下手スタミナゴリ押しで調教嫌い。尚且つヤンチャな聞かん坊であった為、ダートを主戦場としていた事から「砂のゴールドシップ」の異名を持つ。そこまではアレであるが、アメリカの至宝とまで呼ばれたカリフォルニアクローム*111をメンチ切り合戦の末に引き下がらせると言った蛮行をはじめとした数々の武闘エピソード*112で、アメリカを中心に「クレイジーホース」「ゴジラ」と称され、現地では完全に怪獣と化している風刺画が描かれたり同じくコラ画像も作られているなど、武闘の方でゴルシ以上に伝説の馬となっている。

また、写真面でネタになる馬としては「エアジ」ことエアジハード*113も挙げられる。こちらはサンタクロースやハロウィンのコスプレだったり麦わら帽子を被った姿がInstagramで上げられネタにされている他、舌出し写真もかなり存在する(こちらは意図して出している訳ではなく、あくびによるものだが)。


スタートダッシュで出遅れるΣ(゚Д゚)

どこまでいっても離される(;´Д`)

ここでオマエが負けたなら


おいらの生活ままならぬ!(´;ω;`)




追記・修正はスタート直前にゲートから立ち上がってからお願いします。

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最終更新:2022年05月21日 18:19

*1 セカイオー('56-'58 鳴尾記念(現GIII))、シゲルホームラン('93-'95 セイユウ記念(同年を以て廃止))、タップダンスシチー('03-'05 GII金鯱賞)、エリモハリアー('05-'07 GIII函館記念)、マツリダゴッホ('07-'09 GIIオールカマー)に次ぐ記録。なお後にアルバート('15-'17 GIIステイヤーズステークス)も達成しており、2022年現在7頭。

*2 うちGI 6勝、GII 4勝、GIII 1勝。なお重賞11勝はテイエムオペラオーとオグリキャップの12勝に次ぎ、オルフェーヴル(海外2勝含む)と並ぶ記録である。

*3 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) が発表する、世界の競走馬の格付け。各競走4着までの入線馬の斤量・着差・相手馬の実績を基準とした平均レーティング(単位はポンド。なおレースそのものの格付け基準ともなっており、GIは115以上を要する)からスコアを算出する。特にジャスタウェイが2014年にドバイDFで記録した単独世界1位記録となる130が著名。ゴルシの場合は2012年有馬記念・2013年・2014年宝塚記念の124(L:長距離部門)、2014年・2015年阪神大賞典の120(E:超長距離部門。2014年より天皇賞春の優先出走権付与につきリスト入り)を記録している。

*4 ちなみに白くなる前の毛色は栗毛であり、特に当歳時は既にピンクがかっていた鼻先とそこへ額から通る大きな流星もあって父の母ゴールデンサッシュを彷彿とさせる外見であった。

*5 元々小柄な馬はあまり人気が無く、おまけにステイゴールド自体が晩成型の長距離寄りの中距離向けと思われていたが、彼が2001年香港ヴァーズ(国際GI)を制していた事、更にステゴ産駒初のグランプリ馬で、ステマ配合最初の馬であったドリームジャーニーが1600mの朝日杯フューチュリティステークスを制覇。これを以て小柄でも丈夫で幅広い距離に対応出来て安価で国際GI制覇馬に種付け出来た事で、地位を確立していた経緯があった。

*6 しばしば性格面について「中和させようとして配合した」と語られることがあるが、企図されたのはあくまで(母父にマックイーンが来る)小柄かつ頑丈な仔の産出だけであり、そもそも性格を近づけると言う事はあっても、血統理論上中和させる事は血統の複雑さ(+それによる市場価格変動)を含めて生き物である以上不可能である。現に細かな性格を狙った交配が無駄なことは、かのドリームジャーニーの性格が相棒の池添謙一をして「(同じく母オリエンタルアートの全弟)オルフェーヴルより狂暴」と言わしめた時点で明白であった、

*7 ステマ配合が認知されたのはひとつ上の世代であり、母を異にするオルフェーヴルとフェイトフルウォーが揃って重賞を制覇したのが要因であり、ゴールドシップが配合された時点では「ステイゴールド産駒は当たり外れはデカいが小柄で頑丈になる傾向がある」くらいにしか思われていなかった。ところがそれらより大柄なゴルシの活躍からこのステマ配合はさらに加速。五匹目六匹目のドジョウを狙ってステゴxオリエンタルアート・ポイントフラッグをはじめとしたステマ配合馬の種付けが繰り返され、中にはヤマニンリュウセイのような2x3(父父・母母父にSS)の強烈な近親交配に走ったケースまで現れるも、産出された全弟・全妹はじめとした馬は成績を出せずにブームは終焉。皮肉にもゴルシがそのステマ配合で大成した最後の馬であった。

*8 それでも半兄・半姉よりは馬体重にして20kg程軽く、この時点では最も小柄な部類である。

*9 1931~32年に掛けてアメリカから輸入された6頭(この馬の血統は俗に「星の血統」と呼ばれている)のうち最初に輸入された牝馬。戦前帝室御賞典を制した女傑「クレオパトラトマス(月城)」、第8回日本ダービーを制した「クモハタ」と言った名馬を生み出した。かの社台の創設者であった吉田善哉氏が女王と仰ぎ「ああいう馬が欲しい」と述懐し憧れを持った馬でもあった。

*10 彼を生産した日高の出口牧場は、現在レースの総獲得賞金の約7割がゴルシによるものという規模であり、それまでの中央競馬重賞勝ち馬は1988年のアルゼンチン共和国杯(GII)、1986年のセントライト記念(GIII)を勝ち鞍とするレジェンドテイオー(獲得賞金1億8350万円)のみであった。

*11 尤も、オルフェーヴルも幼少期は体の小ささから群れの中でいじめに遭いやすく、それがレースで見せる強烈な反骨心を育んだと言われている。

*12 蹄の後にある蹄球部が挫傷する事で起こる炎症。俗称「ツキアゲ」とも。疼痛・跛行により発覚する事が多いが、進行した場合裂蹄する事もある。

*13 蹄球炎により4日休んだものの調整に遅れが生じて2か月後の凱旋門賞を断念。

*14 蹄球炎で引退。

*15 2013年阪神大賞典4着のベールドインパクト(無謀にも福永がゴルシにスタミナ勝負に挑んだ結果重度の右前脚屈腱炎で引退)、2012年の菊花/有馬で出走したスカイディグニティ(有馬後に右前脚屈腱炎発覚で全治9か月)。特に2012年日本ダービーはゴルシは5着であったものの、1着のディープブリランテ(7月のキングジョージ6世・クイーンエリザベスステークス出場後に右前脚屈腱炎で引退)をはじめ、3位のトーセンホマレボシ(右前脚屈腱炎で引退)、4着のワールドエース(彼と同じ上がり最速タイで攻めた結果、左前球節炎→左前脚屈腱炎で約1年半強休養)とディープ産駒が軒並み故障する事態に見舞われ、2004年の死のダービーの再来ともされた。なおこうやって怪我引退したのが軒並みディープ産駒だった一方で、先述のダービー2位のフェノーメノ(ステゴ産駒)は普通に無事だったため、ステゴ産駒の親父譲りな出鱈目とも言える頑丈さが強調されることになった。

*16 一般的に彼はスタートで出遅れがちと言うイメージが強いが、岩田康誠が騎乗していた際にはどう言う訳か好スタートを切っており、岩田の騎乗4レース中'14・'15阪神大賞典で勝ちを決めている(が、'14年有馬記念・'15年AJCCでは周囲のレースペースに合わせすぎて積極的に行けず終始後手に回り過ぎた)。

*17 その逆がディープ産駒のジェンティルドンナであり、東京競馬場と2014年に路盤改修で高速馬場化した中山競馬場ではその加速力を活かして強さを発揮した一方、阪神・京都を制したのは桜花・ローズS・秋華の牝馬戦もといヴィルシーナの絶妙なペース配分の恩恵であり、阪神では宝塚でゴルシに2度、京都では京都記念でデスペラードに敗けるなど苦手としていた。

*18 ゴールドシップ以外では同じ芦毛の名馬ヒシミラクル(血統的にはゴルシの従兄弟違い)もこのような戦法を取ることがあった

*19 競馬評論家の井崎脩五郎氏曰く「頭が凄く良くて繊細過ぎて調子に波がある」とし、レースペースが遅いと「付き合ってられるか!行かせろ!!」、出走頭数が多いと「ごちゃごちゃしてんなァ…」、レース間隔が短いと「この前走ったろ!なんでまた走らせるんだ!!」と言う感情になっていたのだろうと語っている。

*20 競走馬が走るコースの柵を埒(ラチ)と言い、内ラチはコースの内回りの柵のこと。ちなみに慣用句の「埒が明かない」の埒はこれ。

*21 内ラチに沿って走れば距離が縮むため当然有利なのだが、旋回角度がきつくなって足への負担が大きくなるため、苦手とする馬は少なくない。先行して楽なコースを取ろうにも、それもまた簡単なことではない。

*22 なお、2着のワールドエースもゴルシと同様後方からの競馬で2着に突っ込んでいるが、こちらはセオリー通り荒れた内側を避けて大外から捲りを仕掛けていたため、結果的にコース取りの差がそのまま着順に響く形となった。

*23 京都競馬場の3000m/3200mコースでの重賞レースは18頭前後で開催される為、馬群が密集して終始外を回らされ大幅に距離をロスしてしまう。故に通常は逃げ馬でない限りは内枠が有利とされ、追い込み馬は仕掛けが遅いと致命的な負けに繋がる。これもあって通常1枠1番をかなぐり捨てる事は無謀な行為である。あくまで通常はであるが。

*24 この淀の坂の下からスパートを掛けて勝利した馬としては、件のミスターシービーの他に1995年第111回天皇賞・春でのライスシャワーぐらいである。おまけに2015年の天皇賞(春)でも同じ手を使っている為、彼は唯一複数回淀の坂で仕掛けた馬でもある。

*25 ただし、彼の出走全レースのうち稍重だったのは2011年の札幌二歳S(2位。勝ち馬はグランデッツァ)と、かの2012年皐月賞のみで他は良馬場だった。しかし一応2014年の宝塚記念では直前に大雨レベルの通り雨があった(須貝師が雨乞いした事でも有名)事もあった。

*26 その中に春天連覇を達成したフェノーメノ、GI7勝(G1開催5場制覇)を挙げJC連覇を果たし、当時の賞金女王となった三冠牝馬にしてJRA顕彰馬のジェンティルドンナ、ヴィクトリアマイルを其々連覇したヴィルシーナ(2013,2014)・ストレイトガール(2015,2016)、そしてドバイDFでレコードの圧勝劇を演じ、日本調教馬として初めて世界レーティングで単独1位になったゴルシの盟友ジャスタウェイ、ダート無双のJRA賞最優秀ダートホースにして、東京大賞典連覇馬のホッコータルマエなどがいる。

*27 宝塚記念のゴルシ、ジャパンカップのドンナ、春天のフェノ、ヴィクトリアマイルのヴィルシーナとストレイトガール(なお後者は7歳牝馬初のG1制覇でもある)、東京大賞典のホッコータルマエ

*28 前ポツン代表格の1998年菊花賞でのセイウンスカイと並びノリポツンの代表格とされるレースでもある。なお後方追随且つ横ポツンで勝利したレースは2000mまでで複数例あるが、長距離且つ重賞以上での後方&横ポツンは未だこれが唯一。

*29 この時走った京都競馬場でのそれまでの戦績は4戦1勝と振るっておらず、ゴルシの勝利を予想する下馬評は少なかった(この際の1番人気はキズナでゴルシは2番人気)。とは言え、上述したように逃げ・先行有利、仕掛けても早めの仕掛けで無ければ勝ちきれない京都での2度の天皇賞(春)や京都大賞典で敗れたレースでは、何れも3コーナーから先の捲りを封じられるなどして不発となっていた。そこで鞍上の横山典弘は珍しくゴルシへゲキを入れ、淀の坂全力疾走策に出たのであった。

*30 関わった人々は口を揃えて「頭が良いのは間違いない」と証言しており、実際に人の意図や場の空気を理解しているかのような反応も複数目撃されている。

*31 日刊スポーツ「会いウマ Vol.1」におけるBRF木村主任曰く、父ステイゴールドもリンゴを苦手としていたらしく、ゴルシも同じらしい。ただし匂いだけでも嫌がり遂には喰わなかったステゴと違い、ゴルシはリンゴを喰えない訳ではなく、丸ごと齧って喰っている姿を目撃した者も存在する。

*32 ただしこれに関しては気性難の馬なら特に珍しい事例ではない。例えばゴルシの父ステイゴールドがサンデーサイレンス、ヘイロー、ヘイルトゥリーズン、と連なる容赦なく噛みついたり踏み付けたりとガチで人を殺しに来るレベルの暴れん坊血統であるのは有名な話。

*33 トーセンジョーダン自体が(あの池江厩舎だけにドリジャの跡を継いだ)栗東の大ボスで、ゴルシが入厩時に彼に威嚇された為一方的に仕掛けに行っていた模様。

*34 フェノーメノが美浦でドルジ(朝青龍)と呼ばれたボス格の馬だった為にケンカを売りに行った模様。

*35 宝塚記念前の栗東での坂路調教中威嚇していた事が日刊ゲンダイにより報じられている。また同時にサンライズメジャーにも威嚇していたとも報じている。

*36 舎弟のつもりだったからとか、ジャスタウェイが芦毛フェチだったからという説もある。

*37 相反する性格の二頭を隣同士の馬房とすることで、欠点を埋め合わせることを期待したのだが、意に反してそのまま仲良くなってしまった。とは言え「実際にこの2頭がいたからこそ成長した」旨を今浪氏が語っている。

*38 タイセイモンスターは引退後、その穏やかな性格から公益財団法人軽種馬育成調教センター(BTC)の研修馬として活躍している。なおゴルシを大人しくさせた馬・ゴルシの親友と言う事でこちらもBTCではネタにされているようである。

*39 しかもタイセイモンスターが登録抹消されたのは2013年の11月6日付だった為、同月24日に開催された第33回ジャパンカップの15位惨敗の原因の1つが、彼の引退抹消によるガチ凹みによるものともされている。もっとも須貝の怒りを買って主戦騎手を下ろされたように、当時内田が騎乗ミスを犯した事も要因であるが。

*40 対する今浪氏も「手の掛かる性格な分、とても可愛い」と評しており、種牡馬入り後もしばしば顔を見せては喜ばれているなど、ゴルシとは切っても切れない関係にある。とはいえ不機嫌な時はその今浪氏でも手を付けられなかったが。

*41 その須貝調教師はゴルシに翻弄されすぎたせいか、2015年には円形脱毛症になっていた。ただし、引退式数日前のトレセンで須貝師にじゃれついていたりする。いわゆるツンデレである。

*42 実際にローブティサージュ、クルミナル、レッドリヴェールあたりが入厩していた。なおほぼ同様の例として、かのステゴを担当した池江泰郎厩舎も「あのステゴを(ry」と言う理由で癖馬ばかり集まるようになり、定年により後を継いだ息子の池江泰寿も実際にドリジャ・オルフェ兄弟を担当している。

*43 『他の仔馬達から少し離れてどっしり構え、仔馬らしからぬ落ち着きぶりでその様子を観察し、喧嘩があればすぐ止めに入ってた』など。

*44 それでも北村氏はデビューから引退まで一貫して調教を担当していた為、今浪氏と共に彼を知り尽くした言わば相棒である事に変わりはない。なお北村氏は彼のデビュー1年半前に騎手を引退した転身組であり、彼に乗れなかった事が悔いとして残っている事と、乗るなら大逃げ戦法を取っていた事を挙げている。

*45 ちなみにこの宝塚記念でのジェンティルドンナと鞍上の岩田康誠のコンビは、前年2012年のジャパンカップでもオルフェーヴルに体当たりして強引に進路を抉じ開けた事で、騎乗2日停止が下されるなど物議を醸していた。が、オルフェーヴルが460㎏(かつ凱旋門賞から帰国したばかりであった)と軽かったのに対し、ゴルシは500㎏の大型馬だった上にスタミナのバケモンだった(+岩田が直近の安田記念でもロードカナロアでラフプレーをかましたために鞍上の内田が「どうせ来るだろう」と構えていた)事から、470㎏のジェンティルドンナは逆に押し返されて失速している。

*46 「鳴く」「嘶く」というレベルではなく、熊のソレを思わせるまさに「吠える」ような野太い声である。その吠えように騎手はほぼ全員が覗き込み、その場にいたスタッフも後に「馬が吠えるのを初めて見た」と証言する程(競走後、隣のゲートにいた勝ち馬のフェノーメノに騎乗していた蛯名正義騎手(2022年から調教師)がその様子を絶叫混じりでマネしているところを中継で抜かれてネタにされた)。更に当時中継でレポーターを担当していた細江純子女史すら取り乱し、後に「寒気すら感じたほど恐怖した」と言わしめている。

*47 今浪氏はフェノーメノを威嚇したと推測しているが、他方でゲートイン時に誘導員がゴルシの尻を軽く叩く様子も目撃されており、これが原因(主要因)とする見方もある。

*48 同氏曰く「賢いが故に反感を持つと意地でも従わなくなってしまうらしいので、とにかくゴルシの機嫌を損ねないことを優先した」とか。元々が「馬に合わせる」スタンスの騎手だった事もあってかこのご機嫌取り戦法で見事優勝をもぎ取っている。

*49 これは横山氏の逆で立場を解らせてメリハリをつけるスタイルであった内田博幸氏も同様で、基本的に「馬が全部わかっているので馬を信じて僕が乗るだけ」(2014年天皇賞春レース前)とも語っていた。果ては須貝師も「ま、勝てるかどうかは…シップに聞いてみてよ」(2015年同レース1週間前のインタビュー)と発言している。

*50 おかげで番組や雑誌などといったプロが撮った綺麗なゴルシには(気付かれないよう)遠くから収めた姿が少なくない。逆に見学客などにはすまして決めポーズを取ったり、(中々カメラを下げないので?)写真でなく動画だと見るや走ってみせる事もあるなど、ターフを去って尚賢くもひょうきんである。

*51 しかも見出しが、ハリウッドの映画会社「MGM」のライオン風の構図に顔芸で舌を出しているシーンという拘りよう。

*52 ゴルシのラストランとなった2015年有馬記念を制した『ゴールド』アクターの祖父でもある。

*53 岡田総帥曰く「ゲートの横後ろで騒いでいる馬がいると、ケンカを売ってるのかと思ってガンガン騒いで怒る」、「スタート直前まで目隠ししてスタート時に取ったら?」と敢行するも条件が合わず断念したとの事。

*54 奇しくもともにサンデーサイレンスの孫であり、またブチコは鹿毛のぶちが入ってたとはいえ白毛、つまり葦毛のゴルシ以上の「白いの」である。

*55 2018年産白毛馬(父はクロフネ、母ブチコの父はキングカメハメハ)。主な勝鞍は2020年阪神ジュベナイル/2021年桜花賞で、'21牝馬クラシックでティアラを分け合った「USAトリオ」の「S」でその筆頭。白毛馬としては世界初のGI競走・クラシック制覇・国際平地芝重賞勝利馬である。母方の祖母シラユキヒメから続く非常に珍しい白毛のサラブレッドで、ブチコと違いブチも無い「真っ白い馬」である。なお担当厩務員が今浪氏のチームゴルシ体制であり、そのせいかゴルシ産駒と間違えられる事がある。と同時にゴルシのような略称と勘違いされる事があるが正式な馬名である。

*56 展開が似ていた菊花賞と比べて十分に成長した強豪が相手であり、ゴールまで一息入れるタイミングが無くて追いっぱなしになったため流石に途中でバテた。全盛期を過ぎていたという見方が多かったが状態はそれまでと比べても遜色なく、担当の松井装蹄士は「まだ衰えていない。むしろ磨きがかかっている」とまで評している。父のステイゴールドは「引退直後が全盛期」と武豊が評しており、非常に息の長い馬だったことを考えると未だ全盛期を過ぎていなかったのかもしれない。坂でパワーを温存できる先行策をとれていたら、もしくは距離をしっかり測って最終直線でまくりあげれば勝利する可能性は十分あったという者もいる。

*57 ここまで阪神競馬場で7戦6勝(神戸新聞杯、阪神大賞典3回、宝塚記念2回)。残り1回もラジオNIKKEI杯2歳Sの2着のみと、重賞連対率100%、3歳以降はGII以上全勝という空前絶後の戦績。その為俗に「阪神専用機」「仁川の鬼」とまで称されていた。

*58 そもそも宝塚記念は6月末~7月頭に行われる関係上、天皇賞・安田記念などから直行する場合が多く好調を維持しづらく、加えて梅雨時の夏季である事から馬場が悪くなる場合が多い事からも宝塚記念の50年以上の歴史において連覇ですらゴルシが初であった。それ以降はクロノジェネシス(2020・2021)しか達成できていない記録。なおクロノジェネシスは3度目の2022年宝塚記念より前、2021年有馬記念で引退したため、3連覇への挑戦機会は未だゴルシしか掴んだことがない。

*59 ちなみに冒頭注釈にもある通り、重賞3連覇馬は彼含め7頭いるが、JRAにおける同一平地GIを3連覇した馬は2022年現在未だに存在しない。3連覇の挑戦権を得て出走したのは、マイルCSのデュランダルとエリ女のアドマイヤグルーヴ('05 それぞれ8着と3着)、JCのジェンティルドンナ('14 4着)、そして一番近かったのは、かの有名な'93年の天皇賞春のメジロマックイーンである。

*60 加えて前年・前々年の宝塚記念ではいつもの後方からの捲りではなく最初から先行勢につけて4角で抜け出す安定安心の横綱相撲で勝利を掴むというのをそれぞれ別の鞍上で実践しており、やる気が出るか次第ないつもの後方からの競馬を展開する可能性も低かった。

*61 オッズ1.9倍。2番人気は5.1倍。前走の2015年天皇賞(春)で悲願の盾を手にした上、その前には阪神大賞典の史上初の3連覇を成し遂げるなど、絶好調としか言えない戦績が後押しした。

*62 なお、ウマはヒトの怒った顔などの脅威たりえるものを左目で向て右脳で処理・判断をする傾向があるとされており、この時のゴルシが顔を逸らしていたのも右側、つまり左目を向ける形だった。そのため、気まずそうにしていると見せかけてがっつり調教師を見ていたと思われる。(同時にそれだけ自分のやらかしを把握していたとも言えるが)

*63 その他、レース前にはゴルシ包囲網体制が敷かれる事が予想されていた。とは言えまさかこのような結果になろうとは想像もしなかったであろうが。

*64 例:2019年有馬記念・アーモンドアイの200億円。

*65 例:2002年菊花賞・ノーリーズンの110億円。

*66 例・1991年天皇賞(秋)・メジロマックイーンの140億円。

*67 2012年天皇賞(春)

*68 屡々ゴルシに関して「オルフェ/ドリジャ兄弟がいる上に完全非社台なので社台入りが出来なかった」と言う話が挙がるが、実際には一応社台での繋養も取り沙汰されていた。ところが馬主の小林氏が「日高で生まれた馬だから日高で種牡馬に」と言う意向だった事や、加えてBRFのトップであったマイネル軍団総帥こと故・岡田繁幸氏が彼を非常に気に入っており、2015年11月23日に東京競馬場で開催されたブリーダーズトークで『社台の吉田兄弟に「ゴルシはBRFで繋養する」と直談判し手を出さない事で何とか納得してもらった』と語っている。結果、引退前に即刻70口からなる5年建て10億円のシンジケートローンが組まれた。なおグリーンチャンネルでの対談で吉田照哉氏もゴルシを評価していたが、総帥に「社台はオルフェーヴルでいいじゃないですか」と言われている。

*69 というのはBRFの担当スタリオンスタッフ談。なお当人はステゴも担当しており、「ステゴなら襲われていた」とも回想し、身構えていたら意外な程おとなしかったと語っている。それでも人は選ぶようだが……。

*70 2021年のひだかうまキッズ探検隊「ビッグレッドファーム編」で登場した際も、大人しいながらも貫禄のある姿で登場しては、わざと立ち上がるなど子供相手にキッチリファンサービスをやっており、直前まで変顔してたのにカメラのシャッター音が聞こえた途端にすまし顔へ戻るなど、ある意味必見。

*71 相手の牝馬との顔合わせまでに自力で「臨戦態勢」に入る、種付けも早く済む、相手の牝馬に紳士的、さすがに若い方を好むがそれでも相手の老若はほぼ問わない、などなど。これは先にもある通り、牝馬が暴れてもその柔軟かつ大柄な体で対応できることにあるようである。

*72 平均受胎率は70%弱。失敗率1/3前後でもヒトには恐れ入る話だが、ゴルシはそこに同世代種牡馬トップクラスの数値を叩きつけており、繁殖でも名馬と言う他無い。

*73 2019年6月に今浪氏と再開した際に現役時代の蹄鉄を見せると嫌がるそぶりを見せている為、競走馬時代は思い出したくない模様。やっぱりあれは自己管理だったのだろうか…?とは言え、メジロマックイーンも武豊を見るなり(また走らされると思い)逃げ出したエピソードがあるので、そこはやはり祖父の血なのだろう。

*74 ウォーエンブレムのケースが特に有名だろうか。彼はポストSSを狙える種牡馬候補として鳴り物入りで輸入されたのだが、好みの相手(栗毛の小柄な馬(金髪ロリ))でないと「臨戦態勢」に入らないという厄介な性癖を抱えていたため種付けでは失敗続きだった。どうにか送り出せた数少ない産駒が非常に優秀な資質を見せたものの結局はアメリカへ返品され、しかも返品時、アメリカで義務付けられていた馬伝染性子宮炎の感染検査での種付けも拒み去勢されると言うヲチ付きである。

*75 穏やかだったことで有名だった一方、種牡馬になってから繁殖牝馬への噛み付きが常態化し、しまいには(赤っぽい)栗毛馬を見ると暴れ出すようになってしまっていたスペシャルウィークなど。

*76 後年には好みの牝馬と会わせたり牝馬の尿を嗅がせたり、果ては投薬しないと発情しなくなっていたディープインパクトなど。

*77 同じステマ配合のドリームジャーニーが顕著で小柄な体格が災いしてか一回の種付けに90分以上かかる場合もある。

*78 メジロファントムやロードバクシンの例がある。

*79 主な勝ち鞍が1997年の阿寒湖特別(2勝クラス)止まりで、惜敗続きだったステイゴールドが2000年に勝利したレースでもある。

*80 オークスで2着に入ったアカイトリノムスメ(父・ディープインパクト、母・アパパネ)の捩り。主な勝ち鞍は2021年秋華賞で'21牝馬クラシックでティアラを分け合った「USAトリオ」の「A」。なおアカイトリは母名の由来であるアカハワイミツスイ(アパパネ)というハワイに生息する鳥の事である。2022年に阪神牝馬Sで跛行→後に右第三趾骨の骨折で引退し現在は繁殖牝馬。

*81 2018年産青鹿毛牝馬。母:マイネテレジア(母父:ドバイWC馬ロージズインメイ)。主な勝ち鞍は'21年優駿牝馬。'21牝馬クラシックでティアラを分け合った「USAトリオ」の「U」。新馬戦以降ブロンズコレクターが続くが2勝目となるオークスでオヤジ譲りの末脚を見せてGI馬となっている。名前の意味は「生き残る」であり、代々母方の血統は母・母父共に屈腱炎で引退した屈腱炎と切れない関係であるが、彼女自身も屈腱炎手前の屈腱周囲炎になり、調整不足の中で挑んだ秋華賞でも外傷性鼻出血に見舞われるたが、親父の頑丈さを受け継いだのか周辺炎も早期に収まりその名の通り生き残って現在に至る。なお性格はアレとは全く真逆で大人しくおっとりしており、得意とするコースも(アレが1勝も出来なかった)府中のような高速馬場と全く真逆な事もネタにされた。

*82 ちなみにユーバーレーベンの母父のロージズインメイもBRFで繋養されている為純BRF産であるのだが、岡田総帥にとっては長らく果たせなかった純BRF産による3歳クラシックレース初制覇と言う夢を(オークス2ヶ月前に逝去した為生きて見る事は出来なかったが)達成した馬であった。

*83 種付け年度2016年のAEIが1.38、2017年が1.48

*84 ゴールドミッション(右中手骨開放骨折)、スマイルパワー(左第1趾骨粉砕骨折)、ウインベイランダー(左前肢副手根骨粉砕骨折)、コスモホクシン(右前管骨開放骨折)。

*85 このあたりはゴルシ(と父ステイゴールド)の頑丈さが遺伝されることを期待して怪我しがちな血統の牝馬につけられがちなことも一因と思われる。後述するユーバーレーベン等。

*86 母マイネテレジアは2歳未勝利戦、祖母マイネヌーヴェルはオークスの後に屈腱炎を発症している。

*87 やはりユーバーレーベンがその代表格であり、2022年2月の京都記念(工事中につき阪神開催)では一番人気に推され嘗ての父の宝塚記念を彷彿とさせる先行策に出るも後半失速して5着と、やる気さえあれば器用に対応していた父と違いスタミナ面などで不器用な面を覗かせた。が、2022年3月のドバイシーマCでは2021年ダービー馬且つ当レース覇者シャフリヤール、JC2着馬オーソリティ、米BCターフ覇者のユビアー(英)と言った超強力牡馬が犇めく中、紅一点として1着より1.5馬身差の5着と健闘しており、高速馬場での高い素質が見られる。

*88 父系のサンデーサイレンスがかなりきつめのクロスになりやすい一方、母方が独自の長距離路線をひた走ったメジロ家系のため。

*89 2019年産葦毛牝馬、母カクテルローズ(母父:タニノギムレット)、栗東飯田厩舎。新馬戦で全頭相手にメンチを切りに行ったり、2戦目にして後方にいたのに阪神の坂を物ともしない強烈な末脚で勝ちを捥ぎ取る(しかも鞍上はゴルシの新馬戦で騎乗した秋山真一郎)など。

*90 2019年産黒鹿毛牡馬、母ノウ(母父:ストリートクライ)、美浦栗田厩舎。新馬戦でライバルではなく誘導馬を威嚇して周り、勝ったもののレースでも調教でも他馬が併せないとサボる癖を原騎手に指摘され、ホープフルステークス前の調教ではついに菊花賞馬のタイトルホルダーまで駆り出される羽目になった。狂暴な上に神経質なため、馬房から出る時は殆どメンコを装着しており素顔の写真がほぼ存在しない。

*91 ウッドシップの子で全兄にツインシップとメガゴールド。母母ブライトウッド牝系は全産駒の芝の勝利僅か1勝、牡馬の芝未勝利絶賛更新中というコッテコテのダート家系

*92 新馬戦から3戦連続で9着以下となり出走停止処分を受け2歳のうちに抹消。笠松競馬に移籍後2戦目から3戦連続大差勝利で解説者に「もっと上でやれる馬」と早くも太鼓判を押された

*93 主取りになった馬は一般的に地方競馬で多く開催されている短距離ダートに活路を見出すことが多いため

*94 特にオルフェーヴル産駒との相性が最悪で、通算で勝率1%、2021年にはなんと勝率“0%”。

*95 2008~2009、2011~2012NAR騎手リーディング1位、2014~2016JRA騎手リーディング1位

*96 中でもノルマンディーファーム小野町の評判が悪く、プリュムドールはオープン昇格を目前にして蟻洞を発症。調教師や出資者からクレームが有った為か次の短期放牧ではチャンピオンヒルズを使用することになった。

*97 社台創業者の次男である吉田勝己氏が代表を務める総合牧場。東日本では天栄、西日本ではしがらきが調教施設。ノーザンファーム天栄は300近い馬房に加え美浦トレーニングセンターをもしのぐ坂路や充実した育成スタッフ、海外遠征用の検疫施設まで備えており、「そもそも天栄帰りは休養明けと思うのが間違い」とまで言われる

*98 1996年産白毛馬、父:SS、母:ウェイブウインド。黒鹿毛と鹿毛の両親から突然変異で生まれた牝馬であり、競馬史上初の白毛馬重賞勝ち馬であるユキチャン・同G1勝利馬ソダシの母であるブチコなど10頭もの白毛馬を生み出し、日本初の白毛牡馬であるハクタイユーと並んで一大白毛血統を築いた事で知られる。俗にいうW14系。

*99 カスタディーヴァ共々南半球はニュージーランドの出身であり、加えてカスタディーヴァは後にJRAの白毛馬初の南半球産まれともなっており、こちらも中々属性過多。

*100 ちなみにカスタディーヴァがJRAに来たのは、とある馬主が「シラユキヒメ系以外の強い白毛馬の系統&白毛のディープ産駒を作ろう」と言う事で、2016年にニュージーランドのセレクトセールにて3300万で落札(消費税・輸送費含めて約5000万)し輸入したため。その産駒の初仔であるカスタディーヴァの2020(のちのアオラキ)は、言わば白毛の歴史に新たな1ページを刻む貴重な仔であった。が、当の種付け予定だったディープインパクトは2019年の種付け開始直後に頸椎の問題で早々に種付け中止。結局頸椎骨折で安楽死措置となった為、急遽その代わりとなるカスタディーヴァの競走馬引退後の種付け相手を立てることになったのだが、そこで選ばれたのがゴールドシップであった。

*101 1963年産白毛馬、父:ケンタッキーカーネル 母:フィリーオマインの純アメリカ産。栗毛と黒鹿毛の両親から白毛が産まれた為、態々カリフォルニア大学でDNA検査まで行った結果DNAの突然変異である事が解かり、米ジョッキークラブで新たに白毛が登録される契機を作った。俗にいう白毛W2系の元祖。

*102 日本産に限れば、白毛系血統との交配で複数の白毛馬を産出した種牡馬としては、シラユキヒメ系では同じ芦毛のクロフネが6頭(芦毛と鹿毛が1頭ずつ)、キングカメハメハから5頭(芦毛・黒鹿毛が1頭ずつ、鹿毛が2頭)、ハクタイユー系ではアドマイヤジャパンが2頭(栗毛1頭)輩出している。

*103 馬の種付けは生殖活動が活発になるとされる日照時間が長い時期に行われ、受胎後11か月で出産するのが通常である。ところが、競馬はその馬が生まれた年の1月1日から年齢を起算するルール(JRAでは2001年より)となっている。特にサラブレッドは1カ月の成長が速く、早生まれ程能力に繋がる。故に種付けは毎年2月頃から始まり4月と5月がピークとなり遅くとも7月初夏頃までに種付けを行うのが通常である。もし受胎出来ない場合、1年を無駄にしてしまう=種付け料以上の無駄な経費と費用が掛かり最悪生産牧場的に死活問題につながる。その為、1年を無駄にするか200万で重賞の夢を見れるかも知れない受胎率のバケモノであるゴルシor同じく受胎率9割近くを誇る青森のスプリングファームが誇る(しかもゴルシの1/4の種付け料でイケる)東北の種付け帝王ウインバリアシオンに駆け込み縋るか…と言う生産者としては真面目な話である。

*104 JRAのターフィーショップで販売されていたゴールドシップのぬいぐるみは人気が高く、再販されても1日で売切れになる場合も多い。

*105 ちなみに基本的に馬は草食であるが、肉を食べても若干量なら消化可能である(馬を共食いした例も)。

*106 グレード制の導入以後=シンボリルドルフから数えて9頭目。

*107 例:2012年の菊花賞の着順人気は1-5-7-10-11、2013年宝塚記念では2-5-1-3-4、2014年の宝塚記念では1-9-8-12-6、2015年の春天では2-7-10-5-16。

*108 作品内に登場させる際には運営がモチーフの競走馬の馬主さんに許可を取っているが、ゴルシの馬主さんは「何させてもおk(意訳)」と非常に御寛大な対応をしてくださった。……と噂されている。

*109 アニメショップ「らしんばん」が2021年春に行った「ウマ娘人気投票」では、スタッフのお遊びで彼女の顔写真のみ本物のゴルシの顔、それも首を傾げ舌を垂らした変顔が使われて話題になった程。結果は2位のライスシャワーと40票差の309票でぶっちぎりの1位であった。なお、投票のシールは赤丸のシールを貼っていくと言う形式だった為、案の定というべきか本物のゴルシの両目にも貼られていた。

*110 2013年産葦毛馬。父:タピット(USA) 母:ヘヴンリーロマンス(母父:SS)。勝ち鞍:GII UAEダービー。アメリカ三冠レース皆勤でも知られる。引退後は日高のアロースタッドで種牡馬。

*111 2011年産栗毛馬。父:ラッキープルピット、母:ラヴザチェイスの純アメリカ産。勝ち鞍:2014年アメリカクラシック二冠馬(ケンタッキーダービー・プリークネスS)・2016年ドバイWC圧勝などGI級7勝。'14/'16年の全米年度代表馬にも選ばれアメリカの至宝と称された。引退後はアメリカ・テイラーメイドファームで種牡馬+南半球のチリでシャトル種牡馬と言う生活を送っていたが、2019年に日本の日高のアロースタッドに種牡馬として売却され、何の因果かラニの同僚となっている。

*112 栗東で調整中、しつこく絡んで喧嘩を売って来たトラヲサイゴニ(ヒルノダムールの半弟)に後蹴りを3発ブチかまして撃退する、兄であるアウォーディーをはじめ所構わず噛みつく。UAEダービーコース入り初日に前の馬を蹴りに行った際にラチを跨いでスタック→ラチを破壊して自ら脱出。挙句の果てには「馬運車から下ろす際にお隣の馬運車と軽くモメ、ラニの名前を出したらビビって先に下ろせた(厩務員談)」と証言し、評論家から「これが純粋なアメリカの馬であれば騙馬になっていた」と言わしめる等々。

*113 1995年産栗毛牡馬。父:サクラユタカオー、母:アイシーゴーグル(母父:ロイヤルスキー(USA))。勝ち鞍:1999年安田記念/マイルCS。かの「98世代」の中でもマイル路線で猛威を振るい、安田記念ではグラスワンダー、マイルCSではキングヘイローを下し同一年春秋マイルGI優勝を達成し1999年JRA賞最優秀短距離馬を受賞した名マイラー馬。香港C時に重度の屈腱炎が判明し引退。2000年から2017年まで種牡馬の後、現在北海道日高郡の小国スティーブルで余生を送っている。2022年現在、98世代のJRA活躍代表馬の中で唯一の(日本生産のイギリス調教馬であればシーヴァも含め)存命馬でもある。