タスティエーラ(競走馬)

登録日:2023/05/28 (Sun) 19:15:32
更新日:2023/06/03 Sat 02:55:06
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タスティエーラとは、日本の現役競走馬である。

生誕


生誕:2020年3月22日
父:サトノクラウン
母:パルティトゥーラ
母父:マンハッタンカフェ
生産者:ノーザンファーム
馬主:(有)キャロットファーム
産地:北海道安平町

父はキタサンブラックドゥラメンテといった2015年クラシックで争い、2016年の香港ヴァーズや2017年の宝塚記念でGⅠ2勝を挙げた、日本では稀有な血統の名馬サトノクラウン。母は中央で3勝を上げており、母父は菊花賞・有馬記念・天皇賞(春)を勝った名ステイヤーにして、父サンデーサイレンス役として映画にも出演した経験を持つマンハッタンカフェと、珍しい血統を有する。

馬主は昨年2022年のジャパンカップでエイシンフラッシュ産駒としてGⅠ初勝利を飾ったヴェラアズールや、菊花賞やジャパンカップを勝ち、無敗三冠牝馬デアリングタクトの父として知られるエピファネイア、そのエピファネイア産駒で皐月賞馬のエフフォーリア、そして2021年のBCディスタフで大番狂わせを巻き起こしたマルシュロレーヌなどの優駿を有するクラブ法人キャロットファームであり、厩舎は父サトノクラウンやドゥラメンテ、GⅠ6勝を上げたモーリスなどを手掛けた堀宜行調教師に預けられる。
馬名は母の名前(イタリア語で『楽譜』の意味)から連想し、楽器のキーボードのイタリア語読みである『タスティエーラ』と名付けられた。

デビュー~皐月賞まで:調教開始

2022年11月27日、東京競馬場にて鞍上にライアン・ムーア騎手を載せて挑んだ新馬戦で勝利したタスティエーラは、最初の重賞戦として翌2023年2月12日の共同通信杯に挑む。
が、鞍上を福永祐一に変え、ダノンザタイガーに次ぐ2番人気で挑んだ彼は、前で勝負していたタッチウッドとファントムシーフを捉え切る事が出来ず、4着に敗れる。

このままではクラシックに出る事が出来ない。後がなくなった陣営は、父が勝利したレースにして、クラシックの登竜門として名高い弥生賞ディープインパクト記念に出走。鞍上は2月一杯で騎手を引退する福永騎手に替わり、デアリングタクトで無敗牝馬三冠を達成した松山弘平を迎える。
そして3月5日のレース本番、トップナイフがゴッドファーザーと競る様に逃げる中、第3コーナーから進出して外3頭目を回して直線に入ると、内を突こうとしているトップナイフをよそに先頭に立つ。そのままあちらの追撃を退けて押し切り、ゴール板を通過した。
この勝利でサトノクラウン産駒としての重賞初制覇だけでなく、弥生賞親子制覇の快挙も達成。見事クラシックに挑むに十分な実績と賞金を手に入れたのである。

そうして準備万端と言わんばかりに、4月16日の皐月賞に挑むも、その前に立ちはだかったのは、京成杯にてドゥラメンテがごときドリフトと差し切りで重賞を勝ったキタサンブラック産駒のソールオリエンス。共同通信杯にてタスティエーラに勝ったファントムシーフも参加するとあって、2歳GⅠ王者がいないにも関わらず5番人気に落ち着いた。
レースはグラニットが逃げてタスティエーラは先行することになったが、重馬場にもかかわらず1000m通過タイムが58秒5という驚異のハイペース、このペースでは前は不利となり次々と逃げ・先行勢はつぶれていった。そんな中でもタスティエーラは踏ん張って先頭に立ちこのまま押し切るかと思われた。
だが、後方から日が昇る様に驚異的な末脚で追い込んできたソールオリエンスの末脚に屈して2着。クラシック制覇にあと一歩手が及ばなかった。とはいえ走り自体は安定しており、陣営は日本ダービーにてリベンジを誓う。

2023年日本ダービー:東京に響く勝利の旋律

そして5月28日、第90回日本ダービー。鞍上は松山騎手から、グランプリ牝馬リスグラシューや香港ヴァーズ勝ち馬ウインマリリン、そして2022年春天でタイトルホルダーともども記憶に残る走りを見せた重賞馬シルヴァーソニックで優秀な成績を残しているダミアン・レーン騎手に交替。テン乗りや前走の披露が危惧されたものの、皐月賞馬ソールオリエンスや青葉賞を勝ったばかりのスキルウィング、共同通信杯からのライバルであるファントムシーフに次ぐ4番人気に押される。さらにこのレースでは、2歳GⅠ王者のドゥラエレーデも参戦しており、ハイレベルな戦いが予想された。
さてレース本番。ドゥラエレーデが落馬を起こして競争中止になる中、6枠12番よりスタートしたタスティエーラは、前走と同様に先行でのレースを進める。パクスオトマニカが後続を突き放す逃げを見せるも1000m1分4秒とペースは見かけほど早いものとはならなかった。
そして最後の直線、4番手についていたタスティエーラは、周りの馬たちとほぼ同時に加速開始。後ろに位置していたソールオリエンスが無敗二冠を目指して必死に食らいつくも、ハナ差とクビ差を争う大接戦の果てに最初にゴール板を通過したのは、タスティエーラであった。
GⅠ初優勝。かつて父が敗れ、母父が出る事の出来なかったレースにて、タスティエーラは見事、サトノクラウン産駒としてGⅠ初勝利を決めたのである。

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最終更新:2023年06月03日 02:55