流星塾(仮面ライダー555)

登録日:2024/01/08 Mon 20:05:52
更新日:2025/01/18 Sat 22:03:37
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流星(りゅうせい)(じゅく)」とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー555』に登場する架空の教育機関・児童養護施設。
物語の鍵となる組織であり、作中の謎の大半を請け負っていた。



概要


本作のヒロイン・園田真理が少女時代に通っていた小学校代わりの教育機関であり、彼女にとって思い出深い場所である。
物語序盤では「小学校」と言われていたが、第12話において、初めて「塾」である事が判明した。

塾長は元スマートブレイン社の社長・花形。様々な事件や事故に巻き込まれ九死に一生を得、天涯孤独となった幼い子供達を対象に身元を引き受け、義務教育を受けさせていた。
それ故に花形と塾生らは教師と生徒以上の強い愛情で結ばれ、また、塾生間の絆も深いものとなっていった。

とはいえ普通の小学校と同様いじめは発生していたようで、真理はその仲裁役を担っていたようだ。

『555』劇中で登場・言及される塾生は18名。上記の事情で集められた為年齢差があるが、クラス分け等の教育事情は不明。
また、8年前に塾生が描いた絵が壁に貼られたままなのでその頃閉鎖されたようだが、当時10歳前後の塾生たちが直後どうしたかも不明。

元々は地上に校舎があったが、後述の同窓会と本編の間にスマートブレイン本社の地下35mの隠し通路の先に移されており*1、元の跡地には門だけが残された。



流星塾同窓会


物語の開始1ヶ月前、2002年11月16日に開催された流星塾の同窓会。
物語当初、真理は「皆で楽しく過ごした」と記憶しており、特に問題はなかったと思っていた。
なお、草加雅人も出席していたが何故か誰もそのことを覚えておらず、この日に皆で書いた増田教諭への寄せ書きに彼の名前があったことから記憶の齟齬が露呈し始める。

やがて、失踪中の花形からカイザギアが高宮航太に送られてきたことを機に、怪人オルフェノクの存在を塾生が認知。
集まってオルフェノクと戦い始めるが、変身者を漏れなく灰にしてしまうカイザギアの副作用により次々と塾生が死亡。
更に、その過程で増田教諭が「同窓会において何かが起こった」と示唆する発言をした直後に死亡し、本格的に謎が深まる。
だが、ファイズギアを受け取っていた真理と、その使用者である乾巧の合流、そして草加との再会により、カイザギアの使用者が定まったことで安定し始める。

そんな中、第3のベルト・デルタギアが木村沙耶に送られ、塾生間で交代しながら使用してオルフェノクと戦うが、デルタギアの副作用により使用者の性格が凶暴化し、関係が徐々に悪化。
更に、オルフェノクとして覚醒した澤田亜希の乱入により真理、草加らの心も乱れ、状況は悪化の一途を辿る。
紆余曲折を経て、真理は「同窓会をオルフェノクが襲った」という記憶を思い出し、記憶の中にいたウルフオルフェノクの正体が巧であることも発覚する。

だが後に同窓会を襲った真犯人はドラゴンオルフェノクであり、ウルフオルフェノクはむしろ真理たちを守っていたと判明する。
そして、澤田の口から同窓会の真実が語られるのだった…。


在籍者


生徒(主要人物)


演:芳賀優里亜
ご存知ヒロイン。16歳。
火事で両親を亡くして流星塾に入学。
いじめを仲裁するなど少女時代からしっかり者であり、いじめられっ子の草加といじめっ子の澤田からの両方から好意を持たれていた。
ファイズギアを花形から受け取ったが、当の彼女は変身の資格を持たず使用できなかった。
花形に会うための旅の途中で乾巧と運命的な出会いを果たし、彼にファイズギアを託す。
詳細は個別項目参照。


演:村上幸平
ご存知元いじめられっ子。21歳。仮面ライダーカイザの変身者として定着した人物。
カヌーの事故で両親を亡くして流星塾に入学。
いじめから助けてくれていた真理に対し、恋愛感情を超えた病的なまでの執着を抱いている。
同窓会の事件の記憶があり、自分や仲間の人生を歪めたオルフェノクを激しく憎んでいる。
真理や他の塾生たちとの再会時は外面の良い好青年として振る舞い、リーダーシップを執っていたが、澤田の登場を機に取り繕う余裕をなくし、仲間からも一歩引いた態度をとられるように。
詳細は個別項目参照。


演:綾野剛
元いじめっ子。よく真理にちょっかいをかけていたがそれは好意の裏返しであり、真理も澤田を嫌ってはいなかった。
折り紙が趣味で、転んで泣いてしまった真理にプレゼントしたことがあり、このことは2人の思い出となっている。
また、オルフェノクとして人間を襲う際には折り紙を取り出しマッチで燃やしてから攻撃するというルーティーンがある。
人間の心を捨てるために真理を殺そうとし、執拗に付け狙う。
同窓会の真実にいち早く気付いていた。
詳細は個別項目参照。


演:原田篤
仮面ライダーデルタの変身者として定着した人物。
当初は流星塾を過去の事と切り捨て、真理の見舞いにも気乗りしない様子を見せるなど厄介事から逃れようとしていたが、草加から半ば強引にデルタギアを押し付けられ、徐々に戦いの宿命を受け入れるようになる。
その秘めた意志の強さ故か、デルタギアの副作用を受けなかった。
詳細は個別項目参照。


演:河西りえ
塾生たちのまとめ役で、非戦闘要員の塾生の中では出番が最多。
カイザギアを受け取った高宮や他数名の塾生、増田とともにキャンピングカーに乗って行動していた。
草加がカイザギアの装着者となってからは恭輔ともども一時別行動をとり、デルタギアを手にした面々と合流。
デルタギア争奪戦後は三原と行動を共にする。一度だけデルタに変身したが、彼女も三原と同じく副作用が起こらなかった。
様々な事件で塾生達の関係が悪化していく中でも冷静さや優しさを失うことなく、オルフェノクだと判明した巧にも変わらず接していた凄い人。
詳細は個別項目参照。


生徒(ゲストキャラ)


  • 犬飼彰司
演:渡辺琢磨
作中で最初に登場した塾生。キャンピングカー組の一人。
カイザギアの存在を真理に教えようと連絡をとり、待ち合わせ場所の遊園地でメリーゴーランドに座って彼女を待っていた。
しかし既にクロコダイルオルフェノクに襲われており、真理と巧の目の前で灰化して死亡。


  • 高宮航太
演:なし
カイザギアを最初に受け取った塾生。キャンピングカー組の一人。変身後の姿しか登場していない為、演者が存在しない。
第10話にてカイザに変身しファイズとスネイルオルフェノクの戦いを橋の上から見物していたが、変身解除した直後に灰となって死亡。
オルフェノクとの戦いで何も出来ないまま死亡してしまった。


  • 西田清高
演:河崎芳明
カイザギアの2番目の使用者。キャンピングカー組の一人。
第11話でカイザに変身してクロコダイルオルフェノクを倒したが、副作用により灰となって死亡。
ラッキークローバーの一員であるクロコダイルオルフェノクを破る、オルフェノクを倒したことを誇りに思いながら仲間たちに看取られる等、生きていれば立派なヒーローになれたであろうポテンシャルを持っている。


  • 神道貴久
演:近田慎太郎
カイザギアの3番目の使用者。キャンピングカー組の一人。
部外者である巧の関与には否定的だった。
クロコダイルオルフェノクに襲撃された際、真理たちの制止を振り切ってカイザに変身し戦うが一蹴され、変身解除されて灰化し死亡。


  • 上条晴子
演:林裕子
キャンピングカー組の一人。増田の最期の言葉について気にしていたが、程なくして一人になったところに現れたクロコダイルオルフェノクに襲われ死亡。


  • 徳本恭輔
演:佐伯俊
キャンピングカー組の一人。流星塾生の絆を信じている一方で、神道と同様に巧の関与には否定的だった。
初期はカイザギアを使用しようとするも副作用の恐怖に怯えて躊躇するなど、ごく普通の少年で正義感もあった。
だがデルタに変身してからはその力に溺れ、仲間への態度も傲慢になる。
しまいには新井と共謀して真理を人質に取り、デルタギアを持っていると睨んだ澤田を誘き出そうとするが、当の澤田はスパイダーオルフェノクに覚醒しており、彼に瞬殺される。
男子塾生が基本的に苗字で呼ばれる中、彼は真理や里奈に「恭輔」と名前で呼ばれていた。


  • 河内勇樹
演:檜尾健太
デルタギアを使用し凶暴化した塾生の一人。
仲間の麻美を殺害し、逃走中の所を澤田の手下のフロッグオルフェノクに襲われ死亡する。


  • 新井賢
演:本田博仁
デルタギアを使用し凶暴化した塾生の一人。
徳本と組んで真理を人質に取り、澤田からデルタギアを奪おうとしたが、スパイダーオルフェノクに返り討ちにされて死亡。


  • 伊藤麻美
演:倉澤薫
塾生の一人で、遺体としてのシーンしか出番がない。
デルタギアの影響で凶暴化した河内により殺害された。


演:斉藤麻衣
デルタギアを最初に受け取った塾生。
真理曰く「一番強くて優しい子」であり、実際デルタの力に溺れずに平常心を持って戦いを続けていた。
争奪戦の末にどうにかデルタギアを確保。巧に接触するべく、正体を隠して西洋洗濯舗 菊池でアルバイトを始める。
しかし正体を明かした直後スパイダーオルフェノクに襲われ、変身しようとするも間に合わず殺されてしまった。
詳細は個別項目参照。


  • 太田信吾
演:川久保拓司
真理の危篤の一報を聞いて駆け付けた塾生。
正義感の強い性格で、戦いから逃げようとする三原を「自分たちは戦う運命にある」と何度も説得した。三原を追いかける最中に現れた澤田に対しても最後まで説得を試みたが、無情にも灰にされた。
後のナイトレイダーの一員そっくり。


  • 木下
演:和田大法
同窓会の日に撮影されたビデオ内にのみ登場。
最初の犠牲者であり、青沼か北崎がうっかりやりすぎて青く燃えながら灰化する様子が映像に残されていた。


  • 青沼/スロースオルフェノク
演:栗原一馬
回想シーンにのみ登場。
同窓生たちを裏切り、北崎と共に同窓会を強襲。
同窓生を手にかける中、通りすがった巧=ウルフオルフェノクにワンパンで灰にされた。


  • 佐久間龍一
演:水石亜飛夢
仮面ライダージオウ』に登場。
2003年10月25日に山吹カリンを交通事故で亡くし、彼女を生かすためにタイムジャッカーと契約を交わす。
詳細はこちらこちらを参照。


  • 山吹カリン
演:杉本愛里
『仮面ライダージオウ』に登場。佐久間とは共に育った幼馴染。
2003年10月25日に起きた交通事故で命を落とすが、佐久間がタイムジャッカーと契約を交わした事で仮初の生を受け、2018年まで天ノ川学園高校の生徒として生かされていた。



教諭


  • 増田
演:山西道広
流星塾の教諭の一人。同窓会に参加しており、事件のあらましを知っている。
クロコダイルオルフェノクに襲われ、同窓会の真相を伝えようとするが力尽きて死亡した。
かつてデストロンを追っていたインターポール捜査官そっくり。


演:中康治
流星塾の塾長。
身寄りのない塾生を引き取り、その人徳者ぶりから「お父さん」と呼ばれて慕われていた。
スマートブレインの思惑を察知しており、それに反抗するためにある計画を立てていた。
生徒たちを愛していたのは本当のようだが、養父として、というかそれ以前に人としてどうなのかという行動が割と多い。



関係者


花形の後継のスマートブレイン社長。
花形の退陣後は流星塾への支援を打ち切っており、校舎の存在も隠匿していた。


真理からファイズギアを託された青年。
正体は同窓会での事件に居合わせたウルフオルフェノク


ラッキークローバーの一員のオルフェノクで、事件の真犯人。


  • 板垣哲生
  • 水野和史
東京での地下工事中に落盤事故に巻き込まれ、偶然、地下に埋められていた流星塾跡地に踏み込んだ作業員。
しかし、数ヶ月閉じ込められていた所を花形に捕らえられ、新開発のベルトの実験体にされて死亡してしまった。




真相


実は流星塾同窓会はドラゴンオルフェノクとスロースオルフェノクによる襲撃を受けており、全塾生が殺害され、現場で灰化した青沼(スロースオルフェノク)と木下以外は実験体としてオルフェノクの記号を埋め込まれ蘇生された。同時に記憶操作も施されたため、当初は脱走した草加だけが同窓会での出来事を目撃した範囲で覚えていた。
後にオルフェノク覚醒の際に澤田も思い出し、死の間際に巧と真理に伝えている。

物語終盤で花形がこの件について「スマートブレインの一部のオルフェノクが勝手にやったこと」と語っているが、首謀者と思しき村上は既に亡かった為、それ以上の意図などについては最後まで不明のままだった。

更に、流星塾自体も花形がある思惑の上で設立したことが草加に明かされた。
それは、オルフェノクの王」を見つけ出す事。
オルフェノクの王は九死に一生を得た子供の中に出現するため、その候補者を選出しようとしていたのだ。
だが、オルフェノクが短命であり滅びゆく種であると悟った花形は、スマートブレインから出奔し、三本のベルトを強奪。
オルフェノクを根絶するために、オルフェノクの記号を有する流星塾生達にベルトを送って戦わせていたのである。

記号の実験と王に関する真相は草加のみが教えられ、その後すぐに花形と草加が相次いで死亡したため、生き残った者達は知らないままとなった。



TV版『仮面ライダー555』以外の流星塾


仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々

真理、草加、沙耶が育った施設として言及されるのみ。また、出番は少ないが犬飼彰司など数名が塾生として登場している。

仮面ライダージオウ

『仮面ライダー555』が歴史改変で消失した後も養護施設として存在しており、草加はこの歴史でも塾生だった。
本作オリジナルの元塾生として佐久間龍一と山吹カリンが登場。この二人は歴史改変前から2003年に存在していたが、あくまで「『ジオウ』設定における『アナザーファイズ誕生前の555の歴史』」の人物ととらえるべきか。

仮面ライダー913

『555』本編に近い設定の養護施設として言及され、創立者がスマートブレイン社長であることも語られる。
ただし、塾生は草加と真理以外総取っ替えされており(作品の項目参照)、語られずじまいとなった秘密も『555』とは異なっていた模様。
他にも明星塾という施設の存在も示唆された。


余談

同窓会で増田に贈られた寄せ書きには18人中13人分の書き込みしかなく、仲間を裏切っていた青沼は当然として、三原、河内、太田、木下の名前もない。
木下はビデオに映っており、三原と河内はデルタに変身でき、太田も澤田に「生きてる事自体が不自然」と言われていたので、同窓会には参加したはずである。4人とも遅れて来たのだろうか?
沙耶の早期退場や澤田の筆跡*2などシナリオに修正が入った名残と思しき要素から、当初は13人だったのが増えた結果と思われるが、詳細は不明。




追記・修正は同窓会に参加してからお願いします。

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最終更新:2025年01月18日 22:03

*1 第25話。謎の地下施設としては第3話から登場

*2 澤田による寄せ書きは女性的な丸文字であり、また作中で呼ばれるシーンはないが下の名前が「亜希」であることから、当初は女性キャラクターにする予定だったのでは?という説がある