仮面ライダー913(漫画)

登録日:2020/03/05 Thu 09:18:30
更新日:2024/11/08 Fri 18:12:10
所要時間:約913 8 分で読めます






月光と月影───、ふたつの心を持つ男、草加雅人────。


新たなライダー伝説が始まる!


仮面ライダー913』とは、2019年から2022年まで『電撃マオウ』誌にて連載されていた漫画作品である。




【概要】

2003年に放送された平成ライダーシリーズ第4作『仮面ライダー555』の登場人物・草加雅人仮面ライダーカイザを主人公としたスピンオフ作品
連載開始前の2019年9月13日……つまり「カイザの日」に告知がなされた。

脚本は『555』TV本編と映画『劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト』、小説『仮面ライダーファイズ正伝 異形の花々』を始め、数々の平成ライダーシリーズに関わった井上敏樹
作画は井上氏が原作を担当した漫画作品『教壇のクロア』を手掛けたかのえゆうしがそれぞれ務める。
また、協力として草加雅人役の村上幸平の名前がクレジットされている。
村上氏は第1巻巻末のインタビューで乾巧役の半田健人氏、園田真理役の芳賀優里亜氏と共に登場した。
なお、脚本:井上氏・協力:村上氏のコンビは、神誠しゃくあ氏が作画を担当したサンリオ作品『パワーザキティ イチゴマン』でも脚本と編集をそれぞれ務めている。キティさん×敏樹×ザリ王とか個性が強すぎる……。
まあ、『電撃マオウ』のラインナップ的に、『アイマス』や『艦これ』、『GGO』や名取さなと一緒に並ぶカイザという絵面も十分に強いのだが。

……が、残念ながら打ち切りで終わってしまった。
雑誌連載時終了時のアオリは「衝撃の真実…!!応援ありがとうございました!!」で、その下に草加のセリフ「何だ…と…?」が並ぶものとなっている。
コミックスは全5巻。


【特色】

物語の大まかな本筋は『555』本編をリメイクしたもの。
『異形の花々』よりもTVシリーズに近い世界観となっているが、第1巻収録の対談で村上氏から「パラレルストーリー」と言及されており、『555』映像作品との繋がりはない。
草加が主人公という事からか、原典『555』では草加と同時期に登場し始めた真理以外の流星塾生も物語当初から活躍している。
ただし、塾生は本作オリジナルの人物がほとんど。
また、菊池啓太郎木場勇治など原典のメインキャラクターも未登場であり、代わりに同じポジションに置かれたオリジナルキャラクターが登場する。


【あらすじ】

九死に一生を得た少年少女が集まる養護施設「流星塾」。
流星塾のOBだった青年・草加雅人は養子に入った先の裕福な家庭・辰巳家の相続を断り、立ち去る。
同じ頃、流星塾を巣立った青年達の元には大企業スマートブレインを経営する義父から、呪いのベルト「カイザギア」が届けられていた。
やがて流星塾生からベルトを奪取する為、一度命を落とした人間が覚醒した怪物「オルフェノク」が襲い掛かるようになる。
草加は流星塾生に呼び出された事でカイザギアを装着、黄色いフォトンブラッドに身を包んだ戦士『仮面ライダーカイザ』となってオルフェノクを倒していく。
しかし、草加は流星塾生の中でも一際惹かれる園田真理や、真理と共に行動する不愛想な青年・乾巧、そして新たな赤いライダー・仮面ライダーファイズと出会う事となる。


【登場人物】

●メインキャラクター

  • 草加雅人

お前たちは幸せだ────…

平凡な人生の退屈な日々を送れるのだから 少なくともよく眠れる…

ここは…オレのいるべき場所じゃない…!!

本作の主人公。仮面ライダーカイザの主たる変身者。
裕福な辰巳家の養子となったが、義理の両親と義弟の声を振り払い、家を出た。
義母から礼儀作法を学んだため、出生に反して深い教養を持つ。
本編同様のフェンシングの腕前の他、生け花を嗜んだり、ボトルシップを趣味にしたりしている。
原典の澤田亜希は未登場だが、やはり草加をいじめていた少年達は存在。
だが、現在ではその一人だった石川に対しても軽くあしらう心の余裕を見せている。
薫というガールフレンドがおり、第2話では彼女への義理を果たすため、友人の経営者・黒沢春樹の株式上場記念パーティーに参加した。
このパーティーで主催の黒沢には因縁をつけられ、パートナーのアンナには色目を使われたのだが、草加はどちらも毅然とした態度で一杯食わせている。
土下座で人を逆に見下ろすほどのプレッシャーを持つ男。
過去作同様、幼い頃自分を守ってくれた真理に好意を持っており、その真理が慕う巧に反感を抱く。

  • 園田真理
ありがとうございます なんか…ご迷惑おかけしちゃいまして

大泉クリーニングに勤める女性で、本作のヒロイン。
見た目も大きく漫画的な表現になっており、原典『555』以上に表情豊か。
やはりスマートブレイン本社の義父に面会を要求して断られるが、
本作の真理はその後もしつこく騒いであわや警備員のお世話になるところだった。
再会した草加の事をまるで覚えておらず、自己紹介されるまでは他の流星塾生だと思い込んでいた。
幼少期はいつもいじめられている草加を助けていたようだ。

  • 乾巧
お前が握手するべき相手なら
その時はッ おれの方から手を差し出す…

大泉クリーニングに勤める青年。
店番をしながら寝ていたところを草加に叩き起こされ、口論に。
その正体は仮面ライダーファイズの変身者で、真理を守り、オルフェノクと戦っていた。
口が悪く、真理に慕われているからか、草加に敵意を向けられるようになる。
やはり猫舌で、草加に指摘されると顔を赤らめていた。


●流星塾生

  • 佐伯
お前 雅人…か?

第1話から登場しているバンダナにドレッドヘアの青年。
カイザギアを持つ為、オルフェノクに狙われる流星塾生達が集うキャンピングカーの運転手を務める。
幼少期からまゆに好意を抱いていたようで、彼女の死に崩れ落ち、翌朝には他の流星塾生に不満をぶつけていた。

  • 遠藤
適性…?そんなこと言っているうちに 流星塾生全員死んじまうぜ!!

第1話に登場した、ウェーブのかかったロングヘアの青年。
佐伯やまゆと共にスティングフィッシュオルフェノクから逃げていた。
だが、夜間にオルフェノクの襲撃を受け、第2話ではまゆとともに命を落としたらしい事が佐伯から語られた。

  • まゆ
私たちにできることはベルトを持って逃げること… 父さんと会える日まで

第1話に登場した流星塾生の女性。
幼少時より草加にバレンタインチョコレートを用意するなど、彼に好意を持っていたようだ。
夜間のスティングフィッシュオルフェノクの襲撃に際し、カイザに変身するが、敵の僅かな攻撃であっさり変身解除。
その場に現れた草加にベルトを託すが、肉体が変身に耐えられなかったようで灰化し死亡した。

  • 西島
やってくれたなオルフェノク だがもう逃げねぇ!地をなめろッ

第1話に登場した流星塾生の青年。
公園でカイザに変身し、スティングフィッシュオルフェノクと交戦。
撃破には至らなかったものの撤退に追い込むが、変身を解除した直後にベルトの副作用により、全身が灰化して死亡。
3回の変身までは無事だったようだ。

  • 東野
第1話で名前のみ登場した流星塾生。
西島に先駆けて2度カイザに変身したが、やはり命を落としたとの事。

  • 石川
自惚れてんのか!?ガキの頃はチビでひ弱な泣き虫だったくせに

第2話から登場している恵まれた体格の青年。
かつては草加をいじめていたグループの一人だったようで、再会した草加がベルトの謎を語ると辛辣な妬みを返しており、現在でもこの言動から改心したようにはあまり見えないがどこか憎めないところもある。

  • 平岡
…草加君 キミ カイザに変身したんだよね 身体は大丈夫?

第2話から登場している眼鏡の青年。
義父の教えを大事にしており、険悪な雰囲気の草加と石川を仲裁するような仲間想いの人物。
聡明で、スマートブレイン社長の義父とオルフェノクの関係に勘付く描写がある。

  • 梅本
…おい 顔色悪いぞ 大丈夫か?

第3話から登場した、眼鏡をかけた小太りの青年。
佐伯と落ち合うが、梅本は既に……。

  • 田山、倉石、柏崎
第2話(柏崎は第3話)で名前だけ登場。
田山はかつて真理と共に焼鳥屋でバイトしていたようだ。


【仮面ライダー】

仮面ライダーカイザ


9 1 3

STANDING BY

変身…

COMPLETE


貴様らの存在は罪…そのもの! 罪には罰を…!

主に草加雅人が変身する、本作のタイトルともなっている仮面ライダー
過去作同様に遠近両用の銃剣型武器・カイザブレイガンを武器にオルフェノクと戦う。
どうやら草加はカイザギアと何らかの繋がりがあるようで、変身の際にはカイザフォンをカイザドライバーに装着するよう求める声が聞こえたとの事だが……。
第4話からはサイドカー型の万能マシン・サイドバッシャーも登場。
本作では草加の決め台詞が新たに設定され、彼の人類の敵に容赦ない苛烈な面と、カイザのデザインモチーフ「Χ」を端的に表現したものとなっている。


仮面ライダーファイズ


5 5 5

STANDING BY

変身ッ

COMPLETE

オルフェノク──────…!!

乾巧が変身する第2の仮面ライダーであり、これまでの『555』作品における主役ライダー。
スクィッドオルフェノクに遭遇した真理に呼び出された事で初登場。
よもやベルトが複数台あるとは思わなかった草加は巧の変身に驚愕し、当初はファイズもカイザだと認識していたほど。
原作同様にバイク型の万能マシン・オートバジンも登場しており、第4話では草加が運転している。


オルフェノク

人類の進化形たる、本作の怪人。
警察やマスコミはその存在を公表していないが、ネットではその情報が数々広がっている模様。
映像作品以上に「人の心を失った怪物」として描かれており、罪なき人々を殺戮する異形然とした描写がされている。

おやおや故障ですか?大変ですね…こんな所で

第1話に登場した、オコゼの特質を備えたオルフェノク
本作における草加が変身するカイザの初陣の相手となった。
原典『555』の井沢博司ではなく、老紳士が変化するが、無関係な幼い子供をも容赦なく手にかける非道な人物。

第2話・第3話に登場した、イカの特質を備えた薄汚いオルフェノク。
本作における巧が変身するファイズの初登場時の相手。
原典『555』の戸田英一とは異なり、元になった人物は不明。

第3話の回想に登場した、ツクシの特質を備えたオルフェノク
原典『555』におけるスティングフィッシュオルフェノクのような役割で、巧と真理を狙うが、出番は僅か4コマ。
ある意味原典に近い扱いではある。

オルフェノクに殺された人間は 時にオルフェノクとして復活する────…

第3話・第4話に登場した、フクロウの特質を備えたオルフェノク
前述の梅本が変身する。

ああ…最高の気分だぜ?

第4話から登場する、カタツムリの特質を備えたオルフェノク
前述の佐伯が変身する。

  • クリオネオルフェノク
第6話で登場。
クリオネの特質を備えた、篠原保氏が新規にデザインした本作オリジナルのオルフェノク

  • レイブンオルフェノク
第7話で登場。
カラスの特質を備えた、こちらも篠原氏が新規にデザインした本作オリジナルのオルフェノク
実はカラスのオルフェノクは既に小学一年生版『555』にクロウオルフェノクが登場していたりする。



荒らしと──────…共に消えろッ 乾巧─────!!!

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