キャンピングカー

登録日:2020/11/11 Wed 19:45:17
更新日:2024/10/26 Sat 00:04:49
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 キャンピングカーとは、キャンプに特化した(カー)であり、ロマンである
 なおこの項目でのキャンプは「野外で一時的な生活をするキャンプ」を指す。


【概要】

 冒頭では「キャンプ専用の車」みたいな言い方をしたが、実際のところは「寝泊りできる設備を備えた自動車」を意味する。というわけで寝泊まりするベッドやキッチン、座る場所が備え付けられていたらそれだけでキャンピングカーと呼べる。要するに車中泊に特化した車がキャンピングカーである!
 …と簡単に言うが、法律的にも「キャンピングカーとはなにか」と定められている。
 尤も2020年現在、キャンピングカーの装備は多岐に渡る為、とりあえず「お湯を沸かせ、眠ることができたら法律的にキャンピングカー」となっている。
 しかし「お湯、宿泊用」の装備をつけてしまうと積載量が増え車のサイズも大きくなる。そのため送車両法に定める自動車として登録しなければ運行が認められないし、認められたとしても「特種用途自動車」として扱われる事となる。
 なお特種用途自動車のカテゴリ的には「キャンプまたは宣伝活動を行うための特種な設備を有する自動車」なのでいわゆる宣伝バスとかと同じ扱いである。何故だ…。
 ただし運転免許に関しては普通免許以外の特殊なものは基本的にはいらない。あくまで道路上の扱いと税金が特殊なだけである。

 ただ近年では軽トラックやワゴンを改造してコンパクトにし特殊用途自動車にすることを回避した車も見られる。
 有名なのはトヨタ「ヴェルファイア」を改造した「バルテオ」等だろうか。この手のものは「キャンパー」と呼ばれることもある。
 普通車としての税金が取られる*1ものの、改造箇所が少ないが故にイニシャルコストを抑えられるので、その辺りを加味して選びたい所。

 他、通常の乗用車やトラックに牽引される形の「キャンピングトレーラー」も存在する。
 すでに乗用車がある場合は車1台買うよりかは安価、維持費も安めである。
 オマケに小さなタイプであるとけん引免許も必要はない…が当たり前だが実質的な車長が非常に長くなる。
 また中に人を乗せたまま運転してはだめ…等、細かいルールも多い。
 これも日本よりかは海外の方が主流。


【装備】

 前述の通り日本では「とりあえず給湯と寝台がついてたら法的にはキャンピングカー」である。
 しかし実際のキャンピングカーには利便性を求めるユーザーやメーカーによって様々な装備が加えられている。ここではそんなキャンピングカー特有の装備を紹介する。
 なお乗用車としての装備(カーナビとか)に関しては基本的に行わない。


  • 寝台
 要するにベッド。
 キャンピングカーには必需であるが、一応走行中に寝てはいけない事になっている(寝台車ではないため)。
 単なる寝台だったり平時はソファや椅子になったり、天井部分についてたりとまちまち。


  • 簡易キッチン
 調理器と水栓流し。最低でも「湯が沸かせること」ができればキャンピングカーにぐっと近寄る。
 熱源に関しては電気およびガスとなっている。まぁ近年はほぼ電気と思われるが。
 他にも調理をする人間がそこに立つことのできる空間が必要。このせいでキャンピングカーは基本的に背が高くなるのである。
 キャンパーは調理スペースがなく、電子レンジを備え付けられている事も。


 食事の後に体を洗ったり、我慢できない時に。水洗式のものと、持ちだせる簡易トイレの2種が存在する。
 とはいえ車に備え付けられているものなので基本的に狭め。あくまで緊急用である。

 また上記の水栓流しも含めた汚水は車内のタンクに貯まり、当たり前だが自分で処理しないといけない。シャワー排水はともかくトイレのは精神的にもきついだろう。
 付けたら付けたで手間が増える難儀な装備でもあるため、日本のキャンピングカーには付いていないことも多い。
 逆にキャンピングカー用の汚水処理施設がある海外、とくにアメ車なんかには付いていることが多い。


  • 冷暖房設備
 一般的な乗用車に備え付けられているものと基本的にはキャンピングカーも一緒。
 ただしエンジンを切っても快適な温度調整が可能なように発電機や灯油、FFヒーターが使われる事もある。


  • 冷蔵庫
 食べ物や飲み物を冷やして保存する。これがあれば立ち往生することになっても安心!
 かつては車専用の冷蔵庫が備え付けられていたが色々手間なので、近年は家庭用と同じコンプレッサー式の冷蔵庫をポンと置くのが主流。


  • テレビ
 家庭に置いてあるような普通のテレビ。
 大抵は天井から吊るされているが、壁掛けパターンも有る。
 その地方のテレビ番組を見ることは勿論、DVDプレイヤーやゲーム機も利用可能である。


  • 電気コンセント
 通常の乗用車はシガーソケットを利用したDC12V電気しか取ることができないが、バッテリーに余裕のあるキャンピングカーはAC100V。つまり家庭と同じだけの電圧コンセントがつけられている。
 上記の備え付けテレビと組み合わせて、いつでもどこでもゲームやDVDの視聴が可能である。
 え?家でやれ? 言われてみればそうであるが、見知らぬ場所でプレイするゲームもそれはそれで面白いものである。


  • ソーラー発電システム
 基本的にキャンピングカーの電気は大量のバッテリーで賄われているが、近年の物では自家発電も可能なシステムとなっている。



【創作におけるキャンピングカー】


 おそらくほとんどの旅好きが欲しがる代物であるが、漫画、アニメでの登場は不思議とほっとんど見かけない
理由としては便利過ぎる、作画が面倒、所有者が少なく実際の使用感がわかる人がいない…等と言った理由だろうか。
 以下はそんな中でキャンピングカーが登場する貴重な作品集である。

 サイバトロン総司令官のロディマスコンボイがキャンピングカー(によく似た大型トレーラー)に変形する。

 白鳥麗次がポルシェをキャンピングカー仕様に改造している。
 またキャンピングカーではないが、警視庁が極秘に開発した装甲車を両津がその外観からキャンピングカーと勘違いし勝手に持ち出して騒動になったエピソードもある。

  • 『賭博堕天録カイジ 24億脱出編』
 帝愛グループの追っ手から逃げるカイジ達がレンタカー屋で調達したキャンピングカーを一時的な拠点にしていた。
 後に帝愛グループのプロファイリングでカイジ達がキャンピングカーを使用している可能性が高いとフォーカスしてきた事により、旅の途中で出会ったキャンパー達から借りた別のキャンピングカー*2と一軒家を借りる事となる。

 『お金で買えない友情』にてキャンピングカーを題材にした事件が描かれている。

 キャンピングカーが存在感を示す貴重なシリーズ。

 貴重なキャンピングカーが登場するゲームにして物語全般において活躍する移動拠点。将来に関する喋り場になったり、船にも乗ったり、爆走を経験したり、色々ある。

 アニメオリジナルのドーマ編は広大なアメリカ大陸が舞台。その為移動手段兼拠点としてキャンピングカーが登場した。
 厳密にはレベッカの父ホプキンス教授の持ち物であるが作中ではもっぱら御伽龍児が運転、真崎杏子が調理本田ヒロトが賑やかしを担当していた。意外とアウトドアなメンバー達である。

  • 『GTOパラダイス・ロスト』
 内山田教頭の愛車。無印ではクレスタに乗っていた*3が、続編のパラダイス・ロストでは見栄張りで高級車に乗ることをやめ、軽のキャンピングカーを購入。
 一人気ままな休日を過ごすようになった。

 高校一年の夏、大宮忍ら五人が山へハイキングに行く際に九条カレンのパパが娘のために自慢の財力で二階建てのキャンピングトレーラーを購入。
 日本の公道では走りづらそうなサイズだとツッコんじゃいけない
 陽子「お前何者だ!?」
 「お嬢様……?」

 アニメ化された範囲より先の話、住み慣れた学校を離れたゆきたちはわけあってキャンピングカーを貰うことに。
 以降はこれが主な移動手段となる。

  • 『捨てられ聖女の異世界ごはん旅 隠れスキルでキャンピングカーを召喚しました』
 そのタイトル通りの異世界転生もの。異世界でアウトドアをするというコンセプトのスローライフものである。
 主人公のスキルの一つにキャンピングカー召喚がある。
 キャンピングカーというだけでも割と卑怯臭いのにエネルギー切れの心配がないとか明らかに車の外見より中が広いとか収納スペースもほぼ無限大と言うおまけつきである。こんなん現実世界でも欲しいわ。
 ただし屋内では使用することができず、このせいでクズスキルと判断され放逐されてしまった。ちなみにダンジョンも屋外扱いだとか。

  • 『のりものまん モービルランドのカークン』
 擬人化されたのりものが登場するアニメ。ゲストキャラにキャンピングカーの「キャピィ」が登場している。
 皆と一緒にキャンプに出掛けるが、どうやらキャピィが好きなのは一人キャンプらしく…。



【余談】

 「キャンピングカー」というのはあくまで日本での呼称であり、海外ではモーターホーム、キャンパー、キャラバン等と呼ばれている。その為海外でキャンピングカーというと別の物が出てくる可能性が高い。
 道路や土地の広い海外においては「移動する家」としてキャンピングカーを使う者も多く、災害時には大量のキャンピングカーがやってきて仮設住宅のように扱われることもある。
 また日本では学校に通い義務教育を受ける年齢の子供に関しても「その年代に適した勉学をしていれば学校に通わなくても問題ない」という法律の国があり、キャンピングカーで旅をしながら過ごしている家族もいる。
 あちこちで様々な事を知ることができる反面、友達ができにくい、できたとしても短い付き合いになるというコミュニケーション生成の問題が多々ある模様。


【まとめ】

 車は「自分だけの秘密基地」と言われることがある。
 パーソナルスペースというのはいつもロマンであり、それが移動するとなったら尚更。
 調理設備やシャワー、トイレもあるそれはまさしく究極の秘密基地と呼べるのではないか?












 追記修正は、キャンピングカーで生活しながらお願いします。


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最終更新:2024年10月26日 00:04

*1 重量税まで考えると、8ナンバーで登録出来れば3万ぐらい安くなる。

*2 ワゴン車の内部を改造してある。

*3 そして何度も鬼塚がらみのアクシデントで大破していた