特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター

登録日:2024/06/15 Sat 00:28:21
更新日:2025/03/07 Fri 07:59:21
所要時間:約 5 分で読めます





事件発生!ルーキー来襲!?


20年目もクールに決める!



特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』とは、スーパー戦隊シリーズ第28作『特捜戦隊デカレンジャー』のVシネクスト作品である。


【概要】

テレビシリーズ放送20周年記念作。
当時と同じオリジナルキャストを迎え、新たに起こった大事件を巡る新たな物語が展開される。
本シリーズにてデカブレイク/姶良鉄幹を演じた吉田友一氏が俳優業を半引退状態だったこともあり、本作の発表時には話題を呼んだ。
また、そんな吉田氏が拠点としている高知県高知市で「高知市地域おこし協力隊」として活動している縁もあり、実際に高知市で撮影が行われた。
ちなみに、高知県で東映特撮のロケが行われるのは『劇場版 仮面ライダーV3』以来じつに約50年ぶりである。
一部ではその際の撮影で起こした大爆発で地形が変わったせいで半世紀の間出禁だったのが奇跡的和解を果たしたとか言われてたり……

また、2024年6月16日にTTFC(東映特撮ファンクラブ)で配信された『特捜戦隊デカレンジャーwithトンボオージャー』は本作の前日譚と言える。

監督は渡辺勝也、脚本は『デカレンジャー』テレビ本編のメインライターを手掛けた荒川稔久が担当している。
ナレーションは、放送当時と同じく古川登志夫が担当している。


【あらすじ】

ある日、地球にて謎の爆発事件が発生。
デカレンジャーに保護された被害者のエイリアン・マープルの証言により容疑を掛けられた人物・ラエンジョは、かつて宇宙で幅を利かせていた麻薬商人・タレワラーネの妻だった。
そんなラエンジョの逮捕に動く中、デカレンジャーの面々は偶然地球に来ていたバンと再会し、その後輩である新人警察官の江戸川塁と出会う。
彼らとも合流し、改めて捜査に動くデカレンジャー。
バンとウメコと塁は地球の歓楽街へ、ホージーとジャスミンは異星へ、センとテツは……高知へ!?

20年ぶりのエマージェンシー!かつてない程のスケールで繰り広げられる大捜査の結末とは?


【登場キャラクター】

≪特捜戦隊デカレンジャー/宇宙警察地球署≫

20年目でもやっぱり主人公。
元地球署の火の玉小僧にして、現在はファイヤースクワッドのベテラン刑事。
年齢も40代に差し掛かった事で本人なりに歳と立場を考え始めたらしく、若手時代のような無鉄砲さは鳴りを潜めており、
後輩の塁に半ば活躍の場を譲ったり、塁とかつての同僚達の間を取り持つなど、気さくさこそありながらも落ち着いて理知的な姿を見せている。
本編開始前、塁と共に地球に降ってきた謎の落下物の調査をしていたところで爆発事件の捜査にも合流し、塁の感覚を頼りに、タレワラーネが地球で起こした歓楽街で捜査を行う。

バンの去った地球署のリーダー的存在。
久々に再会するも、以前とすっかり変わってしまったバンには思うところがある様子。
劇中ではテレビシリーズ開始前のようにジャスミンとコンビを組み、チーマ星のタレワラーネの屋敷にてラエンジョとタレワラーネの娘であるラカムを尋ねに行くが、家政婦の老婆から執拗に邪魔されてしまい……?

マイペースでやや突拍子のない言動の数々は相変わらず。
今では妻となったウメコと共に食事をしていたところ、ラエンジョの起こした爆発事件に遭遇し、マープルと出会った。
ファイヤースクワッドが調査していた落下物や、ラエンジョが事件発生に用いた爆薬について知ると、何を思ったのか唐突にテツを連れて高知市に向かい、そこで観光と土産物屋巡りを始めてしまうが、その真意とは?

地球署のエスパー婦警。
死g(ゲフンゲフン……一昔前を思わせる独特な口調もそのままながら、自身の代名詞であるサイコメトリーを使い、ラエンジョが落としたかんざしを頼りに、その娘であるラカムが暮らしていると思われるチーマ星の屋敷へホージーと共に向かう。
なお、10年前までは夫の能力だったテレポートも使えたが、時間経過と共に失ってしまった模様。

地球署の自称リーダー。
バンや塁と共に地球の歓楽街で捜査に乗り出し、その中でラエンジョと接触する。
勢い重視な捜査姿勢はもはやお約束で、やはりそのせいでミスを犯してしまう一幕も。
だが機転や観察力の良さも据え置きであり、彼女がラエンジョに対して感じた違和感が事態解決への糸口の一つになることに。

既に特キョウから地球署に正式に転属となっている。
高知市に知り合いがいるということで、センに案内役として連れ回されることに。

地球署の頼れるボス。
残念ながら本作ではデカマスターへの変身はないが、その愛刀・ディーソードベガは終盤で大きな見せ場が用意された。

地球署の頭脳兼皆のお母さん
今作でも優秀な解析能力でデカレンジャーをサポートする。
20周年なので変身を期待していたファンもそれなりにいたが結局変身しなかった。



≪本作オリジナルキャラクター≫

  • プレミアデカレッド/江戸川塁
演:長妻怜央

ファイヤースクワッド所属の若手警官でバンの教え子。
まだ歴が浅いながらもバンから託されたSP1ライセンスでプレミアデカレッドに変身し、タレワラーネをデリートした実力者。
バン曰く「今どき」とのことで、実際あまり人と行動を共にしようとせず、地球署の先輩達にも若干冷淡に接するなど雰囲気はどこか無愛想。
一方、良くも悪くも根は生真面目であり、一風変わった捜査方法をする地球署の面々には困惑を隠せなかったり、被害者の声には本人なりに真面目に耳を傾けるなど、宇宙警察としての自覚はしっかりと持っている。
また、微かな香りから手がかりを掴むなど、戦闘能力以外でも優れた知識量と行動力を持って捜査に臨む。
名前の由来は『怪人二十面相』『少年探偵団』でおなじみの小説家・江戸川乱歩とルイボス茶から。

  • ラエンジョ
演:黒川芽以

本作で起こった爆破事件の容疑者。
見た目は地球人の女性に似たヒューマノイドタイプの宇宙人で、和服のような装いを纏っている。
かつてはタレワラーネの妻であり、その出身地であるチーマ星の屋敷で暮らしていたが、本人に犯罪歴はなく、
その屋敷がファイヤースクワッドに突入されてタレワラーネがデリートされた日を境に行方をくらましており、デカレンジャー一同から犯行動機が「殺された夫の復讐」と予想されている。
地球の言語は修得していないらしく、母星のものと思われる独自の言語で話す。
加えて笑顔で暴行に走ったり、本来笑うべきはずのところで怒りの表情を見せるなど少々不可解な面も多いが……?

  • マープル
CV:福山潤

ラエンジョの爆破事件に巻き込まれたエイリアンの子供。
事件の数少ない証言者でもあり、ラエンジョがリモコンで爆弾を起爆させる瞬間を目的したという。
体長30センチほどの二頭身という可愛らしい人形のような姿が特徴。
一人称は「オイラ」で、語尾に「プル」と付けて喋る。
瓦礫の下敷きになっていたところをセンとウメコに救出され、一度は生活安全課に保護されたが、事件を起こしたラエンジョへの義憤で抜け出し、そのままデカレンジャーに協力するようになる。
ちなみに声を担当した福山氏は、ウメコ役の菊地美香女史が現在所属する事務所「BLACK SHIP」の代表取締役を立花慎之介氏とともに務めている。

  • モクミス
演:川村文乃

高知県立牧野植物園で働く女性学芸員。
その正体はかつてテレビシリーズにも登場したリドミハ星人であり、明治17年から地球で暮らしていたが、
当時はまだエイリアンなど架空の存在でしかなく、現地の人々に化け物扱いされた上に警察官には殺されかけたことから大の警察嫌いになってしまっている。
自分を訪ねてきたセンとテツにも、彼らの素性を知るや否や襲い掛かるが……?
高知暮らしが長かった為、ネイティブ同然の土佐弁で話す*2
名前の由来は、かつてテレビ朝日系列で放映されていた2時間サスペンスドラマ枠「木曜ミステリー」から(同じ星のカーサスとはミステリードラマ繋がり)。
スーツは当時のものが現存していなかったため、新造。
中の人は舞台となる高知出身のアイドルであり、2024年7月をもって芸能活動の引退を表明している。

  • タレワラーネ
CV:真野恭輔

過去にとある銀河一帯の違法麻薬の取引を牛耳り、麻薬王とすら称されたアリエナイザー。
その影響力は地球にも及んでおり、自身の財力と権力を持って地球に自身の故郷であるチーマ星を模した治外法権の歓楽街を作らせており、アリエナイザー達の溜まり場となっている。
本編開始前、ファイヤースクワッドによって本拠地である屋敷に押し入られ、自身も塁が変身したプレミアデカレッドにデリートされたが、死の直前に「大いなるは計画は、必ず実行される……!」という意味深な言葉を遺した。
出身惑星及び自身の名前の由来は『ウルトラセブン』のエピソード「狙われた街」からと思われる。

  • ラカム
演:小野美音

ラエンジョとタレワラーネの娘。
チーマ星の屋敷で、家政婦の老婆と共に暮らしているようだが……?


【用語】

  • 落下物
本編開始前、地球に落ちてきた謎の物体。
ファイヤースクワッドの調査の結果、天然物であるらしいが……?

  • パラトニウム
ラエンジョが用いた爆弾に詰められていた爆薬。
一度地表に付着すると爆破性を失い、植物への肥料にも使えるという特性がある。



追記・修正は、20年後でも現役な人にお願いします。

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最終更新:2025年03月07日 07:59

*1 しかも宇宙最高裁判所のジャッジメントで真相に気付かれないよう、妨害電波を流してSPライセンスのジャッジメント機能を停止させてもいた。

*2 演者の川村は高知出身。