影牢 ~刻命館 真章~

登録日:2024/12/19 Thu 15:00:00
更新日:2025/04/27 Sun 17:29:18
所要時間:約 30 分で読めます




「侵入者をにかけよ‼」

…それが少女に与えられた使命

『影牢 ~刻命館 真章~』とは、1998年7月にテクモから発売されたプレイステーション用ゲーム。


+ 目次



◇概要

サブタイトルにもあるように元々本作は1996年に発売されたPS用ゲームソフト『刻命館』に連なる作品として制作され、いわば刻命館の前日譚を描く「刻命館:エピソード0」というスピンオフとしての意味合いを持つ。
が、館を増改築したりモンスターを使役したり罠を強化していくといったシミュレーションゲームとしての属性が強かった刻命館に比べて、
トラップでのコンボなどアクションゲームとしての要素を強化した本作は刻命館をしのぐ人気を獲得。
侵入者は善悪や老若男女を問わず殺戮していくという独特のダークな作風や陰鬱な雰囲気ながらも良曲揃いのBGM、
決してハッピーエンドではない数々の結末から人を選ぶ作品ではあるものの、一部で熱狂的なファンを得るに至り、
後の作品が『影牢シリーズ』と銘打たれるなど、本家より有名になったスピンオフ作品となった。
尚、このシリーズに関わったスタッフが後にPS2にて手掛けたのが『』シリーズだったりする。
2008年11月26日からはゲームアーカイブスでも配信されているが、2024年現在の現行機種ではプレイできないためオリジナル版を遊ぶには通販や中古ショップ等で購入する必要がある。

◇ストーリー

人間と、人間に良く似た刻人(トキビト)と呼ばれる種族が共存している世界。
その血が青い為、その肌もまた青い事を除いては、刻人の容姿は人間と変わらない。
しかし、刻人は寿命で死ぬことが無い種族であった。
この為、刻人は人間よりも高い文明を持ち、人間を支配していた。

鬱蒼とした森の中に、その館はある。
今、その館には人間を殺すという使命を受けた一人の少女がいる。
少女の名はミレニア…。

彼女は人間である。にも関わらず人間を殺すことを使命だと思っているのは、
育ての親、ヨカルの教育によるものだ。
人間は、存在そのものが」ミレニアはそう信じている。
それに、人間を殺せば永遠の寿命を持つ刻人になれるのだ…。

母ヨカルに教わった人間を殺す手段はトラップだけだが、うまくやる自信はあった。

◇ゲーム内容

プレイヤーは目的は主人公である少女のミレニアを操作し、館の中へ侵入してきた人間を殺すこと。
ただし、大きな特徴としてミレニアは自分から相手を攻撃することはできず、相手からの攻撃を防御する手段も持っていないので侵入者と正面から相対したら逃げる事しかできない。
ではどうやって相手を倒すのかというと、館の中にトラップを設置し、それを起動することで攻撃を行う。
トラップは一つの部屋につき天井の三種類を一つずつ設置可能。
ただし、設置できるのは部屋の中だけで廊下には設置できず、天井トラップと床トラップを同じ場所に配置することもできない。元から館へ設置されている仕掛けがある場所にも配置は不可。
また、トラップの設置・撤去・起動を行う際にはミレニアがその部屋の中にいる必要がある。
トラップの使用回数に制限はないが、トラップにはチャージタイムを示すゲージが存在し、設置した直後と起動後はゲージが溜まるのを待たねばならない。
このチャージタイムは威力の高いトラップほど長めに設定されているため、必ずしも威力が高いトラップ=強いトラップとは限らないのが特徴。
なお、侵入者にトラップを当てると"Ark"と呼ばれるポイントが獲得でき、これを消費してトラップを開発する事ができる。
このArkは単発でトラップを当てるよりも下記のコンボを成立させた方がより高いArkを得られ、また効率的に敵の体力を奪えるため、プレイヤーは自然とコンボを狙う事になる。

◇コンボ

一つのトラップを起動して相手が行動不能になっている間に別のトラップを当ててダメージを与える事で"コンボ"が成立する。
例えば、
床トラップで動きを止める→壁トラップで弾き飛ばす→天井トラップを落とす
これで3連コンボとなり、単発でトラップを当てた場合よりもはるかに効率よくダメージを与えられ、さらに大量のArkを獲得できる。
本作では一つのミッションで天井・壁・床の三種類のトラップを3つずつ装備できるため一度に使用できるトラップの最大数は9つとなり、
慣れたプレイヤーならばそれらのトラップを全て使った9連コンボ、さらに館の中に設置されている仕掛けを利用して10連コンボなどの大連鎖を組む事も可能。
やり方によってはそれ以上のコンボ数を稼ぐこともできるが、10連を超えるコンボは獲得できるArkがゼロになってしまうためダメージはともかくArk稼ぎにおいてあまりメリットはない。
また、同じトラップをコンボ中に二回使ってしまっても獲得Arkはゼロとなる。

◇トラップ

作中でミレニアが持っている唯一の攻撃手段。
トラップと言っても人力で仕掛けるようなものではなく、設置も撤去も一瞬で済ませるなど端から見れば魔法か何かと見紛うような特殊能力。
本編でのとあるエンディングから考察するとあまり間違ってはいない可能性も
最初は少数のトラップしか使用できないが、ゲームを進めてArkを稼ぐことで多彩なトラップを開発できる。
これらを如何に駆使して侵入者を葬っていくかが腕の見せ所。
注意点としてトラップはミレニア自身にも作用するので自滅しないように。
また、侵入者によってはトラップに対して耐性を持っている相手もいる。

天井トラップ

その名の通り天井に設置するタイプのトラップ。岩を落下させるなどの攻撃型から状態異常を与える補助型など多彩なものが揃う。

ガス系トラップ

天井からガスを噴出し、効果範囲内にいる相手に浴びせかける。
喰らった相手は咳き込んで短時間だが動きを止め、さらに状態異常に陥る。
直接的なダメージ自体は期待できないが、効果範囲が広いので使いやすいトラップ。
動きを遅くするスローガスや混乱状態になるコンフューズガス
さらには怒り状態になるカースドガスに防御力を低下させるカースドガスの他、
特殊効果はないが熱風を浴びせて体力を奪うヒートブレスなどの多彩なガスが存在する。

ロック系トラップ

天井から大岩を落とすトラップ。
ダメージは大きいが総じてチャージ時間が長く、発動には時間がかかるのでコンボの締めなどに使われる。
また、岩は地形の影響を受けるため、傾斜に落として転がしたり、タイミングよく床や壁のトラップを使う事で軌道を変える事が可能。
基本形となるメガロックにその発展形であるトゲ付きの岩を落とすスパイクロック
溶岩の塊を落とすフレアロックに帯電しているボルトロック、さらには鉄球を落とすアイアンボールなども存在。
この中で鉄製のアイアンボールとボルトロックは後述の磁力系トラップを使うと軌道を変化させることができる。

カビン系トラップ

その名の通り、天井からカビンを落として相手の頭に被せるトラップ。
お笑いトラップと思いきや、その実態はこのゲーム中一、二を争うほど利便性の高い極悪トラップ
カビンを被った相手はそのままゆっくりと無防備状態で数ブロック歩いてから通常状態に復帰する。
このゆっくり歩くというのが重要であり、他のトラップのチャージ時間を稼ぐのに最適かつコンボのタイミングが取りやすい。
さらに、ダウン中の相手にヒットさせても強制的に立たせることができ、なおかつカビン系トラップは耐性を持つ相手が存在しないのでどんな相手にも安定して効果を発揮する。
さらにさらに、カビン系トラップは総じてチャージ時間が短くArk倍率が高いので大連鎖を決める際にこれ以上ないほど便利と、利点だらけの優良トラップ。
直接的なダメージこそ期待できないが他のトラップや仕掛けを使ったコンボでどうとでもなるのでなるべく早く開発してガンガン使おう。
普通の花瓶を落とすカビンに油の入ったものを落とすアブラカビンなんてものも存在。
アブラカビンはヒットさせると相手を油まみれの状態にし、動きを鈍らせるだけでなく火炎系のトラップや仕掛けのダメージを倍加させる。
アブラカビンを空打ちするとその位置に「油溜まり」が残り、これに触れると敵はすっ転んで油まみれになる。
油溜まりとアブラカビンは別個のトラップとして扱われるため、1つの枠で2コンボ稼げるという唯一の特性を持つ。
更なる発展形として溶岩の入ったヨウガンカビンがあり、こちらは直接的なダメージを与える事が可能。
被せられた相手は熱さの余り悲鳴を上げながら走って移動した後にダウンする。
前述通りカビン耐性を持つ敵は存在しないためどんな相手でもダメージを出せる最強クラスの汎用トラップ。
初心者はとりあえず床トラップで捕まえてヨウガンカビンを被せればなんとかなるぐらい便利。

タライ系トラップ

天井からタライを落とすトラップ。
元ネタは間違いなくザ・ドリフターズのアレであろう。
基本的に単体ではダメージを全く与えられないカビンに比べるとほんの少しだがダメージを与えられるものの、ヨウガンカビンのような発展形もないので完全なお笑いトラップ。
……に思えるかもしれないが、こちらは当たった相手を怒り状態にするという特徴がある。
このゲームの侵入者は建物内に設置されている危険な仕掛けなどに当たらないよう回避する習性を持っているが、
怒り状態になるとミレニアにまっすぐ向かってくるようになるので、目の前にギロチンがあろうが落とし穴があろうが構わず一直線に突き進んでくる
階段や段差なども無視して直線的に近付こうとしてくるのでこれを利用しての時間稼ぎやわざと危険な仕掛けに誘導するなどの作戦を取れば効率よくダメージを奪う事が可能。
基本となるタライの他に長時間怒らせるオオタライなどの種類がある。
なお、前述の通りタライは微量だがダメージがあるためこれで侵入者を殺すことができるが、その場合侵入者の死因は「タライにはじをかかされる」というワケのわからないものとなる。
「おいは恥ずかしか!生きておられんごっ!」ってこと?

壁トラップ

壁面に設置するトラップ。矢を放つ直接攻撃タイプの他に壁を動かして相手を弾き飛ばすものもあったりとこちらも多彩。

ウォール系トラップ

壁がせり出すトラップ。当たった相手は数ブロック強制的に動かされる事となる。
射程自体が短いので地味に思われがちだが強制的に相手を動かすという特性上、カビン系トラップや後述のフロア系トラップと組み合わせる事で非常に凶悪な連携を組む事が可能。
基本となるプレスウォールに、より激しく相手を吹っ飛ばすアタックウォール、トゲ付きの壁がせり出してダメージを与えつつ移動させるスパイクウォールなどが存在する。

アロー系トラップ

壁から矢を放って相手を攻撃するトラップ。
攻撃範囲が広いがダメージ自体は控えめなものが多く、また基本的に相手を拘束したりはできないのでコンボに使うタイミングの見極めが必要となる。
矢を一発放つ基本のアロースリット、三連射するトリプルアロー、五連射するチェインニードル
火矢を放つファイアーアロー、貫通性能を持つ帯電した矢を発射するレーザーアロー
アロー系の中では例外的とも言える相手を氷漬けにして拘束できるコールドアローなどが存在する。
また、これらの発展形として壁から転がる爆弾を発射するローリングボムや火の玉を飛ばすファイアーボールといった亜種もある。
さらに、回転したノコギリが飛び出して相手を反対側の壁まで運んでいくバズソーなんて変わり種も。

マグネット系トラップ

壁面の磁石で効果範囲内の相手を引き寄せるトラップ。
トラップと相手との間に攻撃判定のある仕掛けなどを挟んでおくと面白いコンボが組める。
ただし、引き寄せる速度自体は遅めなので距離が離れすぎていると上手く拘束できないことも。
また、先述のロック系トラップの一部に干渉できるため、使い方次第ではかなりトリッキーなコンボも可能。
基本となるマグネットやその強化版のパワーマグネット、磁石が帯電しており触れた相手にダメージを与えるエレキマグネットなどがある。

床トラップ

床に設置して起動するタイプのトラップ。天井トラップと同じブロックに配置することはできない。
爆弾を仕掛けるボム系やトラバサミを設置するタイプ、果ては電撃系など種類は様々。

ボム系トラップ

足下で爆発を起こして攻撃するトラップ。喰らった相手は吹き飛ばされる。
使いどころがわかりやすいが威力自体がピンキリな上に相手の吹き飛ぶ位置が予測しにくいという欠点があり、コンボに使うにはやや不向き。
直接攻撃するタイプが主流だが目くらましや地震を起こして相手の動きを止めるような亜種も開発可能。
基本となるスモールボムに強化型のブラストボム、起動後に相手が踏むことで自動発動するマイン、炎の柱とも表現される大爆発が起こるヘルファイアーが存在する。
それ以外では閃光で相手の動きを止めるフラッシュボム、地震を起こして相手の動きを止め、周辺にある攻撃判定の仕掛けを発動させるクエイクボム
その発展形で、より大きな地震で部屋内の仕掛けを全て作動させるカタストロフボムなどがある。

ベアトラップ系トラップ

足下にトラバサミが出現し、相手を拘束するトラップ。
ダメージ自体は期待できないがチャージ時間が短く、同じく相手を拘束できるカビン系や強制的に移動させるウォール系トラップと相性が良い。
基本となるベアトラップに強化型のヘビークロー、相手を氷漬けにして長時間拘束するコールドクローなどが存在。
中でもコールドクローは同じく凍結系のコールドアローと組み合わせる事で簡単に無限コンボを組めるほどの極悪性能。

フロア系トラップ

床が跳ね上がったり飛び出すなどして相手を強制的に移動させるトラップ。
主に相手を横に吹っ飛ばすタイプと上に吹っ飛ばすタイプの二種類に大別でき、
前者に該当するスプリングフロアスマッシュフロア、後者に該当するリフトフロアヘブンズフロアが存在する。
前者は相手を吹っ飛ばす方向を指定できるという特徴があり、コンボの起点として必要不可欠な凶悪トラップ。
カビン系やウォール系に比べるとややチャージ時間は長いがそれを補って余りある利便性を持ち、
このトラップがあるのとないのとではゲームの難易度が一変するほどの使い勝手を誇るので何をおいても真っ先に開発しよう。
後者は相手を天井まで吹っ飛ばしてダメージを与え、さらにこの惨殺換気扇などこのトラップを使わないと起動できない仕掛けが存在する。
利便性という点に関してはスプリングフロアに及ばないが、それでも十分に強力なので開発しておいて損はない。
また、マグネット系トラップの一種で範囲内の人間を引き付けるバキュームフロア*1という亜種もある。

電撃系トラップ

床から帯電した柱が飛び出し、触れた相手を感電させるトラップ。
威力自体も高めな上に見た目も派手で見栄えのいいコンボに便利。
さらに、帯電しているという特性上、水路などで起動させると一帯を攻撃判定で覆う事ができるという隠し要素を持つ。
また、電撃壁などの仕掛けやボルトロックなどと組み合わせると放電して攻撃範囲を広げる事も可能。
基本となるスパークロッドや強化版のサンダーボルト、「さばきの雷」とまで表現される程の高電圧を流すジャッジメントが存在する。

隠しトラップ

特定のエンディングを迎える事で開発可能になるトラップ。
どれも通常のトラップより高性能であり、一つでもあればクリアまでの道のりがグッと楽になる。

◇仕掛け

館の中にはミレニアが設置したものとは別に元から仕掛けてあった罠が存在する。
すっごく生活しにくそうとか言ってはいけない
これらは侵入者にヒットさせることでダメージを与える事ができ、コンボにも組み込めるので活用できるようになると一気に攻略が楽になる。

暖炉の炎

現実でも暖房器具として使われているもの。侵入者をここに叩き込むことでダメージを与えられる。
油まみれの状態だとダメージが増加し、しかも相手の防御力を無視するという特性があるので使いこなすとかなり便利。

電気椅子

木製の電気椅子で拷問部屋などに設置されている。座らせる必要はなく触っただけでダメージが発生する。
電撃属性のトラップを起動すると放電もできる。
ただし、あまり丈夫ではないので何度か使用すると壊れてしまう他、一部トラップに巻き込まれても破壊される。

ペンデュラム

天井から吊り下げられた巨大な振り子刃。"ブォン"という大きな風切り音が特徴なので設置されている部屋に来るとすぐにわかる。
大きさに反して攻撃判定の出ている範囲はそれほどでもないがかなり威力が高く、防御力無視の特性もあるため使いこなせばとても強力。
西の森の館に仕掛けられているフックは見た目こそ若干違うがほぼペンデュラムと同系統の仕掛け。

回転ノコギリ

人間ほどの大きさを持ち、常に回転している丸型の電動ノコギリ。触った相手にダメージを与えて吹き飛ばす。
設置されている場所から動かない上に何度でも使えるのでコンボに組み込める。
さらにこの仕掛けにはバグがあり、ノコギリの傍で立っていると侵入者が勝手にノコギリに突っ込んできてダメージを受ける。
これを利用すればラスボスでも完封してしまえるほど。ただし、立つ場所によっては普通に避けてくることもあるので位置取りにはご注意を。

倒れる柱

一部の柱はトラップを当てる事で倒すことができ、敵を巻き込むとダメージを与えられる。
ただし、一度使用してしまうとそのステージでは復活しないので使いどころが肝心。

火薬箱

人間大の大きさを持つ木製の箱で、攻撃を与えると大爆発する。
相手が油まみれだとダメージが増加。
攻撃範囲が思いのほか大きいので巻き込まれないように注意しよう。

ギロチン

天井から釣り下がっている処刑器具。
真下を通ると勝手に起動して相手を処刑する。
非常にダメージが大きく、なおかつ範囲内なら相手が空中にいても問題なくヒットため見た目以上に便利。

壁や床から定期的に飛び出す槍。"カシーン"という音が特徴。
デモシーンでもずっと聞こえるため耳に残る
範囲内の相手を串刺しにするが壁に設置されているものはダウン中の相手にはヒットしないので使い勝手はイマイチ。
床に設置されているものは空中判定の相手にもヒットするため使いこなせばコンボのお供にできる。

電撃壁

常に帯電している壁。壁に密着した状態だとダメージを受ける。
電撃系のトラップを起動させることで放電も可能。

落とし穴

読んで字の如く落とし穴。設置された場所を踏むと落下していく。
穴が剝き出しになっているタイプと蓋がされているタイプがあり、後者は相手をトラップで吹き飛ばす等して蓋を開けないと起動しない*2

斬殺換気扇

天井に設置されている大型の換気扇。羽が刃になっており、巻き込まれた相手を切り刻む。
設置場所の特性上、発動にはリフトフロアが不可欠。
ぶっ飛んだネーミングが特徴でダメージも中々だが、ヒット数の多さが災いして補正がかかってしまいArkが稼ぎにくいという欠点がある。

濃硫酸

地下遺跡の部屋にある溜池。読んで字の如く濃硫酸であり、中に入っている間は少しずつ体力が削られていく。
ダメージ自体は微量だが、その分敵の防御力に左右されないという特徴があり、無敵状態になった将軍などに有効。
また、ゲーム内においてはダメージのあるだけの水と同じ判定なので普通にトラップを仕掛ける事が可能。
そのため、浸かっている相手を凍結系トラップ等で拘束すると動けない状態でジワジワ体力を奪うという中々エグい攻めができる

灼熱の溶岩

地下遺跡に存在する地形ダメージ地帯。濃硫酸同様に立っていると体力が削られるが、数秒間そのままでいると全身に着火してダメージを受ける。

巨大岩石

天井から吊るされているロック系トラップをはるかに上回る巨岩。
地震系トラップを特定の場所で起動すると上から落下してくる。
設置場所の関係上、必ず転がってくる上にあまりにも大きいためロック系トラップに耐性を持つ侵入者でも防ぐことは不可能。

油のタル

中に油が満載された巨大なタル。ウォール系トラップなどで衝撃を与えると転がっていき、当たった相手を押し潰す。また、破壊されると周辺に油をまき散らす。
爆発系トラップなどで着火すると周辺を巻き込む大爆発を起こし、巻き込んだ相手を吹き飛ばしながらダメージを与える。

鉄の処女

現実にも存在したとされる処刑器具。
接触することで自動で扉が閉まりダメージを与える。威力は高いが正面から接触させなければならないので少々コツがいる。

吊り天井

地下遺跡内の小部屋に存在する仕掛け。部屋の中央部分の床にスイッチがあり、そこを踏むと小部屋の中にいるものを押し潰す。
効果は部屋全体に及ぶため、巻き込まれないよう注意。

◇ステージ

本作で戦いの場となるステージは三つ。
ストーリーの進行状況に応じて変化し、建物の広さや仕掛けなども変化するのでそれを上手く利用するのが攻略のコツとなる。

西の森の館

ストーリー序盤におけるステージ。部屋の数は四つと最も少なく、それぞれの部屋自体も狭いのできちんと逃げ回らないと侵入者に追い詰められるため注意が必要。
仕掛けの数も少ないが必要最低限は揃っているので上手く使えば連鎖を組む事も可能。
ストーリー分岐によっては最終ステージの場にもなる。

王宮

ストーリー中盤におけるステージ。国王からの命令を受けてここを守護する事になる。
序盤の館に比べると一気に部屋数が増加し、部屋の大きさも広くなるが敵の強さも増していくので油断は禁物。
また、ストーリーが進むと一番奥にある祭壇に女神像型の爆弾が仕掛けられ、この部屋を侵入者一人きりにすると爆弾が起爆して問答無用でゲームオーバー
そのため、如何にして侵入者を祭壇まで侵入させないか、あるいは侵入してきた敵を始末するかを考えなくてはならない。

地下遺跡

ストーリー終盤におけるステージ。通称『刻人の聖地』と呼ばれ、刻人の祖先たる始祖が眠る場所。
最奥の部屋には刻人誕生の秘話が記された碑文が刻まれている。
王宮同様にかなり広いステージだが、部屋と部屋とを繋ぐ廊下が長いのが特徴。
仕掛けも豊富だが、終盤だけあって敵もかなり手強くなるので心してかかる必要があり、油断はできない。
ストーリー分岐によってはここが最終ステージになる他、最奥の部屋に宮殿同様の爆弾が仕掛けられる場合もある。
こちらも当然起爆されるとゲームオーバーになるので注意しよう

◇侵入者

本作における"敵"となる存在で、ミレニアが守護する館に迷い込んできた人間たち。
来訪の目的や年齢・性別・職業は様々だがミレニアはそれらを一切区別することなく平等に殺戮していく事となる。
最大で八人まで同時に侵入してくるが、プレステの処理能力の都合で一度に出現する敵の数は二人まで。
侵入者はそれぞれ体力・攻撃力・防御力などが異なり、侵入者の職業によって攻撃手段も様々。
また、職業によっては特定のトラップを無効化するなどの耐性を備えている場合もある。

◇用語


人間

本作において人口の大半を占めている種族。
元々は文明らしい文明を持たず、生きるためにひたすら争いを繰り返す獣同然の存在だったが刻人によって知恵を分け与えられ、豊かな暮らしと平和な社会を手に入れた。
それ故に大半の人間たちは刻人に対して畏敬の念を抱いており、「刻人様」と呼んで尊敬すると共に彼らに支配される生活を甘んじて受け入れている。
作中の描写からすると文明レベルは概ね中世ヨーロッパ程度と見られ、魔法やモンスターなどが実在するなどいわゆる国産RPGのような世界観である模様。
また、支配と言っても登場人物たちの口からは「この国は平和」と度々語られていることから、
刻人による統治自体は真っ当かつ良好なもので、人間たちを奴隷の如く扱うような非道なものではない事が伺える*3

刻人(トキビト)

作中の舞台となる国において人間を支配し、事実上文明の頂点に立つ種族。
青い肌青い血をしていること以外は人間と何ら変わらないが、不老であり寿命によって死ぬ事がないという決定的な違いがある。
病気に罹患することもないらしく、事故や殺人といった外的な要因がない限り、永遠に生き続けられる存在。
それ故に高度な知識と技術を持ち、その力で以て人間を支配している。
自分たちが永遠の寿命を持つことから基本的には人間を下等な生き物としか見ていない。
なお、国王の発言によれば刻人は自ら子孫を増やしたりすることはできない模様。

マリオネットプロジェクト

神官のヨカルによって発案された兵士育成プロジェクト。
普通の人間の兵士では有事の際に裏切る恐れがある事から「絶対に裏切らない忠実で信頼できる兵士」を作るべく、
幼い人間を誘拐して長期に渡って洗脳・教育を施し、さらに攻撃手段をトラップのみとすることで万が一反逆されても容易に処分できる存在にするというもの。
作中では主人公のミレニアがその第一号として運用されている。

レッドブラッド

刻人を絶滅させ、人間を刻人の支配から解放する』ことを目的とするゲリラ組織。
ただ、その理念は刻人を尊敬している大多数の人間たちからすると理解できないものである模様。
メンバーは元軍人やゴロツキ、格闘家など出自や職業は様々だがリーダーであるキースの人徳に惹かれて集まってきた者が多い。
暗殺部隊や突撃部隊などを有し、いずれも実力者揃い。

◇登場人物


●ミレニア*4

本作の主人公である人間の少女。年齢は19歳。
幼い頃に神隠しに遭い、その後は刻人のヨカルによって育てられた。
神隠し以前のことは覚えておらず、興味もない。
育ての親であるヨカルから「人間は滅ぼすべきである」と教育されており、人間を殺害することに何の躊躇いも持たない。
ヨカルから教わったトラップを操る能力を使い、淡々と迷い込んできた人間を殺していく……。


いわゆる喋らない主人公であり、作中では人形のように無表情で感情表現に乏しく、ほぼセリフを発しない。
が、登場人物からの問いかけに対して「人間を殺すのが使命だから」と答える等しており、自我や言語能力を失ったりしているわけではない模様。
ゲームの仕様上、プレイヤーはミレニアの背面を見る機会が多いことを意識してか、背中が大きく開いた煽情的な衣装を身に纏う。
このミレニアの後ろ姿はパッケージにも採用される等、本作を象徴する印象的なヴィジュアルとなっている。
ただし、海外版のパッケージでは侵入者と対峙するミレニアの姿を正面から描いたものに差し替えられており、
ミレニアの顔がやたらめったらに濃く描かれているのも手伝って良くも悪くもまるっきり異なった印象を与えるものになっているのである意味必見。

●ヨカル

国王に仕える刻人の神官であり、ミレニアの育ての親である女性。
その美貌は感情がないせいと噂される。
また、はるか昔に国王と愛し合っていた時期があるとの事。
忠実な兵士を育成するマリオネットプロジェクトの発案者でミレニアにトラップの使い方や知識を授けた人物。
穏やかな口調の人格者だが、800年近い歳月を生きているせいかどこか無感情な印象を受ける。
他の刻人同様、人間に関しては下等な生き物と見下している模様。
ただし、長年一緒に過ごしたミレニアに関しては我が子のような思いを持っているようで……。

ちなみにゲーム中最初のミッションではヨカルが館の一室に立っているが、この状態でも当たり判定があるため、普通にトラップを当ててArkを稼ぐことができる
初期のトラップは性能が低いのでコンボを繋げるのはなかなか難しいものの、慣れれば大ダメージのコンボを組む事も可能。
コンボが途切れると会話の後で怒ってその場からいなくなってしまうが、体力の上限を超えたダメージを与えるとその場から消滅する


●キース

刻人絶滅を掲げるゲリラ組織『レッドブラッド』のリーダーである青年。
まだ年若いが類稀な行動力とカリスマを併せ持ち、メンバーからも強い信頼を寄せられている。
権力者のデッドムーンとの交渉でも一歩も引かない胆力を見せるなど強固な信念の持ち主。
刻人を絶滅させるべくあらゆる手段を用いて活動するが、その根底には幼少期の出来事が関係しており……。


●エクリプス

800年の長きに渡って物語の舞台となる国を治めている国王。
思慮深く、王らしい威厳と穏やかな物腰を持つが、内心ではここ数百年における人間の増長を快く思っていない。
また、実はその立場ゆえに命を狙われ続けているらしく、それに対抗するべく鍛錬を続けた結果、強大な戦闘力を持つに至っている。


●ダスク

国王の腹心である大臣。禿げ上がった中年の刻人。
自身では国王に信頼されていると思っているが、実際の所は国王が優越感に浸るための存在でしかない。
性格は小心者で国王の命令には逆らえないイエスマン。


●デッドムーン

人間社会において大きな権力を持つ闇司祭。影武者や自らの私設軍を有している。
表向きは国王に忠実に仕えているが、腹の底では国王から権力を奪って自身がその後釜に座り、さらに永遠の命を得るという野望を持つ。
そのためにキース率いるレッドブラッドによる刻人暗殺の支援や王宮に爆弾を仕掛けるなどして暗躍する。


●ジェラルド

レッドブラッドの主要メンバーである騎士。
騎士らしく西洋風の剣を武器としている。
元々は軍に所属していたようだが、作戦に賛同することが出来ず、軍を離脱。その後キースと知り合いレッドブラッドに加入したという経歴を持つ。

それ故に、レッドブラッドの信念を強く信じ込んでいて、作戦を共にする傭兵のマクロードから刻人を本当に殺すのかと聞かれた時には、『自分たちは刻人を尊敬などしていない』と言い切るほど。
なお、部下である弓使いのレインには好意を持たれているが、彼はそのことに気づいていない。


●ジュリア

レッドブラッドの切り込み隊長とも言うべき女ハンター。
コントロールに優れたブーメランを武器とする。
ストーリー分岐によっては任務から帰ってこないジェラルドたちを捜索するべく西の森の館を訪れ、ミレニアと対決する。


●ヴォーグス

国王の部下である刻人のクグツ師。
人間を信用できない生き物として毛嫌いしているらしく、
ヨカルが発案するマリオネットプロジェクトへの疑念と対抗心から自力で研究を重ねて刻の人形を完成させ、
自身の研究成果が優れている事を証明するべくミレニアと戦うも破れて死亡する。
ストーリー分岐によってはミレニアに向かって両親の死の真相を暴露し、ヨカルへの恨み言を残して事切れる。

●ダール

ゲームにおける一番最初の侵入者となる村人。
プロフィールに『ごく最近リリアという可愛い奥さんと結ばれたばかりで幸せの絶頂にいる』といういかにもな死亡フラグを立てている哀れな男。
村人ということからもわかる通り戦闘力は皆無で、要するにトラップの使い方などを学ぶためのチュートリアル的な役割を持つキャラ。
初登場のミッションでは逃がすことも可能だが次のミッションで後述のスラッシュと共に再び館を訪れるため、どうあがいても必ず死亡する。

●スラッシュ

村の戦士。
ぶっきらぼうな性格で酔うと短気になって暴れるなど血の気の多い面もあるが、情に厚いため親友のガストーンや弟分のホークなど多くの人から慕われている。
夫が刻人の館へ行ったきり帰ってこないことを心配したダールの妻であるリリアに雇われ、ダールを捜索するために館を訪れてミレニアと戦闘になる。
ダールが生存している場合は刻人の名を騙って人を呼び寄せるミレニアをこらしめるべく、ダールと共に館へ乗り込んでくる。
戦闘力のない村人であるダールと違って武装しているため、敵として戦う相手として最初の人物。
とはいえ、序盤に登場するとあって能力自体は低いので落ち着いて戦えばそれほど苦戦するような強さではない。
スラッシュまでもが犠牲になったことで、西の森の館は入った者が二度と出てこない館と噂されるようになり、さらなる侵入者を呼び込むことに……。
ちなみに、体験版でもエネミーとして登場している。

◇余談

  • 会社繋がりでテクモのゲームソフト『モンスターファーム2』において『トキビト』というモンスターがゲスト参戦している。
    ちなみにナーガ種であり、見た目はミレニアを彷彿とさせる。

  • 後継作である『影牢Ⅱ-Dark illusion-』ではサイドストーリーの敵としてミレニアが登場。
    こちらのトラップを勝手に起動するなどの特殊能力を持つが、武器を持っておらず攻撃手段はなんとビンタヨカルに教わったのだろうか
    ステータスが非常に高いのでダメージは大きいがリーチが短く、一定の距離に立つと当たらないビンタを繰り返すのでこうなるとコンボの的。
    さらに条件を満たせばミレニアのコスチュームが開発可能になり、着用すると主人公アリシアの姿をミレニアに変更できる。

  • 2014年の『影牢 〜もう1人のプリンセス〜』では『刻命館』を除いたシリーズの歴代主人公がゲスト参戦しており、ミレニアも当然登場。
    職業は『刻人の姫』となっている。
    こちらでも敵として戦えるだけでなく、条件を満たせばプレイヤーキャラとして使用できる。ポロリもあるよ!
    性能はトラップを一度に三つまでしか設置できず、アビリティも使用できない代わりに移動速度が速くトラップのチャージ時間が短い、と原作を意識したシンプルさが特徴。
    なお、原作では悲鳴以外にボイスが存在しないが本作ではボイス付きで普通に喋る。声の担当はMiKA女史。

  • 『無双☆スターズ』においてもまさかの参戦を果たし、トラップで大軍をなぎ倒すミレニアの姿を見る事ができる。
    また、BGMも本作の『暗黒の翼』のアレンジが使われているという心憎い演出も。
    こちらでの声の担当は皆川純子女史。
    さらに本作では風呂場イベントというシステムがあるため、なんと入浴シーンを見ることが可能。ヨカルさん、キースさんこっちです

  • その他では会社繋がりでエロ3D格闘ゲームDEAD OR ALIVEに登場するあやねのコスチュームの中にミレニアの衣装が存在する。

  • 先述の通り本作のBGMはダークな作風にマッチした名曲揃い。さらにサントラには水野あおい女史の歌うイメージソング『Frozen Dark Night』が収録されている。
    が、多くのPS作品のサントラ同様すでに絶版となっており、中古サイトなどでは値段が高騰している。



追記・修正はヨカル10連コンボを決めながらお願いします。

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最終更新:2025年04月27日 17:29

*1 体験版での名称は「マグネフロア」

*2 一度蓋を開ければ穴は開きっぱなしになる

*3 刻人絶滅をスローガンとして掲げるレッドブラッドのメンバーでさえ「もしも刻人が一人残らずいなくなったらこの国は乱れるだろう」と認めていた

*4 デフォルトネームであり、変更可能。『ユリアス』または『アスタルテ』と名付けると最初からArkを獲得できるという隠し要素がある

*5 あくまでも姿が変わるだけであり、ストーリーに変化はない

*6 オープニングムービーでミレニアを館へと誘うピエロがヨカルだと推測される

*7 なお、レインが先に遭遇した時も同様の反応である。

*8 ちなみに「はい」と答えた場合と「いいえ」と答えた場合では死亡する際のセリフが異なる

*9 作中ではリリアの色違いのキャラクターが登場し、普通に倒せることからモーション自体は製作されていることが分かる