BGMに合わせて敵キャラクターやその他オブジェクトが踊る現象(2Dマリオ)

登録日:2025/01/01 Wed 00:00:00
更新日:2025/04/12 Sat 10:29:58
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本項目では、「Newスーパーマリオブラザーズ」等の2Dアクションマリオシリーズにおいて、BGMに合わせて敵キャラやその他オブジェクトが踊る現象について解説する。

目次


概要

この現象が起きる作品では、大体のステージ内BGMに「ワァ」*1という合いの手のようなコーラスが頻繁に組み込まれており、それに合わせてステージ上に配置された敵キャラであるクリボーやノコノコ等が踊る……という挙動が仕込まれている。
「踊る」の具体的な内容は敵によって様々で、小さく跳ねたりその場でステップを踏んだり、他にも何かよく分からない挙動をする者もいる。
所謂製作者の遊び心で仕込まれた小ネタであり、ゲームプレイに影響しないものも多い。

また踊るのは敵キャラだけでなく、ステージ上のパワーアップアイテム背景の花といったオブジェクトも「踊る」。
非生物や植物にまで「踊る」という表現をするのが適切なのかちょっと分からないが、ここでは一括りに「踊る」と表現する。

なお、水中面等の一部BGMでは踊るトリガーの音声が「ワァ」とは異なるものになっていることがある。
砦やお化け屋敷等の一部ステージBGMやクッパ等のボス戦BGMでは「ワァ」等のトリガーになる音が発生しないため、敵は踊らなくなる。
また、2Dマリオではゲーム内の時間制限が残り100カウント以下になるとBGMがプレイヤーを急かすかのようなアップテンポのものに変化することが多いが、当然この状況だと「踊る」現象の周期も短くなる。
加えてPスイッチ等の時間制スイッチの制限時間中や巨大キノコ・スターによる無敵状態中はBGMが専用のものへと変化するが、これらのBGMには「ワァ」等のトリガーが組み込まれていないため、これらの制限時間は敵が踊らなくなる。

作品による変化

Newスーパーマリオブラザーズ

初出作品。敵キャラについてはクリボー、ノコノコ、プクプク、トゲゾー、パタクリボー、ブロックンの6種のみであり、まだ踊りに対応していない敵キャラも多い。
発生BGMは『地上』『地下』『水中』『アスレチック』『砂漠』『水辺』『火山』の7曲。

New スーパーマリオブラザーズ Wii

Wiiで発売された2Dアクションマリオ。踊りに対応する敵が増加。パタパタ等はこの作品から踊るようになった。
発生BGMは『地上』『地下』『水中』『アスレチック』『砂漠』『雪国』『水辺』『森林』『火山』の9曲。
内『地上』『地下』『アスレチック』はDS版のアレンジで、『雪国』は地上のアレンジ。他は新規の曲となっている。

New スーパーマリオブラザーズ 2

3DSで発売された作品。「2」と付くが基本的に素材はWii版のものを流用・アレンジしている。
発生BGMは『地上』『地下』『水中』『アスレチック』『砂漠』『雪国』『水辺』『森林』『火山』『砦』『城』『お化け屋敷』の12曲とシリーズ最多。
他の作品と異なる点として、砦・城・お化け屋敷のBGMにコーラスが追加されており、従ってこれらのステージにしか登場しない敵キャラも踊る。次の作品では早々にWii以前の仕様に戻ってしまったため、中々貴重。
あと全体的に『ワー』という高音のコーラスパートが追加されている曲が多く、トリガーになる音と若干紛らわしい。

Newスーパーマリオブラザーズ U

Wii Uで発売された2Dアクションマリオ。
発生BGMはWii版と同様。『地上』『雪国』のBGMは新規のものになったが、それ以外はWii版のアレンジ。
キラー、ハナチャン等踊る敵も順当に増え、本作から登場したチビヨッシーも踊るようになった。
Nintendo Switch用として発売された拡張版である「Newスーパーマリオブラザーズ U デラックス」でもほぼ変わりない。

なお、本作をベースとしている『スーパーマリオラン』及び『スーパーマリオメーカー』シリーズのNew Uスキンでは発生せず、ご丁寧にBGMもコーラスパートが除去されたものに差し替えられている。
前者は「自動でマリオが右側に走り続けて基本的に止まれない」というスマホゲームに合わせた仕様との相性が、後者はオトアソビ等のBGMに割り込むシステムとの相性が悪かった(もしくは容量的な都合)ために削られたものと思われる。

スーパーマリオブラザーズ ワンダー

Nintendo Switch用として発売された現行最新作。ステージ上で流れるBGMが一新されたが、そのいずれにも全く「ワァ」等といった音は含まれておらず、本要素は完全にオミットされた

しかし「敵や仕掛けが曲に合わせて踊る」という要素については大幅に進化……どころか本作の中核をなすテーマの1つにまでなっている節があり、
  • パックンフラワー達が専用曲「パックンマーチ」に合わせて歌う歌って踊ってパックンマーチ
  • キングテレサ凄くいい声でオペラを歌いながら追いかけてくるライトでナイトなお化け屋敷
  • キラー砲台がリズミカルにキラーを発射するナックルフェスティバル ~King Bwats You Up!~
(※これでもまだまだ一部)の極めて個性的なステージは、これまでの2Dマリオに慣れ親しんだ者ほど鮮烈な体験に感じられるだろう。
これらは主に本作の目玉要素であるワンダーフラワーによるトリップ大規模な変化が起きている中に発揮され、総称してミュージカルステージとも呼ばれる。
詳細は省くが、ラスボス戦まで音楽に合わせて行われる
流石に取り上げる範囲が広くなりすぎるため、本項目では以降『ワンダー』は取り扱わないことにする。

踊り手達

以下、『Newスーパーマリオブラザーズ』を『DS』、『New スーパーマリオブラザーズ Wii』を『Wii』、『New スーパーマリオブラザーズ 2』を『3DS』、『Newスーパーマリオブラザーズ U』を『U』と略記する。
「○」がついたキャラは踊る。「×」は登場するが踊らないことを指し、「ー」はそもそもそのキャラ/オブジェクトがその作品に登場しないことを指す。

クリボー

DS Wii 3DS WiiU
説明不要のキングオブザコ。踊りは小さく跳ねるだけのシンプルなもの。
なお、跳ねる瞬間にダッシュとしゃがみを駆使することで下を抜けられるというどうでもいい小ネタがある。
『Wii』以降は亜種のこでかクリボー、でかクリボーが登場。しかしこちらは『U』まで踊らなかった。
『3DS』では最大8体が縦に積み重なったタワークリボーが登場し、こちらも踊っている。よく崩れないなこれ……

ノコノコ

DS Wii 3DS WiiU
クリボーに並ぶお馴染みの敵キャラ。『DS』と『Wii』以降とで踊りの挙動が異なる。
『DS』では一瞬立ち止まって正面を向くだけだったが、『Wii』以降は「正面を向きながら腕を振る」モーションに変更されまさに「踊る」という感じになった。
更に「ワァ」単発の場合と「ワァ、ワァ」と2回鳴る場合とでモーションが異なるという妙に凝った作りになっていることも特筆すべきだろう。
「横軸の移動が一瞬止まる」ため、地味ではあるものの他の敵キャラの踊りよりも明確にゲームのプレイに影響する。
踏もうとしたノコノコが踊ったせいで微妙に計算が狂ってダメージを受けるのは誰もが通る道。

2020年代にはニコニコ動画などでなぜかこの踊るノコノコとBGMのコーラスを素材に様々なMADが作られるというブームが発生していた。

プクプク

DS Wii 3DS WiiU
水中面に登場する丸っこいサカナの敵キャラ。
横の軸を中心にクルっと一回転する。整列したプクプクの大群が一斉に回る様は中々綺麗。
なお、亜種として緑のサーチプクプク及び巨大プクプク、巨大サーチプクプクがいるが、こちらは踊らない。
『Wii』以降は更なる亜種として黄色のにげプク、紫のトゲプクが登場。緑のサーチプクプク共々しっかり回るようになった。
他に水上面で登場するトビプクもいるが、こちらの対応は『U』とかなり遅くそれまで踊らなかった。

トゲゾー

DS Wii 3DS WiiU
ジュゲムの投げるパイポから発生する踏めない四足歩行のカメ。地味に『DS』からの古参ダンサー。
どの作品でも小さく跳ねるが、『DS』版のみ跳ねる度に進行方向が反転するという特性がある。『Wii』以降ではこの特性は無くなりただ跳ねるだけになった。
『DS』のトゲゾーに妙に被弾しやすい気がするのは多分このせい。

パタクリボー

DS Wii 3DS WiiU
× × ×
羽根の生えたクリボー。
クリボーと同じように跳ねて踊るのだが、こちらは羽根の上昇力によりクリボーよりも高く跳ぶ。
……という挙動だったが、『Wii』以降では「一定の周期で高く跳ぶ」という挙動に変更され、BGMに合わせて跳ねる要素は無くなった。
途中から踊りが無くなったという何気に相当珍しいパターン。だがそもそもDS以降はどの作品も登場機会自体が妙に少ないので誰にも気付いてもらえない

ブロックン

DS Wii 3DS WiiU
縦に並んだレンガブロックとハテナブロックに擬態している敵キャラ。現状『DS』のみ、それもたった1ステージ(2-5)にしか登場しないという相当なマイナーキャラ。
BGMの「ワァ」に合わせて非常に高く飛び跳ねるのが特徴。
上に乗ることで動く足場として利用でき、特に3枚目のスターコインはコイツの特性を熟知していなければ回収出来ない。
あの砂漠のBGMが妙に耳に残っている人も多いのではないだろうか。

ウニラ

DS Wii 3DS WiiU
×
水中面に登場するトゲで覆われたウニのような敵キャラ。
口を僅かにパクパクする。亜種のでかウニラも同様。
他と比べかなり分かりにくいが、水中ならば口の辺りから空気(泡)が出る表現があるので比較的分かりやすいか。
ハード的に繊細な表現が難しかったからかあるいは分かりにくすぎて作り手にも忘れられたのか『3DS』では消された。

パタパタ

DS Wii 3DS WiiU
×
羽根の生えた空飛ぶノコノコ。ノコノコから一代遅れて踊るようになった。
一瞬正面を向く。『DS』におけるノコノコのモーションに近い。
翼でパタパタ飛んでいる分踊りに専念する余裕がないのだろうか。
縦に往復、横に往復、地上をホッピングする等様々な移動パターンのパタパタがいるが、踊りはどれも同じ。

サンボ

DS Wii 3DS WiiU
× ×
トゲ付きの球体が何段も重なっているサボテンの敵。
全身がミカンに変化する。初見だと意味が分からないと思うが文字通りの意味で、体色が若干明るい橙色になり、体表面のトゲが無くなり、各球体の頂部に葉が出現する。どんな身体の構造してんだコイツ……
この状態でも普通に接触ダメージが発生するが、ヨッシーで食べるとフルーツ扱いになり、また通常と異なり頂点以外の部位を食べても一撃で倒せる。
『3DS』ではヨッシーが登場しないためか踊らなくなった。

ゲッソー

DS Wii 3DS WiiU
×
動きが読みづらいイカの敵キャラ。
こちらは縦の軸を中心に1回転する。

メット

DS Wii 3DS WiiU
×
藍色の頑丈な甲羅を背負った四足歩行のカメ。
トゲゾー同様、跳ねる。『U』にて登場したでかメットも跳ねる。
亜種のトゲメットは「壁に張り付く」という役目があるからかどの作品でも踊らず。

カロン

DS Wii 3DS WiiU
× × ×
『3DS』のコーラスパート追加により踊るようになったキャラ。まぁそもそも『3DS』では砦や城以外の場所にも出現するけど
踊りはノコノコ同様。でかカロンもちゃんと踊る。
先述の通り『U』ではまた踊らなくなったため、割と貴重。

ほねクリボー

DS Wii 3DS WiiU
『3DS』の砦に出現する、いそうでいなかった骨のクリボー。動きも勿論クリボーと同様。
ちなみに骨キャラのくせに何故か炎が有効であり、事実上ノーマルクリボーと何も変わらないというよく分からない存在だった。
そのせいか『U』ではリストラされ、再登場したワンダーでは炎が効かなくなり、更に2回踏まないと倒せなくなるという差別化を受けた。

フィッシュボーン

DS Wii 3DS WiiU
× ×
砦やお化け屋敷に登場する骨だけのサカナ。カロン同様『3DS』でのみコーラスパート追加に伴い踊る。
頭尾軸を中心に一回転する。未発見状態の巡回中のみであり、追跡中は踊らない。

キラー

DS Wii 3DS WiiU
× ×
砲台から際限なく発射される腕の生えた黒い弾丸。
高速で回転する。発射時にも素早く回転しているが、それよりも更に速く回転する。

ズングリ

DS Wii 3DS WiiU
『U』にて初登場した、スーパードングリを運んでくるムササビの敵キャラ。
でんぐり返しのようにその場で回転する。駄洒落か?
空中にいる場合も滑空しながら空中で回転する。

ペンタロー

DS Wii 3DS WiiU
×
『Wii』で初登場した、腹滑り攻撃を得意とする一頭身のペンギン。
やや遅れて『U』で踊るようになった。ピョンピョン跳ねる。

イガクリボー

DS Wii 3DS WiiU
×
イガグリのイガに引きこもっているクリボー。存在自体が自虐
『Wii』では特に何もなかったが、『U』にて中身のクリボーが時折顔を出すようになった。

タツノン

DS Wii 3DS WiiU
『U』にて初登場した、弧を描き泳ぎ回る巨大な竜。
プクプク同様に1回転する。

イバラムシ

DS Wii 3DS WiiU
×
『Wii』で初登場した、丸いオレンジ色の頭からイバラのような長い足が2本生えた敵キャラで、吸盤付きの長い足を尺取虫のように交互に動かして「移動」するというかなりインパクトのあるビジュアルをしている。
『U』にて再登場した際、BGMに合わせて頭部がミカンに変化するようになった。なんで継承者がいるんだよ
勿論食べるとフルーツ判定。
また、元よりイバラムシは下から頭を叩くとコインを出すという性質があるのだが、ミカンになっている時に叩くとコインが上限まで出てくる。

ハナチャン

DS Wii 3DS WiiU
× × ×
普段は大人しいが怒らせると荒ぶる黄色い芋虫の敵キャラ。
『U』にて体を揺らして踊るようになった。ただし踏んで怒った状態になると踊らなくなる。

ジュゲム

DS Wii 3DS WiiU
× × ×
雲に乗って空を飛び、パイポ等を落として妨害してくるお馴染みの敵キャラ。
といっても正確には踊るのはジュゲム本体ではなく、「ジュゲムの雲」。
『U』にてBGMに合わせて口をパクパクさせるようになった。もう踊るというより歌っているようにしか見えないが気にするな

パワーアップアイテム

DS Wii 3DS WiiU
キノコ類、ペンギンスーツ、スーパードングリ等の地面を這って移動するアイテム、フラワー類、こうら等の動かないアイテムが該当。いずれも音楽に合わせてピョンピョン跳ねる。
それ以外の独特な動きをするスターやプロペラキノコやスーパーこのは、巨大キノコは踊らない。
フラワー等の固定アイテムを横移動するリフトの上に載せて運搬しようとしたが、BGMに合わせて跳ねるせいでどんどん左側にズレていき、終いには落下……という経験のある読者も多いのではないだろうか。

DS Wii 3DS WiiU
×
付近でスピンするとコインを出す色とりどりの花。
一瞬僅かに大きくなる。『3DS』ではスピンが廃止されたためか単なる背景になり、BGMに反応することもなくなっている。
類例として、『U』ではヨッシーが食べるリンゴも一瞬僅かに大きくなるようになった。

ヨッシー

DS Wii 3DS WiiU
マリオシリーズお馴染みのスーパードラゴンの相棒。
画面側を向いて手を振ってくれる。ただしマリオ達が乗っていない間のみなので意外と気付きにくい。
『U』で登場した幼体のチビヨッシーも手に持っていない状態に限り踊ってくれる。
こちらは立ち止まって手を左右に大きく振るモーション。

参考 ドンキーコングシリーズでの同現象


マリオの兄弟シリーズとも言うべきドンキーコングシリーズでは、
近年のマリオの影響なのか、マリオシリーズ同様にステージギミックがBGMに合わせて踊るような現象が発生するステージが配置される傾向にある。

ドンキーコングリターンズ

Wiiにて発売されたレトロスタジオ製ドンキー第1弾となる『ドンキーコングリターンズ』では、
ワールド7「ファクトリーエリア」内に存在する7-7「 ミュージックファクトリー 」にて発生。

このコースのBGMは同ワールド内のコースの多くと同様に名曲「オイル工場」のアレンジになっているのだが、
コース名に従い、ステージ内に存在するありとあらゆる機械ギミックの数々がBGMに合わせて踊るような挙動を取るようになっている。

ドンキーコングトロピカルフリーズ

Wiiの次に発売された任天堂初のHDハードのWii Uにて発売された『ドンキーコングトロピカルフリーズ』でもこの現象は健在。
こちらの作品ではワールド3「サバンナエリア」の最初のコースとなる3-1「 サバンナパレード 」にて発生。

こちらも「ミュージックファクトリー」同様にBGMに合わせてステージ内の仕掛けが動く内容になっているのだが、
過去の名曲のアレンジが使用されていた「ミュージックファクトリー」とは打って変わって、本コースのために用意された完全新曲が使用されている。




追記・修正は音楽に合わせて高く飛び跳ねつつ空中で1回転しながら全身をミカンに変化させられる人にお願いします。

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最終更新:2025年04月12日 10:29

*1 英語圏では「Bah」と表記するのが一般的な模様。