マックス・ペインのドッペルゲンガー

登録日:2025/02/13 (木曜日) 04:21:00
更新日:2025/03/22 Sat 11:47:20NEW!
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マックス・ペインのドッペルゲンガーは、『MAX PAYNE』シリーズに登場するキャラクター。

概要

主人公マックス・ペインの悪夢に現れる、彼のドッペルゲンガー
マックスの内なる闇の象徴。

『MAX PAYNE』では妻ミシェールと娘ローズを守れなかった罪悪感や自身の無力さの象徴。

『MAX PAYNE 2』では運命の女モナ・サックスに対する愛のために様々なものを犠牲にしてしまう自身の異常性や罪悪感、自罰意識の象徴。

メタ的な視点ではレメディー・エンターテイメントとロックスター・ゲームスの作風の違いを象徴する存在。

レメディーが製作した『MAX PAYNE』と『MAX PAYNE 2』はサイコスリラー要素が強く、自らの内に潜む闇との戦いが描かれていた。

一方でGTAシリーズで知られるロックスター・ゲームス製作の『MAX PAYNE 3』は悪党との戦いが主題であり、サイコスリラー要素は殆ど無くなっていたため、ドッペルゲンガーも登場しない。

登場場面

『MAX PAYNE』

◇パート3:天国への階段/幻覚の渦中へ


ニコール・ホーンにより麻薬ヴァルキアを打たれたマックスの悪夢に登場。

真っ暗闇の空間で赤ん坊の鳴き声が響く中、血の跡を辿るというガチホラー過ぎるミニゲームをクリアして壊れて血塗れのベビーベッドのある部屋に辿り着くと、寝室にワープする。

人殺し!彼女を殺したな!

ベッドの上で胸から血を流して倒れているミシェルの傍にマックスのドッペルゲンガーがおり、ベレッタを手に襲い掛かってくる。

攻撃力が低く、対峙するマックス(プレイヤー)は二丁拳銃なため簡単に倒せるが、やたらとしぶとく、かなりの銃弾を自分の分身に撃ち込まなければならないという嫌悪感を煽る演習となっている。

なお、この時操作する側のマックスはお馴染みの黒いコートを着ているが、ドッペルゲンガーはプロローグ「アメリカン・ドリーム」でマックスが身に付けていた濃緑色のビジネススーツを着ている。

『MAX PAYNE 2:THE FALL OF MAX PAYNE』

◇PART1:The Darkness Inside/The Depths of My Brain(PC版のみ)

自分のアパートで眠っていたマックスの悪夢の中に登場。

リネン室にて相棒のヴァレリー・ウィンターソンと上司のジム・ブラボーラから取り調べを受けるマックスの背後の被疑者室に、マックスのドッペルゲンガーたちが並んでいる。

◇PART3:Waking Up from the American Dream/Prologue


モナを庇いヴァレリーを自身のエゴで撃ってしまったマックスは、ヴァレリーの死に際の銃撃を受けて昏倒する。
病院で見た悪夢の中に、再びマックスのドッペルゲンガーが現れる。

警察署の留置所のような場所に、沢山のマックス達がそれぞれ独房に入れられている。

なお、独房の壁にはロールシャッハテストの絵が貼り付いている。

I thought,who am I?who am I?(俺は、俺は誰だ?俺は誰なんだ?)

マックス達は皆自身の罪を正当化するようなことを言い続けていた。

◇PART3:Waking Up from the American Dream/There Are No Happy Endings


ウラジミール・レムデザートイーグルで頭を撃たれたマックスの悪夢にマックスのドッペルゲンガーが登場する。

NYPD! Drop the gun! (ニューヨーク市警だ!銃を捨てろ!)

悪夢の中のNYPD(ニューヨーク市警察署)のリネン室にて現れ、マジックミラー越しに銃を突きつけてくる。
「自分達は有罪だ」と述べて撃ってくるが、撃ち返すと逃げ出す。

I’ve been Framed!(俺は騙された!)

追いかけると上記の台詞を叫びながら銃撃して逃走する。

PC版では更に追いかけるとがあり、近付くと鏡に映ったマックスが自身を責める発言をする。

超常現象?

レメディー製作の『MAX PAYNE』シリーズでは、時折超常現象としか思えない描写が散見される。

特に、『MAX PAYNE 2』における頭に銃弾がめり込んだ者同士でテレパシーで通じ合う場面はその最たる例である。

マックスのドッペルゲンガー達は捻らずに考えればマックスの自罰意識の象徴だが、異世界「ノワールヨーク・シティ」の邪悪な殺人鬼にしてドッペルゲンガーであるジョン・ミラの化身であるかのような描写も多く、謎も多い。

また、ドッペルゲンガー=自分自身との戦いは『Alan Wake』シリーズや『Quantum Break』、『Control』等の全てのレメディー作品で反復されるテーマとなっている。

悪夢=闇の世界?

Alan Wake』以降のレメディー作品は世界観を共有しており、この作品間で共有される宇宙を「RCU(レメディー・コネクテッド・ユニバース)」と呼ぶ。

RCUでは創作や夢を含む全ての「フィクション」は平行世界には物理的に存在しているとされており、それら全ての平行世界を内包する宇宙として「闇の世界」が存在する。

闇の世界は人々の悪夢と繋がる精神世界であると同時に物理的に存在する余剰次元でもあるメタ構造の宇宙とされている。

作中では人々が悪夢=闇の世界を介して平行世界を覗き見る描写が度々あり、「警官の物語」についても言及されている。

一方、『MAX PAYNE』ではマックスが悪夢の中で自分がゲームのキャラクター=架空の存在と認識する場面がある。
『MAX PAYNE』発売当時は単なるメタ描写だっが、RCUの設定を踏まえるとマックスが闇の世界を介して平行世界の一つである「『MAX PAYNE』が架空の物語に過ぎない我々の現実世界」を覗き見た描写と解釈することもできる。

実際、この設定を踏まえてRCU作品である『Control』や『Alan Wake Ⅱ』でも作中のキャラクターが「自分達がゲームのキャラでしかない世界」を垣間見た描写がある。

また、闇の世界は暗い水面のように人間の闇を映し出しドッペルゲンガーを生み出すため、マックスの悪夢に現れたドッペルゲンガー達は本当に超常的存在である可能性もある。

なお、『MAX PAYNE』のキャラクターはIP権の都合で『Alan Wake』以降のレメディー作品に直接は登場しないものの頻繁に間接的に言及されており、平行世界にはマックスがいることが示唆されている。

更にマックスと同じ外見モデルと声優により演じられ、職業や生い立ち、台詞回し、髪型、服装までそっくりなアレックス・ケイシーという名前のみ変更することでIP権の問題をクリアした事実上の代替キャラクターも登場する。

ちなみに闇の世界が舞台となる『Alan Wake』のDLCエピソード『シグナル』には「MIRRA WAS HERE(ミラはここにいた)」というメッセージが隠されており、ブログ形式ノベルの『This House Of Dreams』では闇の世界を監視するダイバーがジョン・ミラが引用したものと全く同じプールという人物の詩を引用したりとジョン・ミラの故郷ノワールヨークシティの正体が闇の世界であることは明確に示されている。


レメディー作品のドッペルゲンガー一覧


追記、修正は自身の闇に打ち勝ってからお願いします。

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最終更新:2025年03月22日 11:47