登録日:2023/12/16 Sat 00:22:00
更新日:2025/04/18 Fri 10:53:04
所要時間:約 10 分で読めます
富も!
名誉も!
アリスだって!
俺たちのものだ!
単にスクラッチとも呼称されるミスター・スクラッチはレメディー・エンターテイメントの作品間で共有される宇宙「レメディー・コネクテッド・ユニバース(RCU)」の登場キャラクター。
- 演者
- モデル/モーションキャプチャー/実写映像の演者:イルカ・ヴィリ
- 声:マシュー・ポレッタ
- 日本語吹き替え:稲葉実
- 登場作品
目次
概要
起源
ワシントン州ブライトフォールズ近郊の森にあるカルデラ湖コールドロンレイクをスレッショルドとする異次元空間「闇の世界」にて
トーマス・ゼインにより生み出された存在。
本来の役割は闇の世界に囚われたアランが地上に帰還するまでの間、地上で彼の代役を担うことであった。
しかし、アランが失踪した後にコールドロンレイク周辺地域で「超自然的な殺人鬼アラン・ウェイク」の都市伝説が広まった結果、闇の世界が持つ
創作を現実にしてしまう力が発動し、スクラッチは
引っかき女/バーバラ・ジャガーに代わる
二代目の闇の存在となってしまった。
アランに成り代わって富と名誉と妻アリスを手に入れることを目的としており、俗物の極みというキャラクターとなっているが、これはアランの心に秘めた願望が反映・増幅されているためである。
また、闇の世界の「創作を現実に変える力」を増幅させる
パワーオブジェクト「クリッカー」を狙っているが、それで実現させたい世界は「全ての人がアランの最新作『リターン』を称賛するディアフェストが無限に広がっていく世界」。
スクラッチがその称賛の対象となるアランに成り代わろうとしていることを考慮すると、
小説家志望の中学二年生のような野望と言える。
性格
『Alan Wake's American Nightmare』では他者への共感や同情を一切見せず、気紛れで人を殺害する一方で登場する女性陣から「セクシーで魅力的」と評されるなど、
サイコパスに当てはまる特徴を持つ。
また、ノリノリで『The Happy Song』という曲に合わせてダンスを踊るなど
愉快な殺人鬼的なキャラ付けとなっている。
ただしこれはアランが書いたドラマ『ナイトスプリングス』の脚本のひとつ『アメリカンナイトメア』に登場する「
闇の使者」という悪役にスクラッチが投影された結果であり、スクラッチ本人の性格かは不明である。
『Alan Wake Ⅱ』では現実に反映される物語がスクラッチ自身が書いた物語『リターン』であるため、スクラッチ本来の姿が描写される。
怪物的な恐ろしさが強調されており口数も少ないが、項目冒頭の台詞は本作のものである他、殺した相手の革ジャンを奪って着るといったお茶目さも残っている。
DLC『ナイトスプリングス』のエピソード1:『一番のファン』ではアランが投影された「作家」の悪の一卵性双生児「
悪ぶった男」に投影され、双子の兄に一方的に嫉妬するバイカーにして狼人間、そして詩人となっている。
「作家」の一番のファンである「ウェイトレス」に偏愛を抱く
ヤンデレでもある。
この「悪ぶった男」もスクラッチが物語に演じさせられているだけであるため本来の姿とは言えない。
能力
人間が素体となっている「支配された者」とは違い純粋な超常存在でありながら人間と変わらない知能と理性を持ち、策略を巡らせる。
闇から闇へ自在に
テレポートできる他、短距離の瞬間移動も可能。
人間の心の闇も
闇と解釈して心の中にテレポートし
洗脳でき、精神が強くないとそのまま「支配された者」に変えられてしまう。
人間や動物を闇で支配し自らの兵隊「
闇に支配された者」にできる。
ただしこれらの「支配された者」は知能や理性が無く野生動物同然の狂暴性(記憶が残っているため道具は扱える)を持つため、一部の強力な個体にしか複雑な命令は理解できない模様。
「支配された者」は無尽蔵に召喚できるほか、「支配された者」を機械的に召喚し続ける「闇の通路」を出現させることも可能。
非生物を闇で覆い操ることができる。また、闇の物質で行く手を塞ぐ
バリアを張ることも可能。
後述の通りに様々な形態に変身できる。
元々の存在意義が上記の通り現実世界でアランの代役を担うことであるが故に闇の底と現実世界を自由に行き来できる。
しかし『Alan Wake's American Nightmare』での敗北によりこの力は失った模様。
パワー自体はかなり弱体化している人間に憑依した状態でも苦もなく鉄柵を引きちぎって即席の武器にしたり大人を片手で放り投げる
怪力を見せ、それ以外の形態では建物を容易く破壊するほどの力を発揮する。
『一番のファン』での能力。
L字レンチを振ってホーミングするハート型の発射体を発射したり、ハートの波を放つ。
弱点
光の存在が弱点と言える。
強い光を浴びせることでスクラッチの眷属である「支配された者」や「ポルターガイスト」を覆う闇のシールドを焼き払うことができる。
しかしながらスクラッチ本体には
あまり効かず怒らせるだけとなる。
しかし一応足止めにはなるため無意味というわけでもない。
また、闇の世界が持つ創作を現実にしてしまう力により生み出されたため、その力には逆らえない。
スクラッチが設けた闇の世界の法則
「闇の世界」には様々な制約や法則があり、一部はスクラッチが設けた制約とされている。
闇の世界では小説や映画、写真や音楽といった創作により並行世界が生み出され、それらの並行世界がスレッショルドから滲出して現実が並行世界の現実に変貌する。
この「創作」は消去できず、あくまでも修正や編集しかできない。
また、矛盾や破綻、強引な展開がある場合にはクリッカーを併用しなければ世界を書き換えることはできない。
破綻した物語や「主人公」の死の場合、エンディングを迎えても
振り出しに戻されてしまう。
スクラッチ自身がループを引き起こしている場面がある。
ただしループに巻き込まれた人々は前の周回の記憶を朧気に保持しているため完全なループにはならず徐々に行動が最適化されていく傾向にあり、
また、スクラッチ本人もループが起こると記憶は断片的になってしまう。
闇の世界では過去、現在、未来が同時に存在しているため卵が先か鶏が先か問題が大量にある。
アランが某青狸の如く過去や未来の自分を手駒にする場面も見受けられる。
当然ながら現実と闇の世界では時間が同期していないため、例えば現実世界である人物を闇の世界から召喚する儀式を執り行うと、その人物が
儀式を行う前日
に召喚されたりする。
形態
作中では様々な形態を見せることから、自在に姿を変えられるようである。
アラン・ウェイク
『Alan Wake』『Alan Wake's American Nightmare』『Alan Wake Ⅱ』『一番のファン』での主な形態。
アランと瓜二つな容姿で、黒煙の様な闇を纏っていることが多い。
『Alan Wake』では服装や額の傷までそっくりアランと同じであった。
『Alan Wake's American Nightmare』では「闇の使者」を演じるためか、黒いタキシードスーツを着ている。
「
グランドマスター」を闇の世界で演じた『イニシエーション』の作中作『殺人事件ケイシー』では濃緑色のレインコートとプラスチック製の鹿の仮面を身に付けた姿で現れた。
激怒の雲
「闇の存在」と呼ばれるのは主にこの形態。
アラン曰く「
俺の顔をもつ激怒の雲
」で、ケイシー曰く「
怪物の雲
」。
呼び名通り真っ黒な雲もしくは黒煙の様な見た目の形態で、アランの怒りに満ちた顔が浮かんでいる。
『Alan Wake Ⅱ』にてアランの前に幾度も現れる。
この形態では攻撃も高出力ライトの光も一切効かず、FBCの収容装置すらあっさり破るほどの圧倒的な力を持つため、対峙したら逃げるしかなく、追い付かれると即死することになる。
恐らく最強の形態なのだが、富と名声を望むスクラッチにとっては不本意な姿であるらしく、アランの「ガワ」に執着する。
憑依
アランもしくはアレックス・ケイシーに憑依した姿。
闇のシールドは持たず、人間の肉体であるため銃撃などでダメージを負うと出血するが、身体から黒煙のような闇を噴出させて即座に治癒してしまう。
また、闇の波の様なものを飛ばす攻撃も可能。
この身体から吹き出る闇や、闇の波にアランの怒りに満ちた顔が浮かんでいるが、これはその闇こそがスクラッチ本体であるため。
瞬間移動で一気に距離を詰めたり、拘置所等の鉄柵もまるで柵など無いかのようにすり抜けることができる。
更に質の悪いことに、追い詰められると即座に無敵の「雲」形態になって逃げたり、宿主から抜け出して別の人間に取り憑いたりといった手段で盤上を引っくり返してくる。
そもそもこいつがアランのガワに拘ってなければ勝ち目が全く無い位には理不尽な存在である。
作中で使用した武器は鉄柵を引きちぎった鉄パイプとクリッカー。
悪い狼人間
「悪ぶった男」を演じていた時の真の姿。
黒い狼の姿で素早く動き回り、死角から襲い掛かる。
作中の活躍
『Alan Wake』
ストーリー終盤に妻アリスを救い出すためにクリッカーを手に闇の世界へと乗り込んだアランの前に突然現れ不気味な笑みを浮かべていた。
トーマス・ゼインは彼を「彼はミスタースクラッチだ。後で君の友達に会わせよう」と簡潔に紹介するのみで、スクラッチ自身は台詞もなく出番が終了した。
🗡『Alan Wake's American Nightmare』
アラン失踪後、ブライトフォールズの住民達により「超自然的な犯罪をするアラン・ウェイクの噂話」が広まった結果、闇の世界の創作を現実にしてしまう力が働き新たな闇の存在の化身となった。
現実世界と闇の世界のスレッショルドを自由に行き来し、アランにとって大切な友人や妻を奪おうと目論む。
対するアランはかつてカルト番組『ナイトスプリングス』の脚本を担当したことを思い出し、その脚本を元に「主人公の光の闘士が
闇の使者
と戦い妻と再会を果たす」というホラー小説『リターン』を執筆して物語の主人公である「光の闘士」に自分自身を、「闇の使者」にスクラッチを投影することで一晩だけ現実に出現した架空の町アリゾナ州ナイトスプリングスごと地上に帰還しつつ
スクラッチをそこに留める
ことに成功。
スクラッチは物語の悪役「闇の使者」としてアランが演じる「光の闘士」と対峙することになる。
アランの行く先々に支配された者を召喚したりポルターガイストを引き起こしては去っていくという行動を繰り返し、さらにアランが結末に近づくと時間をループさせて振り出しに戻させるなどやりたい放題だったが、闇の力によるループはループではなく螺旋と称される通りにループに巻き込まれた人々の記憶が朧気ながらも継承されるために徐々に行動が最適化されていく傾向にあり、アランに味方する者達によって徐々に追い詰められていく。
最後は無尽蔵に支配された者達を召喚し続ける「闇の通路」を出現させて立ちはだかるが、闇の通路は破壊され、アリスが製作したノンフィクション映画『夜明け』に宿る超自然的な力によって敗北した。
その後アランはアリスと再会を果たすが、架空の町ナイトスプリングスを舞台にしてしまったことが災いし、物語は破綻。
一連の出来事はドラマ『ナイトスプリングス』の一幕ということになってしまい、アランはスクラッチ共々闇の世界に逆戻りとなった。
なお、本作の一連の出来事はアランが脱出のために執筆するも失敗に終わった無数の『リターン』の草稿の一つという扱いで正史に組み込まれている。
『QUANTUM BREAK』
作中作の映画『リターン』の予告編に登場。
『Alan Wake Ⅱ』に7年も先んじてFBI捜査官の
サーガ・アンダーソン、アレックス・ケイシーと共演。
アランと共に地上に
帰還したスクラッチが超自然的な連続殺人を引き起こし、更にはケイシーまでも毒牙にかける様子が描写された。
また、アランが書き残したと思われる黒板の殴り書きには
オールド・スクラッチ
という名称に修正線が引かれミスター・スクラッチと書き直されており、民族伝承の悪魔がモチーフであることがうかがえる。
『CONTROL』
DLC:AWEにて登場。
アランのフラッシュバックの中に怒りに満ちた顔のスクラッチらしき顔が確認できる他、アリスが撮影したスクラッチの写真とされるものが登場。
また、アランとゼインの会話の中でも言及され、ゼインがスクラッチと何らかの約束を交わしたことが明かされる。
『Alan Wake Ⅱ』
一番のファン
時期は不明だが本編以前のタイミングで再びアランにより『ナイトスプリングス』の脚本を元にした『リターン』が執筆され、一時的にワシントン州ブライトフォールズがナイトスプリングスに置き換えられる変貌世界事象が引き起こされる。
アランが登場人物である「作家」に投影され、スクラッチは「作家」の双子の弟「悪ぶった男/悪い狼人間」に投影されてナイトスプリングスに召喚された。
「作家」の邪悪なアンチ集団
である「作家を嫌う人たち」を率いて「作家」の屋敷を襲撃するが、「作家」の一番のファンである「ウェイトレス」により阻止され、改心させられた。
イニシエーション
ループする闇の世界で絶望したアランの肉体に憑依した闇の存在が、光の銃弾で頭蓋骨からアランの心の闇と共に押し出されて混ざりあい、その残渣がコールドロンレイク周辺の「殺人鬼アラン・ウェイク」の都市伝説に対する恐怖を糧に「
激怒の雲
」へと成長していった。
これがスクラッチの起源であった。
その後、ループを引き起こして何度もアランに成り代わろうとするも『Alan Wake's American Nightmare』や『一番のファン』などで描写された通りに阻止されていた。
しかし13年を経ても諦めず、クリッカーを手中に収めるために現実のブライトフォールズに支配された者を派遣し続けていたが何れも闇の存在と戦うブライトフォールズの自警団「樹木の教団」に返り討ちにされていた。
一方で何度『リターン』を執筆しても脱出に失敗し振り出しに戻されたことから遂に物語の執筆を中断したアランの隙を突いて
バッドエンドの『リターン』を完成させることに成功する。
その後アランは執筆を断念したこと自体を忘れ、『ディパーチャー』と『リターン』を繋ぐ物語『イニシエーション』の執筆を開始し物語の主人公に自分自身を投影することで脱出を目指したため、その行く先々に幾度も立ち塞がっては執拗に追い回す。
紆余曲折を経て精神的に追い詰められたアランに取り憑くことに成功し、更に現実世界でサーガが
トール&オーディン・アンダーソン兄弟の歌の力とクリッカーを併用することによる
召喚の儀式を執り行ったことで
アランの身体や『リターン』の原稿ごとコールドロンレイクの岸辺に召喚された。
また、『CONTROL』で言及されたゼインとスクラッチの約束とは「“行方不明の作家”が地上に召喚される映画『白夜の夜』をゼインが製作する代わりにゼインが地上に帰還する『リターン』をスクラッチが執筆して闇の世界から救い出す」というものだったが、結果は『白夜の夜』による変貌世界事象でアランとスクラッチがゼインを置き去りにして『リターン』の原稿もろとも地上へ脱出するという、スクラッチが一方的にゼインとの約束を反故にした形となった。
なお、スクラッチとアランが現実に召喚されたのは闇の世界と現実世界の時間のずれによりサーガがクリッカーで召喚の儀式をする前日であった。
🦌殺人事件ケイシー/白夜の夜
『イニシエーション』の作中作『殺人事件ケイシー』では、殺人カルト「言葉の教団」のリーダーとしてグランドマスターを演じる。
グランドマスターは物語の中でアラン・ウェイクとミスター・スクラッチ、そしてトーマス・ゼインの3つの名を持つ男であり、FBI捜査官、貴婦人、ニューヨークの警官、そして刑事アレックス・ケイシーを生け贄に捧げることで「行方不明の作家アラン・ウェイク」を復活させようとする。
また、もう一つの作中作にしてゼインの処女作である『白夜の夜』にも登場し、刑事アレクシ・ケサを闇の世界に誘い込む。
リターン
「
アランのガワの獲得
」と「
地上への帰還(リターン)
」という二つの悲願を同時に達成したスクラッチだったが、闇の世界と現実世界のスレッショルドを超える際に弱体化してしまい当初は自分がスクラッチだという自覚も無いまま自身を保護したFBI捜査官のサーガとケイシーに協力的であった。
しかしサーガがクリッカーを探しに隣町のウォータリーに赴きケイシーと二人きりでいる際に樹木の教団の襲撃を受けたことを機にスクラッチとして覚醒。
教団メンバーや周囲の一般人達を殺戮し、支配された者へと変貌させて闇の軍勢を作り出し森へ解き放った。
その後、アランとしての自我を取り戻しケイシーを助けるために自分が闇で支配した信者達と戦うマッチポンプをしながら森の中へ入って行くが、そこで再びスクラッチとして覚醒。
「激怒の雲」の姿でケイシーを襲い傷を負わせるもケイシーが現実の人間でありながら架空のキャラクターでもあり、予備のガワとして最適なことに気付いて敢えて見逃し、アランの人格に戻る。
直後に樹木の教団のリーダーであるイルモ・コスケラに追い詰められるが乱入してきたFBCエージェントのキラン・エステベス率いるレンジャー部隊によって樹木の教団メンバーもろとも拘束され、ブライトフォールズ保安官事務所にて取り調べ後に独房で拘置されていた。
そこで再三スクラッチとして覚醒するが、今度はアランの振りをしたまま支配された者達を操って保安官事務所を襲撃させ、その場にいた保安官代理とFBCエージェントを皆殺しにする。
クリッカーを手に戻ってきたサーガからクリッカーを受け取ろうとした直前に樹木の教団のサブリーダーであるヤッコ・コスケラに正体を見抜かれ、遂にサーガの目の前で本性を露にする。
ヤッコを視認できないほど高速のタックルで殺害して革ジャンを奪って羽織ると、鉄格子から引きちぎった鉄パイプを手にサーガに襲いかかるも死闘の末にFBCが「影」対策として用意していた高出力ライト三台の光を浴びたことで膝をつき、雲に変身して撤退した。
その後サーガは「本物のアランはまだ闇の底にいるのでは?」と考えアンダーソン兄弟の歌とクリッカーの力をあわせてアランをコールドロンレイクの岸辺に召喚しようと試みるがこれがスクラッチの狙いであった。
というのも、スクラッチが現実に召喚されたという事実と辻褄を合わせるにはサーガ達による召喚の儀式が必要不可欠だからである。
保安官事務所でクリッカーを受け取る前にサーガに襲いかかった挙げ句あっさり退散したのも自分はスクラッチでありアランとは別人だと印象付けるためだったと考えられる。
そしてサーガ達が召喚の儀式を終えると、もう用済みだと言わんばかりに再度襲いかかる。
ケイシーやエステベスの援護を受けながら戦うサーガとの死闘の末、FBCの収容装置に誘い込まれた上で三台の高出力ライトによる光を浴びて苦しむ様子を見せいよいよ完全敗北かと思わせた矢先、アランの身体をあっさり脱ぎ捨てて
収容装置を容易く粉々に破壊
すると、予備のガワとして密かに最適化させていたケイシーに憑依。
サーガからクリッカーを奪い取り、彼女を闇の世界へと放り込み瞬間移動で退散する。
そしてブライトフォールズの中心にテレポートしてクリッカーを使い、遂に『リターン』のエンディングである「『リターン』を讃えるディアフェストが無限に広がっていく(という小説家志望の中学二年生の妄想みたいな)世界」を実現させてしまう。
サーガ達にとってはあまりにも理不尽過ぎる
一転攻勢であったが、スクラッチの天下はここまでで、これ以降は急速に破滅へ向かうこととなる。
まず最初にやっと手に入れたクリッカーだが、自ら闇の世界へ行きアランを助ける決意をしていたアリスが「写真」というアートを使ったことで奪われてしまう。
その後、『リターン』の結末を書き換えるために執筆部屋があるヴァルハラ老人ホームを目指すアランの前に立ちはだかり嵐雲の姿で執拗に追い回すが、物語の中でレディーオブライトの役割を与えられていた
ローズ・マリーゴールドに阻まれてしまう。
果たしてアランは
スクラッチよりも更に上位の超常存在である
生命体A-001/アーティの導きにより執筆部屋にたどり着いてしまった。
また、闇の世界に囚われたサーガに対し
ネチネチとした精神攻撃を与えるもはね除けられてしまい、
光の銃弾とクリッカーがアリスを介してサーガの手に渡ってしまった上、
アーティによって作られた境界域
によりサーガは闇の世界から脱出してしまう。
それでも何とか執筆部屋に辿り着くも時既に遅し。
そこにはアランとサーガがいて、サーガの手にはクリッカーとアランとサーガにより結末を書き直された『リターン』、そして光の銃弾があるという役満状態であった。
サーガがクリッカーを使った瞬間、最早スクラッチは原稿通りにりに行動するだけの操り人形となり、何の優位性も無いのにケイシーの身体から抜け出してアランに再度取り憑くという見え透いた罠にかかり、その直後にサーガによってアランもろとも光の銃弾で眉間を撃ち抜かれ、前述の通りアランの心の闇と共に頭蓋骨から押し出されて
激怒の雲
の元になった。
最後の草稿
敗北したためループを発生させて「全て無かったこと」にしてしまう。
しかし「
ループではなく螺旋
」なために前の周回の記憶が残っていたアランやサーガ、アリス、アンダーソン兄弟、そして
『CONTROL』でヘドロンと接触して行方不明になったと思いきや何故か闇の世界にいてゼインと接触したキャスパー・ダーリング博士
の協力により微妙に物語は変化していく。
最後は前の周回と同様にアランに取り憑いたところを光の銃弾で撃ち抜かれるが、今回は
眉間に空いた光の穴を第三の目
、光の銃弾を
知識の松明
と解釈することでアランは
自らの頭蓋骨から自身の心の闇とスクラッチを逃がさず「数多の世界の主」として覚醒、
そのままスクラッチは完全に消滅。
それを証明するかのようにループは起こらなかった。
ゲームプレイ
「ゲームの敵キャラ」としてのスクラッチについて解説する。
チェイス
スクラッチとのチェイス。
いずれの場面も
激怒の雲の姿で、攻撃は通用せず追いつかれると
即死である。
『Alan Wake Ⅱ』
アランが地下鉄のトンネルで文章によって「言葉の教団」の儀式を再現した直後に出現し追跡してくる。
朽ちた列車の中を通って明るい場所まで逃げると回避できる。
列車を通る際にはボタン連打のQTEがある。
その後、トンネルに向かうと再び追ってくるが奥へ逃げ続けていれば簡単に逃げられる。
グランドマスターが泊まったとされるオーシャンビュー・ホテルの666号室にて再び現れて追跡してくる。
今回も明るい場所まで逃げると回避が、そこまで遠い上に少しでも遅れると捕まってしまう。
また、一度だけ逃げた先に先回りしてくるため一旦引き返す必要がある。
ヴァルハラ老人ホームと隣接する健康センターにて出現し追跡してくる。
健康センター内を脱出してヴァルハラ老人ホームに逃げ込むと回避できるが、行き止まりが多いため焦ると危険。
ボス戦
🗡『Alan Wake's American Nightmare』
- ○ACT1:キュレーター/ACT2:再発/ACT3:帰結
各「ACT」の最後にドライブインシアターの映写室の近くに近付くと「闇の使者」を演じるスクラッチが仕掛けた罠である「闇の通路」が4基出現し、「光の闘士」を演じるアランを妨害する。
詳細は[闇の使者(超常現象生命体)]を参照。
『Alan Wake Ⅱ』
保安官事務所にて
鉄格子から引きちぎったパイプ
を手に襲い掛かってくる。
パイプを振り回す攻撃を仕掛けてくるほか、サーガとの距離が離れると
瞬間移動と見紛うほどの超高速移動
で前方にダッシュして距離を詰めてくる。
なお、この戦闘でのスクラッチの行動パターンはスクラッチと同じアランのドッペルゲンガーであるヘビーシャドウ(※下記[シャドウ(超常現象生命体)]を参照)を踏襲している。
どれだけ攻撃を加えても倒せないが中庭に設置されている3つあるパワーコアを起動してFBCが用意していた対「影」用の高出力ライトを点灯させるとクリアとなる。
パワーコアを起動させようとするとスクラッチに掴まれて地面に叩きつけられてしまうが、スクラッチに一定のダメージを与えるとその場で立ち止まって回復するため、その隙にパワーコアを起動できる。
コールドロンレイクの浜辺にて
引き抜いた標識
を手に襲い掛かってくる。
行動パターンは一戦目とほぼ同じだが遠距離攻撃である
闇の波
を放ってきたり受けたダメージを回復する時間が一瞬になっていたりと一戦目より強くなっている。
あらぬ方を向いている高出力ライト2台を収容装置の方向に向けてから収容装置の中にスクラッチを誘き寄せるとクリアとなる。
高出力ライトの向きを動かそうとするとスクラッチに掴まれて地面に叩きつけられてしまうが、一定のダメージを与えるとケイシーとエステベスが高台にある別の高出力ライトでスクラッチを足止めしてくれるため、その隙にライトの向きを変えることができるがその作業には時間がかかる。
また、スクラッチを足止めするケイシー達のライトは一度使うと動作不良を起こしてしばらく点かなくなってしまうため、再び点くまでは逃げ回っていた方が安全。
『ナイトスプリングス』
詳細は下記[悪ぶった男(超常現象生命体)]を参照。
アランが過去に手掛けた『
ナイトスプリングス』のエピソード『アメリカンナイトメア』を元に執筆された『リターン』により、一時的にアリゾナ州某所がナイトスプリングスに置換される変貌世界事象が発生。
スクラッチは物語の悪役「闇の使者」を演じさせられ、アランが演じる「光の闘士」と対決する。
詳細は当該項目を参照。
アランが過去に手掛けた『ナイトスプリングス』のエピソード『一番のファン』を元に執筆された『リターン』により、一時的にワシントン州ブライトフォールズがナイトスプリングスに置換される変貌世界事象が発生。
スクラッチは悪役「悪ぶった男」を演じさせられ、アランが演じる双子の兄「作家」の命を狙うが、ローズ・マリーゴールドが演じる「ウェイトレス」に阻まれる。
詳細は当該項目を参照。
前述の通り、アランは『Alan Wake Ⅱ』にて何度『リターン』を執筆しても振り出しに戻されることから絶望し、遂に執筆を断念してしまったのだが、その隙にスクラッチによって「『リターン』を讃えるディアフェストが無限に拡がって行くエンディング」を書き込まれてしまう。
ループによって執筆を断念したこと自体を忘れてしまったアランはバッドエンドの『リターン』の原稿を必死に修正するが、そこへスクラッチと思わしき拳銃を手にしたドッペルゲンガーが乱入してきて撃ち殺されてしまい、ループが発生してしまう。
その後、闇の世界を探索する内に現実世界にいる筈のアリスはスクラッチの幻影により心理的に追い詰められた末、崖から飛び降り自殺してしまったという衝撃的な映像を見てしまい、怒り心頭でスクラッチの気配がする執筆部屋に乗り込んで行く。
そこには
原稿を勝手に修正(スクラッチ)するドッペルゲンガー
がいたため、妻の仇と言わんばかりに問答無用で射殺する。
直後にそれはバッドエンドの『リターン』を修正していた過去の自分であることを思い出し、更にはアリスがアランの分身=スクラッチの幻影だと思い込んでいたのはスクラッチではなく闇の世界から救いを求める自分自身の姿であることにも気付いてしまい、「アリスを苦しめていた“スクラッチ”は自分だった」と絶望。
その心を闇が覆った瞬間
を狙ったスクラッチに憑依され、本物のスクラッチになってしまった。
つまり、偽物のスクラッチとは過去、現在、未来が同時に存在し更にループしている闇の世界で出会う、未来や過去のアラン・ウェイク自身のことである。「やろう、ぶっころしてやる!」「きゃあ、じぶんごろし!」
闇の世界に形成されたニューヨークの代替現実を徘徊する
スクラッチの群れ。
詳細は当該項目を参照。
アラン・ウェイク原作の映画『殺人事件ケイシー』でゼインが演じたカルト教団のリーダー。
ミスター・スクラッチとグランドマスターの二つ名を持つ。
その正体はアラン・ウェイクの皮を被ったトーマス・ゼインであった。
詳細は当該項目を参照。
余談
- スクラッチという呼び名の由来は民族伝承の悪魔
オールドスクラッチ
であることが『QUANTUM BREAK』にて判明する。
- スクラッチの名前が呼ばれる度にスクラッチノイズが挿入されるが、これはクトゥルフが人間に発音できない設定のオマージュである。
追記、修正は邪悪なドッペルゲンガーを倒してからお願いします
- ゼインの項目が長すぎるので別に記事を作り次第そちらに移します -- 名無しさん (2023-12-16 17:36:36)
- 項目名も長すぎるためミスター・スクラッチに変更してもよろしいですか? -- 名無しさん (2023-12-18 14:21:02)
最終更新:2025年04月18日 10:53