トリオンの蟲惑魔(遊戯王OCG)

登録日:2025/02/17 Mon 19:47:04
更新日:2025/03/17 Mon 09:58:19
所要時間:約 6 分で読めます





《トリオンの蟲惑魔》とは、遊戯王OCGに登場するカードの一枚。
所属カテゴリは【蟲惑魔】。


【性能】


効果モンスター
星4/地属性/昆虫族/攻1600/守1200
(1):このカードが召喚した時に発動できる。
デッキから「ホール」通常罠カードか「落とし穴」通常罠カード1枚を手札に加える。
(2):このカードが特殊召喚した場合、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動する。
その相手のカードを破壊する。
(3):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、「ホール」通常罠カード及び「落とし穴」通常罠カードの効果を受けない。


【概要】

2013年4月20日発売のパック「JUDGMENT OF THE LIGHT」にて登場したレベル4の下級モンスター。
見た目は可愛らしい「蟲惑魔」カードの1枚であるが、その性能も素晴らしいの一言。

まず(1)の効果は「ホール」もしくは「落とし穴」罠カードのサーチ。
各種蟲惑魔モンスターの条件になる落とし穴やホールをデッキから直接持ってくる。
《底なし落とし穴》や《墓穴ホール》と言った使い勝手のいいカードや強力な効果を持つ《狡猾な落とし穴》をサーチするといい。
ちなみに落とし穴、ホールと名前がついた罠カードなら何でもいいので《ホワイト・ホール》《時空混沌渦(タキオン・カオス・ホール)》なんかも持ってこれる。

特に《ホールティアの蟲惑魔》とは相性が良く、直接持って来るもよし、《セラの蟲惑魔》が出ている状態で《トリオンの蟲惑魔》を出し、《ホールティアの蟲惑魔》をセラの効果でセット、トリオンの効果でコストとなる落とし穴を持ってきた後、セラの別の効果で《ティオの蟲惑魔》を呼び出してコストに使った落とし穴を再びセットという使い方も可能である。
見ての通り名称ターン1制限がないため召喚権を増やせばデッキにあるかぎり落とし穴、ホールを持ってくることが可能である。
デッキからのサーチのため《灰流うらら》で止められるが、セラにいかない為の囮と考えると悪くはない。

(2)の効果は特殊召喚した場合に相手フィールドに《サイクロン》を放つという強力なもの。
2025年2月現在はフィールド魔法や永続魔法、罠の比率が強いため破壊する相手には困らず、まず腐らない。
こちらもターン1制限がないので、何らかの手段で特殊召喚を繰り返せばそれだけ相手フィールドを焼け野原に出来る。
その性質上相手に特殊召喚されるとこちらの罠カードが破壊されるのには注意したい。
ちなみに「強制効果」でもある為、相手の魔法罠ゾーンにカードがなくても発動してしまう。
《セラの蟲惑魔》の効果を誘発できるが、三戦や《倶利伽羅天童》の条件を満たしてしまうのは注意したい。
それを逆手に取り相手フィールドに召喚し《やぶ蛇》を踏ませるムーブも面白い。

(3)の効果は「蟲惑魔」カードの共通効果。
2025年2月現在「落とし穴」「ホール」カードの採用率は低いため、ミラー戦でのみ活用出来る。
……と思いきや《ライゼオルホールスラスター》の効果も受け付けないので地味に役立つ効果である。
逆に《ホワイト・ホール》で破壊耐性を受けられないのは注意したい。そんなカード使うかはともかく。

また攻撃力1600は高くはないが低くもない。蟲惑魔の方では高い方とも言える。
ここ最近は下級モンスターは攻守どちらかが1500以下ということも多いので、ドローゴーのジリ貧状態においてはたまに役に立つかも?
そのステータスや(2)(3)の効果から、蟲惑魔モンスターでありながら蟲惑魔メタとも言える性能である。


【イラスト等】

さて、性能も然ることながらこのカード一番の魅力はやはりイラストだろう。
見た目は銀髪のセミロングの女の子が、こちらに手を伸ばしているというもの。
一見助けを求めているような彼女、近寄りたくなるよね?というか近寄っちゃうよね。

だが、良く考えてほしい。
どうして彼女が昆虫族なのか、そしてどうして「トリオン」という名前なのか。
そう、助けを求めている少女の姿は仮初であり、彼女の本体は巨大なアントリオン。アリジゴクなのである。
また彼女の姿をよく見ると、頭や背中からは牙のようなトゲが生えており、服装も蔓のような模様が描かれ、植物で作られたかのようないびつなものである。
しかしこんな可愛い少女が目の前に現れた時点でそこまで冷静に見ることは難しいだろう。

《トリオンの蟲惑魔》のカードには少女の姿しか書かれておらず、彼女の本体は《蟲惑の落とし穴》《トラップトリック》で見られる。
割とかっこいい正統派の虫の姿であり、そちらも人によっては惹かれる姿と言える。
また《フレシアの蟲惑魔》のイラストにも登場しており、左下の方で寛いでいる姿が見られる。


【トリオンの歴史】

前述の通り2013年に 《アトラの蟲惑魔》《カズーラの蟲惑魔》と共に登場。当時のレアリティはノーマル。
彼女が登場した2013年当時はレベル4エクシーズ全盛期であり、レベル4モンスターの価値も大幅に増えている状況だった為、彼女も【グッドスタッフ】【レベル4エクシーズ】で採用されることもあった。
当時は《奈落の落とし穴》が準制限になるほどの猛威を振るっていた他、罠カード自体の需要がほぼ無かったために「墓地に罠カードがない状態で発動できる」相手モンスターを2体まで破壊できる《狡猾な落とし穴》が注目されていた。
だがサーチ手段がなく、いざ引けても罠カード故に遅い……という難点を抱えていたのが、彼女の登場でその辺りがかなり解決してしまったのである。
海外では、魔法罠ゾーンにセットして破壊されたら登場する【アーティファクト】や、相手フィールドのカードを破壊しつつ後続を呼べる【ハンド】と組み合わせた【HAT】というデッキが環境に君臨した。
その活躍のおかげか『汎用、環境カード』の登竜門的なゴールドシリーズの「GOLD PACK 2016」にも《奈落の落とし穴》共々収録された。
とはいえ【蟲惑魔】としてのデッキはほぼ形にならず*1、トリオン以外の他の2人も稀に一緒に採用される程度で落ち着いていた。
また「落とし穴ホールサーチ」もエクシーズモンスターで同じ蟲惑魔の《フレシアの蟲惑魔》がデッキから発動できるということで、採用率は向こうの方が高かったりする。

しかし遊戯王OCGが「カテゴリ、テーマで固めるほうが強い」という環境になってきてからグッドスタッフというデッキ自体が下火となり、また【蟲惑魔】がストラクチャーデッキ発売などで強化されてデッキとして成立した為、彼女は汎用カードから【蟲惑魔】での潤滑油的なポジションへと活躍の場を移していく。
というわけでその後の活躍は【蟲惑魔】というデッキ自体の活躍と比例するので割愛する。
だが「効果は基本的に名称ターン1」となって久しい2025年現在、トリオンのターン1制限が無いという点は昔から変わらない強みであり、何度も特殊召喚されてフィールドの魔法罠を次々破壊していく彼女の姿を見てたまにうんざりされたりする事もある。特に罠カード主体のデッキ、例えばとある迷宮では天敵になり得る。
こうしてなんやかんや10年以上、たまに環境でも見かけるという特異なポジションとして活躍している。

【ゲームなどでの活躍】

遊戯王ZEXAL 激突! デュエルカーニバル!』では、観月小鳥の友達のサチ(お嬢様)が使用した。
……が、まだ最初の3人しかいなかったので他の植物族と組み合わせたりしていた。
「魔の落とし穴デッキ」ではなんと忍者と組み合わせており、《カオス・ソルジャー -開闢の使者-》が飛び出てきたり《スターライト・ロード》から《スターダスト・ドラゴン》が出てきたりする意外な難敵。
とはいえずっと蟲惑魔を使っているわけではなく単なる植物族デッキも所持している。

その後、遊戯王OCGストラクチャーズにて遊佐アゲハが使用。
初手で召喚され《電網の落とし穴》をサーチし《セラの蟲惑魔》のリンク素材になるという、蟲惑魔のお手本のような動きをしていた。
遊佐アゲハは蟲惑魔使いとして名を馳せたデュエリストの為、もしかしたら彼女の相棒的存在だったのかも知れない。最近蟲惑魔使ってないけど。

遊戯王マスターデュエルではレアリティはSRと手に入れやすい。
蟲惑魔のEXモンスターはURが多く、更にイベント等では出禁になりがちだが《トリオンの蟲惑魔》をはじめとしたメインデッキ勢はイベントへの参加率が高め。
昆虫族が強くなれるレギュレーションなら活躍の場があるかも?






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最終更新:2025年03月17日 09:58

*1 蟲惑魔の総数が少なくサポートカードも少なかった