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倶利伽羅天童(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/01 Sun 15:51:07
更新日:2026/08/13 Thu 06:52:37
所要時間:約 9 分で読めます





とある神が顕現した折の少女の姿
少女が見据える世界は、救済するに値するか否か。
答えは未だ出ていない。


倶利伽羅天童(くりからてんどう)とは、『遊戯王OCG』に存在するカード。

倶利伽羅天童(くりからてんどう)/Kurikara Divincarnate》

特殊召喚・効果モンスター
星1/炎属性/天使族/攻1500/守1500
このカードは通常召喚できない。
このターンに相手のモンスターゾーンで効果を発動した
自分・相手フィールドの表側表示モンスターを全てリリースした場合のみ特殊召喚できる。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードの攻撃力は、このカードを特殊召喚するためにリリースしたモンスターの数×1500アップする。
(2):自分エンドフェイズに、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。



概要

2022年4月に発売の第11期第9弾パック「POWER OF THE ELEMENTS」にて初登場した美少女カード。
同弾のホログラフィックレア枠でもある。
なお、『遊戯王ニューロン』(公式データベース)と『マスターデュエル』では、「」の字が異体字の「」(右側の「目」と横棒がくっついている)となっているが、ここでは印刷されたカードの表記に従う事とする。
要するに地名の「倶利伽羅」とは違うのである。なんでそんなややこしいことを…。

イラストに描かれてるのは巫女服を着た可愛らしい女の子だが、その後ろには彼女の背丈以上の大きさの大剣と、それよりも大きな竜が描かれている。
そのふつくしいイラストに加え《原始生命態ニビル》に似た豪快な効果から発売前から注目されていた。

が、よく見ればそれは盛大な勘違いであり、どちらかというと「壊獣」に近い性質である事がわかる。
「相手フィールドで効果を発動したモンスターを全てリリースして特殊召喚できる」とだけ書かれているが、これは単なる「召喚条件」であるため自分のターンでしか使えない
ややこしいがそういう事なのだ。

また、「壊獣」や《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》のようにリリースできるカードを選べるわけではなく、「効果を使ったモンスター」を「問答無用で除去する」形になる。
そのため思ったより除去できなかったり、逆に余計なものまでリリースして墓地効果を発動される可能性もある。
とはいえ、《原始生命態ニビル》や壊獣と違い、除去と引き換えに相手を利する要素がなく、それどころか高打点モンスターを出せるのは魅力的である。
モンスターがリリースされるだけでもキツいのに、リリースしたモンスターが1体でも攻撃力3000、2体だと攻撃力4500が奇襲してくるのは相手にとって溜まったものではない。

つまり、刺さる相手へのアドバンテージは絶大だが、その分腐りやすいピーキーなカードと言えよう。
書いてあることがややこしく理解しにくい意味でもピーキーとも言える。

なので使い方としては、《フルール・ド・バロネス》や《崇高なる宣告者》といった、「こちらの効果を封じる制圧モンスターにわざと無効化を使わせてから消し去る」というのが基本。
だが、大抵の妨害効果は1ターンに1度であり、先に撃たせる必要がある時点でありがたみは7割減である。
ぶっ刺さるのは、蟲惑魔クシャトリラのような「制圧とは別に相手ターンに効果を発動する」ギミック。
蟲惑魔の場合は罠は残してしまうが、アド取りも妨害も1枚でできる凶悪モンスターなんかはいいカモである。

なお、「壊獣」同様にチェーンブロックを作らない特殊召喚なので、《神の警告》を構えられようが確実に除去は可能。
特にクシャトリラは相手ターンでも使える強力な除外効果を有しているモンスターが主戦力であることや、《クシャトリラ・アライズハート》の(2)の効果である除外されたカードをX素材にする効果は強制効果のため、場をガラ空きにすることも夢ではない。
なのでOCG・マスターデュエルともにクシャトリラの規制が進みみんなが喜んでいる中で唯一嫌がっている子とネタにされることもあったとか。

また同名ターン1制限が(2)にしかないので、彼女を特殊召喚後、相手が《倶利伽羅天童》を除去しようとモンスター効果を使用したりした場合、手札に2枚目があればまた特殊召喚が使える。
カードに選ばれすぎて2枚手札に来た時はワンチャンそれに賭けてみるのも良いだろう。
逆に彼女を相手取った場合、《強制脱出装置》などの手札バウンスで処理したら2回目が飛んでくる可能性があるので注意しよう。

そして、忘れがちだが(2)の効果も強力。相手モンスターを1体蘇生できるのだ。
フィールドを荒らした後、彼女の効果でリリースした制圧モンスターを蘇生できればしめたもの。
そうじゃなくても相手の展開の要を奪う妨害もできる。
エンドフェイズとタイミングは遅いが、決まればゲームエンドも十分に見えてくるだろう。
ただし、切り札にありがちな特殊召喚の制限や蘇生制限には注意すること。

また天使族・レベル1・攻守1500という非常に優秀なステータス故にサーチも容易。
彼女をサーチすれば相手には重大なプレッシャーを与えられるだろう。


欠点

当然ではあるが、特殊召喚やリリースを封じられると厳しい。
また【聖刻】や【六花】などのような、リリースをトリガーとするテーマに対して使った場合は利敵行為になりかねない。
とは言え、これらに関しては「壊獣」や《原始生命態ニビル》など、他のリリースさせるモンスター群の大半と同様である。

それ以上にしてこのカード最大とも言える弱点は、「除去対象が限定的である」ということ。

あくまで対象は「この(=自分の)ターン相手フィールド上で効果を発動したモンスター」のみなので、
  • 通常モンスター
  • 相手ターンに効果が発動したモンスター
  • (自分ターンに影響が及ぶ物でも、)永続効果や墓地・手札・除外ゾーンで効果が発動するようなモンスター
を処理できない。
また、相手がこのカードを警戒して、狙いたいカードの効果を発動しないという事も十分に考えられる。

現在の遊戯王は相手ターンにも効果をバシバシ発動してくるものが多いが、実際のところは手札や墓地での効果も多いため思ったより通らない。
フィールドで使われてもカードがいなくなっている、なんて事も起こり得る。

この辺の弱点は登場当初の評価の低さにも繋がっている。
どういう事かというと、同じく「POWER OF THE ELEMENTS」で登場した同期のティアラメンツ】と相性が悪い
【ティアラメンツ】は魔法や罠による制圧を駆使し、効果を使う際は墓地、更に使った当人もフィールドに残らない。
「相手フィールド上で効果を発動したモンスター」にしか刺さらない《倶利伽羅天童》は、イシズを相方に得て11期の問題児筆頭格として猛威を振るった【ティアラメンツ】全盛期では手札で腐りやすく、評価を落としていたのである。
他にも純正【エルドリッチ】相手に使っても、手札・墓地効果しかない《黄金卿エルドリッチ》と罠モンスターばかりがフィールドに出てくるのでまず腐るだろう。


その性質上、相手のデッキを見定め投入するかしないかを決められるサイドデッキ向けのカードであり、シングル戦で使う場合は相手が刺さるデッキであることを祈るしか無い。
しかし相手にモンスターを残さずこちらに高ステータスカードを降臨させ、なおかつエンドフェイズまで生存させることができれば相手限定の《死者蘇生》もできるため、リスクに応じたリターンはしっかりと返せるカードと言えよう。


主な相手モンスターをリリースで処理できるモンスターカードまとめ

今一度、類似カードをまとめると以下の様になる。
デッキや環境によって採用するカードを選ぶと良いだろう。

カード名 レベル 属性 種族 長所 短所
《倶利伽羅天童》 1 天使 ・状況下によっては高攻撃力が見込めてフィニッシャーとして活用できる。
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・相手フィールドに何も召喚しないので、特殊召喚後に素材利用や高ステータスモンスターでの攻撃といったリスクが存在しない。
・素のレベル・ステータス共に低く、種族もサポートが多いのでサーチ手段が豊富。
・特殊召喚モンスターであり、【推理ゲート】や【ドライトロン】などでも無理なく採用ができる。
イラストがかわいい女の子
自分ターンにしか特殊召喚できない。
・狙ったモンスターを処理できない可能性がある。
・永続効果や通常モンスターなどを処理できない。
・特殊召喚モンスターであり、通常召喚や他の方法での特殊召喚という選択肢が取れない。
《多次元壊獣ラディアン》 7 悪魔 相手モンスターが1体でも出せるため、小回りが利く。
・総じてステータスは高いが、相手フィールドに特殊召喚すればこちらも特殊召喚できるので2種以上いる時はより高攻撃力を出して処理可能。
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・リリースできないモンスターを除いてあらゆるモンスターを除去可能。
・レベル・種族・属性が豊富であり、デッキや環境に合わせた採用ができる。
・「壊獣」モンスターのサポートカードを使用できる。
・特殊召喚モンスターでではないため、通常召喚や他の方法での特殊召喚という選択肢が取れる。
自分ターンにしか特殊召喚できない。
・相手フィールドに1体しか出せない。
・相手モンスターを1体しか処理できない。
・相手フィールドに特殊召喚されるため、素材や攻撃手段、壁などに逆利用されてしまう可能性がある。
・特殊召喚の表示形式が攻撃表示に限定されており、特に攻撃力の高い「壊獣」は処理に手こずる可能性がある。
・相手が【壊獣】だと効果を逆用され、甚大な被害を被ることがある。
・特殊召喚モンスターではないため、【推理ゲート】や【ドライトロン】などとは相性が悪い。
《粘糸壊獣クモグス》 昆虫
《海亀壊獣ガメシエル》 8
《怪粉壊獣ガダーラ》 昆虫
《怒炎壊獣ドゴラン》 恐竜
《雷撃壊獣サンダー・ザ・キング》 9
《壊星壊獣ジズキエル》 10 機械
《サタンクロース》 6 悪魔 相手モンスターが1体でも出せるため、小回りが利く
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・リリースできないモンスターを除いてあらゆるモンスターを除去可能。
・そこまでステータスが高くないため、比較的始末しやすい。
自分ターンにしか特殊召喚できない。
・相手モンスターを1体しか処理できない。
・相手フィールドに特殊召喚されるため、素材や攻撃手段、壁などに逆利用されてしまう可能性がある。
・自分ターン中に始末し損ねた場合、相手に1ドローを許してしまう。
・特殊召喚の表示形式が守備表示に限定される上に守備力2500と地味に高い。
《ヴォルカニック・クイーン》 6 相手モンスターが1体でも出せるため、小回りが利く
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・特殊召喚モンスターであり、【推理ゲート】や【ドライトロン】などでも無理なく採用ができる。
・リリースできないモンスターを除いてあらゆるモンスターを除去可能。
・《ヴォルカニック・クイーン》を持っているプレイヤーへのバーン効果を持ち、存在する限り相手にダメージを与えられる。
・「ヴォルカニック」モンスターのサポートカードを使用できる。
自分ターンにしか特殊召喚できない。
・相手モンスターを1体しか処理できない。
・特殊召喚するターンは通常召喚が不可能になる。
・相手フィールドに特殊召喚されるため、素材や攻撃手段、壁などに逆利用されてしまう可能性がある。
・自分(このカードを送り付けた側)へのバーン効果があり、これを相手に利用されるリスクがある。
・特殊召喚モンスターであり、通常召喚や他の方法での特殊召喚という選択肢が取れない。
《溶岩魔神ラヴァ・ゴーレム》 8 悪魔 ・モンスターを2体リリースするため、アドバンテージで損しない。
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・特殊召喚モンスターであり、【推理ゲート】や【ドライトロン】などでも無理なく採用ができる。
・リリースできないモンスターを除いてあらゆるモンスターを除去可能。
・ラヴァ・ゴーレムを持っているプレイヤーへのバーン効果を持ち、存在する限り相手にダメージを与えられる。
自分ターンにしか特殊召喚できない。
・リリースするモンスターが必ず2体必要となる。
・特殊召喚するターンは通常召喚が不可能になる。
・相手フィールドに特殊召喚されるため、素材や攻撃手段、壁などに逆利用されてしまう可能性がある。
・特殊召喚モンスターであり、通常召喚や他の方法での特殊召喚という選択肢が取れない。
天下独歩の大義賊 10 戦士 通常召喚扱いで出せるため、結界像など特殊召喚を封じるカードも処理できる。
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・最大2体まで除去可能。
・モンスター2体のリリースが必要だが、自分の手札のモンスターもリリースできるため柔軟な対応が可能。
・自分フィールドに登場する。
・出てきた後もフィールド以外で発動した効果を1度だけ無効化出来る他、バトルフェイズでも相手モンスター全てを守備表示にする効果も持つ。
・ステータスも優秀。
・特殊召喚モンスターではないため、通常召喚や他の方法での特殊召喚という選択肢が取れる。
・イラストがイケメン
自分ターンにしか召喚できない。
・召喚権を使ってしまう。
・自分フィールドにモンスターが居ると相手のモンスターをリリースできない。
・特殊召喚モンスターではないため、【推理ゲート】などとは相性が悪い。
・2026年現在アルティメットレアで手に入れにくい。
《ラーの翼神竜-球体形》 10 幻神獣 通常召喚扱いで出せるため、結界像など特殊召喚を封じるカードも処理できる。
・リリースがコストであり妨害されにくい。
・モンスターを3体リリースするため、アドバンテージで損しない。
・攻撃できず、次のターンに自分の場に戻ってくるので、処理に他のカードが不要。
・攻撃・効果対象にならないので戻った後に単独なら、壁にも有用。
・対応カードを入れていればリリースして高ステータスのモンスターの特殊召喚が可能。
特殊召喚できないため、【推理ゲート】などでも採用可能。
自分ターンにしか召喚できない。
・召喚権を使ってしまう。
・リリースするモンスターが必ず3体必要となる。
・希少なステータス故、サーチ効果で手札に加えるのが困難。
・対象に取れないのでフィールドから手札に回収しての再利用が困難。
・効果を無効にしなければ攻撃対象にできないので、召喚ターンの相手フィールドにこのカードだけの場合は攻撃できない。
・特異なステータスのため他に比べると低めだが、相手に送り付ける以上逆利用されるリスクは存在。
・特殊召喚できないため、いざという時に蘇生やリクルートはできない。
《原始生命態ニビル》 11 岩石 条件こそあるが相手ターンでも特殊召喚可能。
・フィールドのモンスターを根こそぎ処理できる。
・リリースできないモンスターを除いてあらゆるモンスターを除去可能。
・ステータスも優秀。
・特殊召喚モンスターでではないため、通常召喚や他の方法での特殊召喚という選択肢が取れる。
リリースが効果であるため、無効化されるとモンスターを処理できない
・同様の理由で効果を受けないモンスターを処理できない。
・デッキによっては条件の回避・対策が容易で刺さりにくい(通称:ニビルケア)。
・相手フィールドに特殊召喚されるトークンが高ステータスになりがちで、逆利用されてしまう可能性がある。
・特殊召喚モンスターではないため、【推理ゲート】や【ドライトロン】などとは相性が悪い。


環境での活躍

前述したように肝心要の「除去としての確実性」を欠いているので、登場してから当分の間は「決まれば強い一発芸」「リターンは大きい分の悪いギャンブル」といった具合でトーナメントレベルでの評価は低かった。

しかし、【スプライト】に加えて【クシャトリラ】・【ピュアリィ】が台頭すると、それらに相性が良いこのカードも注目されるようになった。
こいつらはフィールド上で展開したカードの効果をスタンバイフェイズやメインフェイズの最初の方に使う都合上、《倶利伽羅天童》は非常にぶっ刺さるのである。

そして2023年3月登場のデッキビルドパックに登場した新カテゴリ【VS】においては、
  • 手札に炎属性を握っておきたい特殊な事情がある
  • 後攻制圧に弱い【VS】にとって捲り札の存在は重要
  • スモール・ワールド》の弾になる
  • 【VS】自体も相手ターンで動きまくるデッキなので、単純にこのカードがぶっ刺さるデッキが増えた
といった理由から評価されている。

良くも悪くも環境によって強さが左右するカードであるといえる。
現在は炎属性・レベル1を安易にサーチできる【スネークアイ】によってこのステータスが大いに活かされ、サーチしやすいという特徴を得た。
《ワンチャン!?》などのレベル1サポートカードもより使いやすくなっており、遂に時代が到来している。
勿論、他のデッキに無条件で入るほど汎用性があるわけでもないし刺さらない相手には以前刺さらないが、ここに来てようやく隠された実力が発揮されることとなっている。


余談

「倶利伽羅」はサンスクリット語の「クリカ(Kulika)」の音写であり、インドでは八大龍王の内の一王の名として扱われている。
他にも「大剣に巻き付いた竜」を意味する事もある。要するにおみやげ物屋に売られてるかっこいいキーホルダーのアレ。
そして「天童」とは「仏法守護のため、子供の姿に変身して人間界に現れた天人または鬼神」もしくは「祭礼などのとき、天人の姿に扮する少年少女」との事。よしみではない。
意外にも遊戯王OCGでは初めての和風の巫女服姿を身に纏った少女のカードでもある(一般的な巫女服とは細部が結構違うが)。
ちなみに設定資料によると浮いて移動するらしい。

2022年12月に発売された「SECRET UTILITY BOX」(いわゆる年末箱)にもピックアップされたカードの1枚。
また『マスターデュエル』では演出有りのカードとして実装されただけでなく、同時にスリーブとアイコンも発売された。
ピーキーな部分が目立つカードではあるが、それでも彼女の見た目に惚れたデュエリストなら使ってみるのも如何だろうか。




追記・修正はこのカードで相手フィールドのモンスター6体をリリースしてからお願いします。

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最終更新:2026年08月13日 06:52