登録日:2012/05/12 Sat 15:45:26
更新日:2025/03/29 Sat 20:12:37
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《奈落の落とし穴》
通常罠
(1):相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。
その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。
かの有名な《
落とし穴》の亜種の1つ。通称・略称は「奈落」。
《落とし穴》と比べると範囲がやや狭くなったが、特殊召喚に対応する様に発動の機会は大幅に増加している。
さらに破壊したモンスターを除外するので《
死者蘇生》などによる再利用を許さないのも魅力。
また、テキストからは判りにくいが、複数のモンスターが同時に特殊召喚された場合でも発動でき、そのモンスターの攻撃力が1500以上ならば、それら全てのモンスターを除去できる。
そういう場面にはあまり遭遇する事はないかもしれないが、
かつての《
レスキューキャット》や今でいう《
レスキューラビット》など、複数のモンスターを同時に呼び出すカードもそこそこ見かけることはある。
マスタールール3から登場した
ペンデュラム召喚に対しても非常に有効。破壊した後に除外するので、PモンスターがEXデッキに行くこともない。
一方で効果処理時にもモンスターの攻撃力を参照している。
そのため
《奈落の落とし穴》にチェーンして攻撃力を1500未満に下げたり、裏側守備表示にしたりすると効果から逃れることができる。《収縮》や《
月の書》で守ることができるので覚えておこう。
単純な除去カードとして使ってもその汎用性は高く、通常召喚された《
ライオウ》などのアタッカー、
特殊召喚された
シンクロ召喚やら
エクシーズ召喚など、殆どのモンスターを問答無用で除外する素晴らしいカードである。
マスタールール2までは召喚成功時にモンスターの起動効果を発動できたが、ルール変更により発動できなくなったのでこのカードのパワーは格段にアップした。
その強力な効果ゆえに罠カードの中でも汎用性は高い。手軽な除去カードとしてかつては様々なデッキで採用された。
特に現在は落とし穴全般をサポートする
蟲惑魔がいる為、サーチできる《
トリオンの蟲惑魔》と一緒に出張している姿もたまに見かける。
そのため長い間準制限カードとなっていたが、2015年10月に制限解除された。
しかし、
第9期あたりから採用率は低下。専用デッキ以外での出番は少なくなっている。
・罠カード故の発動の遅さ
このカードに限らず多くの罠カード共通の悩み。
遊戯王OCGの基本的なルールとして、罠カードはセットした次のターンからでないと発動できないが、その1ターンの遅れが命取りとなるほどゲーム高速化が著しくなっている。
インフレの進行とともに1ターンに爆発的な展開ができるデッキが一般的となったため、後攻になった時に何もできない罠カードは採用率が激減。
代わりに手札から発動できる「
手札誘発」カードによる妨害が主流となっていった。
とくに《奈落の落とし穴》や《
激流葬》は相手の展開が終わってからでは無意味なため、この点が重く響いている。
サイドデッキに投入するなど各自の工夫が求められる。
遊戯王OCGの基本的なルールの1つとして、バトルフェイズのダメージステップの間は、カードの発動が制限される。「攻撃力・守備力の増減を含む」「発動を無効にする」「カウンター罠」の他には「ダメージ計算を行わず〇〇する」「戦闘で破壊された時」「戦闘ダメージを受けた時」などの効果しか発動できない。
ダメージステップ中にもモンスターが特殊召喚されることはあるが、上記のいずれにも該当しない《奈落の落とし穴》はダメージステップ中には発動できない。
デュエルを挑んできた小学生に、《
冥府の使者ゴーズ》や《
トラゴエディア》を落とされそうになるのはよく見た光景。
制限カードの《
ハーピィの羽根帚》に加え、《ツインツイスター》や《
ライトニング・ストーム》といった魔法・罠除去を多数投入できる現状、いつ割られてもおかしくない状態といえる。
メインデッキからでなくとも、サイドデッキから投入されて対策されることも多い。
- 1500未満の攻撃力を持ち、強力な効果を備えた数々のモンスター達。
発動条件の都合上、こればかりは仕方ない。
例を挙げると【
甲虫装機】が大流行していた時には《奈落の落とし穴》の採用率は激減し、代わりに《
連鎖除外》が使用されるほどであった。
地味に「破壊する」と書いてある為《
スターダスト・ドラゴン》や
ドルベ《我が身を盾に》などに妨害される。また、破壊効果に耐性のあるモンスターには無意味となる。
- モンケッソクカゲキカゲムシャシエンシハンキザンキザンキザンエクスカリバー等の大量展開。
- 破壊耐性、フリーチェーンで墓地に行き発動する効果持ちモンスターには無力。
……等々、弱点や抜け道も多い。
特に近年の主流である「攻撃力の低いモンスターを大量展開し、耐性や効果
無効化を持つ切り札モンスターを出す」相手には何も出来ず腐る可能性がとても高い。
ちなみに《断絶の落とし穴》という攻撃力1500以下を破壊を介さずに裏側除外するカードも登場し、この2枚で実質的にどんなモンスターでも除外できる事となる。
自分が劣勢の時に使っても焼け石に水なので、それらの要素を考えると《激流葬》にやや劣る。
が、それでもこのカードは強力なので、除去カードに困った時は真っ先にこのカードを採用しよう。
……さて、確かにこのカードは強力なのだが、使われるとかなりイラッと来るカードでもある。
例えば……
決闘者3「行け《
モリンフェン》! キミに決めた!」
リアリスト「『奈落』で」
……この様に、こちらが大変な思いをして呼び出したモンスターを一瞬で消してしまう空気を読まないカードでもある。
第5期あたりまではモンスターの展開手段が限られており、このカードの影響力は大きかった。
頑張って呼び出した切り札を《奈落の落とし穴》で除外された時の悔しさと言ったら……
《
地砕き》などとともに多くのプレイヤーを恐れさせ、同時に多くのプレイヤーの窮地を救ってきたカードでもあった。
そんな事にならないためにはしっかりと罠カード対策をしよう。
相手が除去カードを使ってくることを織り込んでプレイするのが真のデュエリストといえる。
また、相手ががんばって《
究極完全態 グレート・モス》や《
ゲート・ガーディアン》などを出してきたとしても、勝利のために奈落の底に突き落とすことはやむなしだろう。相手がどんなカードを使ってきたとしても最善を尽くすのが真のデュエリストである。
アニメでの活躍だが……まさかこんなガチカードを使う決闘者なんて……
城之内克也「完全復活!パーフェクト城之内様だぜ!」
……居た。
しかし相手はロービート融合戦術だったので発動するチャンスはなかった。
これに限らず、どうも汎用性の高い罠カードは原作・アニメにおいてかませにされる傾向が強い。
また、
遊戯王ARC-Vにおいてシンクロ次元で登場。
セレナの対戦相手のトニー・シモンズが使用したが、セレナの融合モンスターの破壊耐性であっさり回避されてしまった。
しかし、それよりも注目されたのは演出の方である。
発動された際、フィールドに穴が開いた……ところまでは大方の人の予想通りとして、その中からカードイラストに描かれている緑色の人(?)が手を伸ばしてモンスターを穴の中に引きずり落とそうとするという描写がなされたのである。
単に落とし穴に落ちた可哀想な人……と思われていた存在が他者を道連れにしようと行動を起こしてきたという、地味ながらも往年の決闘者を驚かせるものだった。
おそらくは視聴者にモンスター除去と融合モンスターの耐性を分かりやすく伝えるために生まれた表現だろう。
追記・修正は魂のカードを奈落されてからお願いします。
- 凡骨はデュエルの腕をカードパワーで補ってるとこがあるから仕方ない -- 名無しさん (2014-05-15 14:07:30)
- ↑カードパワーちゃう!運命力や! -- 名無しさん (2014-05-15 14:24:16)
- イラストに出てるのは怨念集合体 -- 名無しさん (2014-06-02 19:06:44)
- クリフォートあたりへのメタとして制限解除もありかな? -- ??隊長 (2014-08-22 19:06:40)
- 蠱惑魔のせいで今や強脱や激流よりトラウマになった -- 名無しさん (2014-10-16 22:09:55)
- ドルべ我が身を盾に、だと? -- 名無しさん (2014-10-16 23:44:32)
- 真の決闘者は、相手の切り札を、(奈落に)落とすよりは、むしろそれによる敗北を選ぶ……ってことだろうか? -- 名無しさん (2015-02-27 17:53:11)
- そういえば、リアルのデュエリスト界ではどうなんだろう? やっぱり、奈落を使ってくるデュエリストは、よく思われなかったりするんだろうか? 白い目で見られるとか -- 名無しさん (2015-03-07 12:29:40)
- ↑そうでもない気がする。 ぶっちゃけ警戒しない方が悪いみたいな風潮あるし。 でも最近の大会だと奈落が入らない事もあるみたいだし、むしろヘイトが減っていく気がする。 -- 名無しさん (2015-03-07 14:43:55)
- 奈落を否定するとは次元幽閉や強脱を否定する様なもんだから嫌おうと思える奴はまずいない。だって制竜とか影霊衣みたいなテーマじゃなくサイクロンの様な基本カードだから -- 名無しさん (2015-03-26 20:39:14)
- 汎用罠はゲーム性の根底を担ってる一要素だからな……いかに罠をかいくぐって、あるいは潰して勝ち筋を通すか、それが楽しいともいえる -- 名無しさん (2015-03-30 10:00:03)
- このカードを使って冷めるとか申し訳ないっていうのは、原作やアニメで高レベルモンスターを伝説とか最強とか持ち上げすぎることに原因があるんじゃないだろうか。 ただの「ちょっと強い駒」程度の認識だったら、そこまで大げさな捉え方はされなかったと思う。 -- 名無しさん (2015-06-27 19:14:03)
- これのかっこいい使い方は、相手「いでよ、おれの切り札モンスター!これで勝った!」 自分「……それはどうかな?」だと思う -- 名無しさん (2015-06-27 19:33:38)
- 緑の人がまさか奈落に引きずり込もうとする存在だったとは‥ -- 名無しさん (2015-08-23 20:27:00)
- ↑本当に騙されたな。どう見たってアレが落ちてるようにしか見えないもんな -- 名無しさん (2015-08-24 00:20:55)
- 良かれと思って奈落から破壊を消しておいた -- 名無しさん (2015-08-24 10:47:13)
- ドルの名前出す必要あったか? -- 名無しさん (2015-08-31 02:28:20)
- 3枚積むデッキは一部だろうし、そろそろ解除してもいいんじゃないかな -- 名無しさん (2015-08-31 02:36:43)
- 怨念集合体が引きずり込んでると思ったらいつも落とし穴に落ちてる緑の人が掴もうとしてたのか… -- 名無しさん (2015-09-01 15:55:42)
- 冷めるっていうのは、遊戯王というカードゲームがアニメキャラのなりきり、ごっこ遊びの側面もあるからだろうな。アニメでかっこよかったからこのデッキを使ってみたい!って人は少なくないだろうし、気持ちはわからんでもない -- 名無しさん (2015-09-01 16:19:08)
- 解除おめでとう -- 名無しさん (2016-01-24 16:43:04)
- トニーが使ってたけど、緑のが加害者として驚きwwwww -- 名無しさん (2016-01-31 21:15:08)
- 奈落のトニー -- 名無しさん (2016-01-31 23:28:13)
- 緑の人は…助けを求めて手を伸ばしたら引きずりこもうとしてるように見えたんだよ…たぶん、きっと -- 名無しさん (2016-02-26 07:11:23)
- 複数同時にも対応できるってのはテキストミスを誤魔化した感じがするんだよなこれ -- 名無しさん (2017-08-08 22:34:50)
- サイバードラゴン,E・HERO,サンダードラゴン系列には癖は有るが除外をものともしないサイバーロード・フュージョン、平行世界融合、雷龍融合があるからイマイチ効きが悪くなった印象。 -- 名無しさん (2021-06-21 15:30:59)
- このカードは今から20年も前のまだ除外がマイナーだった時代に出てきたところがすさまじい。 -- 名無しさん (2022-12-04 07:03:23)
最終更新:2025年03月29日 20:12