映画 忍たま乱太郎

登録日:2025/02/19 Wen 14:55:00
更新日:2025/04/21 Mon 00:03:31
所要時間:約 10 分で読めるの段






勇気100%の『忍たま乱太郎』が、この夏映画になって登場だ!



【概要】

『映画 忍たま乱太郎』は、NHKの人気TVアニメ『忍たま乱太郎』の劇場版第一作。
初公開は1996年6月29日。
同時上映は『はむこ参る!』と『トイレの花子さん』。

総監督:芝山努
監督・絵コンテ:小山常夫
脚本:浦沢義雄
音楽:馬飼野康二
キャラクターデザイン:藤森雅也
主題歌∶光GENJI SUPER5『勇気100%』
挿入歌:Junichi&JJr『こうしちゃいられない』
ED:SAY・S&忍たまファミリー『にんにん忍たま音頭』


内容は『忍たま』らしい、テンポの良い軽快なストーリーのドタバタコメディ。後の劇場版で見られる、息を呑むような戦闘やシリアスさはほとんどない(全くない訳ではない)。
上映時間も47分と短めなので、小さな良い子たちにも気軽におすすめできるのが魅力。
出てくる武器や鉱石などの緻密な時代考証も健在。
ちなみに、公開時は観客の8割が女性客だったらしい。


【あらすじ】

とある城内。
山田利吉は城主より、明(みん)から取り寄せた巻物がドクタケ忍者隊に奪われたため取り返すようにとの依頼を受けていた。その巻物には、軽身剤(けいしんざい)という薬の製法が書かれているという。

一方、とある港。
福富しんべヱは、大貿易商の父に付いて輸入された硝石の引き渡しに立ち会ったのち、忍術学園のクラスメイトである加藤団蔵と、その父で馬借の親方・飛蔵や配下と共に、硝石を忍術学園に届ける運搬に同行する。

だが、その道中にはとある企みを持ったドクタケ忍者隊が待ち構えていて……!?



【登場人物】

忍術学園

◯一年は組

猪名寺乱太郎
主人公その1。
しんべヱから団蔵がドクタケ忍者隊に攫われたと聞き、は組の仲間たちと共に助けにいく。
まだ上級生たちも殆どテレビに出ていなかった時期なので、最前線で走ったり崖を登ったりするのはもちろん、親友を人質に取られて大事な物との選択を強いられたりする役割も一手に担う。コメディ映画で良かった……。

摂津のきり丸
主人公その2。
本作でも変わらず切羽詰まる状況にも関わらず、銭に向けてひた走る。
ちなみに乱太郎が忍術学園にいく途中、道でアイスを売っていたが、なんと初の映画で初っ端から女装姿で登場し、声をかけられた乱太郎も最初は誰か判らなかった。きり丸曰く「この格好の方がよく売れる」らしく、実際なかなか可愛い

福富しんべヱ
主人公その3。
団蔵と共に、忍術学園に届ける硝石の運搬に同行していたところを、ドクタケ忍者隊に襲われる。
本作では割としっかりしており、ドクタケ忍者隊に捕まらないように立ち回ったり、彼らの策で眠らされた間に団蔵が彼らに攫われたと勘違いした時は、仲間の危機を伝えるため忍術学園に向けて走ったりする。途中で力尽きてくノ一の食料を盗み食いするが。

■加藤団蔵
本作の準主人公で、馬借の若旦那。
しんべヱや父親の飛蔵らと共に硝石の運搬をしていたところをドクタケ忍者隊に襲われる。
しかし、しんべヱの勘違いのように実は攫われたのではなく隠れてドクタケ忍者隊についていき、そのアジトに潜り込んでいた。またその際、道標を仲間に示すためドクタケ領への道中に五色米を撒いていた。なお、五色米は農家のおばあちゃんが美味しくいただきました。
終盤、乱きりしんのピンチに馬で駆けつけた姿は最高にかっこいい。

その他
他の一年は組の出番は少なめだが、この頃から既にクラスの強い絆を見せてくれる。また、終盤でも地味に活躍。

◯くノ一教室

山本シナ先生と野外授業をしている最中に、ご飯を盗み食いするしんべヱに遭遇したことで事件を知る。ユキちゃん、トモミちゃん、おシゲちゃんはもっと怒っていいんじゃないかな。
終盤は忍術学園の仲間と共にドクタケ忍者隊のもとに乗り込んで戦う。

◯先生たち

土井半助
きり丸のアルバイトの手伝いで、暴れ回るイノシシに振り回されながら登場。自分よりもイノシシの心配をされた土井先生は、もっと怒っていいと思う。
話の展開で中盤から女装するが、何故かストーリーが終わるまで女装したまま。
本作でも見事なチョーク攻撃を披露し、利吉と背中合わせで決める姿は多くの子どもがときめいただろう(女装姿だが)。
うどんに入っていた大の苦手な練り物を、ちゃっかり山田先生に献上するお茶目なところも。

山田伝蔵
土井先生と共に団蔵を救出するため女装してドクタケ城に忍び込み、忍術学園の勝利に貢献する。

■山本シナ
くのいちクラスの担任。
始めは老婆の姿で登場したが、しんべヱの知らせを聞くと若い姿で馬に乗り学園に到着し、学園長に事の次第を報告した。
ちなみにしんべヱのことは腰に掴まらせて走っていた(しんべヱ、羨ましい)

■大川平次渦正
学園長。
本作では後の劇場版で見られる知的なシリアスさはないが、終盤では教職員や生徒らを率い先頭に立ってドクタケに殴り込む。
なおギャグとは言え、彼が前線に出て生身で戦った劇場版は2020年代現在本作のみ。

食堂のおばちゃん
食堂の主。
非戦闘員のはずだが終盤の総攻撃に参加しており、しゃもじ一本でドクタケ忍者隊をシバキ倒す。


ドクタケ忍者隊

■稗田八方斎
ドクタケ忍者隊の首領。
基本的にコミカルな悪役だが、要所要所で狡猾な面も見せる。
また、本作では割としっかり悪役もしており、最悪死人が出るところであった。コメディ映画で良かった。

■風鬼
ドクタケ忍者隊の1人で、八方斎の腹心的存在。
鉄砲の優れた腕を披露し利吉を負傷させる。


●その他

■山田利吉
山田伝蔵の一人息子で、フリーの忍者。
利吉自身は別の依頼を受けてドクタケ忍者隊のアジトに忍び込んだところ、団蔵を救出にきた土井先生たちに遭遇する。風鬼に腹パンする場面は必見。
土井先生と組んでの活躍が多く、劇場版第3作の名台詞を聞いた後に本作を見たらニヤニヤするかも。

■兵庫第三協栄丸
海賊の頭なのに船酔いしてしまう。
ドクタケの出城にあるフランキを盗む予定のところに乱きりしんと遭遇し、三人がドクタケ城に忍び込むのを囮目的で手伝う。

■加藤飛蔵
団蔵の父親で馬借の親方。
硝石の運搬の最中にドクタケ忍者隊の襲撃を受け、眠らされて荷を奪われてしまう。



【登場したアイテム】

  • 硝石
しんべヱの父が忍術学園の教材用に輸入した黒色火薬の原料で、ドクタケが飛蔵たちから盗んだもの。
ちなみに「日本ではほとんど取れないからタイや中国から輸入している」……というのを劇中でしんべヱが説明した

  • 五色米
青、黄、赤、黒、紫に着色した米を使った暗号で、撒いた色と個数の組み合わせによって解読する。

  • フランキ
南蛮の大砲。ドクタケが輸入し、新しい出城に設置している。
軽身剤の存在を知らなかった土井先生と山田先生は、最初大砲の黒色火薬のために硝石を盗んだと推測した。

  • 軽身剤
ドクタケが盗んだ秘伝書に書いてある薬で、飲むと空を飛ぶと言われている。ドクタケが硝石を盗んだのも、この薬のため。
この薬で空飛ぶ忍者隊を作り、最強の軍事力を手にするのがドクタケの目的である。



【余談】

  • 1997年の大晦日には、午前7時から午後17時にかけて10時間、当時人気のNHK教育の子供番組を集めた特番が放送されたが、他の番組は再放送や再編集が大半だった中、『忍たま』枠はこの映画が一本丸々ノーカットで放送されるという豪華仕様となっていた。
    また、特番全体のホスト役として乱きりしんの着ぐるみが新規アフレコで起用されていた。

  • まだ上級生などの人気キャラが出揃っていなかったこともあってか本作の知名度は低く、一部メディアでは次回作関連のニュースに「ついに映画化」と記されており本作の存在がなかったかのように扱われていることがある。

  • この作品を題材としたアクションゲーム「忍たま乱太郎すぺしゃる」がスーパーファミコンのソフトとして発売されたが、この手のキャラゲーの例に漏れずクソゲーの烙印を押されている



次回作→


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最終更新:2025年04月21日 00:03