登録日:2024/12/27 Fri 03:12:01
更新日:2025/04/12 Sat 20:50:24
所要時間:約 10 分で読めるの段
『土井半助』失踪、
『天鬼』襲来。
忍たま史上、最強。
『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は、『
忍たま乱太郎』の劇場用アニメ第3作目。
2024年12月20日公開。上映時間は90分。
第一作目以来の松竹配給となった。
原作(ノベライズ版)・脚本は阪口和久、監督は藤森雅也。
【概要】
前作『
忍術学園全員出動!の段』以来13年ぶりで、実写版も含めれば通算5作目。2020年代及び令和時代においては初となる『忍たま』映画でもある。
今作の事実上の主役は、
摂津のきり丸、及び
土井半助。
2013年に発売された原作の
ノベライズ作品『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』を原作としており、小説版が持つ良い意味で『落乱』らしくないシリアスな雰囲気は残しつつ、小説版では出番の少なかった一年は組の活躍シーンの増量、メインキャラ「天鬼」のキャラクター性を若干変更するなど、アニメ版『忍たま』ならではの要素を追加して制作された。
また、中盤の六年生と天鬼の対決以降は大筋は同じながらオリジナル展開が増えている。これは原作小説が六年生が活躍するため、彼らのファンには嬉しいものになっているが、ファミリー映画として見た場合、
「一年は組が映画で活躍せずに終わってしまうのはどうか」ということもあったため脚本を組み直したことがあるという。
(参考:アニメイトタイムズ内 藤森監督インタビュー記事(
外部リンク
)
小説版を踏まえないと劇場版が理解できないということはないが、同作を読んだり、後述のプロモーションとして放映されたエピソードを視聴したりしておけばより楽しめるだろう。
これらを経なくても、最低限「きり丸は戦災孤児で身寄りが無く、そんな彼に土井は同じような境遇だった自らを重ね、休暇中の身元引き受け人を務めるなどして気に掛けており、そしてそのことは忍術学園では周知の事柄である」という背景だけでも押さえておくと良い。
お約束のギャグ描写はもちろん健在。
だが一方でシリーズ初となる直接的な流血描写に始まり、作中の時代がやはり戦乱のさなかであることを印象付けるとともに貧困に喘ぐ民の惨状も少しだけとはいえ取り上げられるなど、過去の『忍たま』映画とは雰囲気が大きく異なっているのが特徴。
また、作中ではたびたび曼珠沙華(彼岸花)で血飛沫を、様々な服装や状態で火に包まれるかかしを死体のメタファーとし、とある人物の回想・心情とする描写が挟まれるなど、全年齢向けとはいえ全体的に大人向けな作風となっている。
加えて、作品の雰囲気に合わせて普段よりも頭身が上げられているなどの様々な調整が行われていて、かなり苦労した模様。
その他、作中の季節は秋頃と見られる。
【プロモーションと興行収入成績】
2024年2月22日(忍者の日)に初報解禁。
以降公開までの間には、X公式アカウントにおいてはティザービジュアルなどが、YouTube公式チャンネルにおいては順次PV及び今作の主役二人をフィーチャーした『土井先生ときり丸の段』が無料公開された。
アニメ放送枠でも、土井の過去や六年生が彼を慕うようになった理由を描くエピソードである第32期64話『若い人の段』がオンエアされている。
公開後は10週間に亘り週替わり入場者特典が配布された。なおその中には、本作終了後の一コマを描いたイラストカードの裏にその場面のト書きが書かれているものもあるが、
外袋にも印刷されているようにその性質上ネタバレを含むので初見・未鑑賞の方はその点にご注意を。回避したい方は一度でも本作を見た後に開封するのがおすすめ。
更に、(キーパーソンの苗字繋がりということか)料理研究家の
土井善晴から本作を鑑賞してのコメントが寄せられたり、美容サービス予約サイト「ホットペッパービューティー」とのコラボ企画として、
作中映像を用いつつコラボ内容に合わせてセリフを新録したPVなどが特徴のキャンペーン『最強の髪型』が展開されたりするなどユニークなものもある。
パンフレットは通常版と豪華版とがあり、後者には前日譚の小説『受け継ぐ者の段』や演者コメントなどが掲載されている。
その他特別興行として、日時や劇場によっては応援上映や4DX版、舞台挨拶ライブビューイングや
英語版字幕付きの上映も行われている。
興行収入成績については、2025年3月下旬の時点で30億円を超えたことが発表されており、『忍たま』映画史上最高額を記録した。
【ストーリー】
ある日、タソガレドキ忍者隊の諸泉尊奈門から今日も今日とて果たし状を受け取った土井は、無益な戦いを終わらせるため果し合いに応じることにした。
しかし、戦闘中諸泉に投げ飛ばされた際、土井は崖の中腹からその下に流れる川へ飛び込んだ拍子に流れてきた何かに頭を強打して気を失い、しかもそのまま行方不明となってしまう。
諸泉の上司である雑渡昆奈門から経緯と事情を報告された山田は、学園長の許可を受けた上で一年は組の授業を雑渡と諸泉に任せ、雑渡の配下らとともに土井の捜索を始める。しかし、学園長の命で六年生達も捜索に参加するも、一向に手がかりは見つからなかった。
そんな折、タソガレドキ忍者隊の調査でドクタケに新たな軍師が現れ、不穏な動きを見せているという情報が入る。時を同じくして、六年生達も土井がドクタケに攫われた可能性に行き当たり安否確認のため潜入を試みたところ、ついに件の軍師「天鬼」が姿を現す。
なんとその顔は、土井に瓜二つだった――!
【用語】
おなじみ『忍たま』のヴィラン組織。
北にタソガレドキとチャミダレアミタケ、東にスッポンタケと接する。
スッポンタケとの戦の準備をしており、チャミダレアミタケと密約を交わしているが、その動きはいつものドクタケのそれではなく……。
忍者隊は中盤で誰得なミュージカルを披露する。更にそれを無表情かつ無反応でじっと見つめる天鬼の様子は本作きってのシリアスな笑いを誘う場面かもしれない。
読んで字のごとく。
中身はというと、忍術学園の面々をくのたま達も含めて妖怪か化け物の如く極悪人に描き、一方で自分達ドクタケ忍者隊は8頭身に伸ばし正義の忍者と美化・喧伝しているトンデモ本。
雑渡昆奈門と諸泉尊奈門が仕えている城で、城主は黄昏甚兵衛。精強な忍者隊を擁する。西にオーマガトキ、東にチャミダレアミタケ、南にドクタケと接する。
戦に強い城で、城主は武術好きの茶乱網武。
ドクタケと協定を結び、タソガレドキへ攻め入ろうとしている。
ドクタケ同様の悪者とされている城。
ドクタケとはドクタケ山という険しい山で遮られているが、ドクタケはそこに一夜で砦を築いたため慌てて戦の準備をしている。
【登場人物】
一年は組
おなじみの良い子達。授業の成績は悪く手裏剣を投げても明後日の方向に飛んでいくが、実戦経験は豊富。
大好きな先生の奪還のため、各々の強みや特技を活かして協力し合いながらドクタケの中枢へと迫っていく。
由緒正しいヒラ忍者の家系の主人公。
きり丸が何か思い悩んでいることにしんべヱと同じく気が付き、は組の皆と情報を共有。一晩帰らず、帰ってもすぐに出ていこうとするきり丸を引き留め、事情を聞くためしんべヱとともに「私達が聞いてあげる」というきり丸の心を特にくすぐるフレーズでもってその本音を引き出したのち、一年は組全員でドクタケへ向かうことを提案。
そしてきり丸から事情を聴き出した際「そんな大事なこと一人で抱え込んでたの?」と彼を慮り、その後の「だったらみんなで行こう」とは組の面々を鼓舞しており、これに続くセリフ「土井先生に会いに……いや、土井先生を取り返しに!」の宣言は作品中の大きな転換点である。
今作のキーパーソンその1にして真の主人公とも言える守銭奴の少年。
当初は土井が出張していると思い込んで普段通りに振舞っていたが、アルバイトの帰りに偶然六年生達の話を聞き土井が生死不明になっていたと知ってしまう。
それからは元気が無くなり、土井のことで頭がいっぱいで心細くなりつつも彼の生存を信じて日々を送る。
小説版では偶然ドクタケとスッポンタケの戦のことを聞き付け、乱太郎達と共に合戦場で商品を売り歩こうとする。
劇場版ではどこかへと急ぐ六年生達を見かけて後を尾行したところ、覆面が外れた天鬼の素顔を目撃することになり彼が土井その人に違いないと確信。しかし、六年生達に保護され一緒に学園へ帰還して、ことの次第を学園長と山田に報告するも「天鬼のことは四年生以下には内密にな」とクギを刺される。
土井の生存を知り安堵する一方で、彼が自分を覚えていないと知りショックを受けつつ、それでも探しに行こうとした際、クラスメイトに勘付かれて真実と「俺は、土井先生に会いたい!」という胸のうちを明かし結局は組全員でドクタケの砦へ潜入。紆余曲折を経て天鬼とついに対面を果たすが……。
本作では、土井が身元引き受け人になる前に戦災孤児として独りで必死に生きようとしていたころの姿が原作やアニメに先駆けて描写されている。また、土井の帰りを待ちながら彼との住まいである長屋の掃除に「己の命よりも」大事なはずの銭を稼ぐためのアルバイトを全てキャンセルしてまで無心に励むシーンはいじらしいの一言で、終盤で天鬼に涙ながらに訴えかける様子も必見。
家がお金持ちな乱太郎ときり丸のルームメイト。
メインビジュアルでは
おでんを食べていたが、もちろん劇中でも食べる。ただ、雑渡が臨時教師になった際にはさすがに食事が喉を通らなかったようで、痩せてしまうのではないかと思うほどに食事量が減った
(※本人基準)。
乱太郎と同じく、きり丸の様子がおかしいことにはいち早く気が付いていた。
今劇場版でも相変わらずの性格だが、特に潜入を開始する中盤あたりから地味ながら活躍を見せ始める。
例を出すと
- 敵の前線基地に運搬されている兵糧が偽物だと見破る
- 敵地で部隊長の懐に侵入し相手の特性を逆手にとって尋問、軍事機密を的確に引き出してみせる
- 捕縛状態から単独で道具を使わずに牢屋を破壊し脱出、仲間ともども逃走を成し遂げる
- 敵の首領が潜む場所へ続く隠し扉を発見し、その先に広がる迷路状の通路を同年代二人を担いだ状態で迷わず突破して居所へ辿り着き、しかもその場所を仲間だけに通じるとある手段で指し示す
と、やっていることだけを挙げれば上級生にも負けない体力と諜報のエリート忍者ぶりを見せている。
(※嘘は書いていません)
いつも冷静な一年は組の学級委員。
雑渡達が受け持ちとなった状態でも勉強を続けつつ、変わってしまった状況に疲弊していく組の面子を励ましている。
また、諸泉に「(教科も実技も今ひとつで)お前達の先生は何を教えてきたのやら」と恩師を貶された際には「僕らの行いが悪いと先生達が悪く言われる!」とクラスメイトを鼓舞してみせた。
かと思えば、雑渡達が作中で初めて教室に姿を見せたシーンでは真顔で「クソタレガキ城のジェットコンロさんですよね?」と言うなどギャグシーンもそつなくこなす万能ぶりである。
その後、きり丸から天鬼の話を聞かされ、乱太郎の提案で救出へ向かう。調子の良い時のきり丸ならば、荷物の運搬状況などから事態を推測できたかもしれないが(『全員出動』の戦の真の狙いの時のように)今回土井が心配でいつもの調子を崩していたきり丸は解らなかったので、庄左ヱ門が天鬼の居場所=戦が行われる砦だと考え、大量の荷物が運び込まれているスッポンタケ近くの砦だと推察する。
一年は組のサブリーダー。
初代、2作目と目立っていたが、今作では砦に荷物が運ばれていることを知り、直ぐにその場にいた荷運びの男と交渉して手伝いを申し出て砦へ向かう手はずを付けてくる。
実家が馬借を営んでおり、若旦那と呼ばれている団蔵は交渉も見様見真似で覚えたのかもしれない。
ちなみに全員で
柿を食べるシーンでは一番早く食べ終えていた。
- 笹山 兵太夫(CV:むたあきこ)
- 夢前 三治郎(CV:江森浩子)
おなじみからくりコンビ。
団蔵が交渉した荷運びには「人手は三人だけ」と言われてしまったが、兵太夫と三治郎が中に人が入れるように樽を改造。また、団蔵とともに荷運びを実際に手伝い、重い荷を曳くのに奮闘した。
かくして物に化けて運ばれることによって、他のは組の面々も一緒に砦への侵入に成功する。
- 佐武 虎若(CV:小林優子)
- 皆本 金吾(CV:渡辺久美子)
- 二郭 伊助(CV:佐藤智恵)
- 山村 喜三太(CV:大和田仁美)
小説版では天鬼について何も知らず、活躍シーンも無かったが、劇場版では全員でドクタケの砦に乗り込む。
ちなみに喜三太は今回はナメクジ達を連れて来なかったが、後にあることを知って連れて来なくて良かったと安心しているほか、ナメクジ達にしばしの別れを告げる専用のイメージシーンも用意されているが、そこでは何故かトレンチコート姿で港にいるのだった。
砦に乗り込んだものの、スッポンタケ側のそれは囮で大黄奈栗野木下と遭遇し捕らえられてしまうが、彼がは組の面々を八方斎がいる砦へと送ったことで、八方斎がいるところがつまり天鬼がいるところではないかと判明し、実働部隊がすぐに到着できた。
そして捕らえられてもは組の連携は強く、体を張って追っ手を足止めし、乱太郎達に土井のことを託して先に行かせている。
予告編で乱太郎・しんべヱ以外のは組の面々が全員物凄い
顔芸で仰天しているシーンが公開されているが、実はあのシーンは天鬼の正体にではなく、
きり丸がバイトを全てキャンセルしたと聞いて驚いている様子。
四年生以下・くのたま達
今作の非常事態は四年生以下には知らされていないので、ほとんどはセリフも無くイメージシーンや背景にしか登場しておらず、一年い組と二年生全員に至っては影も形も無い。
おなじみ滝夜叉丸先輩。ノルマとファンサのためには組の妄想の中で少しだけ喋り、愛用する「輪子」を見事的の真ん中に命中させてみせ「落ち込むことは無いぞ〜一年は組!この私の才能が特別すぎるのだから!」などと得意そうにしていた。
しかし(あくまでイメージシーンなので本人が実際にそういう言動をしたわけではないにもかかわらず)「あのいけ好かない滝夜叉丸先輩」とか「(滝夜叉丸先輩を)思い出したら腹立ってきたけど……!」とかけちょんけちょんに言われていた。
豪華版パンフレットの小説にも四年生では唯一名前だけだが登場しており、一年生の時は桜木に憧れていたこと、若王寺の励ましがきっかけで体力を付けたことが明かされた。
- 綾部 喜八郎
- 田村 三木ヱ門
- 浜 守一郎
- 斉藤 タカ丸(CV:浪川大輔)
- 伊賀崎 孫兵
- 神崎 左門
- 次屋 三之助
- 富松 作兵衛
三年・四年の生徒達。
喜三太がナメクジ達にしばしの別れを告げるイメージシーンの締めに「われらナメクジと同じあつかい!?」という文言とともにズッコケているところが描かれているがセリフは無い。
なお、この面子の中でタカ丸だけはホットペッパービューティーとのコラボ企画にて配信されたボイスドラマに登場。イメチェンをしに来た(という設定の)土井の施術を張り切って担当し、手入れが行き届いていない土井の髪をサラサラにしたいというかねてからの自らの念願を叶えるのだった。前作同様、元髪結いの設定が活かされた形といえる。
三年は組の生徒達。
前述の喜三太のイメージシーンにはおらずセリフも無いが、食堂のシーンに後姿のみで登場。
- 鶴町 伏木蔵
- 二ノ坪 怪士丸
- 下坂部 平太
- 初島 孫次郎
一年ろ組の生徒達。冒頭に一瞬だけ登場しセリフは無い。
雑渡が殺気を放つシーンにおいて一年は組だけでなく一年ろ組にまで届き、ほとんど全員それに気圧され担任もオロオロしていた。
だが、その中で伏木蔵だけは一人きょとんとした表情を浮かべている。元からのマイペースぶりに加えて、学園で一番雑渡と交流のある伊作と保健委員として行動を共にする場面が多いことから既に雑渡とも顔見知りな上、彼からも気に入られているためかもしれない。また、雑渡達が一年は組の教室へ向かう際にその気配をいち早く感じているらしい反応も見せていた。
くのたま三人娘。
直接登場はせず、『ドクタケ忍者隊の本』に彼女達がモチーフと思われる鬼娘のようなキャラクターが描かれていた。
五年生
- 久々知 兵助(CV:小田敏充)
- 尾浜 勘右衛門(CV:渋谷茂)
- 不破 雷蔵(CV:金丸淳一)
- 鉢屋 三郎(CV:山崎たくみ)
- 竹谷 八左エ門(CV:東龍一)
序盤では食堂のシーンの背景に一瞬映り込むだけだが、終盤から本格的に登場。複数の場所で戦の構えをしているドクタケの本命(=天鬼の居所)を探るため、砦の間の荷物や人の行き来についての状況調査に動員される。
またその際、ドクタケの一味が携えている書状に目を留め、退屈しのぎも兼ね一芝居打って奪うことに成功するが、それを読んで一年は組が捕らえられ移送されるのを偶然知り、山田と六年生達に報告した後に救出に向かった。
だが全員、ドクタケの砦に向かうため気配を消していた雑渡が通り過ぎて行ったと気が付くことができず……?
小説版では前述のような出番は無いが、三郎、勘右衛門、八左エ門がエピローグで忍務に駆り出されている。
一方、劇場版のエピローグでは八左エ門のみが学園長達にとあることを報告しに来ていたほか、入場者特典には今回の忍務について反省会を開く様子が描かれているカードがある。
あと、エンディングでは桜木・若王寺と別れる際に六年生達全員が最敬礼しているのに五年生は勘右衛門しか頭を下げておらず、また兵助は信頼と安定の豆腐絶対食わすマンぶりを見せていた。
六年生
一年は組や土井に次ぐ本作の準メイン格。学園長から土井捜索の忍務を与えられる。天鬼との戦闘シーンも本作の目玉の一つ。
メインビジュアルでは全員、何かを取り戻さんとするかのように皆同じ方向へ手を伸ばしている。
ちなみに、作中初めて登場するときの描写はまるでプリキュアの変身シーンのようだとの声も。
実は六年生達が一年生だった時の担当の先生が土井だったことと、彼にとっても六年生達が初めて受け持った生徒であることが映画公開前に明かされている。
また、エンディングでは本作オリジナルキャラの桜木と若王寺に挨拶する様子が描写されており、現在の最上級生である六年生達の後輩としての面を見ることができる。
忍術学園一ギンギンに忍者している男。
得意武器はありあわせの棒に剣先を取り付けて組み立てる「袋槍」で、今回は近くの木の枝を切り落として組み立てている。
序盤では「土井先生が尊奈門ごときに負けるなどありえん」と言い、この発言に小平太、長次、更には不仲であるはずの留三郎まで珍しく文次郎に同調していた。
しかし聞き込みの結果が芳しくないことから、土井の生存を信じる長次と留三郎に対して「忍者なら最悪の場合も想定し訊き方を変えて」捜索するよう主張し、彼と一触即発の空気になりかける。
その後、小平太が得てきた情報をもとにドクタケへ乗り込もうとするが、潜入を察した天鬼と戦闘になるもなすすべなく翻弄され撤退を余儀なくされる。なおその直前、天鬼の素顔が見知った相手のそれだった安心感から気が緩んだのか、日頃「ギンギンに」忍者しているはずの文次郎らしくなく、自らが忍術学園の者だとうっかり口を滑らせるポカをしでかしてしまった。
その他クライマックスでは、長次の「もそ……」の意味するところを理解し通訳できる小平太に「なんで『もそ……』だけでそこまで解るんだよ!」と、少なからぬ視聴者が思っているだろうことを代弁している。
サラサラヘアーを誇る、クールで頭の回る六年生のリーダー。得意武器は火薬類全般。
半月聞き込みをして回ったのに有力な手掛かりが得られていない状況を踏まえ、前述の説を唱える文次郎の肩を持つ。ちなみに聞き込み中には、そのルックスの良さからか声をかけられた女性が顔を赤らめるシーンも。
天鬼との戦闘では彼の棒手裏剣で手傷を負うが、敵わないと見て取るや焙烙火矢に偽装した煙玉で牽制し、次いで本物の焙烙火矢で足止めして撤退を成功させる。なお、天鬼の素顔を見て真っ先に口布を外したのは仙蔵だった。
終盤ではさすがに火薬類の手持ちを切らしてしまうが、そんなところで更に所望され「私は奇術師か?」とツッコんでいたほか、急に砦の頂上付近に明かりが灯されたことにいち早く気付き、結果的に天鬼の居場所を突き止めることができた。
学園一口数が少ない寡黙な男。
六年生の中でもきり丸とは委員会が同じで普段から気にかけている為か、いつも「もそ……」と小声で喋る長次にしては珍しく、「最悪の事態」を口にする文次郎と仙蔵に対し声を荒らげ慟哭する。なお、聞き込みのシーンではちゃんと初対面の相手にも届くくらいの声量で喋っていたようだ。
きり丸が天鬼について伏せておくよう学園長から言い渡されて忍たま長屋へ帰っていくところでは、その背中を小平太とともに気遣わしげに見送っていた。
天鬼との戦闘では、縄先に棒手裏剣状の刃物を付けた得意武器・縄鏢を駆使して、天鬼が得物としている『ドクタケ忍者隊の本』を奪い忍術学園に持ち帰り、彼がドクタケ忍者隊の軍師に仕立て上げられた経緯と原因に見当を付けることに貢献する。
また終盤でも、文次郎・仙蔵・小平太が敵に囲まれているところへ鳥の子(煙幕弾)を投げ窮地を救ってもいるなど、要所要所でナイスアシストぶりが光っている。
学園一のイケドン体力バカ。忍者の基本
装備である苦無を好む。
土井の捜索では、ドクタケ忍者達が男を一人担いで走っていて、そしてその先頭は
異様に頭が大きい奴だったとの情報を入手してくる。ちなみに茂平の知人は、聞き込みをしてきた小平太のことを「ゲジ眉でまん丸目でボサボサ髷で
無駄に元気な奴」と評していた。
一方、文次郎に掴みかかろうとした長次を何も言わずに静止し、天鬼と遭遇した直後は素早く状況判断をして「(自分や文次郎・留三郎の前衛向きの面子で相手を引きつけておくから)お前達は詰所に」と後衛向きの仙蔵、長次、伊作に告げるなどの冷静さや切れ者ぶりも見せている。天鬼との戦いでは善戦するも、
危うく刀で首を撥ねられかけたり、仲間を庇って深手を負ったりもした。
とはいえ無尽蔵の体力で怪我もすぐ治したのか、終盤では崖から天鬼がいるところへ侵入する際、他のメンバーが縄を括り付けてから下に降りていっていたところ、小平太だけ苦無でロッククライミングをして侵入しようとしていた。
そして全てが落着したころ、八方斎に足を引っ掛け転ばせて……。
不運委員と呼ばれる、保健委員会委員長で学園一の不運男。一方、小説版では「
不運が無ければ六年生一かもしれないほどの技のキレ」と紹介されている。
得意武器、というより得意戦術は、その場にあるものを武器に転用して場を凌ぐ「乱定剣」。
土井の捜索を始めるにあたっては、保健委員らしく「どこかで動けなくなっているといけない」と心配している。聞き込みのシーンでは年配の農婦の肩を揉んであげ感謝されているらしき様子も見られた。
天鬼との戦闘では近場の石を使った正確な投擲で牽制する……が、
こんなところでもやはり不運体質が発動し、天鬼が弾いた石が投げた伊作自身に全て返ってきて顔面に命中、鼻血が出て顔もアザだらけになったばかりか戦いの中で髪まで半分切られてしまうのだった。
しかし、そんな状態となり伊作自身を含めた全員が負傷してなお、他の5人はこの土井捜索の忍務を降りる気は無いと言い張るため、見かねた山田は伊作に保健委員として彼らに休むよう促させるも、なんと彼まで
「全員かすり傷です!一晩寝れば治ります!」と戦線離脱を拒む。事態が事態だったとはいえ、普段の伊作とは思えない言葉が飛び出すこの場面は、本作のシリアスさを象徴する一幕である。
なお伊作役の置鮎氏は、本作のバリアフリー音声も担当している。
学園随一の武闘派で、文次郎とは犬猿の仲。
得意武器は鉄製のヌンチャク「鉄双節棍」。
長次と共に仙蔵に反論するが、彼の正論の前に反論できなくなってしまう。
その後ドクタケの砦に潜入してからは、足軽に化けて敵陣を撹乱するとともに、捕らえられていた乱きりしん以外のは組の面々を山田の指示通り伊作とともに逃がそうとする。
しかし、は組の心意気に負けて……?
小説版では学園長からの忍務で忍術学園周辺にある城に忍び込むくだりがあったが、劇場版ではカットされている。
教職員・関係者
今作のキーパーソンその2。一年は組の教科担当。
諸泉の果し合いに応じ、当然彼に遅れを取るはずもないが、その途中近くに鳥の巣があることを見て取りそれを傷付けないように動くも、そのスキを突かれて投げ飛ばされ崖下に落下。
壁面に足をこすりつけて勢いを弱めたり、木の枝に掴まったりしつつしたあと崖下の川に飛び込んだが、その拍子にとあることに見舞われて行方不明になってしまう。
後に、鋼を仕込んだ出席簿や煙幕の発動に用いている黒板消しがボロボロの状態で発見されているが、本人は依然として見つからずじまい。
なお不在となってからは、四年生以下の生徒達には坂東への長期出張をしていることにされている。
また、きり丸の回想では、忍たま長屋が長期休みの際閉鎖するとき、行く当ての無い彼に”ある言葉”をかけて自分の住む長屋へと連れ帰る様子が描かれる。そして、その言葉は後に……。
作中でも指折りの名場面だが、このころが描かれている『一緒に帰るの段』によると、『忍たま』においてきり丸はそこで汚部屋を見ることになるのだった。
一年は組の実技担当。
土井が行方不明になったため、授業を雑渡達に任せて捜索に乗り出す。
かつて抜け忍として追われていた土井を一家で匿い一緒に暮らしていたため、彼は同僚であると同時にもう一人の息子も同然なのでもちろん人一倍心配していて、今作では折に触れて下の名前で呼びつつ無事を祈っている。
また、土井が兵法の豊富な知識を持つのは、同居していた頃に山田が集めていた兵法書を読み尽くしたためだったと明かされた。
その後ドクタケへと踏み込んで偶然息子や桜木・若王寺と合流してからは、三人に雑渡の足止めを頼むとともに、上級生達に的確な指示を下しつつ自らも打って出る現場司令官として活躍する。
なお小説版ではお馴染みの
女装の場面があったが、劇場版ではカットされている。
学園長。天才忍者と名高く、雑渡さえ相対する際は畏まった態度を崩さないほど。
コメディリリーフ的な平時とは打って変わって、雑渡の話を聞き山田や六年生達に土井の捜索を命じると共に、雑渡に一年は組の授業を担当させる。雑渡から臨時の担任を引き受けるという言葉を引き出すための「フリ」のセリフが見どころ。
また、きり丸が六年生達と天鬼の戦闘を見て事情を知った際には他言無用と優しく言い渡し、天鬼の正体を把握した雑渡の動きに気を付けるよう山田に伝えるなど、威厳と抜け目の無さを見せる。
学園長の忍犬。いつも通り鐘撞きのお役目を果たしている。
ほか、入場者特典の集合写真でもちゃっかり最前列に加わっている。
前作の元凶にして、「鬼の追跡者」の
二つ名を持つ事務員でサイン絶対もらうマン。
学園の日常の象徴でもある。
きり丸がアルバイトに出た後で見送った後、門限を破ったことに怒る。
その後、土井を取り返すためには組がきり丸のアルバイトを手伝うという名目で外に出る際にはまだ彼に怒っていたものの、は組一同の「きり丸をちゃんと家に帰す」という言葉と、一同から出された諸泉のサイン入り外出届(なお、このシーンでは個性的なは組の字が見られる)を受け取り彼らを見送る。
そしてエンディングの終盤では、生徒達を出迎えながらも𠮟り付け、山田と土井に宥められていた。
ちなみに入場者特典の集合写真には怒りの形相のまま隅に収まっている。
一年ろ組・二年ろ組の担任。
冒頭では一年ろ組に遁術についての解説をしようとしていたが、雑渡が殺気を放った際は伏木蔵を除く教え子達まで震え上がっていたためアワアワしていた。
2回目の情報共有のシーンにも一瞬だけ登場する。
一年い組の担任。
冒頭では殺気を放っては組を慄かせる雑渡に「物騒な殺気は控えていただきたいっ!」と注意しに来ていた。
ちなみにこのセリフは、『若い人の段』にて安藤が忍術学園に着任して間もないころの土井に向けて言ったこととほぼ同じ。
斜堂と同じく、やはり2回目の情報共有のシーンにも一瞬だけ登場する。
食堂の主でお残し絶対許さないウーマン。
食堂のシーンの背景としんべヱのイメージシーンにのみ登場しセリフは無い。
なお、あのおなじみのフレーズはポスターで表現されている。
教員達。2回目の情報共有シーンにのみ一瞬だけ登場。
セリフは無いが、この時点ではことの重大さをまだ理解できずにいた諸泉の言動に呆れたらしく揃って嘆息していた。
【タソガレドキ忍軍】
顔を包帯で隠した忍び組頭。36歳。「ちょっとこなもんさん」でも「ジェットコンロさん」でもない。
かつて伊作に助けられたのをきっかけに、彼だけではなく忍術学園自体に恩義を感じていて、今作では諸泉のしでかしたことの責任を取(らせ)るべく、部下達に土井の捜索を手伝わせつつ、自身は土井・山田の代理として一年は組の担当をすることになる。
授業を諸泉にさせて自分は生徒役に回り質問責めにしたり、私語を挟むは組を諌めるために殺気を放って黙らせたりするなど、独特の緊張感が漂う授業を行うシュールなコミカルさを発揮。
……が、天鬼の存在と正体を知ってからは「恨むなら私だけを」と始末すべく暗躍し始め、阻止しようとする利吉らを手加減しつつ難無く退け、エピローグでは食えない一面を覗かせてもおり、プロの忍としての冷酷さ・抜け目の無さも随所で見せ付けている。
- 諸泉 尊奈門(CV:代永翼)
一方的に土井をライバル視し、雑渡を慕う若い忍び。19歳。「しょせんそんなもんさん」でも「もろすべりずんださん」でも「そえもんさん」でもない。
以前、土井に武器ですらないチョークや出席簿でいいようにあしらわれたことをかねてから根に持っていたが、本作冒頭でまたまた土井に果たし状を送ったことで今回の事態を招いてしまった、謂わば今作の元凶。
一年は組の授業を雑渡と共に代理で受け持つことになったものの、生徒役に回った上司から圧迫面接じみた仕打ちを受けたり、曲者揃いのは組の面々には経緯が経緯なだけに受け入れられず振り回されたりと、散々な目に合う。
自らの非をイマイチ理解していないのか、忍術学園の面々への不遜な態度を崩さず、前述の授業の際にはは組の態度や彼らの担任を貶し、またある時には他言無用となっているはずの土井の消息についてうっかり漏らしかけるなど軽率な言動をしてはその度に雑渡に(ある時は鉄拳制裁込みで)嗜められる。
しかし、捜索と情報共有が進み事態が明らかになってくるにつれ、ようやく自分がとんでもないことをしでかしたと思い知ったのか、隅で俯き気まずそうにしていた。自業自得。
これ以降本編での出番はとある人物の回想シーンを除いて無いが、エンディングでは懲りずにまたも果たし合いを挑まんと土井に果し状を突き付けており、彼を辟易させるのだった……ちょっとは反省しようか。
数々の授業中のひどい仕打ちは、雑渡が諸泉に対してヘイトコントロールをしていたとも取れる。
実際、は組一同がきり丸の口から土井が行方不明になったことやその原因を聞いた際、金吾は「ぎたぎたにしてやりたい」と憤っていたが、授業中に諸泉がされていた数々の仕打ちで既に「ぎたぎたに」されているじゃないか、ということですぐに怒りを鎮めている。
更には諸泉にも指導者としての経験をさせて成長の機会を与え、土井の立場に立つことで学園と子供達に与えた損害を自覚させるよう促してもいる。
- 山本 陣内(CV:高村拓夫)
雑渡の配下。
土井の捜索に従事し、彼と諸泉が果たし合いをした周辺を探る。
3回目の情報共有のシーンでは、ドクタケが一夜で城を建てたとの報告に驚きを隠せずにいたが「チャミダレアミタケとドクタケが手を結んで動くのではないか」との分析も述べていた。
諜報部隊である「黒鷲隊」の小頭。顔を覆面で隠している。
雑渡の命を受け、領地を隣にするチャミダレアミタケとドクタケ、スッポンタケの動向を探る。終盤では一仕事終えた雑渡と共にタソガレドキへと帰還していった。
【ドクタケ城】
今作のキーキャラクター。ドクタケ忍者隊に新しく入った軍師。
白い装束に身を包み、半眼の鋭い冷え切った目つきをしている長髪の男。その顔は土井に瓜二つで……?
セミプロで各人種類の違う得物や戦法を用いる六年生全員を同時に相手にしても単独で優位に立ち回る圧倒的な実力と、したたかな軍略を練る頭脳を誇る。鋼鉄を仕込んだ「ドクタケ忍者隊の本」を主な武器としているが、剣術や体術にも非凡なものを見せる。
小説版では冷え切ったような感情の無い声で話し、自他ともに厳しく接する冷酷な人物として描写されている。
劇場版では、少なくとも味方に対する情を持つ人物であることが端々に見て取れる。例えば、商人に
変装した乱きりしんが聞き込みをした女中達いわく「規則にうるさかった」らしいが、そんな彼女たちも「(ここにはもういないけど)私たちは天鬼さんに残ってほしかったけどねえ」「居場所を知ってたら追いかけてるわよ〜」と笑いながら言い合うくらいには悪く思われてはいないようだ。
正体はもちろん土井本人。
崖から川へ飛び込んだ際、偶然崖下の川に潜って水練を行っていた八方斎と頭をぶつけ合ったせいで失神、
記憶喪失に陥る。
これを利用した八方斎によってドクタケへ連れていかれ、
ドクタケが正義で忍術学園が悪と教え込まれ、
ドクタケ忍者に仕立て上げられてしまったのだった。
(とはいえ、優秀な忍者を育成・輩出する忍術学園は、言い換えれば「各地に忍者を送りだして周囲のパワーバランスを調整するという形で、
ある意味では戦乱を長引かせている」と取れるところもあるが)
ついには捕らえられ、自身の前に引き出されてきたきり丸達を八方斎の命により斬り捨てさせられそうになるが……!?
監督いわく、幼少期の悲惨な状況のままドクタケ忍者隊に拾われていた場合の姿で、心の中に虚無を抱え、八方斎の理想に縋り付いているらしい。
リミッターが外れていることにより非常に強く、策にも長けている。
入場者特典のその後のドクタケの話によると、天鬼はドクタケのゆるさ(星が描いてある布で隠れ身の術をしたり、うとうとしていたりなど)を睨み付けていたこともあったが、優しく忍術を教えてくれた上に彼のお陰で残業代が出るようになった……と、なんだかんだでドクタケ忍者隊も天鬼にはおっかなびっくり接していただけで嫌ってはいなかったことが判明する。
そして天鬼になっても練り物は嫌いだった。
おなじみ
ドクタケ忍者隊の首領。
今回はどこかいつもと違う様子で、
メインビジュアルでは不敵な笑みを浮かべている上に作中でも冷酷な悪党としての面が強く描写されており、天鬼の策を使ってドクタケの領地を広げるべく暗躍する。
あと、心なしかまつ毛がいつもより長いような……?
実は土井と頭をぶつけた際に八方斎にも異常が発生していた模様。
最終的に元に戻った際には逆にそれまでの記憶を忘れてしまっていたが、部下達は逆に喜んでいた。
小説版では正気のままで、土井が記憶を失ったのを良いことにこき使おうとしていたが、全てにおいて部下達の上を行く実力に自分が部下に恵まれていないことを改めて悟り、本気で土井を部下にしようとしていた。
天鬼に乱きりしんを切り捨てさせようとしたのも、土井の居場所を学園から奪い、永遠にドクタケに縛り付けるためである。
ドクタケ忍者隊部隊長。小説版では登場しない。
童謡『大きな栗の木の下で』のリズムで歌うとつい口を滑らせてしまう癖がある。
今回は囮であるスッポンタケ側の砦にいたが、乗り込んできたは組にその癖を利用されてしまった。
ドクタケ忍者隊の忍者。ドクたまのふぶ鬼の父親でもある。
最初こそいつもと様子の違う八方斎を「冴えててかっこいい」と賞賛していたが……?
終盤、天鬼に対して乱きりしんを斬れと命令する八方斎の様子に珍しく動揺を見せていた。一児の父として敵とはいえ子供、しかも自分の息子とも親しくしている相手を手に掛けるさまを目の当たりにすることになりそうで抵抗があったのかもしれない。
また、かねてより軍師となった天鬼(土井)を心配しており、一連の出来事が解決した後は上司と共に捕縛されつつも乱きりしんと土井が無事だったことにほっとして嬉し涙を流していた。
ちなみに来場者特典によると天鬼の分まで練り物を食べていたらしい。
- 雨鬼(CV:掛川裕彦)
- 雪鬼(CV:木村雅史)
- 霰鬼(CV:千葉一伸)
- 暁鬼(CV:布目貞雄)
ドクタケ忍者隊の忍者達。
砦に侵入してきた一年は組の面々を確保しようとする。
戦好きなドクタケ城の城主。
天鬼の立てた作戦を元に戦の準備を進める。
竹高の側仕えの少年。本名は不明。
チャミダレアミタケの使者の饗応の準備が整ったことを知らせる。
【その他】
伝蔵の息子でフリーの忍者。なお利吉自身は忍術学園の卒業生ではない。
先述の通り、土井は山田一家に世話になっていたことがあるので、彼は利吉にとっては兄のような存在。
今回もとある城からの依頼を受け、桜木・若王寺と組んでドクタケの軍師について調査していた折、偶然父に出くわす。天鬼について知らないかとカマをかけたものの、「お前が天鬼の正体を知って冷静でいられるわけがない」と返され実際そうなっている。知ってからは元の依頼に対しては軍師の名前だけ教え正体は不明としておいた。
クライマックスでは、天鬼を
暗殺しようとする雑渡の足止めを引き受けて……そして、
土井のためにとった数々の行動と、彼にかけた言葉は必見。
- 桜木 清右衛門(CV:大西流星)
- 若王寺 勘兵衛(CV:藤原丈一郎)
ゲスト声優枠キャラで、忍術学園の卒業生。どこかの城に仕えているのか、利吉のようにフリーなのかは不明。
桜木は優男に見えて武闘派で、更に前の上級生から「外面如菩薩内心如夜叉」、略して「菩薩夜叉」なるあだ名を付けられていたほどだという。在学中は体育委員長を務めていた。鎖分銅を仕込んだ杖を得物とする。
若王寺は快活な頭脳派で、隠し武器の棍平の扱いに長ける。先代の図書委員長だった。
利吉と共に調査中、他の城の忍者と判断した山田に情報を吐かせるために襲撃されてしまうが、その後は利吉と共に雑渡の足止め役を引き受ける。ちなみに山田と再会したのは卒業以来のことのようだ。
終盤では山田からの依頼通り利吉とともに雑渡を阻もうとするが、一日の長あるプロ忍には力及ばず翻弄されてしまった。
それでもその後、密書を携えたドクタケ忍者とそれを捕まえた者を装い、チャミダレアミタケにとある情報を流し……。
デザインは原作者によって起こされており、若王寺には歌舞伎の要素を取り入れているという。
また、豪華版パンフレットでは六年生達が桜木と若王寺について振り返る
スピンオフ小説『受け継ぐ者の段』が収録されている。
この話は小説版で六年生達が忍務で城に忍び込んだ後、学園に帰還するまで間のエピソードに該当し、そのまま本編に繋がるようになっている。
中の人は両名とも主題歌を歌ったなにわ男子のメンバーで、桜木役の大西氏は本作が声優としてのデビュー作となった。
きり丸にキノコ採りのアルバイトを依頼した老人。
きり丸は茂平とその知人の会話を偶然聞いたことで六年生達が土井を探しているのを初めて知るが、まだこの時点では彼が坂東に出張しているものと思っていたので、そのネタを六年生達に売って儲けようと皮算用をしていた。
チャミダレアミタケ城の使者。セリフは無い。
ドクタケ城での饗応に招かれる。
ドクタケ忍者隊詰所の厨房で働く女中達。名前は不明。
炭の行商を装って聞き込みをしてきた乱きりしんに、今夜は宴会があることなどを話したほか、天鬼については「規則に厳しかった」としつつも割と好意的に評していた。
土井ときり丸の住む長屋のご近所さん。二人ともセリフは無い。
長屋の掃除を一心不乱にするきり丸の様子を心配そうに見ていた。
クライマックスにおいてとある人物の
回想シーンに一瞬だけ登場。やはり顔は描かれていなかった。
直接姿を見せてはいないが、学園に練り物をたくさん送ったことが息子から言及されており、実際に乱太郎達が晩御飯に食べていた。
【余談】
- 題材が非常にシリアスだが、情報の導線、ヘイトコントロールが綿密に組まれており、キャラクターが下げられることがあってもすぐに何かで補填されるようになっている。
- 山田役の大塚氏ならびに八方斎役の間宮氏は声優交代後初の劇場版出演となった。
- 一年、五年、六年の忍たまたち、プロ忍と出てくるが各々に出番があり、また実力差も描写されている。
雑渡さんは体幹おばけ。
- (映画館と時期によるが)本作の上映前には土井/天鬼役の関俊彦氏が冷酷な鬼の首魁役を演じる他作品の予告編が流れることがあり、本作での優しい土井と件のキャラクターを同じ声優が担当していると知ってその落差や演技の幅広さに驚く人もいるようだ。
- 「
レレレLLL作戦」や竹高の顔の形を模した砦など、過去の劇場版における描写も小ネタとして盛り込まれている。
主題歌
『勇気100%』なにわ男子
『ありがとう心から』なにわ男子
「しかし困ったのお。土井先生ばかりか山田先生までいないとなると、追記修正が滞る。どうしたものかのお」
「はあ、確かに……。では私はやはり……」
「いやいや、山田先生は捜しに行ってもらってかまわない。こんな時、土井先生がどう行動するかは、山田先生がいちばん知っているだろうしな」
「いやいや、どうしたものかのお」
- 八方斎も山田先生並みの実力者だから、今回の事件は(偶然がありながらも)てっきり彼の本気が見られるのかと思ったが、終盤の展開で妙に様子がおかしかったのはそのせいだったのか…。それはともかく、子供たちの始末に戸惑う風鬼はやはり一児の父親なんだなと思わせて好きだったなぁ -- 名無しさん (2024-12-27 06:05:31)
- ツイッターのTLの人が次々に語り始めて、このままジャンル変更しちゃわないかハラハラしてる。 -- 名無しさん (2024-12-27 07:47:01)
- 忍術学園のお笑い爺さんの学園長がほとんどボケずに忍者の頭領のような威厳に満ちた態度を貫いた何気にすごい作品。 -- 名無しさん (2024-12-27 08:35:37)
- 六年生が天鬼に一方的にボコられた時より、八宝菜が子供達を殺させようとする冷酷さを見せた時より恐ろしい雑渡さんの素人質問連打 -- 名無しさん (2024-12-27 10:25:23)
- 土井先生って原作だと実技は今ひとつという評価じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2024-12-27 11:05:41)
- ↑あくまで「山田先生と比べて」今一つなんだと思う 山田先生は作中最強クラスだし -- 名無しさん (2024-12-27 12:42:50)
- すごい大人気らしいな、100億いける? -- 名無しさん (2024-12-27 14:28:46)
- 雑渡さんが最後に天鬼を殺そうとしたとき、「土井先生に忍たまを手にかけさせるくらいなら、すべての恨みを自分が請け負ってでも殺して止める」という思いがあったんじゃないかと思う。 -- 名無しさん (2024-12-27 20:12:55)
- 父親に天鬼の正体探ろうとカマかけるけど、お前が正体知ってたら平気でいられるわけないだろって初っ端から見抜かれてて、実際に正体聞かされたら死ぬほど動揺してた利吉くん好き -- 名無しさん (2024-12-27 20:46:59)
- 最初こそ土井先生と頭を打ったことにより頭が冴えてかっこいいと言っていたけど終盤乱きりしんを斬る様命令するようになって動揺する風鬼が結構好きだった -- 名無しさん (2024-12-27 23:59:46)
- この映画をまだ見てないけど、まさか小説がアニメ化したとは、思わなかった!例えで言うとゲームがアニメ化したのがたくさんある!デジモンイナズマイレブンロックマンエグゼ等 -- 名無しさん (2024-12-28 08:22:00)
- ↑なんて? -- 名無しさん (2024-12-28 15:26:46)
- おい!忍たまの項目荒らしめ!みんなー!こいつを荒らし報告せよ!! -- 名無しさん (2024-12-28 17:21:43)
- ↑9 「実技に自信がない」って本人が言ったことはあるけど、確か本人以外に実技に劣るみたいなことを言った人はいないはず。比較対象が山田先生じゃそりゃ自信なんて持てないわな -- 名無しさん (2024-12-28 21:24:28)
- ↑2 いや、なんて? -- 名無しさん (2024-12-29 12:15:38)
- 「涙腺崩壊,たまに腹筋崩壊」←このタグいります? -- 名無しさん (2024-12-29 21:03:52)
- 観に行ってみて、いるかどうか判断すれば? -- 名無しさん (2024-12-29 21:33:54)
- ↑ ミス、どうも他の人が付けたタグをやたらと消したがる人がいるからなぁ…(過去には「鬱展開」等のタグがあったが消されている) -- 名無しさん (2024-12-29 21:36:28)
- OBキャラはオリキャラで声優が本職の人じゃないから公開前は不安だったけど、原作キャラの出番食わない程度の出番だったし大西さんと藤原さんの演技も良かった -- 名無しさん (2024-12-31 16:50:03)
- 尊奈門はおちょくられてるみたいで嫌なんだろうが、チョークであの命中率なら土井先生が武器持ったら良くて重症、悪くて死亡。お互いの力関係考えても碌なことにならん。 -- 名無しさん (2025-01-06 13:32:17)
- この映画の問題点は、先輩キャラにハマっても本編登場の確率は限りなく低いところであろう… -- 名無しさん (2025-01-07 01:31:24)
- ↑忍たまはキャラが多すぎるのでそれを言うと大抵のキャラがそうなるし、6年生とかなら2,5次元が大丈夫ならミュージカルがあるな -- 名無しさん (2025-01-07 11:06:26)
- 絶妙に「子ども向け」と「大人向け」のバランスを取ってるあたり、さすがとしか言えない。 -- 名無しさん (2025-01-09 13:37:56)
- 見終わって気づいたんだが、今回女性キャラで登場したのはモブのみで唯一例外の山本シナ先生は台詞すらなかった -- 名無しさん (2025-01-12 23:22:25)
- ↑女性声優さんはかなり参加してるんだけどね。絵柄も可愛いし中性的な子が多いから気にならないけど。 -- 名無しさん (2025-01-13 10:13:39)
- 普段年長者ポジになる6年組が1年組と同じ生徒・教え子ってポジになっててちょっと新鮮な感じ -- 名無しさん (2025-01-13 14:06:05)
- 原作で6年生が出たころあたりからリタイアしてたのに、なん情報もなく映画を見に行ったんで、なんかすんごいタイムトラベル感があった。土井先生、あんなに強かったんだ・・・ -- 名無しさん (2025-01-18 01:36:29)
- 作中随所に見られる筆文字は書道家による手書きらしい。EDでも名前が載っている -- 名無しさん (2025-01-23 10:36:00)
- ↑2 実力者描写は今までもチラホラあったし、忍術学園の先生はレベルが高い。ただ土井先生は相手を傷つけるのを嫌がるスタンスってのを冒頭でハッキリ見せたのが上手いよね。優しい人から優しさとっぱらったらそりゃねえ… -- 名無しさん (2025-02-04 01:45:43)
- ぶっちゃけ諸泉が天鬼に前に勝ったからと挑んで殺されそうになる場面があるかと思ってたけど、さすがに原作劇場版共にそんなシーンは無かったか -- 名無しさん (2025-02-04 03:17:50)
- 六年生は「初めて教科受け持ってくれた大好きな先生」が行方不明からの敵対って意味では一年は組と同じなんだよな。 -- 名無しさん (2025-02-04 07:38:57)
- あの最後の集合写真は誰が撮ったのかな?小松田くんかと思ったけど左端にいるし -- 名無しさん (2025-02-08 14:36:21)
- 大塚周夫と飯塚昭三亡き後の忍たま初めて観たけど全然違和感なくておぉ……ってなった -- 名無しさん (2025-02-12 06:16:01)
- 本作はNARUTO疾風伝のような鬱展開の嵐。よく分からないけど、もしかしたら、上映終了後には映像ソフトは出ずにU-NEXTで独占見放題配信するかも? -- 名無しさん (2025-02-18 17:40:24)
- テレビだとおバカイメージの強い七松先輩がジョーカー扱いされるのがよくわかる。現場指揮官として優秀だしめっちゃ冷静に動いてるよこの人。 -- 名無しさん (2025-02-18 17:54:03)
- 流石に現在も連載中で毎年映画やってる某探偵漫画みたいに100億はいかないけど25億は超えた模様 -- 名無しさん (2025-03-16 18:19:01)
- 29億5600万いった、30億も目の前だ -- 名無しさん (2025-03-19 08:15:14)
- 劇場版前作といい、やはり6年生は実戦での即戦力になるレベルまで仕上げられてるんだなって。これに経験が付いてきたら…。そして忍たまの残酷なシリアスガチ勢雑渡さんマジ忍者 -- 名無しさん (2025-03-22 10:37:23)
- やっぱり土井先生の居場所は忍術学園だけなんだなって。それはそうと、土井先生やっぱりプロ忍なんだなって -- 名無しさん (2025-04-04 08:12:57)
- 忍者としては凄腕のプロだけど優しいという矛盾から教師という天職と、情けをかける人が容赦なくなるとどれだけ恐ろしいことかを思い知らされた -- 名無しさん (2025-04-04 13:16:58)
- ギャグ補正をちょっと剥がせばシリアスという部分をこれでもか!と突きつけた作品。シリアス長編やれるネタはまだまだあるが、あくまでファミリー向けなので塩梅は難しいよな忍たま。 -- 名無しさん (2025-04-09 13:18:48)
最終更新:2025年04月12日 20:50