【最強の生物を追い求めた男の悲しき末路】
ガヴを退けラボに戻った酸賀だが、そこにショウマたちから事情を聞いたラキアが現れ、再び絆斗を探すためラキアをビターガヴに任せて逃走。
ショウマと共に行動していた絆斗を再び勧誘するも拒絶されベイクに変身。
この変身の瞬間をよく見るとベイクへの変身の副作用である身体のミイラ化が酸賀の首まで達している。
手元にゴチゾウが無い絆斗に代わりショウマがケーキングフォームに変身して戦う。
また絆斗を守るためブルキャンで精製したバイクで絆斗を逃がした。
しかしショウマはコンディションが悪い上人間である酸賀との戦いに躊躇しているため圧倒されてしまう。
そして絆斗はバイクでデンテのラボに戻り、デンテが彼用に作り出した新しいドライバー「ヴラスタムギア」を持ち出して再び戻ってくる。
しかしベイクの力は圧倒的で、ついにショウマは変身解除にまで追い込まれてしまう。
新たな力で変身しようとする絆斗だったが、ゴチゾウが入っていなかった。デンテはスランプか技術の差か、彼用のゴチゾウを作り出す事ができなかったのだ。
やはり自分の力が必要だと再び迫る酸賀。
しかし酸賀を拒絶する絆斗はショウマと共に生身でベイクにヤケクソの攻撃を行う。ベイクはあまりのしつこさに呆れながらもそれを振り払う。
しかしその時、ショウマのガヴから新しいゴチゾウが生み出された。
それは少し前に2人で食べたチョコフラッペのもので、今までのものと違い流暢な言葉を話した。
そしてそれはショウマのものではなく、絆斗のドライバーにフィットするもの…いわば2人の友情の結晶。
新たな姿、フラッペカスタムに姿を変えたヴァレンは、一転ベイクを圧倒。
ねぇ絆斗君…!やっぱ君には人間を超えられる素質があるよ!俺と一緒に更なる高みへ行こう…!
俺はそっちには行かねえ!強くなるためにお前みたいになるくらいなら…俺は、俺のまま…弱い人間のまま強くなってやる!
そんな事、言わないでさあ!
追い込まれた酸賀は苦し紛れに再び最強の生物を目指そうと彼を勧誘するが拒絶され、必殺技「フラッぺいずボルテックス」を「ベイキングフルブラスト」で相殺しようとするが失敗し、最後の悪あがきにヴァレンに再び銃を向ける。
絆斗君…絆斗君ってぇ!
…じゃあな!
ぐわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
しかしその瞬間、かつての絆斗との思い出がフラッシュバックして引き金を引くことが出来ず、そのまま身体が凍結してヴァレンの渾身のパンチを浴び、完全敗北した。
同じ頃、ラキアはビターガヴもろともダークショウマたちの培養装置を破壊しており「最強の生物を作る」という酸賀の野望は完全に潰えた。
そして、街のどこかの裏路地。
変身の副作用と敗北によるダメージでボロボロになった酸賀は力なく座り込み、虚ろな目で子守唄を口ずさんでいた。
それは昔の記憶。
赤ちゃんを抱き抱えて優しい笑顔を浮かべ、子守唄を歌う酸賀…
その赤ちゃんは、酸賀の子供だったのだろうか。
ならば優しい父親だった彼を、何が変えてしまったのか。
そしてなぜ、「最強の生物を作りたい」という願いに囚われるようになったのか…
それをショウマたちどころか、視聴者にも語ることはなく…
自嘲するような憂いるような呟きを零して、酸賀研造……狂いながらも確かに「人間」だった男は静かに目を閉じた。
そしてその傍ら、どこからともなく現れたニエルブは「本当に……まぁ、後は僕に任せてよ」と不敵な笑みを浮かべながら、もう返事を返すことはない酸賀に呟くのだった。
こうして、物語から完全に退場したと思われていたのだが…
【蹂躙される尊厳】
第41話で街中で奇行を繰り返す人間たちが次々と現れる怪事件が発生。
犯人は黒いフードを被った謎の男で、手に持った赤い銃から人々に催眠をかけていた。
ついに男を捕らえ、絆斗が正体を現せとフードを脱がすと、その男は紛れもなく酸賀だった。
実はあの時まだ死亡してはおらず息があったようで、利用価値があると判断されたかグラニュート界に連れ去られていた。
そこで
「他人に催眠をかける」という強力な能力を持ちながら、大統領に反旗を翻したために処刑されてしまったグラニュートに無理矢理合体手術を受けさせられるも、身体が耐えきれず今度こそ本当に死亡してしまった。
そのため
既に本人の意思はない最低限の言葉を発するだけで、さらに左腕と下半身がグラニュートの肉体とのキメラとなったゾンビと化して、ニエルブの配下として活動を開始。
グラニュートが生前に使っていた催眠を銃を使ってかけることが出来る他、新たな力・ビターガヴ マーブルブレイクッキーフォームに変身が可能。
なおこの顛末についてニエルブ本人としては酸賀を死なせた事は多少なりとも後悔しているものの、それはそれとして「最強生物を作りたがってた酸賀さん的には本望じゃないかな」と開き直っている(ニエルブの性格からして恐らく本気で言っているのがまた嫌なところ)。
ニエルブとの連携でガヴとヴラムを翻弄したあげくヴァレンにも催眠をかけて操り人形とし、ガヴとヴラムへの攻撃命令を出して撤退。
変身解除しても催眠が解けなかったため、やむなく絆斗はラキアの住居(旧酸賀邸)へ連れて行かれて椅子に拘束され、なおも暴れるためラキアの毒素により麻酔をかけられた。
一方、催眠能力の更なる検証として大勢の人々を海岸へと誘導し入水自殺させようとするもショウマとラキアの妨害により阻止される。
再びニエルブとともにガヴとヴラムと対峙するも、自らの意思で催眠に打ち勝ったヴァレンが加勢すると劣勢となり、ヴラムの「プリンテンペスト」を受けて爆散。
今際の際に銃だけでも守ろうと僅かに残っていた意思で銃をニエルブの元に放り投げるが、既に作戦が破綻したことを悟ったのかニエルブは銃を拾うことはなくヴラムが投函したシルバーディフェンサーにより銃も破壊された。
こうして多くの人々の命を自らの目的のため利用し弄んだ男の第二の生は、自らが傀儡とされたあげく最後には宿主にも用済みとばかりに見限られる因果応報の形で幕を閉じることになった。
【仮面ライダービターガヴ マーブルブレイクッキーフォーム】
酸賀さん、開けて。
クッキ∼!
クッキー!
BITEクッキー!
ガヴ!ガヴ!ガヴ!
変身…。
グハハハハハハ…!
ブレイクッキー!ヤミー……!
ウァァァァァァ…!
身長:195.3cm
体重:106.4kg
パンチ力:3.0t
キック力:7.0t
ジャンプ力:5.5m(ひと跳び)
走力:7.2秒(100m)
スーツアクター:北村海
意思のないゾンビとなりニエルブの傀儡と化してしまった酸賀がマーブルブレイクッキーゴチゾウを使って変身する新たな仮面ライダー。
酸賀が以前作り上げていた人工生命体・ダークショウマが変身していた仮面ライダービターガヴの派生形態で、外見は以前の変身者である
マーゲンが変身していたベイクをルーツとするブレイクッキーフォームに類似している。
既に意思がないため自力での変身もできず、変身にはニエルブの補助が必要。
武器はベイク時代と同じくベイクマグナムだが、上述する通り合体手術を受けさせられたグラニュートの催眠能力を使用可能になっている。
パンチ・キックの威力は彼が生前変身していたベイクを上回るスペックを誇るが、当人が既に死亡しており人工生命によって活かされているにすぎないため戦闘方法は単調であり、パワーが増強された一方でスピードなど機動力は低下している。