怨霊党(ウルトラ忍法帖)

登録日:2025/06/17 Tue 22:27:15
更新日:2025/07/05 Sat 21:29:55
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冥府羅州「朧党がここまで大きな組織になるまでにあちこちの悪の集団をつぶして吸収してな」

「怨霊党も、その頃につぶした集団のひとつだ……」


怨霊(おんりょう)(とう)とは、漫画『ウルトラ忍法帖輝』の長編エピソード「闇の邪法編」に登場する悪の勢力である。

(やみ)陰陽五行邪法(いんようごぎょうじゃほう)についても本項にて記述する。

概要


「ククク…まずは朧党を壊滅し怨霊党に吸収すること」
「そしてもうひとつ…」

「我らが怨霊党の若様に…
闇の陰陽五行邪法の力を得ていただくことよ!!」


かつて悪の忍群による組織の潰し合いと吸収が跋扈する悪の組織群雄割拠時代で冥府羅州烈風斎朧党の拡大の為に潰し、吸収した忍群。現在は残党にしてその組織の前首領の息子である戀鬼が首領を務めている。
シンボルマークは鬼火のような炎で、鶴亀湾に浮かぶ見廻船を拠点としている。

鶴橋の国の各地に隠されている闇の陰陽五行邪法が秘められた五つの妖邪符を手に入れ、怨敵朧党を壊滅させ吸収し、そしてこの世の支配を目論む。


構成員

作者が意図して選ばれたかは不明だが、怨霊党に寝返った朧党の忍獣を除く構成員は『ウルトラマンコスモス』に登場する怪獣・宇宙人で構成されている。

怨霊党首領。前首領の息子で、配下からは「若様」と呼ばれている。

口調は丁寧だが、その性格は目的の為ならば他者を利用することも厭わない残忍にして冷酷非道な冷血漢。
母神岳にて怪夢瑠(ケムール)十郎と対峙、金邪符に魂を吸収されて力が尽きかけていた十郎の攻撃をものともせず、返り討ちにして完全に封印から解かれた邪符を手に入れる。

モチーフは『コスモス』の怨霊鬼戀鬼だが、モチーフ元が落武者姿に能面を思わせる不気味な顔つきだったのに対し、本作では長髪の美丈夫として描かれているため一目見ただけでは元ネタだと気付かず、邪鬼姫と同じオリキャラだと誤解されがち。

  • 愚羅我巣(グラガス)
迦楼羅天のような姿の戀鬼の配下で、怨霊党の幹部格。

朧党の新首領となった十郎に笹比羅に代わる幹部としてスカウトされる形で潜入。平忍者に降格された笹比羅を見下しており、事あるごとに嘲笑と挑発を繰り返し彼を苛立たせる。
金邪符の封印が解かれた後は自身の出自に気づいた冥府羅州たちに正体と目的を明かし、戀鬼と合流する。
最終決戦では笹比羅と因縁の対決を繰り広げる。スピード、体力、技のいずれも笹比羅を上回り圧倒するが、彼にとどめを刺そうと近づいた際に自身がそばに来るのを待っていた笹比羅の放った真空鎌鼬蒼波に全身を切り裂かれ惨死した。

モチーフは『コスモス』の電磁魔獣グラガス。

  • 嫌太売須(ケンタウルス)
おこぼれ目当てで怨霊党に寝返った朧党の忍獣。
十郎の許へと向かう冥府羅州たちを襲撃、怨霊党についた方が得だと嘲笑するが、冥府羅州の放った手刀により胴体を真っ二つにされた。その時の冥府羅州の目付きは必見!

おこぼれ目当てで怨霊党に寝返った忍獣。
笹比羅の飛燕鎌鼬に敗れる。

  • 手路理巣斗(テロリスト)ゴキネズラ
おこぼれ目当てで怨霊党に寝返った忍獣。
怪夢瑠のクナイ投げに敗れる。

おこぼれ目当てで怨霊党に寝返った忍獣。
嫌太売須らが冥府羅州たちに粛清された後、怪夢瑠(ケムール)三郎を人質に取って冥府羅州たちを始末しようとするが、助太刀に駆けつけたマンの放った八つ裂き光輪を後頭部に食らい絶命。

  • 蘇膿諢(スノーゴン)迦宇羅(カウラ)
おこぼれ目当てで怨霊党に寝返った朧党の忍獣群にいたが、返り討ちにあった。

上の忍獣たちと同じく怨霊党に寝返った朧党の忍獣群。
鶴亀の国の北側で敵を迎え撃っていたタロウレオを数の暴力で追い詰めるが、援護に駆けつけたセブン一家に倒された。

  • 魏巍(ギギ)
怨霊党の戦闘員。

禁愚和尚を襲った個体は鋼鉄の糸で拘束し、その隙に水邪符を奪う実力を見せるが、見廻船で警備している個体や木邪符を探しているマンたちを襲った個体はマンやタロウ、レオに呆気なく倒されており、どうやら個体差がある模様。

モチーフは『コスモス』の三面異次元人ギギで、作中では隊長格の青い╳目と一般戦闘員の黄色い○目が登場している。


(やみ)陰陽五行邪法(いんようごぎょうじゃほう)



墨海上人「闇の陰陽五行邪法とは
その陰陽五行の闇の力を利用して作られたものでな」

「古代から密かに伝わる5枚の邪符を集めれば……」

「自然からあらゆる力をひきだし
天変地異さえも自在におこせるという


とてつもなく恐ろしい術じゃ!!」


かつて100年程前にある高僧が鶴亀の国の各地に封印した、この世を生成する五つの気」「」「」「」「で構成された闇の力。
それらの力を封印した妖邪符は鶴亀の国に別々に隠されており、全ての邪符を揃えると天変地異を起こし、扱いようによっては国そのものを滅亡させるほどの強大な力を得られると云われている。
怨霊党はそれらを手に入れようと各地で暗躍していた。

五つの妖邪符

  • 火邪符(かじゃふ)
もずく谷の天神岩に封印されていたが、邪符の回収に赴いていたタロウとレオが到着した時点で既に怨霊党によって既に持ち去られていた。

  • 土邪符(どじゃふ)
幽鬼ヶ原の黒塚に隠されていたが、邪符の回収に赴いていたコスモスと嵬牙巣が到着した時点で既に怨霊党によって黒塚は破壊され持ち去られていた。

  • 水邪符(すいじゃふ)
石碑として封印された状態で宇流斗羅寺(うるとらじ)に保管されていたところをゾフィーから事情を知った禁愚和尚によって回収され、マンが邪符見たさに石碑を割ろうとしてティガと嵬牙巣に止められて未遂に終わるというアクシデントがあったものの禁愚の管理下で鶴亀寺に保管されたが、襲撃してきた魏巍に奪われてしまう。

  • 金邪符(きんじゃふ)
元々は張津(はりつ)の国の不呂草寺(ふろそうじ)に保管されていたが、何故か鶴亀の国の川原に捨てられており、怪夢瑠(ケムール)八郎が拾い上げた後に落ち込む十郎を元気付けようとして彼に渡す。
その時は金メダルの形で力を封印されていたが、この状態でも邪符としての効力を秘めており、身に付けた十郎はこの邪符によって与えられた力を以てウル忍を蹴散らし、朧党首領にまで上り詰める。
だが、邪符の中で唯一封印を解くのに特殊な方法が必要であり、その方法は取り憑いた人間に物凄い力を与えながら、最終的にはその人間の生命を吸い取ることで徐々に封印を解いていき、やがて解放が近づくとその人間の肉体と融合し、最後は肉体を食い破った上でその人間の命を邪符の中に封じることで完全な封印から解放される、という凄惨なもの。
これが怨霊党の狙いであり、邪符が十郎の肉体と融合して上記の悲劇へと繋がってしまう。墨海上人も金メダルが封印状態の金邪符であることや十郎の豹変が邪符の力によるものだといち早く気づき、「あの金メダルは化け物じゃ……!」と警戒していた。
ただし、その性質上邪符の中に封じられた人間が解放されると動きが止まり、闇の陰陽五行の力も半減するという欠点を持つ。
何故金邪符が鶴亀の国の川原にあったのかは不明だが、恐らくは怨霊党が不呂草寺から盗み出した金邪符の封印を解くために川原に投げ込まれたという可能性が高く、金メダル型に封印されていた理由についても簡単に封印を解かれないようにするための処置だと思われるが、それにしたってエグすぎる封印の解き方である。

  • 木邪符(もくじゃふ)
この邪符のみ隠し場所が不明。
見廻船で警備していた魏巍の言及ではウシトラにあるとされているが……?
その封印の場所はこちらを参照。



余談

怨霊党が登場する本エピソードは作中で度々出てくる地名が妖邪符の隠し場所という重要な役割を担いで登場したが、これは作者の「世界観を広げるよりも設定を深く掘り下げることで面白みを増やす」という方針によるもの。
(ウルトラ)』「マン&セブン 友情の証の巻」にてマンの少年時代は悪の組織同士の潰し合いが蔓延る群雄割拠の時代だったという裏設定があり、それを裏付けるかのように作中で冥府羅州が笹比羅に怨霊党について説明する際、当時の背景を言及している。


追記・修正は、妖邪符を全て集めてからお願いします。

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最終更新:2025年07月05日 21:29