セブン(ウルトラ忍法帖)

登録日:2024/12/30 Mon 23:59:37
更新日:2025/07/04 Fri 10:32:47
所要時間:約 6 分で読めるぞ




セブンとは、漫画『ウルトラ忍法帖シリーズ』に登場するウルトラ忍者。


概要

鶴亀の国の平和を守る忍者集団・ウル忍の一人で、主人公マンの相棒にして親友、そして尻拭い&ツッコミ役。
『疾風』邪鬼姫編を最後に忍者を辞め、第2期『寿』以降、焼き鳥屋「鳥七(とりしち)」の店主(板前)・21(ツーワン)の父親として物語に絡むようになる。
引退時には特にエピソードもなく、フェードアウトする形で消えてから突如焼き鳥屋として再登場したため読者を驚かせた。

モチーフはもちろんウルトラシリーズの代表的レッド族にして後輩たちを幾度となく助けたM78ワールドが誇る花形大スター、ウルトラセブン

幼い頃、「一番強くなりたい」という理由でゾフィーに弟子入り。そのまま忍者の道へ進み、相棒・マンと共に鶴亀の国征服を目論む朧党と日夜戦いを繰り広げる。
ろくでなしのマンやバカ殿のウル父に振り回され、気苦労の絶えない日々を過ごしているが、戦闘では持ち前の冷静さや器用さで仲間をフォローするなどの見せ場も多く、『疾風』当時の朧党においては実質的にウル忍の要とみなされていた*1
同僚の“ウルトラくノ一”アミアとは後に結ばれ、息子21を授かる。

記念すべき第1話「ウル忍参上の巻」にてマンが血風流(チブル)の朧忍法「犬傀儡」で洗脳され、ウル父を噛み殺そうとするところに出現してドッグフードで手懐け、エメリウム覚醒光線で正気に戻したのが初登場。


プロフィール

  • 所属:ウル忍→焼き鳥屋「鳥七」
  • 性別:男性
  • 年齢:30歳ぐらい(101話で判明)
  • 出身地:鶴亀の国
  • 家族:アミア(妻)、21(息子)


人物像

性格

基本的にツッコミ気質なため、マンやエースのバカっぷりには仲間共々困り果てているが、たまにやや天然じみた面やノリのいい面を見せることもあり、その一面を仲間にツッコまれるなんてことも少なくない。
極貧生活を強いられたマンに、下記にもある儲けにはならないであろう5円(2円)定食*2を提供し続けてあげるなど、何だかんだでお人好しな面もある。

また、根はマンにも勝るとも劣らずの激情家で、マン曰く「一度ブチキレたセブンは手に負えない」。
実際マンが朧党に寝返った時は最初こそ彼との友情を重んじて戦闘を拒み無抵抗を貫こうとしていたものの、調子こいたマンのバカ忍法の嵐の前に遂に堪忍袋の緒が切れて倍返しと言わんばかりの容赦ない制裁の嵐をお見舞いした。

マンやゾフィーと比べるとあからさまにスケベな面は見せないが、ちゃっかり押入れにエッチな本を隠し持っている。
また、後述のように(ウー)二美と浮気してしまったことも。


ウル忍引退後

妻となったアミアと共に焼き鳥屋「鳥七」を経営しており、それなりに繁盛している模様。
支払いをツケで済ませたがるマンを門前払いするなど商売に関してはシビアだが、マンが節約のため5円定食(後に2円定食に変化)なるメニューを注文した際は事情を知らないとはいえ1日3食を5円定食で乗り切ろうとするマンの体調を流石に心配しだし、2円定食にもなると「死ぬって!!じょうだんじゃなく本当に死ぬぞ───!!」と声を荒げて制止しようとした。

ちなみに本来最も安い定食は500円の「ヤキ鳥定食」で、内容は焼き鳥5本にご飯、味噌汁、冷奴、漬物。
かつての敵である朧党メンバーも贔屓にしており、少なくとも怪夢瑠十人衆はサービス券付きの年賀状を貰っていた。


人間関係

  • マン
幼い頃ゾフィーの下で共に学んだ最高の親友にしてライバル。
修行時代、マンのバカっぷりを度々バカにしたり、彼の作った不格好な手裏剣を「くさったトマト」と嘲笑ったり、敵忍群の首領をどちらが先に討ち取るかで張り合うなど仲が悪かったが、怒愚魔党との一件によって深い友情が芽生え、その時に貰ったマンの不格好な手裏剣は今でも友情の証として大事に保管している。
また、ティガに打ち明けるまでセブンが引退した本当の理由を知るのは彼だけだった。

  • アミア
当初はただの同僚だったが、血祭党との戦いがひと段落したあたりからバレンタインチョコを貰うなど進展しだし、やがて引退を機に結婚。
21が誕生してからは尻に敷かれるようになり、一度はアミアの勝ち気さに嫌気が差して*3(ウー)三姉妹の次女・嫗二美と浮気、アミアと壮絶(笑)な夫婦喧嘩を繰り広げた*4こともあったが、それでもなんだかんだで夫婦仲は良好。

  • 21
アミアとの間に生まれた一人息子。「21世紀を背負って立つ男になってほしいから」ということで命名。
赤ん坊ながら凄まじい超能力を秘めており、亜空間から物質を取り出すわ、別の世界に干渉するわ、死んだ仲間を蘇生させるわともはやチートレベルの凄い赤ちゃん。
その能力を危惧した異世界の支配者である虓魔王に命を狙われ、虓魔王が鶴亀の国を襲撃するきっかけにもなってしまった。
寝起きは非常に悪く、寝かしつけた後に無理に起こそうとするとアドリウム光線を連発してしまい、何度かそれで鳥七を全壊させている。

後に本家のウルトラセブンにも無限の可能性を秘めた息子が出来ることになるのだが、それはまた別の話……。

  • ダイナ
あずさの国での板前修行中に出会い、当時あずさの国を蹂躙していたやくざ者「血祭一家」をキリヤマ親分の助太刀として共に討伐した縁で親交を結ぶ。
荒神流編ではダイナから秘伝書をティガに渡すよう託されるなど、マンと同等の固い友情で結ばれている。

セブンがウル忍を辞めてから入った後輩。そのため面識は*5なかったが、復帰作「燃えよ!!不死鳥セブンの巻」でマンから真相を聞かされ、それを知るもう一人の人物となる。
ダイナを介して指導の悩みを打ち明けられたり、初めての後輩として21に目を掛けたりと間接的な繋がりは結構多く、打ち解けている。

セブンが従えるカプセル忍獣で、普段は竹筒の中に入れられ待機している。

「魅惑!嫗の巻」にて朧党の忍獣・(ウー)に対し出撃。マンとウル父から「ボロンゴ」だの「チロル」だの「ゲレゲレ」だのと勝手に名前を付けられオラにはミクラスという名前があるだよ~と泣きながら訴えていた。

嫗の冷気で戦えないウル忍に代わり、自慢の怪力で立ち向かうが、彼女の恐ろしい(笑)顔に吐き気を催して戦闘放棄。
最後はかまくら作って中で肉まんを食べるマンとセブンに気が向いてしまったところを嫗の朧忍法「冷凍波口移し」を受け氷漬けになってしまうが、事件解決後はウル忍とエレクがマンに雪だるまにされたウル父を放ったらかして向かった温泉で解凍された。

その後「裏切りのマンの巻」で再登場し、朧党に寝返ったマンからの仕打ちにブチキレたセブンによってウインダムアギラと共に呼び出され、カプセル忍獣トリプル攻撃でマンを袋叩きにした。

「ウル父失脚の危機の巻」の扉絵ではセブンに呼び出されてマン達を押しのけドアップで登場し、本誌掲載時には「たまにはオレも出せ!」と大きな煽り文も出していた。

……それでも本編には出なかったばかりか、その後カプセル忍獣たちが物語に登場することは一切なかったのである……。

  • 柄鑼巣(ガラドラス)
食事処「元長」の店主で板前修行時代の師匠。調子に乗って放り投げた魚を空中で三枚におろしたセブンを叱るなど、厳しいが良識のある好怪獣。
妻のアミアが『ザ☆マン』出典のキャラクターだからか、『ザ☆マン』からの抜擢となった。


戦闘能力

マンと共に幼少の頃からゾフィーの下で修行したこともあり、忍者としての実力はマンと肩を並べるほどで、ウル忍を引退してからも衰えていない。
エメリウム光線、アイスラッガー、ワイドショットといった本家セブンの技を使用するほか、肉弾戦にも優れ、復活以降は焼き鳥用の竹串を用いた乱定剣で戦うことが多い。

また、ウル忍の中でも技術力に秀でており、忍務の一環で女装した際はまるで別人と言ってもおかしくないほどクオリティが高く、その完成度は提案したゾフィーも思わず一目惚れして交際を申し込むほど。
センスも抜群で、忍者になる前にも現役バリバリのゾフィーを一杯食わせたことがある。

卓越した技量とセンスは焼き鳥屋としても活かされており、本来コツを掴むのに10年ほど掛かる工程を2年で身につけ開業するに至った。



余談

マンと同じくボンボンに掲載された記事コーナー「ウル忍かわら版」では本名は「ダン・セブン」と設定されていたが、こちらも初期回では「ウルトラセブン」と呼ばれており、本名が使われることはなかった。

『疾風』を最後にウル忍を引退し焼鳥屋の店主に転職したセブンであるが、何の因果か原典でセブンの人間としての姿であるモロボシ・ダン役の森次晃嗣さんは俳優業の傍らレストランのオーナーも勤めている。

原作ではレオの師匠であるセブンであるが、本作ではレオの登場と入れ違いで引退しており両者が絡むことはほとんど無い。
本作ではレオの登場と共に片腕を痛めて引退しているが、原作でもレオの登場と共にセブンはギラス兄弟にやられて片脚を痛めて戦いから遠ざかっている。狙ったのか、偶然の一致なのかは不明。

「連載あと1回で100回記念の特別編」である現代物の刑事漫画では、バーのマスターとして登場。マンに本編の2円定食よろしく2円カクテル*6を提供していた。

本作において「セブンが父親になった」と作中で大盛り上がりしていた*7が、後年本家ウルトラセブンにも物凄く強い息子が生まれることになり、本作を知るファンはその際に本作のセブンを思い出して盛り上がっていた。


追記・修正は「鳥七」の肴に……

「だから立て逃げは認めねーって言ってんだろ!?ボランティアじゃねーんだぞ、Wiki籠りは!!」
マン「そんなこと言わねーでくれよ~。書くことがねーんだよ~……」

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最終更新:2025年07月04日 10:32

*1 「マンは底抜けのバカだし、タロウもアミアも所詮は女子供だから」という理屈。……めひらすはアミアが(特に性差別がらみで)怒るとどれだけ恐ろしいか初登場回で知ってるんじゃないの?

*2 どちらもご飯数十粒と焼きネギにタレを掛けたもの。これでも席代や清掃費、人件費諸々がかかるのでむしろ赤字になる

*3 本人曰く「アミアは怒るとすっげーブス」

*4 もちろん?結果はアミアの圧倒的優勢

*5 初登場回「ティガ参上てぃがの巻」では「憧れのウル忍」のイメージ映像の中にセブンも登場している

*6 水にグレープフルーツジュースを3滴混ぜたもの。氷入りは5円。

*7 その後、1999年に宮西達也の絵本『パパはウルトラセブン』でセブンの娘が登場するのだが、それはまた別の話。