ブラック・ジャック/間黒男

登録日:2015/10/14 Wed 22:52:28
更新日:2024/09/07 Sat 00:50:27
所要時間:約 15 分で読めます


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あ、あなたは一体何者なんですか……?

私かね? 誰よりも命を大事にしている男さ……フフフ……。





『ブラック・ジャック』とは漫画『ブラック・ジャック』の主人公。


■概要

天才外科医。ただし無免許。
本名は(はざま)黒男(くろお)。 通称は「黒男」を英語に直訳しただけで、外国人ではなく日本人。
一人称は「私」だが、完全に素になると「おれ」になる。*1

ちなみに別に本名を隠している訳ではなく、親しい友人や父親からは名前で呼ばれる。
その父親との再会時の会話からして、彼への恨みが本名を名乗らない理由らしく、事情を知る知人は大抵「ブラック・ジャック」と呼ぶ。
逆に同窓会においては本名を名乗ったものの、同窓生から「ブラック・ジャック」と呼ばれてムッとしている場面もあった

若いにもかかわらず白髪混じりの頭と色の違う皮膚のツギハギ、真夏でも黒いコートを常に羽織る、という出で立ちなので、大抵気味悪がられる。
悪魔宇宙人に勘違いされることもザラで、ノーメイクで吸血鬼を演じたこともある。
その他、特徴だけ聞いた子供からは「パンダ」と称されたこともある。
なお基本的に頭には何も被らないが、アニメ『ブラック・ジャック21』では第3話以降、つばの広い黒のソフト帽を被っている。
これは第2話で命を狙われたのをきっかけに組織犯罪に巻き込まれていることを悟ったため、一旦死を偽装したこともあり変装の意図だったと思われる。でもあんま役に立ってないし、視聴者からは似合わないと不評気味

このコートの下にはおびただしい量のメスを仕舞っており、最低限の手術はいつでも始められる
その他にも鉗子や鋏、テルテル坊主、「手を挙げろ!」と銃を突き付けられた時用のダミーギミックなど様々な物が吊り下げられている。
何かとイザコザに巻き込まれるので、暴漢や獣相手にはメスの投擲やコート自体を振るって武器にして自衛の手段とする場合もある。


ある依頼を切っ掛けに引き取った少女・ピノコに対しては冷たく聞こえる発言も少なくないが、一緒に行動するうちに助手として、人間として信頼を置くようになる。ピノコは自身の妻を自称しているが、何か騒動を起こせば厳しく叱り、学校に通いたい相談した時には高校に入学試験を掛け合う、エピローグで食事を奢るなどBJ自身は娘のように思っている。

好物はボンカレー
ただ、味が好みとかいうよりは、当人が料理好きでもなくピノコの料理の腕も初期は相当ひどかったので、「誰でも美味く作れるから」という理由でよく食しており、実際に「ボンカレーはどう作ってもうまいのだ」とも言っている。そう言っておきながら次のコマではカップヌードルを食っていたがそれからお茶漬けも好き。
ただ、高級レストランに来てステーキやエビフライを勧められても、しつこくカレーライスコーヒー!」と連呼していたので、単にカレーが好きなだけの可能性もある。
あるエピソードではピノコが作ったカレーの不味さに涙したことさえあったり。ボンカレーではなかったのが敗因か
後のスピンオフでは彼のカレーへのこだわりと、ボンカレーとの出会いも描かれている。
とはいえ別に食にまるっきり無頓着なわけでもなく、美味いと聞けば遠方からはるばる寿司屋を訪ねて定期的に通ってもいる。

作中の描写を見るに、概ね「お茶漬け」「カレー」「ラーメン」「寿司」などが好物と言っても良いかもしれない。


■医者として

医学部は卒業しているが、曰く「肩書きってやつが大嫌い」な上、
後述する通り後ろ暗い理由で高額な治療費を得るためなどの理由で医師免許を持たない*2、モグリの闇医者。
その稼ぎ方について友人の手塚医師から「がめつい」と指摘された際に、
「ほかの分野ならいざ知らず…患者(クランケ)のいのちをかけて手術する医者がじゅうぶんな金をもらってなぜ悪いんだ!!」
と反論したこともあり、命を扱う「医者」という存在への想いも強い。

アウトローであることを良しとして普段は悪びれる様子を見せないが、
自分を救った本間丈太郎医師に憧れて医学の道を志したこともあり、実際は自分の有り様を恥じている。
弟子入り志願する(なおかつ真っ当な医師になれる素質と情熱がある)者がたまに出てくればにべもなく追い返す。

帰りたまえ。くれぐれも言っとくが、私みたいな医者になるなっ

だれかに軽蔑されるような医者にはな!!


腕が良かったり、医学・患者と真摯に向き合っていたりする同業者には敬意を表することもある。
数十年にわたり無医村を支え続けて村人たちの尊敬を集めた無免許医には、彼が無免許であることを見抜きながらもそれを言わずに手術に協力したり、
またあるエピソードで出会った自分並みかそれ以上の技術(大人の女性の脳の一部まで使い、体の表面に傷を残さずほぼ死にかけの赤ん坊の命を救った)を持つ者には替え玉まで用意して(替え玉にされた方は自業自得ではある)救っている。
偶然注射の腕前を拝見し、その医師が長年ヒラの医局員に留まっていることを知った時には、なぜ地位を望まないか疑問に思ったことも。

自分自身に関しても、人並みに認められたいという欲求が皆無という訳ではない。
「災害時に大勢を救ったり、新技術を披露したりする等の偉大な功績も挙げていたために、医師免許を特別に発行して授与したい」と公的機関から誘いを受けた際には鼻歌混じりで喜んでいた
結局、その誘いは紆余曲折の末に蹴ることになってしまい、そのエピソードの最後のコマでは落胆した姿が描かれているが。
一方、理事長直々に(瀕死の理事長の実の息子を救わせるために)医師免許を渡された時は問答無用で破り捨てた。
無免許を理由に自分を拘留させ、孫の治療の依頼のためブラック・ジャックを訪ねてきた依頼人の便宜を図る頼みを無碍もなく断っておきながら*3
(そしてその結果BJの治療を受けられず、他の医師では治せないのに危篤状態に陥っても依頼人の「BJを呼べ」との懇願をガン無視した結果孫が亡くなり、完全にブチ切れた依頼人(実はマフィアの首領)の報復で理事長の息子が瀕死にさせられている)自分自身のためだけに都合良く医師免許を発行したので、理事長の自業自得ではあるが。

専門は一般外科だが、特殊な知識が必要となる脳外科や心臓外科もこなせる。
その他内科や眼科など医療行為全般を行える、いわば一人総合病院
曰く「俺は人間の体の中が手にとるようにわかる」とのこと(この時は患者が内臓逆位のため苦戦していたが)。
果ては獣医学、針麻酔、催眠術まで披露したこともある。催眠術に至っては被験者*4が風呂やトイレに行っても「性転換手術を受けた」と誤認したほどの腕前。
ただし、物語途中で習得した技術もあり、針麻酔は作中で知り合った医者から教えてもらったことになっている。


以下、本人曰く「手塚治虫という大バカが考え付いた」無茶手術の一例
  • 下半身不随の女性の両腕と上半身を手術して翼を移植し飛べるようにする
  • 全身がバラバラになった奇形嚢腫(双子のなりそこない)に人造部品を組み合わせて一人の人間=ピノコを完成させる
  • 脳をそっくりそのまま取り出して移し替える。馬の脳を人間に移植したことも
  • 全身重度の皮膚病や第三次火傷を負って半死半生の患者相手に、体中全ての皮膚を別人から移植して元通りにする
  • 両腕を失った寿司職人に、交通事故死(アニメでは焼死)した弟子の両腕を移植、完全に元の技術を取り戻させる
  • 体中に刺青がある患者の背中を1㎜にも満たない皮膚活線を超スピードで切開し、刺青に一切に傷を入れずにガンを取り除く
  • 全身にガンが転移した患者をハンモックで宙吊りにして見上げながらオペし、全てのガンを切除
  • 脳や大動脈にめり込んだ銃弾を抜き取る
  • 鉄骨の下敷きになった少年を救い出すため一旦手足を切り落としてダルマにして病院でくっつける。数日後にはくっつけた方の手で風車を持てるほど回復
  • 腕を切断しないと取り出せないほど進行したユーイング肉腫を患ったピアニストの少年に対し、まず腕をぶった切って肉腫を切除し、神経や血管を全て繋げ元通りの技術を取り戻させる*5
  • 病院をジャックしたテロリストからの脅迫に耐えながら患部を見続けて正確に記憶、一切の光が差さない真っ暗闇の中で手探りオペ
  • 30年前に絶頂期を過ぎ去った中高年の女優*6に対し、自殺した若い女性の骨や皮膚をつなぎ合わせて若い頃の姿に戻す
  • 40代の中年実業家を20代のイケメンに整形し直す
  • 爆弾事故で全身がちぎれ飛んで、生きている方が不思議なレベルの女性*7を、即死した両親と弟の器官を移植して歩けるまでに回復させる(視力だけは治せなかったが)
  • 全部別の症状の患者を同心円状に並べ27人同時オペ


また「医者は人の体は治せても……歪んだ心の底までは治せん」と言っているように、「心の病気」……つまり精神科の治療は苦手分野とされる。
患者との対話をせずに無理矢理治療してしまった結果、自殺されるというミスを犯してしまった苦い経験もある。
とはいえ体の病も心の病が原因だった例も、プラシーボ効果で治療したこともあるので、人の心の力に完全な白旗はあげていない。
前掲の通り、生きるモチベーションを与えるために憎しみの心すら利用してのけたこともある。
まあこの辺りは手塚の知ってる当時の精神医学が未成熟で2000年代以降の現在における「治療し社会適応できる様にする」よりも
「治らない患者を認定し隔離した上で社会への影響を抑える」方に主軸が置かれていたので仕方のない所だが。

ちなみに、ピノコ曰く「先生が寝るのは手術がうまくいった証拠」らしい。緊張の糸がとけて安心して、ということだろうか。
実際、スランプに陥ってた医者に対して 「(手術時の心境は)ヤクザのチャンバラみたいなものです」 と話した。

天才的な医療技術と引き替えに莫大な報酬を要求する。
本人曰く「症状にもよるが500万から3000万円」、手間賃や口止め料でさらにボることもある。
基本的に、患者(或いはその関係者)が悪辣だったり身勝手な経緯で怪我に至ったりしていると容赦ない金額設定をする傾向にある。
作中最高請求金額は約150億円。しかも、患者を助けられなかったにもかかわらずその妻を言いくるめて150億円を手に入れている。*8
しかもこれは1970年代半ばのことなので、現在の貨幣価値に換算するとそれぞれ大雑把には1億5000万円前後、500億円余りとなる。
アニメ版では物価の影響もあって原作より高値だったり、逆に原作で要求するシーンがない金額を提示していたり、なんやかんやあって踏み倒されたケースも録音して言質を取っていたりした、なんてこともあった。
OVA版「葬列遊戯」では、ヤク中の病院長が事件の発覚を防ぐため、覚せい剤を投与して専用の病棟に入院させていた植物状態の女子高生の手術を一方的に行い、自身が独自に作成した彼女のカルテという証拠を楯に手術料5000万円を病院に請求し、事件の裏に巨大な麻薬カルテルが絡んでいる事を突き止めると手術料を50億に値上げし組織に請求しようとまでした(直後、前述の病院長に見切りをつけ突入してきた組織員たちに院長共々昏倒させられ、有耶無耶になってしまったが)。

このようなゴルゴ13並みの報酬をゆす……もとい請求するのが基本だが、決して『金の亡者』ではなく実際にはラーメン一杯*9や風車一つ、魚やら患者から摘出した奇病の病巣サンプルといった価値がほとんど無さそうな物、挙句の果てにはタダで引き受けたり、1000円にまけたりする、生体移植用として依頼人とその息子の体を提供させるという契約を結びながら手術後こっそりその契約書を破棄したり、OVA版の「白い正義」では「私は報酬の無い医療はしない」と前置きしつつ難民キャンプの難民たちを1人につき1ドル・持ち合わせがない場合は借用書で構わないという破格過ぎる条件で全員治療する*10など、貧困など特別な事情を抱えた者や家族を大切に思う気持ちがある物に対しては粋な計らいをすることもある
行きつけの店が相手だと「1カ月タダで寿司やコーヒーを振る舞ってほしい」と要求したこともあるし、子供が相手だと大抵は親に高額な治療費を家族に請求するが結局はタダ(もしくは低額)で治療する。
なお請求額が高いと思われがちだが、有志が検証したところ
健康保険も使えず医薬品類も正規のルートからは買えないことを考慮すると、BJが提示している治療費の大半は バカみたいに安い か少なくとも暴利とは言えないものばかりと言われている。

単行本巻末の解説などにもあるが、ブラック・ジャックには「治療する患者や依頼人達の覚悟の程を確かめたい」という想いがある模様
治療を受けておきながら金を払おうとしない患者には厳しく、借金取りの如く付け回す。
作中ではあまり描かれないが、この行為で世界医師連盟*11に苦情が殺到しているのも免許が発行されない一因らしい。
また、完治させる覚悟を確かめる為とはいえ患者の娘に「(患者に移植するための臓器は)体で払ってもらう」などと故意に誤解されるような言い方(怪しい笑い声のオマケ付き。ネタばらしも服を脱げと言った後)をしたり、手術後の安静の約束を破って喉を傷めた患者と「一年間(アニメ版では3ヶ月)声を出さなければ人工声帯を移植する」と約束して、指示を守った患者に喉が完治していることより先に人工声帯など無いことを告げて絶望させたりするなど*12

逆に、真面目にリハビリに取り組んだり行動で誠意や覚悟を示した人物には温情と敬意をもって接する。
自国から戦闘機を使い、脱走してまで自分を頼り大金を支払おうとした患者の親に対しては、
「これからの生活のために金は取っておけ」と治療費をもらうのを戦闘機をもらって売り払おうとしつつ断ったり、
治療時に輸血を受け、後にその血液提供者が瀕死に陥った際*13には、自分の会社よりも恩人の命を優先した男性へ治療費を「釣り」と称してほぼ全額返したりしている。
責任感も強く、ブラック・ジャックに非が無い不慮の自動車事故で患者を死なせてしまった時は、事故を起こした人物に患者の両親に対して直接謝罪させた上で、その人物のカヌーへと乗り込み*14、漂流中に巻き上げた受け取った飲料水の代金総額1億円を「また子供をつくるつもりだろうから、その子に何かあった時はこの金で私を頼ってくれ」と全額渡し、
治療に成功しても野球選手としての道を断つしかなかった患者にも「これからの人生に必要な金」として医療費を返した。(冒頭の台詞はその時のもの)

他にも、自分への医療費を払うために患者が強引な取り立てをした事が原因で一家心中を図ろうとした家族に対しては、
責任の一端を感じたためか30円で全員治療し、更に『処方箋』としてその家族が手放した工場の権利を無償で譲渡した*15

こうして稼いだ報酬額の多くは、後述の目的やタダ働きの経費で使う以外では島や自然を守るために寄付したり、老人ホームの維持費に使ったり、土地ごと買い取ったりするのに使用している。
そのため私生活は質素そのもの。

そして、他人から受けた恩には誠意を以て報いる。
冤罪を救ってくれた恩人が事故を装って殺害されかけて重傷を負った際には、彼が入院した病院ごと現金(20億、アニメ版では100億)で買い取って*16手術した上、二度と狙われないように顔の整形まで施したほど。

ただ、幾ら単なる守銭奴ではないとはいえ法的には黒、人道的にもグレーな態度であることは疑いようがない。
内心葛藤はあるようで、とあるエピソードで虐殺を行った軍人の治療をすることを生き残りの子供達に「金がもらえるから相手が悪人でも治すんだろう」と責められた際は
人を治して金を貰うことの何が悪い!?」と明らかにムキになって反論している。
その一方、超法規的な立場に立つアウトローな人間だからこそできることもあるという考えも持ち合わせており、正真正銘の悪党に対して自分なりのやり方で制裁を加えて人助けをすることも度々ある。
上記の発言をした際も、手術の場に子供たちを招いて患者への生殺与奪権を与え、手術を行う自分の姿を見せる事で医療の神聖さを教える。
その一方で、患者には子供たちが自分のしでかした虐殺の生き残りであることを全身麻酔をかけて意識が朦朧とし始める寸前に教え、徹底的に恐怖を味わわせた上で最終的に自殺へと追い込んでいる。
これを自分のせいじゃないと言い切るのはさすがに苦しい気がする。

手術をする対象は人間だけに留まらず、
イルカ、ライオンの子供、熊、猿、モルモット、イリオモテヤマネコ、スーパーコンピューター、幽霊、ミイラ、宇宙人、自分自身 など幅広い。
というか、開業して最初の患者は野生のシャチだった。


宇宙人は最早身体の構造すら掴めずに手術らしき何かをやっている、という状態だったが、その過程で大体を把握して手術を成功させている
ちなみに、この時の宇宙人は妊娠中だったのだが、こんな無茶をやったにもかかわらず母子共に生存(危うく胎児を切除しかけたが)。
ブラック・ジャックなら仕方ない。 このエピソードについて「意味わかんなくて逆に好き」という意見もある。

「死を目の前にしてあきらめきって笑っている病人には腹が立ってくる」と憤ったほか、
壮絶な過去から立ち直ったこともあって自殺を嫌っており、
借金のために物での自殺を考えていた人物には、毒物を借金と同額で買い取って阻止(アニメ版では機転を利かせた契約書の文面で報酬を全額寄付)し、
男に捨てられて入水自殺しようとしていた妊婦には精巧な野鳥の模型を使って説得し*17
生き甲斐を失って自殺をほのめかした老人には待ち伏せして首を吊った瞬間に救出、治療している。*18
当然、安楽死という名の自殺幇助を生業とするドクター・キリコとある程度の付き合いができた後も、この点については全く相いれない。
一方で、安易な理由で自殺した少年はその強情ぶりに呆れ見捨てようとした事がある(金持ちの息子だったので考え直して治療してキリコに押し付けたが)し、上記の通り自ら患者の心を完全に殺して自殺に追いやったこともある。

ちなみに 記念すべき第一話では患者を治療せずに抹殺している *19
まぁ、患者もその父親もそんな真似をされても文句の言えないクズだったし、そうしなければ罪もない青年が理不尽な死を迎える羽目になるためだが。*20

また、ピノコ初登場回にて、彼女の身体を組み立てる前に飲酒している
手術にあたり酒を飲んだのはこの時だけだったが、内心ピノコを組み立てる事に自信が無かったのだろうか。


■過去・人間関係

幼い頃に母と共に爆発事故に巻き込まれ、大手術の末奇跡的に助かった。
殆どバラバラ状態に近かった怪我も、後の恩師となる本間医師の懸命な治療と当人の壮絶なリハビリで克服した*21ものの、その時の事故で全身に傷がある。
というか、実は事故前より健康体になっている(回想シーンを見る限り、事故以前から車椅子に乗って生活している)。


特徴的な顔のツギハギは、移植予定の皮膚を見た本間医師が使えないという判断を下したため集まっていた子供達に協力を要請するも誰も彼もが逃げてしまい、唯一使ってもいいと言ってくれた黒人とのハーフである友人・タカシの皮膚を貰ったため。若干色が濃いのだ。
それから時が経ち、仕事を通して出会った信頼出来る名医を頼って別の皮膚を移植する選択肢は無論あるし、学生時代に友人から再手術を勧められたこともある。
だが、ブラック・ジャックは天涯孤独の自分に皮膚を分けてくれたタカシとの友情の証として、この顔の皮膚をむしろ誇りとしている。
ブラック・ジャックに好意を寄せた女性から今際の際に、自分の皮膚を使ってほしいと願われたこともあるが、彼女の美しい顔に傷をつけたくなかったのと、この友情を理由に実行はしていない。
植皮されたことをわかりやすくするために、カラーページでは青く塗られる事があり、
一部実写版ではこの塗りを忠実に再現してしまったメイクで描かれたので手塚治虫を「こんな人間がどこにいる!」と怒らせたりもしたが、前述の通り本来は褐色である。

髪の半分が白髪なのは死にかけた恐怖ストレスからだが、当初、手塚治虫は「髪の艶」と考えておりこの説は後付け。
なお、白髪というのは本来、加齢やストレス(若白髪がその典型)による髪の色素生成不足から生じる物であるものの、
基本的には最初は疎らに生じる物でありキレイに半分だけ白髪というのは人為的な脱色でもしない限り生じない。
BJ「これはマンガですからな。お忘れなく」

この事故は、政治家や大企業の関係者等権力者が利益優先で不発弾の調査を中途半端に打ち切って建設を行おうとしたことが原因で起こったものであり、
特にその中でも責任が大きい5人に自分達親子が味わった恐怖を味わわせて復讐をすることが、ブラック・ジャックが医者を続けて金を貯め込む主目的の一つである。

自分も全身に本来死んでいたはずの大怪我を負ったが、彼と共に居た母親も四肢を失い喋ることも出来なくなるほどの大怪我を負ってしまい、家庭崩壊の直接的な要因ともなっただけに、その強い恨みは消えることが無い。

母親とは会話はできずとも深い絆で意思を読み取ることは出来たが、事故のショックの余り幼少期には既に白髪となってしまった。
作中では見つけた仇は2人。内1人は復讐に成功したが、
もう一方は発見時既に意識不明だったので先に治療したら、復讐に移る前に死んでいったことを身内から聞かされ感謝されるという皮肉な結末に終わっている。
(ちなみに前述の「体で払ってもらう」と言われたのが、この二人目の復讐相手の娘である*22
あと3人を始末するまで彼の復讐は終わらないが、このエピソードを最後に原作においてその結末が描かれることはついに無かった……。
このため以降のメディアミックスでは復讐関連が抹消される(OVA)、不発弾事故の内容そのものを改変(TVアニメ)、復讐対象が原作に登場した2人に絞られる(リメイク版『黒い医師』)といった変更がされている。
なお、原作を知らないと勘違いするかもしれないが、殺したいほど憎んでいるのも事実*23だが、同時にあくまで自分達と同じ恐怖を味わわせるのが復讐の目的なので殺人にはこだわっていない。最初の1人は地雷原だらけの島に誘い込んで散々恐怖させた挙句、地雷の爆発で重傷を負わせたが、それによって目的を達成したためか、治療した上で生かしている。
高校時代には復讐のために持ち歩いていたダーツで級友が呼吸困難になるほどの重傷を負わされるという事件が起きており、このことで当時の黒男が「自分のせいだ」と激しく後悔している*24ので殺人による復讐は戒めていたとしても不思議ではない。

こうした経緯故に、母子の絆を大切にする者は尊重するが、母親をないがしろにする者に対しては激怒したこともある。
例を挙げると「もらい水」では母親の治療代に5000万円を請求した際、ためらう息子に「私なら、母親には100億つけたって安いもんだがね!?」
と皮肉を述べ、『空からの侵略者』ではインベーダーだと錯乱し自分の母親を殴った患者に平手打ちをして正気に戻した後、彼のためを思って母や主治医の反対を押し切り、腎臓にできた腫瘍が病気の正体で手術をしなければ余命いくばくもないことをハッキリ伝えた。
そして当然の如く、母親に優しい子(成人含む)には甘い
悪く言えばマザコン

なお、父親はこの事故の直後に愛人・蓮花と共にマカオに高飛びしており、作中で父親から接触してくるまで絶縁状態だった。
母は生前、喋れないにもかかわらず目線で父を憎まないよう黒男に訴えかけていたものの、
ブラック・ジャックは自分達家族を見捨てた父に対しても当然強い怒りを抱いており、「今は母を愛していない」と言い放った父に対して、しっかり復讐を行っている。
その復讐方法は、「顔が崩れてしまった現在の妻を、世界一美人になるよう整形してくれ」という父親の依頼に対して、敢えて自分の母親と瓜二つに整形するというもの。

母親の顔はブラック・ジャックが言うだけの事もあって他者一般人の認識でも本当に美人であり、後妻は何も知らないとはいえ「ワンダフル、ベリー、ベリーナイス!」と素直に感激している。
その際に「少しでも母への愛情が残っていたり、反省の念があれば違う顔にしていた」と告げているが、
同時に「自分は母親以上に美しい人を知らない」とも述べている。


後に父親が脳卒中で死んだ際には彼が残した膨大な遺産も目にくれず遺体を母親の眠る墓へ埋葬するためだけにマカオへと赴いている。
この際、自身も怪我を負ったので怪我した部分に父親の遺体から該当する無事な部分を移植しており曰く「ここは昔、おふくろの物を移植したんです、そして今度は親父、合わない筈がないんですよ」との事。



こんな経歴なので、家族の情が絡んだり、自分や母親に似ていたりする人間が相手だと対応が寛容になることが多い。
例を挙げると
  • 父親の為に治療法を発見した医者の為に進んで汚れ役を引き受ける。(このエピソードの最後で、「あなたは父親がいるだけまだ幸せだ」*27と語っている)
  • 妻の治療費3000万の小切手を駅で紛失したため、自分の臓器を差し出す(それでも足りなければ息子の物もつける)と宣言した男性の依頼を受けその条件で執刀。その後わざと契約書を紛失し、わざとらしく駅に届け出るという手法を用いて相手が契約をしっかり履行した上で「自分の過失で実質ただ働きにならざるを得なくなった」という体で支払いをチャラにする*28
  • 翼を得て鳥になりたいという(先述した下半身不随の)女性の願いを「母親に似ているから」の理由一つで聞き入れる(勿論無料)。
  • 入院中の少年が可愛がっていた実験動物のモルモットへ解剖される代わりの腎臓を移植する。少年が幼い頃の自分に似ていたという理由で(当然無料)。
  • 勘当までされながらも母親の誕生日を忘れることなく、更に母の持病を治したいがために医学を志した農家の四男坊に診断方法を教えつつ手術を見せる*29

医学生時代の如月めぐみとの悲恋が影響してか、カップルのキューピッド役を務めることも多い。
しかも一度は「この人形があったおかげでカップルになったんだから、壊れた修理費くらいは払ってね。なぁに、ご祝儀から出せば安い安い!」とすごくノリノリで語ったことまである。

回想シーンでは身体的ハンデや母の状況、復讐心のせいで他人を寄せ付けない様子だったが、ぼっちというわけではなく友人はそれなりに登場する。
同窓会等でもブラック・ジャックとしての活躍を茶化されることはあってもそこまで変にからかわれていないし、回想シーンでの医大時代の知り合いとも普通の交流関係があった様子。
ただしゲストキャラの場合、故人や作中で亡くなる者が少なくない。


■傷だらけの人生

仕事柄(?)悪党に命を狙われたり、猛獣に襲われそうになったり、拉致監禁されたり、未知の病気に感染したり、災害に見舞われたり(本人だけでなく自宅が2回も災害で崩壊している)……
と、いつどこで命を落としてもおかしくない状況に何度も遭遇するが、そのたびに奇跡の生還を果たす異能生存体でもある。
しまいにはアニメ第2期で、自分の最大のトラウマでもある時限爆弾で自宅を消し飛ばされ、海に転落し、シャチに食われそうになった。
ある時、突然指が動かなくなり、かつての事故の時に受けた手術の後遺症が現れたとも考えられ、あわや廃業の危機かとも思われたが、原因は本間と精神科医・浅草の2人の医師同士の会話を聴いたことによる暗示であり、浅草によってそれが解かれたことで廃業の危機は回避され、無事に無免許の医師を続けることができた。
胃腸虚弱の気があった(作中で寄生虫にやられたせいか)が、これも鍼師・琵琶丸の施術により作中で治った。

手術中でのトラブルもテロリストの襲撃から病院内の停電、ヤクザによる放火、睡眠薬を盛られて途中で気絶、台風の直撃、
新幹線通過による騒音と振動、猛烈な落雷、直前に銃撃、直前に住民からのリンチ、自分の方が重傷、自分の腹をかっさばいてる最中にディンゴ
*30の襲撃など事欠かない。

本人も自覚しているのか、雷を通さない硬質ガラス製のメスや不導体の無菌ドーム、鞄に仕込んだ煙幕弾などを用意している。
あと拳銃とか麻酔弾とか無線の妨害電波発生機も持ち歩いていたし、CIAが開発した超ミニテープ再生機なる入手経路を考えると恐くなりそうなものも持っていた。

悪運の強さもあるが、医療の知識や技術に基づいたサバイバル術(その辺の草を引っこ抜いてブドウ糖(点滴用輸液の事と思われる)で煮て食べるなど)や、
復讐の目的を果たす為にと子供の頃から練習を重ねたダーツ投げを応用した、
極めて精密なメスの投擲や柔道等の護身術に長けていることが、生存能力の高さの主因である。
明らかにメスの投げ方がダーツ投げと異なるが気にしたら負け。

修得した護身術の能力は、ごろつき4人程が拳銃で武装した程度ならば事も無げに撃退するなど、非常に高い。
しかし、それにも増して驚異的なのはメスの投擲の命中精度
人間の急所に的確に当てる(もしくはわざと急所を外す)のは朝飯前で、手錠をかけられたままでもできる
首つり自殺を図った老人のロープに命中させて斬り落としたり、四方八方から飛びかかってくる人食いザメに当てたり、
挙句の果てには猟銃くらい口径の大きな銃なら挨拶代わりにその銃口にメスを投げ入れてのけるほど。
また、電線をつなげたメスを相手に投げつけて刺し、感電させたこともある。
BJ「エレクトロニックダンス」

ちなみに、医療以外の目的でブラック・ジャックがメスだらけのコートを羽織るのは、
投擲用武器という以外にはメスを敷き詰めることでちょっとした防弾効果を持たせているのも理由の一つ。
対処しきれるのは拳銃が精々だが、自分の身の危険には常に注意を払っている。
このメスは刀匠に依頼した極めて精巧なものや、感電を防げる材質の物など、様々な状況に対応できるように特注品も揃えている。
一応言及すると当時はまだ衛生的な観点が未成熟な事も有って普通の鋼の刃物のメスが主流だった為。
現在は衛生的観点からメスは使い捨て式が主流となっている。

なお、こんなハードな人生を送ってきた人なので、原作未見だと「ギャグシーンなんて一切無い、シリアス一辺倒なキャラなんだろうなあ」と勘違いするかもしれない。
……が、割と頻繁にキャラ崩壊する。原作だと変顔やコミカルな動作は結構多いし、様々なシーンでノリノリでボケる。メタ発言も連発する。手塚作品ではよくあること
上記の「睡眠薬を盛られて途中で気絶」も、解決法とそれ以後の動きは作中屈指のキャラ崩壊ギャグシーンだったりする。
とくに有名なのはコレラ感染の疑惑から潜伏期間中自身を隔離して、もう大丈夫だと戻ったら下痢を起こして慌てる場面だろう。このエピソードではラスト2ページまるまる壊れっぱなしだった。
原作以外のメディアミックス作品でも度々コミカルに描かれることはある(本木雅弘版ドラマなど)のだが、一方でアニメ版においてはコミカルな言動が幾分抑えられ、クールでシリアスながらも子供や家族を大切にするものには人情ある人物像を一貫していることが多い。
最初にアニメ映像化された出崎監督版OVAでは、原作よりやや年嵩で荒々しさが失われたような人物像となっており、以降に制作されたアニメ作品では(担当声優である大塚氏がそのまま引き継がれていることもあってか)TVアニメをはじめこれに準じた人物像として構築されているのがほとんど。
上記のコレラ騒ぎもTVアニメ版では大まかな流れや結末は原作に近いものの、原作に比べるとコミカル・キャラ崩壊成分はかなり抑えられていた。大塚氏の声で「アッチョンブリケ」とつぶやくというある意味凄まじい爆弾が飛び出したが
アニメ作品でしか彼を知らない人が原作を読んだら、その意外なはっちゃけっぷりに困惑するかもしれない。

■外部作品における登場

同じ作者の作品では『ミッドナイト』にて本人役で登場。というか、本作はそのまんま『BJ』の続編である。
ちなみに、タクシー運転手という違いはあるが本作の主人公もモグリ。
「手塚治虫という大バカが考えた」などのメタ発言はこの作品で登場したもの。
手塚作品でお馴染みのスターシステムにおいても出番はあまり多くなく、『火の鳥 望郷編』の暴走族のヘッド役くらいしかない。
(ちなみに『望郷編』は主人公の名前がピノコのモデルになった少女と同じ「ロミ」で、苗字がまんま「間」など、結構『BJ』のセルフパロディが多い事でも有名)

手塚アニメだと『鉄腕アトム』(アニメ第2期)の『ブラック・ジャックの大作戦』では、ピノコ共々本人役で登場した*31ほか、
『100万年地球の旅 バンダーブック』では主人公のライバルである宇宙海賊役で登場。
未公開フィルム『ブレイブファイヤーS09』では、主人公の兄「久郎」役で登場した。*32

『手塚治虫が消えた!?20世紀最後の怪事件』でも本人役として登場。
事件当時は手塚の部屋から物音がしたのを自分の部屋にいる時に聞いており、更に部屋に血の付いたメスがあったことから犯人と疑われるが……?

浦沢直樹が『鉄腕アトム 地上最大のロボット』をリメイクした漫画『PLUTO』では、ボヘミア出身の老作曲家であるポール・ダンカンの回想に登場。
名前こそ出ていないが、モグリの医者、卓越した腕前、莫大な報酬を要求すると公言されているため、正体は明白である。
幼少期に病気にかかり、母親にも見放されたダンカンの前に突然現れ、彼を治療したという。

実はダンカンの母親が彼の前から姿を消して富豪と結婚したのは、
ブラック・ジャックに莫大な手術代を払うための身売りだったことが、後にノース2号の調査で判明した。
だが、動機はともかく死にかけた子供を放置して失踪するという、ブラック・ジャックから見れば、自分が実父にされた行動と同等の不快極まりないであろう手段を取ったためか、*33
ブラック・ジャックはダンカンに母親の現状や手術した理由を話さず、手術後にダンカンに会おうとした母親は、母が自分を捨てたと思いこんでいるダンカンの憎悪を知って断念し、結局再会することができなかったという。

ダンカンが母親の真の愛情を知るのは、晩年に執事ロボットとして雇ったノース2号と出会った後になる。


『チャンピオンRED』で連載されていた吉富昭仁の漫画『RAY』では、過去に主人公の零が眼球を失った際に、
「B.J.」と呼ばれる人物が、物体や人体を自分の意思で透視できる透視眼を移植して救っており、
最終回でも盲目になりかけた零の目を治療して彼女を再び救っていた。

原作では顔が隠されており彼とは判断が出来なくなっているが、アニメ版では「ブラック・ジャック」と呼ばれるシーンがあり、
声も本編でブラック・ジャックを演じた大塚明夫氏が演じているなど、明確に彼と判る描写になっている(この件に関しては、アニメスタッフが手塚プロダクションに使用許可を貰って実現したファンサービスでもある)。
なお、眼球の移植手術は原作のブラック・ジャックをして事実上「不可能」と白旗を上げた案件。*34

また平成アニメ版『どろろ』では直接登場はしないものの、ロクでもない父親に捨てられバラバラの肉体となった後に刃物の達人になる、というどこかで聞いたような出自の主人公・百鬼丸を人間の姿にした医者・寿海の声優は大塚明夫氏であり、因果関係を感じさせる。
*35*36


ゲームでは、数多くの手塚キャラがゲスト出演するGBAソフト『アストロボーイ鉄腕アトム アトムハートの秘密』でピノコと共に登場。
手術中に敵ボスが出現し、アトムは手術を続行するブラック・ジャックのエアーテントを守りながら、
ボスと戦わなければならなくなる、という演出がある。ヒゲオヤジや天馬博士との掛け合いも必見。


ヤング ブラック・ジャック』(作画:大熊ゆうご/脚本:田畑由秋)では彼の医学生時代が描かれている。初登場時は22歳のため4-5年生と思われる。
母の治療費のため闇金に手を出したため、莫大な借金を抱える苦学生という設定になっている。
そのひもじい食生活の割には筋骨隆々だが。
そのため、まだ医学生であって医師ではないのに、当時から飛び抜けていた知識や技術力を用いて、内緒で治療を行い金を稼いでいる。
ただしまだ若いため、精神的に未熟な面が多々見られる。もっともブラック・ジャックになっても悩むことは多いが。

手術に関しては強い信念を持ち、銃弾飛び交う戦場の真っ只中や、30分後に絨毯爆撃が行われる場所でも患者は見捨てないなどもはや狂人的。
ベトナム戦争や学生運動などの時代の激しい動きに翻弄されつつも、ブラック・ジャックになった後にも劣らない様々な困難に直面しては乗り越えていく。
ただし彼の危うい面も描かれており、ある人物からは「法律よりも自身の正しさを信じている」「復讐心によって生きている」*37ことを指摘され動揺している。
当時から権力や支配については否定的。というか、ブラック・ジャックになった時と同じく、患者を治すこと以外には興味が無いだけともとれる。

同作ではまだ本名を名乗っており、アニメ版のキャスト表記も「間 黒男」。ナレーションの方が最終回で「俺は間黒男という名前を捨てブラック・ジャックになった」と述懐であったことを明らかにするとともにキャスト欄でも「ブラック・ジャック」と記された。


『ブラック・ジャック〜青き未来〜』(作画:中山昌亮 /シナリオ: 山石日月)では、突如訪れる睡魔に悩まされつつも、独裁者の治療を行っている。
大人に成長したピノコと再会(もっともブラック・ジャックは眠っていたが)した。
ちなみに大人になったピノコは美人だがサイボーグ009並みに強い。


■余談

演じた人物

大塚明夫(テレビアニメ・OVA、『手塚治虫が消えた!?20世紀最後の怪事件』)
※尚、元々は俳優の内藤剛志が内定していたが内藤が急病を患った為大塚と交代となっている。
※ドルフ・ラングレンの出演作の一つであるテレビ映画ブラックジャック(ジョン・ウー監督。本作品とは無関係)でも吹き替えで出演している。

関智一(青年時代)

野沢那智(『海底超特急マリンエクスプレス』、『鉄腕アトム』等……)

伊武雅刀(『100万年地球の旅 バンダーブック』、『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』)

岸田森(1977年・ラジオ版)

時任三郎(1993年・ラジオ版)

梅原裕一郎(間黒男)、大塚明夫(ブラック・ジャック)(『ヤング ブラック・ジャック』)

神谷浩史(『アトム:時空の果て』)

宍戸錠(1977年映画)

加山雄三(1981年テレビドラマ)

隆大介(1996年オリジナルビデオ)

本木雅弘(2000年・2001年テレビドラマ)

岡田将生(2011年テレビドラマ『ヤング ブラック・ジャック』)

高橋一生(2024年テレビドラマ)


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最終更新:2024年09月07日 00:50

*1 ただし回想場面以外では他人の前では基本的に「私」で通している。一緒に暮らしているピノコに対しても父親代わりという気持ちが強いためか「おれ」と言ったことはない。

*2 医師免許の取得は卒業要件ではない。

*3 更に相手をたかが成金と見下していた。

*4 父親の権力闘争に巻き込まれ、死んだ(と思われていた)弟に成り済ますように性転換手術を受ける事を強要された女子高生。なお、18歳未満や性同一性障害を有していない人の性転換手術は本人の同意があっても法律で禁止されているので二重にアウトな事例。

*5 本来の主治医の辰巳医師の見立てでは切らずとも治療できそうだったとの事なので、腕をぶった切った事に関しては、院内で絶対的な権力を持つ病院長が「切れ」と言うのに対して「言われた通りに切ったことは切りましたよ」という意図もあった模様。ちなみにBJが手を貸したのは本間先生を侮辱された為。

*6 現代の基準で見れば老けすぎな気もするが、当時の平均寿命からするとこの位のオイボレに見えても不自然ではないのである

*7 先述の通り幼い頃のBJと似た状況で、BJは彼女の仇であると誤認されていることから、その復讐心をわざと利用してリハビリを行った上で種明かしし和解した。

*8 一応フォローしておくと、このときの患者は過度のストレスでおかしくなっていた独裁者で、「刺客に傷つけられたらその場で治療する」という変則的なボディーガードを患者の妻から依頼されていた。150億円というのも一緒に命を狙われるというリスクに対する保険金を兼ねた額。

*9 その患者は後にお金持ちと結婚した事で、「(主人のお金から)払えるようになったから正規の手術料を教えてほしい」と伝えるが、BJは「手術をしたのはあなたが無一文だった時なのだからラーメン一杯で結構。そのような大金よりもあなたが心をこめておごってくれるラーメン一杯の方が満足だ」と返した。

*10 OVAの最後でBJの自宅に大量の1ドルの借用書が届き不審がったピノコが捨てようとしたのを「悪いが、大事なものなんだ」と取り上げている。尚その直前にBJに国際医師免許を与える席が用意されたが当然の如く欠席していた。

*11 架空の組織。現実で言う世界医師会か。

*12 結果としてその患者は、衝動的に崖から飛び降り自殺を図ろうとしてしまったが、救助された際に「病気に勝つには、本人が死ぬより辛いことを乗り越えなきゃならんこともある」と真剣に治療に向き合ってほしい気持ちから敢えて重い病状を伝えたことを語り、アニメ版では救助した和登と久美子を指して「お前さんには真剣に思ってくれる友達がいる」とも諭した。

*13 血液型が互いに希少なRH-だった為、他の血液提供者を探す猶予もなかった。

*14 事故原因は「カヌーでマニラから鹿児島まで渡る」というテレビ局を呼んでの企画のスタートに遅れそうになって急いでいたため

*15 その後「自分だけ損をしてデタラメだ」と愚痴る患者に「言うとおり自分はデタラメだからあんたの病気が再発したら次は30円で手術する」と約束してなだめている

*16 病院に行くまでもレンタカーやモーターボートを手に入れるために惜しみなく大金を差し出している。

*17 その際の発言によると、同様のことを以前も何度かしていたようである。

*18 この時は説得できる材料がなかったので「助けることができてもまた自殺されたら意味が無い」と悩む様子を見せている。

*19 アニメスペシャル版では手術前から既に手遅れで死んでいた。

*20 そもそも『ブラック・ジャック』は「怪奇ホラー寄りドラマ」として描いたものを医療ドラマに路線変更した作品で、当初は人間の闇を描くための小道具としてとんでもない手術をする凄腕医師を用意しただけだった。初期のチャンピオンコミックスでの分類も「恐怖コミックス」である。

*21 このリハビリ過程は本間先生によって本にされ、小児麻痺の少年に希望を与えている。

*22 BJに感謝した身内というのも彼女で、BJが父に復讐心を抱いていたことに激しく動揺する彼女を見たBJ自身も無念とも苦悩とも取れる表情を浮かべていた

*23 学生時代は復讐のためにダーツ投げを習得していたし、2人目の手術の際は復讐心を抑えられず殺害しようとしてしまっている。

*24 しかも、後に医学生となったBJが友人を回復させようと手術を行ったものの、二次感染により死亡。そもそも手術しなければ呼吸困難ではあるものの死亡する事はなかったので結果的にBJが友人を死に追いやる形になってしまった。

*25 生まれた時にまだ影三のことが気に入らなかった全満徳が彼女を取り上げ、自分の命令通りに動く暗殺者へと育て上げた。そのため、紅蜥蜴は自分がBJの腹違いの妹だと終盤まで知らなかった。ちなみにBJがそれを知ったのは彼女のケガの治療にあたり採取した血のDNAを調べた時。

*26 ウイルスを基に作られた薬を投与された他のプロジェクトメンバーも、クーマと別件の事故で植物状態となった人物を除き皆死亡した(本間は老衰、影三は脳卒中、影三と共に人工心臓を開発した医学博士とドクター・キリコの父親は「フェニックス病」でそれぞれ死亡している)。

*27 この頃BJの親父はまだ生きていたが、上述の体たらくだったので会いたくなかったというのもあるのだろう。

*28 ちなみに、その紛失した治療費の小切手が発見されたことをBJはここで耳にしている。

*29 加えて実家での開業まで勧めている

*30 オーストラリア大陸に棲息するイヌ科の動物。

*31 余談だが、この回は手塚先生本人が悪乗りしまくって、あらゆる手塚キャラを出したお祭り回であり、タイムパトロール役でロックが登場しているのも有名。

*32 もっとも、本作は電力会社のCM用に依頼された作品だが、手塚本人が「落ちるつもりで」描いた非常にシニカルな作品であるため採用は見送られた。現在は秋田文庫『ブラック・ジャック画集』に収録済み。

*33 真相は知っていたはずである。

*34 移植自体はできるが5分間しか視力が持たない。この事に触れた話では、爆弾犯の唯一の目撃者である女性への眼球移植を警察から求められるが、BJは患者をぬか喜びさせるだけだからと当初は乗り気ではなかった。

*35 『BJ』にも寿海そっくりな戸隠先生という恩師が登場している。また、寿海は『最後に残る者』ではニッシェ医師として出演しているが、こちらでは六つ子の内、胎児の姿のまま産まれた未熟児の安楽死をキリコに依頼する(未熟児を見捨てる)という正反対の役割。

*36 同作の琵琶法師は『BJ』に琵琶丸として出演しており、琵琶丸とBJの出会うシーンは、琵琶法師と百鬼丸の出会うシーンのオマージュとなっている。

*37 ちなみに、前述した爆弾被害で家族を失い、生死をさまようほどの大怪我を負った女性に、BJ自身を仇と思わせて生きる原動力とさせた原作エピソードのタイトルは『復しゅうこそわが命』である。