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SCP-5031

登録日:2025/12/21 (曜日) 10:15:21
更新日:2026/04/13 Mon 17:51:35
所要時間:約 40 分で読めます





気にしないでください。ただ、ありふれた殺人モンスターを投稿しただけです。


SCP-5031とは、怪奇創作コミュニティSCP Foundationに登場するオブジェクトの一つ。
メタタイトルは「ありきたりな殺人モンスター」
オブジェクトクラスKeter
収容が極めて困難、ないし不可能なオブジェクトに分類されている。


概要

コイツがなにかというと、起源不明の非知性的・準ヒト型生物、要するにヒトっぽい形状の怪物である。
大まかな外見としては下記の通り。
  • 頭が異常に小さく、識別可能な首を持たない
  • 両腕の肘から先が3本の前腕に枝分かれしている
  • 長さ約1.9mの細長い胴体(体内に余分な消化機能を保持するためと推定)
  • 骨盤は刃物状の下端がある三日月形の骨組織の突起で終わっている
  • 常に地上0.5mの高さに浮遊している

コイツ自身は栄養補給も睡眠も必要がないらしく、常に活動状態を維持している。
にも関わらず、遭遇した人間や動物を下半身の鎌状部分で切り付けて殺傷し、それを食らうことを繰り返している。
まさしく「ホラー映画に出てくる怪物」と言った様相だ。

しかしこれだけでKeterオブジェクトに分類されるはずもない。
コイツは固有の能力として「直接観察されている間、その場に存在しなくなる」という能力を持っている。
これは監視カメラや写真機を含むあらゆる記録装置でも発動し、財団は未だコイツの外見を確認できていない。
幸いなことに壁に映った影などであれば目視できるため、上記の外見的特徴はそのシルエットから類推されたものになっている。


休むことなく徘徊し、目を離した瞬間に現れ襲い掛かってくる影しか見えない怪物。
なんとも恐ろしい存在だ。

財団はコイツのオブジェクトクラスをKeterに指定し、特別収容プロトコルを策定。
厚さ10インチの鋼鉄で囲まれた気密チャンバーに封印し、隔週で各部に破損が無いか確認することを定め、それ以外に不用意な干渉をしないようにした。

いまのところ収容違反は発生していないらしく、この10年間は同様のプロトコルが維持されている。


追記、修正は怪物を鋼鉄の箱に収容してからお願いします。















…………ん?





いやちょっと待て。




注意: 審査中のファイル

この文書には方法論上の問題点が提起されています。
以上の情報は変更の対象であり、不正確である可能性に留意してください。


死んだ謎は事実と同義。全ての謎は生きているのだ。


コイツのオブジェクトクラスはKeter。財団の技術力をもってしても収容困難なオブジェクトに付けられる分類のはずだ。
それが、10年間ただの鋼鉄の箱に閉じ込められている? 何の問題もなく?
収容できているじゃないか。どこがKeterだ。

鍵のかかった箱テストに当てはめるなら間違いなくSafeクラス相当。動物的な知性や未知の特性がある可能性を加味してもEuclidが妥当だ。
問題の消失能力にしても、あくまで「その場から消失する」だけであって消失中に移動したり壁を抜けたりできるようなものではない。というかどうやら「性質」に近いものであって任意発動できている様子がない。
これなら複数の監視カメラで収容室全体を見続けるだけで消失≒行動不能状態を簡単に維持できるだろう。オブジェクトの脱走に備え、収容プロトコルに明記しておくべき重要事項のはずだ。
これだけではKeter分類されるはずがないし、もし他に理由があるなら記述されていないのは大問題だ。記述できない理由があるなら致命的な問題にすらつながるだろう

これについては作中世界でも問題視されたらしく、2018年にSCP-5031のHMCL監督者*1となったスタンレー・ハックステーブル上席研究員は、サイト管理官にこんなメッセージを送っている。


誰がこれを書いたか知らないが、そいつには言いたい事が山ほどある。どんなに実用的な手段だろうと、生きた動物を金属の箱の中に10年間放置していたというのは感心しない。

こんな手法が10年前は標準と見做されていたとは理解しがたい。君はあれが厚さ10インチの鉄の向こう側で何時間も叫び続けるのを聞いたことがあるか?
私が報告書を書き直す時は、説明の何処かに“異常なほど声が枯れない”という特徴を追加しなくちゃならないだろうな。

ちょっと融通を利かせて、あの“収容キューブ”に開口部と保安体制の整った前室を設けてもらえないか? SCP-5031を特定の刺激に曝露させる実験をしたいんだ。
2018/02/14

財団の資産も無限ではないので、安定した安価な収容プロトコルがあるならそれを維持し続けるのは理解できる。
しかし、仮にも生物を気密チャンバーに閉じ込めているにもかかわらずオブジェクトの説明に呼吸不要の記述はなく、収容後の実験記録や収容以前の調査なんかも書かれていない。
これでは流石に内容が不足しすぎてDecommission待ったなし。というわけで、10年ぶりにオブジェクトの検証実験を再開することになった。
上述の注意文の通り、この試験の結果に応じて報告書の内容と特別収容プロトコルが変更されるのだ。



忘れ去られたものすべてへの頌歌――何が"あなた"を殺すのか。
もしかしたら、彼らはまだ自分の情熱を見つけていなかっただけなのかもしれない。




試験記録

現時点でこのオブジェクトについてわかっていることは「見ている間は消える」「捕食のために襲い掛かってくる」「ずっと叫んでる」ぐらいしかない。
とりあえずDクラス投入、とする前に、簡単にできる試験から段階的に行われた。Dクラスだってタダではないのだ。
幸いと言っていいのか、このオブジェクトは監視カメラなどで見ている間も消失したままになっている。目を逸らせないアイツなんかと違い、収容チャンバーの改造は極めて簡単だっただろう。

ということで段階を踏みつつ実験実験。報告書には全部で9種類の実験が記録されている。
少々長くなるが、考察を交えながらお付き合い願いたい。
ずーっと叫んでいるので、48時間分の叫び声をストレスレベル100%として実験の効果の判断材料にはコイツの叫び声を当てることになった。
音量が減ったり叫び声が途切れればストレス低減、逆なら増加と判断することにしたらしい。


第一試験 (音響) 2018/03/08

ハックステーブル上席研究員着任から2週間。収容前室も完成したので初の実験。
叫び声をあげる、ということは、何らかの形で聴覚を持っている可能性が高い。
なので収容チャンバーの前室にスピーカーを設置し、いろいろな環境音や音楽アルバムを聞かせてみることに。

選択した音楽 ストレスレベル
“朝の森”環境音 43%
“海辺の楽園”環境音 48%
“深い洞窟”環境音 62%
モーツァルト傑作選 13%
エンヤ傑作選 18%
ベン・フォールズ傑作選 6%
ジェスロ・タル傑作選 59%
KISS傑作選 23%

ただ環境音を流すだけでストレスレベルは半減していることから、無音の閉所に閉じ込められていることが相当なストレスだったことがうかがえるが、注目すべきなのはそれ以降。

古典音楽の重鎮であるモーツァルトやヒーリング音楽で有名なエンヤだけでなく、
最もストレス値が下がったベン・フォールズはアメリカのロックミュージシャン。
その次にかけられたジェスロ・タルも同じくロックミュージシャンであり、
最後のKISS(キッス)はなんとハードロックバンド。イメージ的にはこの方たちが近いだろうか。

軽妙なクラシックやヒーリングソングだけでなく、自然界ではまず聞くことのない音楽に対してストレス値が大きく低下していること、
さらにはロックバンドを聞き分けてストレス値に大きな変化があることから、こいつには明確に音の好みがあることがうかがえる。

結: 音楽のストレス軽減効果は時間と共に徐々に低下する。私はSCP-5031の好む音楽のプレイリストを作成し、シャッフル設定で収容室内に流し続けている。
ストレスレベルは常に15%-25%の範囲に留まっているので、それに合わせて標準値を調整した。

どうやら同じ曲を聞き続けると飽きるらしい。とはいえ、ストレス値が低いに越したことはない。
BGMを流しつつ、その間の叫び声を新たにストレス値100%の基準値に再設定した。
……ヘビメタバンドのベストセレクションが流れる収容室なんて此処ぐらいだろう。


第二試験 (遊び) 2018/03/20

前回の実験から2週間を置いて次の実験。前回の実験でコイツに異変が無いかの経過観察も終わったのだろう。
続いては動くものに対する反応の確認。
SCP-5031は人や動物を狩り続けていたが、じゃあ動く無機物相手ならどうだろう。


試験内容 結果
ソフトボールを室内に投げる。 SCP-5031はボールを2つに切断した。
バスケットボールを室内に投げる。 SCP-5031はボールを切り開いた。
ボウリングボールを室内に転がす。 SCP-5031はボールに幾つかの引っ掻き傷をつけた後、尖っていない尻尾の先端部分を使って、室内で20分間ボールを転がした。
遊んだ後のストレスレベルは<60%に留まった。
もう1つのボウリングボールを室内に転がす。 SCP-5031は尖っていない尻尾の先端部分を使って、しばらくの間2つのボールを打ち合わせて遊んだ。
遊んだ後のストレスレベルは<40%に留まった。
ボウリングボールが欠けて
適切に転がらなくなった。(予定外)
ストレスレベルが~115%まで上昇した。
代用のボウリングボールが提供された。 ストレスレベルが~40%まで低下した。
バスケットボールを室内に投げる。 SCP-5031はボールを拾い上げて遊んだ。遊んだ後のストレスレベルは<20%に留まった。

野球ボールやバスケットボールは切り分けたが、ボウリングボールはひっかき傷がつくにとどまった。
その後、ボールを転がしたりぶつけたりして遊び、ボールが壊れた際にストレス値が急上昇している。
そのストレス値の変化から、明確に楽しんだり嘆いたり(怒っているのかもしれないが)していることが分かる。
貰ったおもちゃを投げたり叩いたりして遊び、壊れたそれを見て泣く子供のように。
さらにはその後のバスケットボールも丁寧に扱って遊び始めた。しっかりと学習している。

結: SCP-5031はバスケットボールで遊ぶ際に手を使い始めた。恐らく、偶然ボールを傷付けないようにするためだろう。運動能力は幼児のそれと同程度だ。
SCP-5031はまだボウリングボールを“蹴る”ことを好んでいる。

初めて見る物体に対し、色々な行動を試し、それを記憶して行動を変える。どう考えても明確な知性を、それもかなり高いレベルの学習能力とともに持っている。
非知性的とはなんだったのか。コイツがもっと凶暴で狡猾な存在だったら、単なる鋼鉄製の収容チャンバーなど容易く突破されていたかもしれない。

ちなみに、ボウリングの球は外装から芯まで高強度の樹脂でできている。
コイツの尻尾の一撃はそれを何度も切り付けて、ようやく転がらなくなる程度の破壊しか起こせないらしい。
人体や動物相手なら十分な威力だろうが、鋼鉄製の収容チャンバーを突破できるわけがない。厚さ10インチどころか半インチでも無理だっただろう。
……前任者はこういった威力確認すら怠っていたということになる。


第三試験 (食物) 2018/04/05

再び2週間を開けて次の実験。今度は食性について。
人や動物を狩って食べることはわかっていたが、どんなものを好んで捕食するかを調べる。

選択肢 選ばれたもの
ヒトの死体 / ブタの死骸 ブタの死骸
ブタの死骸 / ニワトリの死骸 ブタの死骸
ブタの死骸 / ロティサリーチキン ロティサリーチキン
ニワトリの死骸 / ロティサリーチキン ロティサリーチキン
生きたニワトリ / ロティサリーチキン ロティサリーチキン
ローストターキー / ロティサリーチキン どちらも選ばれなかった (恐らく飽きたため)

結: SCP-5031に食事の必要が無いのは事実だが、定期的な給餌によって平均ストレスレベルは著しく低下した。ストレス軽減度は提供する食事の品質に比例して増大しているように思われる。

もう一つ注目すべきは、SCP-5031は肉を歯や手で引き裂くよりも、尻尾を使って一口サイズに切り分けるのを好んでいるということだ。

かなりしっかりと好みがある。非知性的とは何だったのか。(2回目)
しかも別に生餌が好きというわけでもなく、人肉が好きというわけでもなさそうだ。
第二試験の内容を見るに、動く物体はとりあえず尻尾で切り付けていたのではないだろうか。
ちなみに、ロティサリ―というのは肉をグルグル回しながら直火で焼く調理方法。こんがり肉ならぬこんがりチキンって感じの料理らしい。

そして食べることに満足している。食事の必要は無くても空腹感のようなものはあったらしい。
そりゃ閉じ込められている間叫び続けるわけだ。人間に例えるなら餓死しない程度の点滴だけで生きていたに等しいのだから。
しかも生きたニワトリとこんがりチキンを並べた実験から、べつに積極的に生物を殺傷するわけでもないことが分かる。
食べる量は豚2頭とチキン3羽で満腹。なかなかに大食らいだが、大型動物の食費と考えれば安いものだ。




人間を狩るのは、空腹で、周りに他に何もなく、他に何も知らなかったからに過ぎない。



これまでの3つの実験から、音楽を聴き分け楽しみ、玩具を壊さないように気をつけて遊び、食事をえり好みする知性があることがわかった。
初版の報告書にあったのは、空腹の肉食動物が目の前の生餌を狩って食べていた、というだけだったらしい。
見たら存在ごと消えるのは確かに厄介だが、危険度で言ったらクマやライオンと大差ない、と言うか目視で消える点を考えればこちらの方が低い。どうしてコイツをKeterに分類したんだ。
ついでに言うならこれまでの実験にかかったコストも猛烈に安い。前室の設置のための改造はともかく、次いで高価なのが食用豚の購入費用*3だし、使った時間は実験3回、数時間程度でしかない。
前任者の杜撰さがどんどん浮き彫りになってきたところで次の実験へ。


第四試験 (共存能力) 2018/04/12

今度は1週間で実験再開。
前回の試験で生きたニワトリよりこんがりチキンを優先した様子から、満腹時なら生物との共存ができるのではないかと考えたらしい。

ということで、飽きるまでチキンを食べさせてから収容チャンバーに動物を入れてみることに。

試験1: SCP-5031は飽きるまで給餌された。生きた動物(一般的なニワトリ)が収容室に導入された。

結果: SCP-5031は離れた場所から対象を数分間観察した後、対象に向かって高速でボウリングボールを転がした。対象は即死した。SCP-5031のストレスレベルは即時かつ劇的に上昇した。

ファーストコンタクト、失敗。
しかし、即座に尻尾で切り付けず、観察してからボウリングの球(玩具)を転がしてみるあたり、
他の生物への認識が明確に変化しているのが見て取れる。

試験2: ボウリングボールは収容室から取り除かれた。SCP-5031は飽きるまで給餌された。生きた動物(一般的なニワトリ)が収容室に導入された。

結果: SCP-5031は対象に向かってそっとバスケットボールを転がした。ボールは対象に軽く当たった。対象は小さな鳴き声で返答し、遠ざかった。SCP-5031はそれ以上対象と交流しなかった。

セカンドコンタクト、いまいち。
先の実験でニワトリを害した原因を即座に学習、行動に移しているあたり流石の学習力である。
また、やはり積極的に生物を殺傷する意図は見られない。と言うかむしろ忌避し始めているらしいのがうかがえる。

試験3: SCP-5031は飽きるまで給餌された。生きた人間(Dクラス職員)が目隠しをした状態で収容室に導入された。
対象は座ってバスケットボールを前に転がし、戻ってくるまで待ち、その後もう一度転がすように指示された。

結果: 対象とSCP-5031は数分間問題なくボールを転がしあった。SCP-5031は最終的にこの遊びを止め、対象に接近した。安全プロトコルに則り、対象は目隠しを外してSCP-5031の活動を終了させた。

サードコンタクト、そこそこ。
これなら人間相手でも大丈夫そうだということで、満を持してDクラス投入。目視すると消失するので目隠しで。
結果、他者ときちんと加減した状態でボール遊びができることが分かった。
初めてボール遊びをしてくれた相手に、彼は何を思って近づいたのだろうか。
ここで危害を加えたという前例になったら困るので実験中断。

試験4: SCP-5031は飽きるまで給餌された。生きた人間(Dクラス職員)が収容室に導入された。
対象は壁に向かってテニスボールを投げ、跳ね返ったボールをそのまま背後に見送り、その後ボールを拾って同じ活動を繰り返すように指示された。

結果: SCP-5031は対象の背後に陣取って問題なくキャッチボールに従事し、壁にボールを跳ね返させる対象の動きを模倣した。

フォースコンタクト、成功。
傍らにいても人間に危害を加えることはなく、キャッチボールができた。
それまで単なる餌でしかなかったはずの、自分と異なる種族の生物に対し、様子を観察して行動を模倣する。これが本能的な行動だとすれば、かなり高度な社会性、共存能力を持っている可能性が高い。
というか、即座に模倣している「モノを投げる」という行為は、人類発展の要因でもあるかなり高度な技術。
見て即座に真似できるようなものではないはずなのだが。

結: SCP-5031の運動能力は急速に向上しているようだ。


第五試験 (シンボル) 2018/05/16

前回から一か月。収容室を改造して新たな実験。
これまでの試験で、彼がかなり高度な学習能力を持っていることがわかった。
ならば視覚、その中でも画像と記号(シンボル)の認識はどうかを確認する。

収容室の壁を改造し、液晶ディスプレイとセットになったフードディスペンサーが設置された。
画像を見て正確な判断ができるなら、適切なボタンを押してこんがりチキンを手に入れられる、と言う仕組みだ。
条件ごとに彼が満足するまでチキンを食べさせているので、今回の実験は日にちを分けて行われている。

ちなみに、画像や記号を現実のものと結びつけて認識できる動物というのはそれなりにいる。
そしてそういった能力を持つ動物は、得てして複雑な社会性を持った集団をつくる傾向にある。
この実験では、その素養があるかどうか、人間と共存可能であるかを確認しようとしたと思われる。


試験1: 2ヶ所のステーションを活性化させた。画面1は石の画像を表示しており、ボタンを押すと石が配布される。画面2はロティサリーチキンの画像を表示しており、ボタンを押すと一切れの鶏肉が配布される。

結果: SCP-5031は鶏肉の画像を数分間指で突いた後、最終的にボタンを押した。鶏肉はSCP-5031が満足するまで配布され続けた。

画像を見て、それがこんがりチキンと関連するというのはすぐに分かったらしい。
当然だが、これ以前にチキンの画像、と言うかそもそも画像などを見比べる機会などなかったはず。流石の理解力である。
そして画像とボタンとチキンの関係もあっさり把握。
とはいえ、これだけだとボタンの位置とチキンの関連を覚えただけかもしれない。なので次へ。

試験2: 画面表示と配布物資の位置を入れ替えた。

結果: SCP-5031は前日と同じボタンを押して石を受け取った。SCP-5031はその後、もう1つの画面へと移動し、鶏肉を配布するボタンを押した。

やはり「このボタンはチキンのボタン」と覚えていたらしい。
しかし即座にチキンの画像の元へ移動。ボタンを押してチキンを得た。
画像とボタンの対応についてきちんと学習できているらしい。なので次へ。

試験3: 画面表示と配布物資は当初の位置に戻されたが、最初の配布後にランダムな間隔で再び入れ替わるように設定された。

結果: SCP-5031はすぐに鶏肉の画像の隣にあるボタンに向かった。最初の配布中の入れ替えには混乱したようだが、画像を見て判断することを速やかに学習した。

押すたびにランダムに入れ替わるチキンと石を見分ける実験。
多少混乱したようだが、もう画像の識別とボタンへの対応の判断はしっかりとできているようだ。
ならば、画像ではなく記号ならどうだろうか。

試験4: 追加3ヶ所のステーション(画面、ボタン、ディスペンサー)を活性化させた。4ヶ所のステーションは“ROCK(石)”という単語を表示し、石を配布する。
1ヶ所のステーションのみが“CHICKEN(鶏肉)”という単語を表示し、鶏肉を配布する。配置は続く数日間で幾度かランダムに変化するように設定されている。

結果: 試行錯誤を通して、SCP-5031はどのステーションが鶏肉を配布するかを特定できた。SCP-5031はその後、画面が入れ替わるたびに“CHICKEN”表示のステーションへ移動した。

画面に表示されるものを画像から文字列に変更して実験。
これまでの実験で「ディスプレイが起動しているときに適切なボタンを押せばチキンが出てくる」と言うのは学習していたはずだが、
それを加味しても文字画像をチキンにつながる記号として認識、記憶できているのは大きい。
この辺りはもう脳の神経構造の領域になるもので、人工知能の画像認識システムでもずーっと研究され続けている議題であり、
人間でも頭部の怪我や病気によってできなくなることがあるぐらい高度なシステムだったりする。
これができた、と言うのはかなり重要な事実になる。非知性的とは何だったのか(3回目)

試験5: 1ヶ所を除く全てのステーションを非活性化させた。画面には単語“CHICKEN”が表示されている。ステーションの前には7個の木製ブロックがあり、それぞれに単語“CHICKEN”を構成する文字が記されている。
ブロックが正しい順番に並べられるまで、ステーションのボタンは点灯せず、機能しないように設定された。

結果: SCP-5031は明白に苛立った様子で非活性状態のボタンを繰り返し押し、尾で壁を殴打した。

前回の実験を加味して、「CHICKEN」という単語を「この順番に並んだアルファベットの集まり」として認識できるか実験。
さすがに難しすぎたのか、実験は失敗してしまった。しかし苛立った様子を見せても画面やディスペンサーを攻撃しなかったことは特筆すべきだろう。
それに、木製ブロックの登場もちょっと唐突過ぎた。ということで条件を変えて再挑戦。

試験6: 前回の試験と同一だが、画面に表示される単語“CHICKEN”の各文字に木製ブロックの写真が重ねられた。

結果: 12分後、SCP-5031は単語“CHICKEN”の組み立てに成功した。

大成功。
初めての実験からほんの数か月。文字を見てからわずか数日で、彼は文字、そして単語を一つ獲得した。

結: あいつは言語を学習できるぞ、ユーセフ。
これはサイト管理官へのハックステーブル博士のメッセージ。なんだか嬉しそうに感じる。


第六試験 (語彙) 2018/08/29

今回は実験内容ではなく実験結果の報告だけ。
前回の実験から3か月。その間、彼には様々な単語を覚えてもらった。
ということでまとめてドン。

食物
CHICKEN
(鶏肉)
TURKEY
(七面鳥)
PORK
(豚肉)
TOFU
(豆腐)
BEEF
(牛肉)
BREAD
(パン)
MORE SALT
(もっと塩)
MORE PEPPER
(もっと胡椒)
MORE COOKED
(もっと調理)
音楽
MOZART
(モーツァルト)
ENYA
(エンヤ)
BEN FOLDS
(ベン・フォールズ)
FOREST
(森)
SEASIDE
(海辺)
WHITE NOISE
(ホワイトノイズ)
MORE VOLUME
(音量高め)
LESS VOLUME
(音量低め)
SILENCE
(静寂)
遊び
BASKETBALL
(バスケットボール)
BOWLING BALL
(ボウリングボール)
TENNIS BALL
(テニスボール)
CAT
(ネコ)
DOG
(イヌ)
HUMAN
(ヒト)
ROBERT*4
(ロバート)
STANLEY
(スタンレー)
ALONE
(独り)

結: 語彙及び人間との交流の増加を通して、SCP-5031は次のような進歩を遂げている。

  • 食品の好みと料理の組み合わせの確立
  • 歌唱の学習 (非言語的)
  • ジャグリングの学習 (6本腕でのジャグリングは目を見張らずにいられない)

豆腐?たった3か月で随分と成長したことが見て取れる。
狩った獲物を食らうだけだった口は味付けと好みを覚え、叫ぶだけだった喉は歌を歌うようになった。
ボールを持つのも精いっぱいだった6本の腕で見事なジャグリングを披露するに至っては、彼の器用さを疑うべくもない。
というかハックステーブル博士の名前がリストにあるあたり、Dクラスだけでなく博士自身も彼と直接交流をとっているようだ。



適切な食事を与え、社会性を教え込むと、もはや人を殺したいという欲求はなくなった。



実験開始からたったの半年。
その間に彼は、他者と共に過ごすことを覚え、文字と言語を学び、6本の手で器用に遊ぶようになった。
恐ろしい怪物と思われていたのはもはや過去のこと。
さて、実験ログがもう少しだけ残っている。続きを見ていこう。


第七試験 (活動*5) 2018/10/05

前回の結果報告から一か月。
これまでいろいろな経験をしてきたSCP-5031だが、今回の実験ではそれらを自分の手で作ってもらう。
音楽を聴き、画像と文字を学び、色々なものを食べてきた。
それを実際に作ることができるか、手順と技法を学んで記憶し、それを実行できるかの実験だ。
……という建前ではあるのだろうが、博士が割と個人的な趣味で行った実験のように感じないでもない。
もちろん文字ブロックの時のような不備はなく、指導役としてDクラスが同席している。


試験1: テーブル、紙、クレヨンを収容室に導入した。生きた人間(D-52125)はSCP-5031に絵の描き方を実演するように指示された。

結果: SCP-5031は絵の描き方を学習した。SCP-5031の作品に描かれた識別可能な物にはD-52125、SCP-5031自身、ロティサリーチキン、ネコ、そして私が含まれる。

試験2: ピアノを収容室に導入した。生きた人間(D-52125)が目隠しをした状態で“チョップスティック”を演奏した後、SCP-5031を誘って一緒に演奏するように指示された。D-52125は事前に練習する時間を与えられた。

結果: SCP-5031は2日で“チョップスティック”の演奏を学習したが、オリジナルの音楽(発声込み)を作曲する方により強い興味を示したように思われる。SCP-5031の作曲は人間の基準からは未洗練と見做されるだろう。

試験3: 香辛料の入った棚を収容室に導入した。生きた人間(D-52125)が肉の味付けを実演するように指示された。

結果: SCP-5031は約3日連続で様々な食品と香辛料の組み合わせを試した。ガーリックパウダーを使い切った後、SCP-5031は文字ブロックで“MORE MORE MORE (もっともっともっと)”という単語を表した。

絵が描ける。描きたい相手がいる。
歌も歌える。自分で作曲だってできる。
料理もする。特にニンニクがお気に入りだ。

結: SCP-5031が芸術や音楽に取り組むのはD-52125が一緒にいる時だけだが、料理の仕込みには独りの時でも没頭し続けている。

すっかり顔なじみになったらしいD-52125は、SCP-5031からしても「友人」と言える立ち位置にいるのだろう。
そしてこれまでの食事で知った「美味しい」という感覚は、かつての人食いの怪物を見事に虜にしたらしい。

ところで、SCP-5031は直視した瞬間に消失してしまうわけだが、実演中にうっかり目線を向けたりしてしまうと作業が中断してしまう。
ピアノの演奏以外では明言されていないのだが、それを避けるためにD-52125は他の作業中でも目隠しをしたまま作業しているんじゃないか、と言う推察ができる。
もしそうなら彼はずいぶんと器用なDクラスということになるかもしれない。

あと、博士から平然と言及されているが、SCP-5031が自分自身の絵を描いている。
まあ消失の特性が自分自身を見ても発動するなら鏡や水面などの反射物の前から動けなくなりかねないので納得はできるのだが、予想外な形で詳細な外見情報が手に入りそうだ。
それを置いてもSCPが描いた自画像、なかなかに貴重で大切な資料である。



第八試験 (調理) 2019/01/04

前回の実験で、特に強く興味を示した料理についてのその後の結果報告。
基本的な台所用機材が収容チャンバー内に設置され、おなじみD-52125が実演することで料理を教えた。
なお、保安上の規則から包丁や串などの鋭利な器具は支給されなかったらしいが、
SCP-5031は自分の尻尾を器用に使って食材をカットしているらしい。

そして覚えた料理の一覧がこれ。

学習されたレシピ
ケサディーヤ タコス ハンバーガー
炒飯 モンゴリアンビーフ スパイシーチキンカレー
チョコチップクッキー スポンジケーキ
バタークリーム乗せ
ファッジ
クラムチャウダー ステーキ マカロン
チキンアドボ スモークサーモン シュークリーム

色々な調理法を経験させる意味もあったのだろうが、ずいぶんと多様な料理に手を出していたらしい。あと想像してたよりかなり尻尾が器用だコレ。
これはあくまでSCP-5031が「覚えた」レシピの一覧であり、実際にはもっと多くの料理を実演、実践したと思われる。
このDクラスホントに器用だな。もしかしてこれも目隠しで料理してるのか?

そしてその過程で、SCP-5031本人すら知らなかったであろう性質が発覚した。

結: SCP-5031には重度のピーナッツアレルギーがある。この情報は収容プロトコルの改訂版に含めなければいけない。
また、SCP-5031は今では平均的な人間よりも腕の良い料理人であり、レシピの自作を始めたことを付記しておきたい。
D-52125は試食役を志願している。

まさかの食品アレルギー発覚。しかも「重度の」と書かれるレベルで。食べた本人も食べさせたDクラスと博士たちもさぞかし肝を冷やしたことだろう。
これらの試験はあくまでオブジェクトクラスの再評価及び特別収容プロトコルの改訂のためのもの。
改訂されれば今後は食事を支給される以上、きちんと収容プロトコルには記載する。確保、収容、保護の理念のもとに。
本人はこれにめげることなく料理人としての修行を重ね続けているらしい。
しかしこのDクラスだいぶ太々(ふてぶて)しいな。妙に多彩な技能と言い、なんでDなんてやってるんだ。


更新 2019/06/30

SCP-5031が初めて言葉を話した。「Salt()」と。

私たちは皆、喜びに包まれている。

かつて非知性的な怪物と呼ばれていたSCP-5031は、言葉を覚え、言葉を発し、それを多くの人に喜ばれるようになった。


最終試験 2019/11/29

前回の実験からおよそ1年、言葉を発してから5か月。ついにSCP-5031への最終試験が行われた。
およそ2年に渡る実験で危険性が薄いことは証明されたと言ってもいいが、それでもKeterクラスに分類されたオブジェクト。
その最終試験の内容は……

SCP-5031は2ヶ月の猶予を与えられ、バイオサイト-59のカフェテリアで感謝祭に働く職員たちに提供される3コース料理*6の考案に取り組んだ。
SCP-5031は以下のレシピを選択した。

第1コース サツマイモとウコンの味噌汁。
第2コース アップルサイダーソースをかけ、クランベリーの砂糖煮をトッピングした鴨肉のコンフィ。
バターナット・スクウォッシュ・ニョッキを乗せ、トリュフ塩で味付けしたケールのサラダを添えて。
第3コース フレンチバニラアイスクリームとメープル・ヘーゼルナッツシロップをトッピングした
香辛料入りキャッサバパイ1切れ。

まさかの唐突な飯テロ。そしてすっかり料理人と化したSCP-5031。

いや待ってほしい。これもまた重要な要素を含む実験になっているのだ。
アメリカの感謝祭(サンクスギビングデイ)は、毎年11月の第4木曜日に開かれる国民の祝日。
収穫感謝日とも言われ、この日に行われる食事会は家族や友人を交えた大規模で重要なもの。
そんな日にも働く財団職員へ向けた食事のコースメニューとなると、単なる美味な料理というだけでは不十分だ。
感謝祭と言う文化的にも精神的にも重要なイベントで、職員たちの心と身体を喜ばせるようなもの。なおかつカフェで調理、提供するに程よいコストとレシピが望ましい。
人体への食事の影響と人間社会の風習、実際に調理するカフェの料理人などの他者への理解なども併せて判断する必要がある。
課題を得てから2か月間、学習と試行錯誤を繰り返した集大成こそが上記のディナーコースだったのだろう。

2019年の感謝祭は11月28日だったので、この記録はその翌日に書かれたようだ。


SCP-5031はまた、初公開となる自らの楽曲“六本腕のためのピアノソナタ”のライブパフォーマンスを収容室から放送し、職員たちから圧倒的な好評価を得た。
SCP-5031のストレスレベルは0%である。実験は成功裏に終了した。承認を受けるため、改訂版の文書を提出した。


以上が、SCP-5031への実験ログになる。

きっと新たな収容プロトコルでは、無駄に分厚い鋼鉄の壁は必要なくなる。
定期的に食料の供給される、ピアノとキッチン、オーディオ設備の備え付けられた収容室になる事だろう。



SCP-5031はオブジェクトである。
浮遊するおおむねヒト型の実体であり、文字と言語によるコミュニケーションが可能だ。
高度な知性と学習能力を備え、六本の前肢でもって様々な作業を器用に行う。
呼吸や食事、睡眠を必要とせず、無補給でも24時間活動を継続できるが、嗜好品として食物を消費する。
また固有の特性として、人間が視認している間はその場から消失し、目線を逸らした瞬間に再出現する。


財団が収容を止めることはない。SCP-5031は正常な社会にとっての異物であり、財団にとっての収容対象なのだから。
だがそれでも、これまで積み重ねた多くの試験結果は、現在このオブジェクトが敵対的でも脅威でもないことを証明している。
それどころか、適切に対応する限りサイトの職員たちにとって有益ですらある。SCP-999SCP-131のようにサイト内を自由に行動、とまではいかないだろうが。

野生で生きる獣だった存在に、音楽を、遊びを、食事を与え、誰かと共に語り過ごすことを教えた。
それは家畜に首輪をつけるような、幼子を偏った教育で染め上げるようなものだったのかもしれない。
それでも、これまでの試験と交流の中で多くのことを学んだSCP-5031が、以前のような行動をとることはない。
それは今の生活が彼にとって好ましいものだからのはずだ。


ありふれた怪物は姿を消し、
稀代の料理人がそこに居た。


だからもう

SCP-5031 - Yet Another Murder Monster(ありきたりな殺人モンスター)


そんなものは、此処には居ない。


「何が怪物を殺したか? ……まずは素晴らしい音楽、そして美味しい料理だったな。」


余談

◆先任の博士について
この記事を読んだアニヲタ諸兄の中にはこう思った方もいると思う。
「ちょっと前任の博士無能すぎない?」「とんとん拍子に上手くいきすぎじゃないか?」
これに対しては、ディスカッション内で作者のPeppersGhost氏よりいくつかの返答が記されている。
要約すると下記の通り。
  • 財団のような巨大な組織が常に完璧に運営され続けるなどありえない。
  • 見落とし、利権、無能な有力者。良い教訓が必ず活用されるとは限らない。
  • それでも、誤りは修正され、財団内の規則や習慣は時とともに変化し続ける。
  • 財団世界では、これ(2020年に記述)以前には収容物に対する慈悲深いアプローチはほとんど存在しなかった。
  • 現在の流行を元に、過去10年間の財団を否定することはできない。
  • 今回行われた実験が、入念な事前調整と安全保障の上で行われなかった証拠はない。

アニヲタWikiにSCPについての記事が作られ始めてずいぶんになるが、過去の作品をいくつか思い出していただきたい。

財団に限らず、作中でやらかしている組織は割と多い。財団ならSCP-1337SCP-3127などが筆頭だし、GOCだってSCP-2002やSCP-1609*7みたいなことをしている。
マナ日本生類創研に至っては説明不要なレベルだろう。
それでも、失敗に気付きそれを正す人も、無責任を許さない良識を持った人もいる。
世界はそんな人々によって描かれている。

また収容プロトコルや実験記録で、多少なりとも知性を持つオブジェクトに対して積極的に関わりを持とうとしているものがどれだけあるだろうか。
SCP-073SCP-811SCP-132-JPなどごく一部の例外を除けば、「安定して収容できるならその状態を維持」というのが通例だった。
かつて『たのしいざいだん』と呼ばれた時期があったような、悪趣味なホラー作家の集団とも称されるSCP Foundationの参加者たちも徐々に移り変わっている。
さして脅威がないとわかった上でなお、得られた情報から丁寧に類推して実験を繰り返した今回の記事は、そういった側面も表しているのだろう。

あと、オブジェクトクラスがKeterなのは、不気味な殺人モンスターはとりあえずKeter分類だった過去の投稿記事へのややメタ的なオマージュらしい。



◆SCP-5031の変遷について
念のため言っておくが、これはSCPオブジェクトとしては極めて希少な例に当たる。

SCP-5031が極めて高い記憶力と学習能力を持っていることはこれまでの実験記録から読み取れるが、
この知性でもって財団、もしくは人類に敵対した場合、それなり以上に厄介なことになった可能性がある。
実験などで危害を加え、人類が敵対的な存在だと学習されていれば、この奇跡も起こらなかったかもしれない。
  • 10年間、財団は閉じ込めるだけで直接的な危害を加えなかったこと
  • ハックステーブル博士が丁寧に段階を踏んで検証と試験、教育を行ったこと
  • SCP-5031自身にそれを理解し適応するだけの素養があったこと
これらが奇跡的に噛み合わさったことで、彼はサイト内で受け入れられるに至ったのだ。

というかオブジェクトはたいてい悪意マシマシ1000%な性質をしているので、迂闊な交流は甚大な被害をもたらしかねない*8。財団が冷酷を保つのはそれを防ぐためでもある。
そういう意味で言えば、実体のあるオブジェクトを初手で強固な収容チャンバーに隔離したのは間違いではない。
ハックステーブル博士も最初の一文の中で有効であることは認めている。初手Keter分類してそのまま放置したのがいけなかった。
今回はSCP-5031が特に無垢で善良な性格だったというのもあるのだが。


◆その他
財団のやらかしとその後の感動的なリカバリーから本部でも指折りの人気オブジェクトの一つで、2025年12月の時点で評価値+3000オーバーという高評価を得ている。
また実際の容姿が不明ということもあってか、様々な外見をしたSCP-5031のイラストが投稿されている。なぜかアスキーアートもある。


著者はジョン.H.ペッパー博士ことPeppersGhost氏。
当wiki内ではSCP-001提言SCP-4000の著者としての知名度が高いだろうか。
……あとはJoke記事の先鋒たるSCP-666½-Jもこの方の作品だったりする。

氏は本家のディスカッション内で、SCP-5031の外見についても言及している。
Youtubeサイト内でSCPの解説動画を投稿しているThe Volgun氏の3Dモデルがかなりイメージに近いらしい。
興味のある方は目の前の箱、もしくは手元の板で検索していただきたい。



+ 最後に
本部のディスカッション、その最初の書き込みとして、PeppersGhost氏は下記の一文を掲示している。
しかし批評家である我々が直面せねばならない不都合な真実として、
大局的に見れば、
凡庸な駄作一つ一つが、それをそう断じる我々の批評よりもおそらく意味があるということだ。

                                    -アントン・イーゴ-

前任の博士は確かに多くの間違いを放置していたが、それでも人を襲う不可視の怪物を確保し、収容することに成功していた。
収容後のあれこれと保護の部分が粗雑すぎたために今回のような経緯となったが、それでも為すべきことを為した。それは否定してはいけないのだろう。
作中で生きる彼らの行動は、第4の壁越しにつぶやくだけの我等の言葉よりずっと価値がある。きっと、おそらく。
……初手Keter分類したままろくな調査記録も残さなかったことについてはフォローしづらいが。


追記・修正はちょっと変わった隣人と、ピーナッツ抜きの料理を食べつつお願いします。


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最終更新:2026年04月13日 17:51

*1 危険物収容連絡監督者。特別収容プロトコルの設定や実験の承認など、オブジェクトの管理・監督を担当することが多い役職

*2 原文ではActivities 意訳するなら「実践」や「課外活動」といったところだろうか

*3 体重50kg程度なら一頭4~8万円前後

*4 D-52125のこと。おそらくボールころがしおよびキャッチボールを初めて行ったのも彼だと思われる

*5 原文ではActivities 意訳するなら「実践」や「課外活動」といったところだろうか

*6 前菜、主菜、デザートで構成される一般的なコース料理の型式

*7 異常性を持った椅子だったものの残骸。GOCによって粉砕された結果、重度のトラウマを負って殺傷活動に走るようになった。現在は花壇の保護材としてメンタルケア中

*8 顕著な例がどこぞのキチクマである。