燻製

登録日:2011/11/13 Sun 22:09:12
更新日:2023/11/21 Tue 09:37:32
所要時間:約 4 分で読めます




燻製(くんせい)とは、食材を煙で燻し、保存性を高めたものである。

  • 目次

■概要

燻すことで水分が抜け、また煙に含まれる殺菌成分が食材に染み込む事で、長持ちする。
その他に薫りをつける意味合いも強い。
と言うよりむしろ、冷凍・冷蔵技術の発達した昨今は、保存食としてより、薫りを楽しむものとなりつつある。故に「薫製」とも呼ばれる。

燻製には、非常に高い温度で燻す「熱燻」、一般的に行われている「温燻」、冷たい煙で燻す「冷燻」の三種類が存在する。

しかし、熱燻と冷燻は、大掛かりな設備が必要なので、一般家庭では温燻のみが行われるのが普通。


■主な燻製品


◆鰹節

日本の代表的な燻製品。良い出汁が取れる。
海外にもたまに似たような乾物があるが、燻製にするのは日本のみ。
「熱燻」なので家庭では普通作れない。


◆ベーコン、ハム

豚バラを使えばベーコン、股肉を使えばハムとなる。
「温燻」なので家庭でも出来る。
手作りベーコンは、燻製作りのスタートにして到達点と言える。


◆燻製卵

ゆで卵の燻製。略して「くんたま」。ラーメンに入ってるあれ。
これも比較的簡単なので、作ってインスタントラーメンに乗せよう。手作りベーコンやハムも隣に…。


◆スモークチーズ

チーズを燻製にしたもの。普通は「冷燻」で作られるが、「温燻」でも出来なくは無い。しかし、すぐに蕩けるので上級者向き。
ベーコンを50s作ってから挑戦しよう。


◆スモークサーモン

基本的には「冷燻」で作られているが、高温で燻すホットスモークサーモンも北欧では冷燻製と並んでよく食べられている。
高温で燻す場合は、まずは50℃程度で挑戦して、慣れたら好きな温度に調整しよう。


◆生ハム

イタリアのパルマ地方のものが有名。
火は通さない。本当に生。それでも腐らないのは、煙の殺菌作用と、職人達により刷り込まれた塩のおかげ。
本場には「生ベーコン」も存在する。
ジュルリ…(^p^)


ソーセージ

豚などの腸に挽き肉を詰めたもの。
基本的に「熱燻」されるが、「温燻」でも出来る。
手作りソーセージでビールはいかが?
ハーブを入れたり、生クリームを入れたりして、バリエーションを楽しもう。


◆サラミ、カルパス(ドライソーセージ)

ざっくり言えば、合い挽き肉の詰め物。肉を塩漬・乾燥・熟成させることで保存性を高めている。
ちなみに、サラミはイタリア発の食肉製品だが、カルパスはロシア発という違いがある。
また、サラミは主に牛豚の合い挽き肉を使用するが、カルパスはそれらに加えて鶏肉も使用する。


ビーフジャーキー

いわゆる干し肉。既製品は燻製がほとんどだが、燻煙しないものもなくはない。
その気になれば手作りすることも可能。
水分を徹底的に抜くことで肉の旨味が濃縮されており、噛む度に肉の旨味が口の中に広がる。
他人が食ってるとやたらと旨そうに見える。一度咀嚼したやつとか。


◆スモークオイルサーディン、キッパー

前者は黄金色に輝くイワシの燻製、後者はニシンの燻製の油漬け(の缶詰)。
どちらもラトビア(バルト海)産のものが有名。
スモークがつかないオイルサーディンはただの油漬けだが、食べ方はあまり変わらない。
醤油を少し垂らしてご飯のおかずにするも良し、そのまま酒のつまみにするも良し。
もともとあちら(西洋)の食材なので、パスタ、サラダ、サンドイッチ等にも使える。
キッパーも似たような食べ方をする。無論魚が違うため味は違うが。
英国やアイルランドでは朝食の定番食材として親しまれている。朝食の食材だから味の心配は無用。


◆いぶり漬け(いぶりがっこ)

主に秋田県(の内陸部)で親しまれている燻製の漬物。大根を燻したものが多い。
囲炉裏の上に野菜を吊るして乾燥・燻煙したのち、米ぬかと塩を漬け込む。燻煙の有無を除けばたくあんに近い。
というか、たくあんを作る際には天日干しが不可欠だが、この地域では降雪の影響で屋外に干すことが難しかった。
そこで天日干しのかわりに囲炉裏の熱と煙で燻すことを思いつき、そのような工程を経て作られた漬物がいぶり漬けの原型となったといわれている。
なお、"がっこ"とは秋田弁で漬物のことを指す。
ちなみに、「いぶりがっこ」は商標登録されているが、名称なのかデザインなのか、商標権を持つ先発業者と後発業者らで主張が食い違い揉めているらしい



燻製に興味のある方は、ネットで検索すればセットが出てくるので調べよう。
もっとも、中華鍋と網と木材があれば出来るのだが…。
長くなるので省略。

燻製に使われる木材は、ナラ、ブナ、リンゴミカン、サクラなど。
リンゴの木は、本当に強烈なリンゴの香りがするよ。
どれもとても良い香りなので、是非色々試してみよう。

また、燻製にする食材は、基本的に、「脂分が多いもの」を選ぶとうまくいきやすい。
やろうと思えば、野菜でも果物でも燻製になるけど、だいたい干からびてしまうので、これは頭に入れておこう。

しかし、近年は、燻製したように見せかけるだけの「燻製液」*1などがメーカーで出回っており、実際には煙で燻していないものすら存在する。実に残念だ。
そんな紛い物のベーコンを掴まされるより、いっそ自分でベーコンを作って見るのもいいかもしれない。


追記、修正は、手作りベーコンに舌鼓をうってからお願いします。

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最終更新:2023年11月21日 09:37

*1 材料欄には主に「くん液」と書かれている。