登録日:2012/02/10(金) 23:40:06
更新日:2024/11/07 Thu 16:51:29
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『リュウグウノツカイ』とは魚類の一種。
【概要】
アカマンボウ目リュウグウノツカイ科に属する魚類。
なお、アカマンボウ目は、よく知られる
マンボウとは関係ない。
因みにリュウグウノツカイ属に含まれているのはこのお方だけ。…孤高の存在なのである。
群れは作らず常に独りで一匹狼の面も持つ。
学名は“Regalecus russelli”。
◆お姿
の一言に尽きる。
その体は魚類の中でも特徴的な色彩をしている。
きらびやかな銀白色の体に、綺麗な薄い青色の線状の模様が入っており、背ビレ、胸ビレ、腹ビレは鮮やかな紅色に染まっている。
まさに和名「竜宮の遣い」の名にふさわしい美しさである。
美し過ぎて見とれて悩み事も吹っ飛んでしまう程。
この素晴らしい和名を名付けた学者に感謝しよう。
一般的な個体の全長は3mほど。
だが、最大では11m、体重272kgに達した個体が報告されており硬骨魚類の中では世界最長。
…3mでも十分大きいです。
◆生態
深海魚全般に言える事だが正確な生態はほとんど解明されていない。
・棲息域
太平洋・インド洋・大西洋など、世界中の海の外洋に幅広く分布。
だが深海は暗く、200~1000mの水深に棲息しているので行くのも発見するのも困難。
そのため泳いでる姿の映像記録は非常に乏しい。…このお方は秘密主義なのである。
しかし時折死亡した状態で海岸や港に漂流したり網に引っ掛かってその姿を見せるドジッ子の面も持つのである。可愛い。
なんと
日本では奇跡的に
生きたまま水族館に展示された事がある。
展示後約30分で死亡したが。_見せ物にされて怒ったのだろう。
なお、2019年には
沖縄県でリュウグウノツカイ2匹が定置網に引っかかっているのが発見された。
この2匹は衰弱しており回収後死んでしまったのだが、重要なのは生殖機能は完全に死滅しておらず、しかも2匹の内訳はオスとメスが1匹ずつだったという点。
というわけで沖縄美ら島財団総合研究センターは精子と卵子を取り出し、
人工授精をさせる。
その結果なんと
20匹の稚魚が孵化。これは
世界初の快挙であった。
もっとも、残念ながらその後稚魚達は全滅してしまったのだが…
因みに死亡後にはその美しい色を失ってしまう。あくまでも秘密主義なのだ。
このように発見された際に話題になる一方で、遥か深海に棲むリュウグウノツカイが浜辺に打ち上げられるのを不吉の象徴とし、大地震や大津波が来る予兆であるという噂も囁かれている。
・泳ぎ
普段は全身を直立状態で静止し、移動時に体を斜めに傾け長い背ビレを波打たせて泳ぐ。
・鱗
なんと鱗を持たない。
・歯
歯も持たない。
・鰾(浮き袋)
浮き袋すらも持たない。生物の武器にも頼らないのである。
これは深海魚に多く見られる特徴の一つ。浮き袋にガスを溜め込んでいると、深海の高水圧に負けて潰れてしまうのだ。
・胴体
必要に応じて後ろ側を切り離せる。これを「自切」という。
トカゲの尻尾同様に自衛のために自切する他、長い体を維持するのにもエネルギーを消費するため、飢餓状態になると省エネのために自切するのだとか。
ちなみに魚の内臓は体の前の方に集まっているので、体の後ろ側を切り離しても致命傷にはならないようだ。
・食性
食性はプランクトン食性と推測されており、オキアミなどの甲殻類を主に捕食している。
腹ビレの膨らんだ部分には多数の化学受容器が備わっており、この機能で餌を探知する事がわかっており、中々ハイテク性能。
・卵
浮性卵で海中を浮遊しながら発生し、孵化後の仔魚は外洋の海面近くでプランクトンを餌として成長する。
成長につれて深海に潜るらしい。…里想いなお方なのだ。
◆様々な名前
〇英名
細長く先端が膨らんだ腹ビレがオールに似ている事から。
- King of Herrings
Herringには「ニシン」「灰色」という意味があり、直訳すると「ニシンの王」。
この名付け親はセンスがないようだ。
意訳して、「灰衣の王」とか呼べば少しはマシ…か?
カラフルで細長く薄い体が
リボンに似ている事から納得である。
〇日本
その美しい姿から竜宮からの遣いに見えたため。
その細長く薄い姿、銀色から竜宮を守る
刀に見えたため。
剣のような色、姿に加え、蛇のようにも見えたため。…かっこいい。
モンハンみたいとか言ってはいけない。
その姿が江戸時代の吉原の遊女が羽織る天女の羽衣のように美しかったため。…エロい。
外国ではジュゴンやアザラシなどが人魚と見られていたが、日本ではリュウグウノツカイらしい。…美しい姿だが少し無理がある。
「シー・サーペント」説の元となったと考えられている。
その巨大な姿が海岸に漂着するたび驚いた昔の人はシー・サーペントを想像したのだろう。
◆リュウグウノツカイ様の活躍
- 東方Project
- 登場キャラクターの一人、永江 衣玖のモデル。詳しくは項目にて。
…可愛い。
- ポケットモンスター
- ミロカロスのモデルと思われる。
- サクラビスはテングギンザメがモチーフと思われるが、上部の突起からこのお方もモチーフに入っているのでは…、と推測するファンもいる。
…え?ハンなんとかさん?
- 遊戯王OCG
- 「竜宮の白タウナギ」として登場。タ…ウナギ?タウナギはリュウグウノツカイとは全く別の生物なのだが…。
ただし、見た目はタウナギではなく、ほぼリュウグウノツカイそのまま。
今日もシーラカンスデッキで頑張ってます。
- オーシャンハンター(SEGAのガンシューティングゲーム)
- ナーガという名前で中ボスとして登場。
凄い遠回りな進路で体当たりを仕掛けてくるのでダメージを貰う前に倒せる。
「ドンドン打ち込め!」
- ONE PIECE
- 魚人島編で、リュウグウノツカイの人魚・リュウボシ王子(第2王子)が登場。
また王族の輿を乗せた巨大サイズの原型様も…乗ってみたい。
- うたう大竜宮城
- 聖☆おにいさん
- 沖縄にブッダ様がご旅行に行かれたため、説法をお聞きになる為に深海から浮上なさった。
イエス様のお父様曰く「深海の生き物は深夜テンションで作っちゃった」らしい。
- ダライアスシリーズ
- バーストにダークヘリオスのモチーフとして登場。なんと装甲を脱がせることが出来る。(いやらしい意味でない)
亜種としてダークフレイム(脱がない)とダークフレア(幼体?)が存在する。
また同シリーズにはピースデストロイヤーという同モチーフの別型艦も存在。こちらは中へ入ることが出来る。(いやらしい意味では(ry)
ちなみにダークヘリオス脱衣後の正体はサイバリオン。
元々はTHIMAの機械生命体だがベルサー星人に有人機として改造されている。
- どうぶつの森シリーズ
- 結構なお値段(最新作『あつまれ どうぶつの森』では9000ベル)で売れる高級魚。
ちなみに他の魚同様博物館に寄贈するときちんと生きた状態で展示される。
上記の通り飼育するのはとんでもなく難しいはずなのだがそれができてるフータって何者なんだろうか。
- デジタルモンスター
- 学名の“Regalecus”を冠するレガレクスモン(究極体・水棲型・ウィルス種)が存在。
人型で、頭部がリュウグウノツカイをモチーフとした形をしている。
ただ、性格は他のデジモンの餌場や縄張りに強襲・略奪を繰り返す海賊染みたもの。
◆食べてみた感想
肉は白身で軟らかく、脂っぽい上に殆ど味がないので、食用には適さないらしい。
一方で塩焼きにすると(水がたくさん出てくるが、)皮ごと美味しく食べられるとか、味噌漬けにすると味がついて美味しい等、全くダメではないようである。
追記・修正はこのお方のように美しい人がお願いします。
- 剣蛇竜わろ。ダラ・アマデュラかよw -- 名無しさん (2014-06-13 22:31:26)
- スパイダーウィックの妖精図鑑のシー・サーパントはモロにリュウグウノツカイだった。蛇ちゃいますやんwwww -- 名無しさん (2015-01-06 09:49:51)
- 美しいか?見たらびっくりするだろこれ -- 名無しさん (2015-04-13 04:58:36)
- ぶっちゃけ美しいというか細長くて気持ちわr -- 名無しさん (2015-04-13 06:39:29)
- 深海魚の宿命だが検索してトップにくる画像が… -- 名無しさん (2016-06-18 20:28:35)
- むろみさんでよく引っかかってたイメージ… -- 名無しさん (2016-06-18 20:51:32)
- 最初に名前を知ったのが、夢界異邦人ってラノベだった。 -- 名無しさん (2016-09-23 15:51:16)
- ちなみに最近になって自分の肉を食べる事がわかったらしい あえて体が一回り大きいのは非常食も兼ねていることだったりする -- 名無しさん (2017-07-21 12:17:34)
- 漫画アークで魚族シンクロ使いが出た!タウナギの出番クルー? -- 名無しさん (2017-07-21 17:44:55)
- シーサーペント系UMAの元ネタの1つだったりするのかな -- 名無しさん (2017-12-30 18:02:49)
- 荒らしコメ削除 -- 名無しさん (2018-09-28 12:54:09)
- 人間が手を出してはいけない生き物。というか手を加えるのが不可能な生き物 -- 名無しさん (2022-01-01 16:13:32)
- マリア(ぴちぴちピッチ) -- 名無しさん (2024-07-14 11:46:02)
- 日本海側の海辺に住んでる友人曰く「天変地異の前触れとか大騒ぎするほど珍しいものじゃないが、ネットニュースやSNSの発展でやたら大発見風に拡散されている」とのこと。 -- 名無しさん (2024-11-07 16:12:52)
最終更新:2024年11月07日 16:51