ミロカロス

登録日:2010/09/08 Wed 21:34:47
更新日:2025/09/12 Fri 12:48:55
所要時間:約 14 分で読めます





最も美しいポケモンといわれている。怒りや憎しみの心を癒して争いを鎮める力を持っている。




出典:ポケットモンスター、117話『VSシロナ!アイリス、ドラゴンマスターへの道!!』、
19年11月17日~2022年12月16日まで放送。
OLM、テレビ東京、MEDIANET、ShoPro、
©Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku ©Pokémon


ミロカロスとはポケットモンスターシリーズにルビー・サファイアから登場するポケモン


◆データ


全国図鑑No.350
分類:いつくしみポケモン
英語名:Milotic
高さ:6.2m
重さ:162.0kg
タマゴグループ:水中1/ドラゴン
性別比率:♂50♀50

タイプ:みず

通常特性:ふしぎなうろこ(状態異常のとき、ぼうぎょが1.5倍になる。)
    : かちき(相手に能力を下げられると、特攻が2段階上がる。)
隠れ特性:メロメロボディ(接触技を受けた際、30%の確率で相手をメロメロにする。フィールドで先頭にすると異性のポケモンが出現しやすくなる)


HP:95
攻撃:60
防御:79
特攻:100
特防:125
素早さ:81
合計:540

努力値:特防+2

ヒンバスの「うつくしさ」を170以上にしてレベルアップすると進化する。
「うつくしさ」のステータスを上げる方法がない作品では「きれいなウロコ」を持たせて通信交換すると進化する。

◆ヒンバス


全国図鑑No.349
分類:さかなポケモン
英語名:Feebas
高さ:0.6m
重さ:7.4kg

タイプ:みず

通常特性:すいすい(天気が雨のとき素早さが2倍になる)
    :どんかん(メロメロ、ゆうわく、ちょうはつ状態にならない。特性いかくを受けない。)
隠れ特性:てきおうりょく(タイプ一致技の威力補正が2倍になる。)


ボロボロのヒレを持つ小さい魚の姿をしたポケモン。
そのみすぼらしく弱々しい容姿故に誰からも相手にされず、獲物にもされないため、どんどん増えていく。
雑食性でどんなに汚い川や水辺でも生活できる生命力&適応力を持ち、近年では研究対象になっている。
水草の多い池や川底で大勢集まって暮らしている。生息数は多いが、一箇所に集まる習性のため、なかなか出会えない。
泳ぐスピードはノロマですぐ捕まってしまう。


◆概要


頭に赤く長い触角と、下向きに長いもみあげのような鰭を持つ。
肌色のボディの下半分には方向によってにもピンクにも見える「虹色」の鱗を持った蛇体型のポケモン。綺麗な湖に住むとされる。下半身の鱗は現実で言う海外ポルノ女優の刺青かと思わせるような艶やかなセンスである。

見た者の心を癒やすとされ、湖から人々の前に現れ、怒りや憎しみの心を癒やす波動を放つ。
しかし、実際に「いやしのはどう」を覚えるわけではない。

「世界一美しいポケモン」と言われ、ミロカロスをモデルにした絵画・彫刻が多くある(パール図鑑説明)。
その割に長らくゲーム内では登場しなかったが、XYのパルファム宮殿でミロカロスの彫刻を拝むことができる。
しかし、XYでは野生で登場しない。カロス地方なのに。


モデルとなった実在の生物は、一説にリュウグウノツカイと言われる。

◆ゲームでのミロカロス


  • 第三世代(ルビー・サファイア・エメラルド)

初出は第三世代初の作品である「ルビー・サファイア」。
ミロカロスは120番道路にいるエリートトレーナーヤエコおよびルネシティジムリーダーミクリが使用する。
ただし前者のほうは、この時点で雨状態のミロカロスはキツイと制作側が考えたのか、一端のモブが使うポケモンとしては不釣り合いとみなされたのか、エメラルドではヤミラミに変更されている。

当時は弱点でんきくさタイプが特殊技だったため高い特防が幸いしてかなり硬く、
場合によってはわざわざ弱点を突くより威力のある物理技で攻めたほうが効いた場合もあった。

エメラルドではチャンピオンになったミクリの切り札として相変わらず使われ、
先代チャンピオン・ダイゴメタグロスとは、また異なる強さを誇る。
さらにバトルフロンティアチューブクイーンアザミもつかう。

なお、進化前のヒンバスは「ルビー・サファイア・エメラルド」共通で後述する119番道路にいるつりびとが繰り出してくる。
本作のつりびとで使ってくるのは彼だけなので珍しいポケモンではあるが、戦闘面ではコイキングと同レベルの弱さなので印象には残りにくい。
戦闘前には本人いわく「なみのりしながら釣り上げたポケモン」と口にしており、後述するヒンバス釣りのヒントを示唆していたのかもしれない。
「エメラルド」ではルネシティジムにいる大好きクラブもヒンバスを使うように。こちらは技マシンで技をカスタマイズしているが、所詮はヒンバスなので弱い。

また、入手方法の大変さでも有名。ミロカロスは野生では出現しないため、進化前のヒンバスから入手する事になる。
ヒンバス自体は捕捉率が高いため、捕獲自体は非常に簡単。捕獲するだけであれば。
問題なのはそのヒンバスを見つける方法であり、119番道路の広大な川の中*1からわずか6マスのポイントでのみ釣りあげられるという鬼畜仕様なのである。
釣り竿自体は何を使ってもよく「ボロのつりざお」でも普通に釣れる……のだが、RSEの釣りの仕様がこれまた面倒くさく時間をどんどん奪われていく。*2
「エメラルド」なら特性「きゅうばん」または「ねんちゃく」持ちのポケモンを先頭に置くと、ヒットしやすくなるので併用すると良い。

しかもヒンバスが釣れるポイントで100%釣れるというわけではないため、2,3回釣ってから移動するということを試さないといけないという酷すぎる仕様。(ポイントでヒンバスが釣れる確率は50%らしい)
釣るにも釣れず、交換で貰おうにもそんな友達がいない皆は泣くしかなく、入手した友人に「このポイントで釣れた」と教わって釣りに行っても釣れるのはコイキングとかキバニアばかりなんてこともしばしばあった。
まだ通信ケーブルが主流だった時代なので、当然Wi-Fi通信もGTSも存在せず。双方のバージョンで入手できるにもかかわらず、これほどまでに入手難度が高いポケモンはこの世代では他に類を見ない。
友人にヒンバスをくれと頼まれた結果タマゴ孵化という手段に行き当たるなど、小中学生のコミュニティにおけるポケモン知識の発展にも寄与することになった。手に入れた人は羨まれたものである。

ミカルゲが登場するまでは「自力入手が最も難しいポケモン」として有名であり、現在でもミカルゲ(第四世代)とともにたびたび話題になる。
レンタルwikiすら一般的でなかったようなGBA時代には「ヒンバス漁業組合情報局」というヒンバス捕獲専門のサイトまで出来たほど。
現在は閉鎖されているが、一応アーカイブがあるので見ることは可能。当時第三世代を好んでプレイしていた人達には馴染み深かったサイトの一つとして、サイト名が挙げられたりも。年代がモロバレルけど

昔は今ほど情報が正確でなかったのもあり、プレイヤー間や攻略本経由での誤った情報を覚えたままの人が多く、ネットの海にはヒンバスに関する様々な誤情報(ガセネタ)が残骸のように漂っている。
以前本項目にも「30分でランダムに変わる(ガセネタ。あまりにも短すぎる)」「ムロタウンの流行語に応じて位置が変化する(一部の攻略本に書かれていた情報)」というような説明が書いてあったが、当時の有名な誤情報である。
正確には「ムロタウンの流行語が変化するタイミングでヒンバスが釣れるポイントが変わる」であり、同じ流行語だから同じ場所に出現するようになるわけではない。
また「他プレイヤーとレコードチェンジをすると他のプレイヤーとヒンバスを釣れるポイントを共有できるようになる」という仕様が当時有名で、確かにレコードを混ぜると流行語は誰かと同じになるが、先述の通り同じ流行語=同じ場所ではないため、これもどうやらガセらしい(未確認)。そもそももうレコードチェンジなんて知ってる人おらんよ……

ムロタウンの流行語が変化するのは時間経過……すなわちソフトの内蔵電池が動き続けている限り、数日置きで変わる事を意味する。
そのため、ヒンバスが釣れるポイントを探す場合は119番道路の長い川を上流から下流(またはその逆)にかけて、しらみつぶしに1マスずつ釣り上げては確認していく作業が求められる。
すぐに見つかればそれで終われるが、見つからなければ長い時間を要する事になる。親からゲームを長くプレイさせてもらえない環境下だとキツかったのは言うまでもない。

しかもヒンバスの鬼っぷりはここで終わりではない。ヒンバスは本作ならではの変わり種な進化条件を要求してくるポケモンで、それは「コンディションのうつくしさを170以上にしてからレベルアップする」というもの。
当時のポロックは「けづや」という限界値的な概念があり、この「けづや」が255になってしまうとそれ以上ポロックを食べてくれない。この時ヒンバスのうつくしさが足りていないと、そのヒンバスは永遠に進化できなくなる。何でコンディション&けづやをリセットするシステム作らなかったし
それほど難しい条件ではないのだが「カゴのみ」「ブリーのみ」「ゴスのみ」などの入手性のいい木の実を考え無しに使うとやらかしがちであり、だいたいコンテスト用のポケモンを作ろうとすると最初の1匹目でこれをやらかす。その最初の1匹目がヒンバスだったら……ご愁傷様です。
うつくしさを上げる「しぶさ」が強いきのみとしては「シーヤのみ」「リュガのみ」が特に効果が高い。
…しかし、どちらもレア度が高い上に入手性まで悪く、そう簡単にポンポンと増産して使えなかったため、現在では努力値リセットに使われて、まだ増産しやすい「ネコブのみ」がもっぱらヒンバス入手のために用いられた。

以降の世代では入手性が改善されたりされてなかったりで、今となっては無理に第三世代で釣る必要性はない。
しかし第三世代内でのヒンバスは119番道路で探して釣り上げるか、今も第三世代で遊び続けるプレイヤーから頼んで直接譲ってもらう以外での入手はできない。
要するに入手面に対しての救済措置が無い。そのため、第三世代のヒンバスとミロカロスはポケモン図鑑完成の障壁の一つになり得る存在である。

現在の「ルビー・サファイア・エメラルド」の各種ソフトは内蔵電池切れしている物が多く、それらはゲーム内の時間が流れない=全ての時間イベントが機能しなくなっている。
そのため、電池切れしたソフトでは釣りポイントが数日置きに変化する事がなく、じっくり腰を据えてヒンバスポイントを探せる。ポイントを見つければいつでも何度でも釣り放題だ!
えっ? 時間が流れないから各地のNPCからきのみが1回だけしか貰えないし、きのみを土に埋めて育てて増やせない? ……周回プレイして地道に集めればいいんじゃね(適当)

当時のプレイヤーかどうかを判別する方法のひとつに「第三・第四ヒンバス絡みのネタを尋ねてどれくらいよどみなく答えられるか」というものがある。
どちらかについてものすごく話してくれたら間違いなくその世代の現役プレイヤーだ。逆にどこかで聞いたことのある話しか言わない場合は…エンジョイ勢か、さほどプレイしていなかった人だろう。

  • 第三世代(ファイアレッド・リーフグリーン)
ホウエン地方のポケモンが登場しないゲームなので、ヒンバスもミロカロスもソフト単体で入手する方法が無い。

このゲームにはコンテストがないため、コンディションを見る方法すらないが
うつくしさ170以上のヒンバスを連れてきて、こちらでレベルアップするときちんとミロカロスに進化する。ホウエン地方で上げていたコンディション値は維持されているようだ。

  • 第三世代(ポケモンコロシアム・ポケモンXD)
ホウエン地方から遠く離れた土地となるオーレ地方だが、やはりこの作品でもヒンバスとミロカロスを入手する事は出来ない。
本作にはダークポケモンという入手困難なポケモンを間接的にあてがうのにおあつらえ向きな要素があったのだが、残念ながら両者ともダークポケモンにはならなかった。

ポケモンコロシアムのシナリオモードでヒンバスを使うのは、アンダーにいるチェイサーのザコル(1戦目)のみ。
2戦目以降は使ってこないので、この時に戦っていないとGBA版との通信で連れて来ない限り、ヒンバスを攻略メモに登録できなくなってしまうので地味に注意。
ミロカロスはシャドー幹部のヴィーナスがダーク・スイクンの後釜として繰り出してくる。

ポケモンXDのシナリオモードではヒンバスやミロカロスを使うモブトレーナーが若干増えた。
シャドー幹部のラブリナもオーレコロシアムに限り、ミロカロスを使用。

  • 第四世代(ダイヤモンド・パール・プラチナ)
DPtではシンオウリーグチャンピオンである我らがシロナ様のポケモンとなり、
ちまちま攻撃しても「じこさいせい」で回復され、生半可な特殊技で倒しそこねると「ミラーコート」で逆に狩られた揚句に次のターン

「チャンピオンの シロナは かいふくのくすりを つかった!」

となって涙目になったトレーナーも少なくはなかっただろう。

バトルタワーではタワータイクーンのクロツグが3周目で使い、
「さいみんじゅつ」(ダイパでは命中70かつ眠りの最低ターンが2ターンだったためかなり危険)からなぶられたりと、こちらもまたウザったい強さを持っていた。
持ち物が「かいがらのすず」のため、防戦だと意外と回復される。
またタワークオリティでれいとうビームのこおりが発動したりするので、なるべく早めに落としたい。

第四世代でも相変わらず入手は難しいまま。
ミロカロスが野生で出ないままなのは当然として、ヒンバスはテンガンざんの地下にある広大な池で4ヵ所しかないポイントを捜し出して釣るという第三世代と似た仕様。
しかも本作ではポイントが数日置きではなく日替わり。なので1日経つ前に見つけないと探し直すハメになる。
本作でも第三世代のように、上(または下)から1マスずつしらみつぶしに釣って確認を繰り返し、ポイントを見つけよう。

図鑑にさえ載ればWi-fi通信でGTSから入手可能になり、少しは入手しやすくなった。前作品も含めて1匹入手さえしてしまえば、あとはタマゴでいくらでも増やせるのが有情である。
しかし現在はDSのWi-fiサービスが全面終了しているため、遠くの人経由での入手はできず。結局第三世代と入手難度が変わってねぇ……

ヒンバス自身のうつくしさのコンディションを上げるのも、中々に面倒。
本作で作るのはポフィンだがNPCが作るのを手伝ってくれたポロックと違い、基本的に1人でしか作れない(2人以上で作りたい場合はリアルプレイヤーが必要)という問題がある。
ヒンバスをミロカロスにするためのポフィンであれば1人でも十分作れるので、まだマシではあるが……

マイナーチェンジ版である「プラチナ」ではトバリデパートに地下フロアが増設。
いわゆるデパ地下という事でデパ地下スイーツとして中々良質なポフィンを金で買えるようになった。ただしお値段は1個6400円とお高め。
1人で作るよりかは金の力で快適かつお手軽に進化させやすくなったと言える。自力で作りたい人向けなのか「ウイのみ」他4種のきのみも同地下フロアでいくらでも買えるように。

こうしたレアリティの高さは制作側・ファンサイド共に周知だったのもあってか、この時期には2回ミロカロスが公式に配布されている。
1度目は当時の攻略本等にも記載されていた「さいきょうクラスポケモン」としての配布。計5回行われたが3番手のミロカロス以降はファン投票の結果によるものであり、性格「ずぶとい」に「かえんだま」持ちの実践向けチョイス。
2度目は2008年~2009年に開催されたポケモンワールドチャンピオンシップス県予選において行われ、こちらはゲーム・カード部門両方の参加者に配布された。参加自体が事前抽選の為ハードルが高い分、色違い+プレシャスボールの貴重品。持っている人は大切にしよう。


  • 第四世代(ハートゴールド・ソウルシルバー)
HGSSにおいてはカスミが強化後につかう。
その嫌味な硬さを生かした「ねむる」→「ねごと」「かいふくのくすり」はそれまで連れていたシナリオ要員では突破は厳しく、手を焼いた人も多いだろう。
また相変わらずクロツグも使う。が、技構成からみずタイプで攻撃技は半減できるように。

ちなみに、本作にはポロックやポフィンがないが、コガネシティ地下通路の美容師やグリーンの姉であるナナミの毛繕いを利用するとなつき度と同時にうつくしさとけづやのコンディションが上がるため、これを何度か繰り返す事でも進化条件を満たすことができる。
ただし否応なくうつくしさとけづやが上がってしまうので、もし他のコンディションも万遍なく上げたいなら利用すべきではない。あくまで本作内だけでヒンバスを進化させたい人向けの方法。

そんなヒンバスだが本作内ではポケウォーカーの「しずかどうくつ」というコースでのみ出現し、そこで捕獲できる。
ただしこのコースは100000もの膨大なワットを貯めないと行く事が許されないので、ポケウォーカーガチ勢でもないとお目にかかれない事だろう。

  • 第五世代
BWにおいてのヒンバスは1番道路で凄い釣り竿を使う事で捕まえる事が出来る。
今回も特定のスポットでしかつり上げる事は出来ない……とか言う事は一切無く、物凄くポンポン釣れる。
それどころか時々出てくる泡で釣りをすればミロカロスが釣れる事すらある。
以前までの捕まえにくさをさすがに猛省してくれたのだろう。ほんとに第三世代の頃ひどかったもんね……

  • 第六世代
ルビサファリメイク版のORASではかつての鬼畜仕様は廃止され、低確率ながらもポイントに関係なくヒンバスを釣れるようになった。
また、昼の時間帯に橋の下で釣りをすると釣れる確率が高くなる。誰でも簡単に釣れるようになってよかったね。
本世代はけづやの概念がないので、いくらでもポロックを食べさせられる。進化させるのも簡単。

  • 第七世代
SMUSUMでもORAS同様に安定して釣ることができる。
もっとも、この世代になるとミラクル交換やGTSの事情の改善によってわざわざ釣らなくても通信交換で簡単に手に入り、良個体が貰える事もあるが。

  • 第八世代(ソード・シールド)
剣盾ではとうとうミロカロスがワイルドエリア内にて固定シンボルでエンカウントするようになった。
この個体をもとにタマゴを作れば簡単にヒンバスを入手できるように。

なお、ヒンバス自身も特定の場所でのみ釣れなくもないが出現率が低いため、中々釣れない。
マックスレイドバトルでも出現するが、ワイルドエリアだとレア枠。カンムリ雪原だと低難度の通常枠でもヒンバスが現れる可能性あり。

  • 第八世代(ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール)
「ダイヤモンド・パール」のリマスターリメイクにあたるが……当時のままを重視した結果、ヒンバス周りの仕様もそのまんま。
テンガン山の広大な池でしか釣れない・ヒンバスポイントは4ヵ所だけ・ポイントは日替わり変化……もうちょい手心加えても良かったんじゃないのか?

「ダイヤモンド・パール」準拠なので、「プラチナ」にあったトバリデパートの地下エリアは存在しない。
そのためデバ地下ポフィンに頼る事はできず、主人公自らが直にポフィンを作ってコンディションを上げなければならない。
本作のポフィン作りは完全に一人用(誰でもぼっち仕様)となっており、きのみを4個投入可能。やりよう次第で当時よりも良質なポフィンは作りやすくなってはいる。
一方でこの仕様変更にはまともにコンディションを上げられない失敗作の「まずいポフィン」が確定で生成される「同じきのみを2個以上使用する」という条件*3が原作から据え置きなこともあって、発売当時は「剣盾」のカレーのノリで同じようにきのみを投入した結果まずいポフィンしか作れない、なんて嘆きが頻発したとかなんとか。知っていれば避けられるとはいえ、第四世代当時複数人でポフィン作った人どれだけいるのよ……

  • 第九世代(スカーレット・バイオレット)
SVでは当初不在だったが、DLC「ゼロの秘宝」前編で復帰。
釣りの概念がなくなったことでヒンバスも通常出現するようになったが、生息地域がものすごく狭く設定されており、かなり見落としやすい場所の洞穴に出現する。
また、ストーリー中にミロカロスが襲ってくるシーンも。
捕獲不可なのでゲーム中では確認できないが、どうやらこのミロカロスはゴーストテラスタイプの個体であったりする。
なお、テラレイドバトルでもミロカロスは出現するため、オシャボ厳選は容易な方。ただし隠れ特性のメロメロボディの可能性もあるため大戦で使いたいならその確認は必須。

◆主な使用トレーナー



◆対戦におけるミロカロス


ギャラドスの攻撃と特攻、特防をシャッフルした種族値となっている。
ヒンバスとコイキングもシャッフルの関係であり、おそらく何かしらモチーフとするところが共通しているのだろう。

「じこさいせい」や「ねっとう」など物理受け向きの技を多く覚える。
しかし、素の耐久に関しては物理耐久に特化させてもガブリアスの「げきりん」が低~中乱数二発とあまり過信できるものではない。
熱湯の火傷に頼らないとジリ貧になることもしばしば。

いかく」を持つギャラドスや同タイプで全体的に高水準な耐久を持つスイクンと比べるとパッと見見劣りしやすい。
まぁこの二匹は回復ソースが眠ると持ち物にしか頼れないのと火力の高さや安定性はミロカロスのほうが上なので差別化は比較的容易である。
安定感の無さで敬遠されやすいものの「さいみんじゅつ」を覚えるのも大きい。

また特殊耐久が高くギャラドスと違い4倍弱点もないので特殊技で弱点を突かれてもH振りだけでタイプ一致ですら耐えてしまう。
さらに「ミラーコート」で返り討ちにもできる。
しかしこれは読まれ易い戦術なのであまり過信しないこと。

第三世代・第四世代ではまだ耐久戦術が容易に成り立つ時代だったこと、第四世代で火力がインフレしたものの弱点となるでんき・くさタイプに大した技がなかったことから
地味ながら強いポケモンとして常に存在感を発揮していた。一撃で倒すことはまず不可能なので、れいとうビームやミラーコートの存在をにおわせながらじっくりと戦う。
特性の「ふしぎなうろこ」を誘発しないと若干心もとないので、第三世代では「ねむる」、第四世代では「かえんだま」などで自分から状態異常になることもあった。
当時好まれたまひ状態もポイントで、何らかの手段でまひしてしまったミロカロスが本来耐えられないはずの相手の物理攻撃を耐えてしまうなんてことも。でんじはが利敵行為になりかねない。
ただし言ってしまえばそれだけであり、手慣れたプレイヤーにはシャワーズの方が好まれた。
「ミラコしてくるかもしれないっつってもミラコ持ってるミロカロスなんておらんやん」と割り切られたり、こちらの技構成がバレてしまうと途端に大した脅威ではなくなるのだ。
「じこさいせい」「ねむる」などの回復ありきのポケモンなので、この回復のタイミングに「ちょうはつ」を合わせられても結構キツい。


隠れ特性は美しい姿にぴったりな「メロメロボディ」。
他のメロボ持ちが紙耐久ばっかの中での高耐久+再生持ちであり、うまくいけばブルンゲルよろしくなメロメロ糞gを展開することも可能。
♂にしておけば2回攻撃してくるメガガルーラを牽制することもできる…かもしれない。
しかし、現在はメガガルーラの需要が落ちたこともありこの特性を採用する価値は低くなった。ヒンバス時代のてきおうりょくのままが良かったとか言わないの!


XYからは通常特性に「かちき」が追加された。
「まけんき」の特攻版で、「いかく」持ちが多いダブル・トリプルでは非常に強力。
シングルでも他の二つの特性よりは発動機会が多めなので基本的に特性はこれで確定である。
通常特性であるため、前作から輸入しても「とくせいカプセル」で変更可能なのでご安心を。
ちなみにヒンバス時代の特性は「どんかん」。進化後メロメロ関連となる隠れ特性の方とはあべこべの関係となっている。


SMからはやけどのダメージが最大HPの1/8から1/16に調整され、主力技の「ねっとう」は多少弱体化した。
その一方で、やけどダメージがネックとなっていたかえんだま型の使用率が一気に伸び、特性「ふしぎなうろこ」が再評価されることになった。
さらに「いかく」を受けると素早さが一段階上昇する道具「ビビりだま」が登場、ミロカロスの「かちき」と非常にマッチし、タイプ的にもランドロスガオガエンに非常に優位に立てる点から、ダブルで再評価されている。

SVでは多くのみずタイプが没収された「ねっとう」を覚える。
新規習得技では無効タイプがないフェアリータイプの吸収技「ドレインキッス」、藍の円盤から音技「みわくのボイス」
一方で「じこさいせい」のPPが5に減少されたので耐久型は弱体化した。

進化前のヒンバスはコイキングと違い多彩な技を覚える。
すいすいが発動していなくてもそこそこの素早さがあり、すいすい発動時はそれが上昇し、しかも「さいみんじゅつ」「ミラーコート」まで覚えるという点から第三~四世代当時は地味に戦えるポケモンとして有名だった。
口さがない人は「ラブカスより強い」なんて言ったりもした。実際ラブカスより戦える可能性のあるポケモンである。
ただしやることがほぼバレバレなので、対峙してもさっぱり怖くない。そういう意味では何をしてくるか分からないラブカスの方が怖かったり。


ポケスペにおけるミロカロス


ルビーの五匹目の手持ち。名前は「MIMI」。性別は♀。
ポケモンコンテストでは「うつくしさ」担当。

「ヒンバスの養殖」で一儲けを企む海パン野郎と出会ったルビーが一発で釣り上げたのが初登場。
あまりのみすぼらしさから「流石にコイツは狙いのポケモンではないだろう」と考えたルビーは特に聞くこともなくリリースするが、
その後も幾度となく釣り上げてはリリースを繰り返し、やがてそのポケモンが海パン野郎の言う「ヒンバス」であることに気付く。
そして、なんやかんやあってそのヒンバスを手持ちに加えたルビーは「MIMI」*4と名付け、意外性を狙って*5「美しさ」担当とし、順調にコンテストを勝ち進んでいく。

が、ハイパーランクのコンテストにて飛び入り参加してきたミクリに完敗したルビーは、それまでにたまった苛立ちをMIMIに八つ当たりしてしまい、
「(ミロカロスみたいな)コンテストに合ったポケモンを探せばよかった」という言葉が決定打となり、ショックを受けたMIMIはルビーの下を去ってしまう。
やがてミクリの叱責もあり、自分の言動の残酷さを悟ったルビーはMIMIへの仕打ちを激しく後悔するが、既にMIMIはいなくなってしまっていた…

しかしその後、ルネシティで起こった超古代ポケモン同士の決戦の最中、マツブサ&アオギリの前に孤立したルビーを助けるため、
いなくなったと思っていたMIMIが現れると、ルビーを守るべくその身一つで二人に挑み、返り討ちにあって瀕死の重傷を負ってしまう。
酷いことを言ってしまった自分をそれでも慕い続け、ボロボロになってもなお助けようとしてくれた健気さに心を打たれたルビーは、
その見てくれだけで「醜い」とMIMIを罵るマツブサたちに、MIMIの心の美しさを涙ながらに説く。
そして、力なく横たわるMIMIにルビーがついぞ言う機会がなかった前口上と共に、ハイパーランクのリボンを付けた*6その瞬間、
MIMIは光を放ちながらミロカロスへと進化。ルビーはその時初めて、自らが追い求めたミロカロスがMIMI(ヒンバス)の進化後の姿だと知ったのだった。
このシーンはまさに涙無しには見られない「ルビー・サファイア編」の名シーンの一つだろう。

ちなみに、ルビーがコンテストの際に読み上げるMIMIの前口上は、
「心が身体を解き放てこそ、凛々しくそびえる美しさ。身につけたるは不思議な鱗」。
なお、ヒンバスの時のものは、
「たとえその身が朽ち果てゆけども、変わらぬ心の美しさ。身につけたるは、たゆたうすいすい!」*7
となっている。


◆アニメにおけるミロカロス


AG編ではアダン、アザミ、コーディネーターのロバート。
DP編ではミクリ、映画『超克の時空へ』の冒頭でクロツグがと上級者が使うポケモンというイメージが強い。

また進化前のヒンバスはコイキングと偽って売られたり、
ビーボタン同盟(進化が全てじゃないぜが趣旨)の“最も美しい”と評される個体は強制進化装置で無理矢理進化させられそうに…
とコイキング売りの親父関連で酷い目に遭っていた。

新無印編ではシロナが使用。アイリス戦ではドリュウズ・カイリューを倒し、サトシ戦でもウオノラゴンを倒しており、準エース的な存在である。

◆余談


BWにて進化の条件が変わり、「きれいなウロコを持たせて通信交換」に変更された。
これはBWでコンディションを上げる手段がないからである。

しかし、第四世代からうつくしさが一定以上のヒンバスを連れてきてレベルを上げると、しっかりミロカロスに進化する。
つまり、コンディションの概念がない作品でも、マスクデータとしてしっかりと保持されているということである。
この仕様は第六世代以降も基本的に変わっていない。
ただし剣盾のみ例外的にこのマスクデータが反映されておらず、他作品からうつくしさを上げたヒンバスを送ってレベルを上げても進化しない。
もし剣盾で通信交換を利用せずにミロカロスに進化させたいならコンディションを上げることができるBDSPに一旦送り、そこで進化させてまた戻すといった工夫が必要。
次回作のSVではしっかりとうつくしさが内部で反映される仕様に戻ったのでご安心を。

ちなみに、ORASでもきれいなウロコを持たせて通信交換してもしっかりミロカロスに進化する。
ただし、コンディションを上げられるソフトではきれいなウロコが入手できず、きれいなウロコが手に入るソフトではコンディションを上げる方法がないため、ソフト単体で進化の準備を行う場合、選べる手段はひとつのみという仕様になっている。

この仕様によりミロカロスはエーフィ&ブラッキー*8以来となる、2つの進化方法を持つポケモンとなった。

LEGENDSアルセウスのヒスイ地方にはなんといない
ヒスイ地方は過去のシンオウ地方であり、同作にはプラチナ版のシロナを模したキャラクターがいるのだがこのため手持ちの中で唯一差し替えられている。
進化前であるヒンバスのモチーフが現実の日本における外来種であるブラックバスが由来と推察されており、それが正しいとするならポケモンの世界でもモチーフ同様の外来種ということになるのだが、
ヒスイ→シンオウの時代の間で出現した新生の種族という想像もできなくはない。










追記・編集あればヤエコに勝ってからお願いします。

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最終更新:2025年09月12日 12:48

*1 「たきのぼり」で登った先の川の上流から、ヒンバスを繰り出すつりびとがいる川の下流まで。要するに主人公が「なみのり」で移動できる119番道路の水上全域。

*2 「ボロのつりざお」は釣り上げるための工程が短めだが、野生ポケモンがヒットしにくい。「すごいつりざお」は野生ポケモンがヒットしやすいが、釣り上げるための工程が無駄に長い。「いいつりざお」は両者の中間程度。

*3 これは第三世代から存在する仕様だがNPCと一緒に作る際に彼らが出すきのみはプレイヤーのきのみとは被らないようになっているため、他プレイヤーと通信で一緒に作る時以外では起こり得なかった。

*4 まるで進化後のミロカロスを意識しているようなネーミングだが、メタ的な意味ではともかく、劇中では「ミー」という鳴き声から名付けたと推測され、後述の通りルビーは実際に進化するまでミロカロスになることを知らなかった。

*5 ルビーがセンリとの戦いの中で「美しくて当たり前のポケモンで勝っても、トレーナーの実力とは言えない」という考えに至ったため

*6 ミクリには敗北したが、彼は正式な参加者ではないため、リボンは元々彼の飛び入り前に優勝していたMIMIに授与される予定であり、付けるMIMIがいなくなってしまった後もルビーはそれを持ち続けていた。

*7 マツブサたちとの戦いでMIMIが瀕死の状態にあった時に言った前口上のため、コンテスト用に考案していたものとは違っていると推測される。

*8 この2匹は時間の概念がないポケモンXD限定で進化用のアイテムが存在する。